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川村委員 私はただいま議題となりました
漁港法案に対し、自由党を代表いたしまして賛成の意思を表するものであります。趣旨につきましては去る一日の本
委員会において、專門員より詳細に
説明があつた
通りでありまして、
内容全体は民主的であ
つて、しかも合理的に
計画を立てて、
漁港並びにこれに付帶した施設を完全に修復し、それらの管理と運用のよろしきを得て、その目的を達成せんとするからであります。以下賛意を表するおもなる点だけを簡單に申し上げたいと思います。
これまで
漁港の修築等に、いかに漁民または
地方民は強い要望がありましても、そのときの官僚の独善と職権、あるいは権力ある者の支配によ
つて築設されて来たきらいもないのではなか
つたのであります。従
つて必ずしもその
地方の
漁業あるいは
漁業経済に合致した
漁港、あるいは施設であつたとは
考えられない点がたくさんあ
つたのであります。この
法案ではこれらの点を一掃して、その目的を完全に達成するために、まず第一に総則におきまして一貫した
計画をも
つて立案されていること。第二にこれまでは
漁港と称するもので数種あつたほか、船入澗とか船だまりとかいろいろな名称はあ
つたのでありますが、これらを
整理して第一種から第四種までとし、
農林大臣は
漁港審議会の議を経て、かつ都道府知事の意見を徴して、それぞれ利用度によ
つて漁港の
種類を定めて指定することにな
つている。第三には官僚独善と権力支配等を排除するために、民主的な
漁港審議会を設けて、機構の整備
計画、または付帶施設
計画、その他
漁港に関する必要な事項について、
関係行政庁に意見を提出することに
なつたこと。第四には、
農林大臣は
漁港審議会の意見を採択して
漁港の整備
計画を定め、これを内閣に提出し、内閣が決定した場合はこれを国会に提出して承認を受けて、
漁港の整備
計画に必要な
経費を
予算化せなければならない義務を負われたこと。しかも
漁港の重要度に即して国の負担を多くしたこと、第五に、これまでの
漁港の維持及び管理または運用等の主体は、おおむね当該
地方公共団体、すなわち都道府県並びに市町村てあ
つたのでありますが、新たに
漁業協同組合を指定することに
なつたこと、その他重要事項等の決定には、公聽会を開いて決定することにしたこと等でありまして、まことに民主的なりつぱな
法律であるのであります。従
つて以上の理由において、自由党を代表して賛意を表したのであります。
共産党の中西議員から、
審議会は單なる諮問機関であると言われましたが、法文の
内容をよくごらんになればわかりますが、單なる諮問機関でなく、ただいま申し上げた
通り、
審議会の意見を
農林大臣は採択しなければならぬという義務に相
つたのであります。従
つて採択し得ない場合は、その意見を付して内閣に提出される。内閣もこれを承認できない場合においては、国会にその意見を付して提出する。国会でこれを承認するかいなかということがきまるのであ
つて、決して單なる諮問機関ではありません。言いかえるならば、強い実行力を持
つておるということに
考えてもいいと思うのであります。従
つて大臣はこれを独善的に、どこそこへどういう
漁港をつく
つてやるとか、あるいは施設をつく
つてやるということは絶対できないのでありまして、中西
委員の御心配にな
つておるところは、この
法律ですつかり織り込まれておりますから、御安心願いたいと思います。それから国
会議員の
審議会に参加の問題でありますが、他の
法律を見ました場合におきましては、国
会議員が
委員になることができないとか、道府県
会議員が
委員になることができないというような
規定がありますけれ
ども、本案にはそれは絶対にありません。国
会議員は国会の承認を得れば、当然その
審議会の
委員になることができるようにな
つております。完全にはうた
つておりませんが、国会法のしからしめるところであります。それから第三の軍事基地の問題でありますが、私は中西
委員と別な
考えを持
つております。
日本は御承知の
通り、憲法第二章によ
つてもう戰争を放棄しております。戰争を放棄して国は軍事基地の必要はありません。従
つてか
つての軍事基地であつたところは、むしろ
漁業基地に切りかえて、そうして
漁業生産に邁進せしめて、
日本の食糧問題を
解決することこそ望ましいのであ
つて、従
つてこの
法案には何ら軍事基地を心配するようなことはないようにな
つております。もし軍事基地として御心配になられる点がありましたならば、これは先ほど申し上げましたように、
審議会に大体の決定権があるとい
つてもいいのでありますから、
審議会は民主的にな
つておるだけに、軍事基地に再びなされるようなことは御心配ないと私は
考えております。それから管理会の問題でありますが、先ほど私が申し上げましたように、今度は
漁業協会組合が指定を受けることに相なりましたので、もちろん漁民の意思は十分反映することになりまするし、また管理会には必ず漁民の多数が出るような
内容にな
つておりますから、中西
委員の心配されることは全部この
法律においては解消されております。私が申し上げるように、真に民主化された、しかも
地方の実情に即して法の裏づけがあり、法の裏づけをした以上は
予算の裏づけを完全にしなければならぬようにな
つておりますので、どうか今からでも遅くありませんから、御研究をなさ
つて、本
会議には満場一致御賛成くださるように特にお願いする次第であります。