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1950-01-27 第7回国会 衆議院 水産委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年一月二十七日(金曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 石原 圓吉君    理事 川村善八郎君 理事 鈴木 善幸君    理事 夏堀源三郎君 理事 松田 鐵藏君    理事 林  好次君       小高 熹郎君    川端 佳夫君       高木 松吉君    田口長治郎君       玉置 信一君    冨永格五郎君       永田  節君    二階堂 進君       井之口政雄君    岡田 勢一君  出席政府委員         水産庁長官   飯山 太平君  委員外出席者         水産庁次長   山本  豐君         農林事務官  松任谷健太郎君         農 林 技 官 林  眞治君         專  門  員 小安 正三君         專  門  員 齋藤 一郎君 一月二十七日  委員砂間一良辞任につき、その補欠として井  之口政雄君が議長の指名で委員に選任された。 一月二十七日  理事小松勇次君の補欠として奧村又十郎君が理  事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した事件  理事互選  水産協同組合法の一部改正に関する件  らつこ、おつとせい獸猟獲取締に関する件  日本漁船不法拿捕防止に関する件     —————————————
  2. 川村善八郎

    川村委員長代理 これより会議を開きます。  委員長の御都合によりまして私が委員長の職務を代行いたします。よろしくお願いいたします。  議事に入ります前に皆様にお諮りいたします。昨二十六日理事小松勇次君より理事辞任の申出がありました。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 川村善八郎

    川村委員長代理 御異議なしと認め、小松君の理事辞任を許可いたします。これに伴つて理事補欠選任を行いたいと思いますが、これは互選の手続を省き、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 川村善八郎

    川村委員長代理 異議なしと認め、それでは奧村又十郎君を理事に指名いたします。
  5. 川村善八郎

    川村委員長代理 次に昨日委員会散会後打合せました日本漁船不法拿捕防止に関しまして、正式に委員会において方針を決定いたしたいと思います。
  6. 冨永格五郎

    冨永委員 この場合私は緊急動議を提出いたします。日本漁船不法拿捕事件は、まことに看過し得ざる重大問題でありますので、この際水産常任委員会といたしましては、早急に日本漁船不法拿捕防止に関する決議案を本会議に提出されんことを望みます。
  7. 川村善八郎

    川村委員長代理 ただいまの冨永君の動議に対し御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 井之口政雄

    井之口委員 この拿捕事件に対しまして、政府当局でもつと正確な御発表が願いたいのですけれども、これがはたして向うの領海を侵しておるのか、あるいはまたこちらの主張する通り、決してそういうふうな不法なことはないのか、その点政府でもつて責任ある報告を一応聽取してみたいと思います。
  9. 川村善八郎

    川村委員長代理 ちよつと井之口君に申し上げます。実は昨日この問題について相当に論議がかわされたのであります。時間の関係もありますので、水産庁当局から簡單説明させますから、どうぞよろしくお願いいたします。
  10. 山本豐

    山本説明員 事柄が非常に重大でありますが、水産庁が直接いろいろと交渉をいたすわけにも参らない事情もありまして、特に当時水産庁監視船がこの現場からかなり離れておりまして、済んだあとでのいろいろ正確な判断をくだしたいと考えまして、ただいま監視船も動いておるわけであります。なお外務省を通じまして、進駐軍御当局の方にもお願いをしておるわけでございまして、そう遠くない範囲においてはつきりわかると思うのでありますが、現在この船別に、どの船が内であつたか、どの船が外であつたかというふうに明確にはまだお答えする時期に達していないのであります。
  11. 川村善八郎

    川村委員長代理 よろしゆうございすか。先ほど冨永君から動議がありましたことについてお諮りしたところが、異議なしとの声がありましたので、異議なしと認めまして、委員会において漁船不法拿捕に関し決議案を本会議に上程することに決しました。なお決議案の案文については委員長に御一任を願います。
  12. 川村善八郎

