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中西委員 漁民が
漁港を待望しておることは非常に切実でありまして、本
漁港法案の大要の
趣旨は非常にけつこうだと存じます。ただ最近、私の見聞したところによりますと、これは神奈川県でありますが、
金沢八景のあの
附近に、
漁港の予定がいたされておるそうであります。
漁港たちはどうしてこういう所に
漁港をこしらえるのだと、非常に
沿岸漁民が疑問にしている。そこでその
地域はどういうふうな
地域かと申しますとこれは戰時中に
潜航艇あるいは
水雷艇なんかが
演習していた、大体その根拠地なのでありまして、そういう所に
漁港ができるということは、これは
国民に非常な疑惑を抱かせるものだと思うのですが、もし
漁港法案というものがこういうことに
利用されることになれば、これは重大でありまして、そういう立法に対してはわれわれは反対であります。私は
学生時代によく
金沢八景へ遠足したことがあ
つて、あの辺の海岸で一夜を明かしたことがあつた。そのときに盛んに
水雷艇が
演習をしていた。水兵やなんかと話してみると、
演習だということを言
つておりました。そこの所に
漁港ができる、こう言
つておりますこれは今申す
通り、保安上そういうものに
利用されるということは重大事だと思いますが、この点
当局の御
意見を聞きたいと思います。
それからこの
施設でありますが、ここには何種の
漁業には何ということが書いてありませんで、
漁業用通信施設、
陸上無線電信、その他の
施設、
無線電話、
気象信号所、それから
漁船船員の
厚生施設、
宿泊所、浴場、
診療所、これはむろんけつこうでありますが、これはその
漁港の
種類によ
つて、あるいはその
土地の状況によ
つて施設されるのだろうと思うのでありますが、ただ無條件でこういう
施設をするということになりますと、やはりこの前に申しましたように、そこが何かしら
漁業ばかりではないような感じがするのです。この点われわれはいつもひがんで見ておるかもしれませんが、しかしそういうことになりますと、軍事基地化の下準備のような感じがするのです。これについては詳細にもつと聞かしていただきたい。
それから
審議会でありますが、これには「
委員は」とい
つて、その條件があげてありますが、非常にけつこうなことと思うのであります。これに民主的な
漁業協同組合なんかの代表というような
委員が入
つておりませぬが、そんなものは入らなくてもいいというようなお説があるかもわかりませんが、やはり民主的な
審議会にするということになれば、具体的に
審議会の
委員の資格を十分にここで明確にしていただきたいと思うのです。
それから今
委員長の御
報告の
北海道でありますが、これは
土地柄で、国以外のものだとありますが、この意味が非常に広いと思うのです。国以外の自治団体もしくは公共団体、そういうことだろうと思いますが、ここのところにやはりわれわれがすこぶるどうもあいまい朦朧として、国以外にということになると、外国資本が入
つて来て
漁港修築をや
つてもいいということになるだろうと思うのです。この点どういう立法精神でありますか。
それから「
北海道にあ
つては」というように、特に條項を設けて、「百分の六十、その他の
地域にあ
つては百分の五十」これは第三種、それから第四種にありましては「百分の八十、その他の
地域にあ
つては」とありますが、こういう区別は各
土地の状況に
従つて物資、資材その他の点で相当な差があると思いますが、こういう率を
北海道に限
つて多くなる理由はどこにあるのか、やはり全国的にこれは
規定すべきではないかと
考えております。大体そういう諸点について御答弁願いたいと思います。