    川村委員長代理 それではこれより水産協同組合法の一部改正に関する件を議題といたします。政府よりの説明を聽取いたします。     —————————————
  13. 冨永格五郎

    冨永委員 今委員長から協同組合法に関する件の御提案がありましたが、お許しをいただきまして、その前に二、三分多年懸案になつております貨物等級運賃問題について、ごく簡單報告をいたしたいと思いますが、お許しを願いたいと思います。
  14. 川村善八郎

    川村委員長代理 皆さんにお諮りをいたします。ただいま水産協同組合法の一部改正に関する件を議題にいたしまして政府当局よりの説明を聽取するという宣言をしたのでありますが、富永議員から、運賃に関するこれまでの交渉経過、その他意見の開陳をするからお許しを願いたいという言葉がありましたので、これを許したいと思いますが、異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 川村善八郎

    川村委員長代理 異議なしと認めまして許します。富永君。
  16. 冨永格五郎

    冨永委員 お許しをいただきましてありがとうございました。簡單に御報告を申し上げます。  この前の委員会におきまして、貨物等級運賃に関しまして一応御報告を申し上げておきましたが、そのときにも申し上げておきました通りちようどその日は運輸省におきまして審議会がございまして飯山水産庁長官も御出席をいただきまして、いろいろ主張をしていただき、またその後も水産庁山本次長奥田総制課長その他係の方方が出られまして、いろいろ交渉もしていただきましたし、また私どもも出まして折衝いたしておりました。民自党の水産部長をしている川村委員にもいろいろ折衝してもらつておりましたが、ただいまのところ大体これから申し上げるようなふうになりつつあるのであります。もちろん私どもはこれで満足することができませんので、極力われわれの意思のあるところに向つて努力をするつもりでおりますが、とにもかくにも今のところこうなつているという点を御報告申し上げておきたいと思います。  鮮、冷魚等級の場合ですが、統制下級品、たら、ほつけ、えい、ぐちを含めまして六級から七級に引下げる。それから統制上級品は一応ごく少数のものでございますが、六級の現行通りとする。その他は六級から五級に引上げる。くじらは四級から五級に引下げる。それからここで一番問題になりますものはこういたします代償とでもいいますか、この臨時運賃の場合に割引を一割五分引きときめさせたのでありますが、ただいま申し上げましたような運賃改正に従いまして鮮魚、冷凍魚に対する割引は廃止するという原案になつております。但しこの場合申し上げておきますが、これはあくまで存置させることに努力する考えであります。なおどうしても存置できないような場合には、この統制下級品の六級から七級というのを六級から八級に引下げるように努力したいと考えております。なお塩魚は八級から七級に引上げる。乾魚は十級から七級に引上げる。焼竹輪、はんぺんは三級から五級に引下げる。氷は五級から冷蔵車積みの場合七級、その他の場合六級に引下げる。貝柱、ほしあわび、ほしえび肉、ほしかに肉を三級から二級に引上げる。するめは四級から三級に引上げる。以上の通りでありますが、これは審議会といたしましては、極祕にいたしております内容でございまして、私どもも漏れ承るという程度のものでございますので、こうした現在の審議過程にあるということを御報告申し上げて、今統制品の六級から八級に引下げるという問題と、もし七級にとどまるならば割引はどこまでも存置させる。この二点に対して努力して行きたいと考えておりますので、以上御報告申し上げますが、委員各位におかれましても、その考え方の実現いたしますよう、御協力を願いたいと存じます。
  17. 川村善八郎

    川村委員長代理 ただいまの富永君の御報告に対して、質疑を許します。——質疑がないようでありますから、報告を了承することに異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 川村善八郎

    川村委員長代理 異議なしと認めます。     —————————————
  19. 川村善八郎

    川村委員長代理 それではこれより水産業協同組合法の一部改正に関する政府説明を願います。
  20. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 水産業協同組合法の一部改正法律案に関しまして、御説明を申し上げます。水産業協同組合法は、前々国会で御審議を煩わしまして、議決されまして、御承知通り昨年二月十五日から実施いたされたのでありますが、これによりまして、従来の指導統制団体でございます水産業会漁業会が解散されまして、協同組合漁村におきまする生産関係なり経済関係の民主的な組織母体といたしまして、順調に発展して参つておるのでございます、現在におきましては、組合認可数が三千五百余を算えておりますし、連合会につきましても、事業関係連合会、あるいは信用関係連合会、あるいは加工関係連合会を加えまして、五十七の多きを数えておるのでございますが、漁民であります組合員の社会的、経済的地位の向上にそれぞれ貢献しつつあると思うのでございます。発足当時からすでに一箇年を経過しておりますので、その経過あとをたどりまして、漁民生産あるいは経済といつたような問題をせわするのに、この漁業協同組合が制度的に不十分な点も見出されて参つておるのでございますし、またかたがた各地漁村からも熱心な改正の御要望があるのでございまして、これらを総合いたしましていろいろと改正をはかつて参りたい。さように存じておる次第でございます。大体漁村からの大きな御要望といたしまして考えられますのは、一定規模法人加入を認めるという点と、員外利用関係緩和し得るという点と、連合会規模につきまして制限がございますのを緩和するといつたような、大きな事項についての御要望がございますが、われわれの方としては、関係方面といろいろ折衝をいたしまして、大体了解がつきました点について、改正案としてお示し申し上げた次第でございます。まだ関係方面最後了解ということには至つておりませんが、この趣旨について大体了解を得ておるという程度でございます。しかしながら国会提案が時期を急がれておりますので、内部的な関係については本日の閣議で大体これを決定していただき、早く関係方面最後的了解を得まして、正式に御提案申し上げたい、かように存ずるのであります。内容について簡單に御説明申し上げたいと思いますがお手元にお配り申し上げております要綱に従いまして御説明申し上げたいと思います。  第一点は一定規模法人加入の問題でございます。これは政府においていろいろ経済事情関係からいたしまして、特に税関係といつたような関係から法人組織をとるものが非常に多いのでございまして、実体は個人漁業者にひとしいような小さな規模会社その他の法人があるのでございます。こういつたような小規模会社等については、協同組合組織に入れましてその利益にあずからしめるというのが運用関係から申しまして必要がございます、そういうように前々から言われておつたのでございます。しかしながら水産業協同組合は、原則として個人個人との結合組織であるといつたような建前をとつておりました関係上、当初の出発点においては、法人加入ということは生産組合以外には認めておらなかつたのでございます。そこで個人にひとしいような規模を持つ法人については、決定の規模をどの程度にするかという限界について、その範囲限界以下のものは准組合として取扱うというふうな改正になつておるのであります。一定規模限界として従業員三百人、使用漁船トン数三百トン以下というふうに考えておるのでございます。それからまた加工方面については従業員四十人以下というふうに規定した次第でございます。この准組合員にするについては、もしこれを正組合員にするということになりますと、法人だけ集まつて協同組合をつくり得るというような法律構成上の問題もございまして、一応生産組合員と同じように准組合員という資格を與えておるのでございます。  第二番目の改正の点は独占禁止法適用に関する第七條改正の点でございます。この点は今御説明申し上げました法人加入の問題と関連いたしまして、個人については規模制限その他はございませんけれども法人については今の規模制限を認めて加入を評すということになりましたので、独禁法適用に関しまする第七條のうちの各種の業種につきまして経営規模引上げまして、組合に対する独禁法適用緩和をはかつたのでございます。  第三番目といたしましては役員に関する事柄でございます。それは要綱にもございますように、二点ございまして、そのうち第一点は新しく一箇條を設けまして、組合事業競業関係にある事業関係者組合役員または主要役員になることを禁止したのでございます。この点は農業協同組合とまつたく同じ制約なのでございまして、必要な措置と思われますので規定したのでございます。それから役員に関する二番目の問題は、役員の任期は、現行法上最大限二年となつておるのでございますが、協同組合が民主的に発達するというような意味合いから申しまして、安定した事業経営役員によつてなれますように、その期間を三年というふうに延長するようにしたらどうかということでございます。  それから第五番目は総代会に関する問題でございます。現在総代会設置條件といたしまして、組合員二百人以上ということを規定しておるのでございますとか、これは現在の協同組合実態から申しまして、なかなか総代関係が、そんなに多い場合のみでまかない切れぬという場合もございまするので、百人以上の場合に緩和したということでございます。かつ総代の定数につきましても五十人以上とありますのを、組合員の四分の一以上ということにいたしたのでございます。従つて組合員二百人以上の場合は、これは総代の数が五十人以上であればよいということになるのでございます。  それから第六番目といたしまして、河川組合についての代理議決の特例を設けたのでございます。河川組合につきましては地域が非常に広汎でございまして、組織する組合員の数も非常に多うございますので、総会の成立が非常に困難な状態にあるわけでございます。そこで河川組合で、組合員が数千人以上もあるような場合も考えられますが、代理議決をする場合につきまして、特に二人まで代理ができるようにいたしたのでございます。現行法では代理人は一人しか代理することができないというような規定になつておりますのを、二人にこれを引上げたいうことでございます。  それから第七番目は員外利用制限緩和の点でございます。現行員外利用制限につきまつては、組合員利用分量と、員外者利用分量とがひとしいような制限があるのでございますが、漁業実態から申しましていろいろと不便がございまするので、水産業協同組合の健全な発達を期しますためには、何らか員外利用緩和をはからなければならないというのでございまするので、一応他の組合構成員、それがそこの地元の組合構成員でなくても、他の組合構成員なり、あるいは農業協同組合構成員が利用する場合につきましては、これは員外利用とはしないで計算するということによりまして、員外利用が他のものによつて十分なされましても事業経営上さしつかえないように考えるのでございます。  それから第八番目は專用契約の期間現行法では一箇年ということになつておるのでございますが、御承知のように組合組合員との関係につきまして、一箇年以内くらいの專用契約でございますと、組合予算でございますとか、あるいは事務計画を立てる場合につきまして、なかなかその見通しがつかないようなこともございますので、これを二年という期間に延長いたしまして、組合事業なり、予算安定化をはかつたらどうかということを考えておるのでございます。  以上が改正の主要な点でございまして、その他の法令の改正につきましては、以上申し述べました八点の改正につきまして條文の整理を行つた次第でございます。改正内容につきましては以上の通りでございます。
  21. 田口長治郎

    田口委員 私この年末から年始にわたりまして、長崎県の漁村でございますが、おそらくこのことは長崎県ばかりでなしに、ほかの府県も同様と考えますが、水産基本法でありまするところの漁業法改正協同組合法設置に非常に遅れました関係からいたしまして、各漁村では従来の漁業会地域というものが非常に細分されておりまして、その原因につきましては、いろいろな関係もありましようが、至るところ非常に小さくわかれてしまつておる。こういうような実情にあるのであります。このことに関しましては、将来漁業権付與される場合におきましても非常に支障があると思います。また組合本来の流通経済を遂行いたします上から行きましても、あの小組合では事業單位にならない地域が非常に多いのでございます。かてて加えて農村の感情問題が、細分のために融合精神を欠くようになつておる。こういうような状態でございまして私らの考えるところによりますと、今の小区域の協同組合におきましては、おそらく将来協同組合が円満に発達をするということは想像できないわけでございます。この状態をどうするかという問題になるのでございますが、結局一応細分されましたけれども、何らかの機会においてまた統合させる。こういうような積極的の方法をとるよりほかに道がない、こういうように私考えるのでございます。幸いこの漁業法改正によりまして、各協同組合共同漁業権その他を與えるこの時期を利用しまして、われわれはもう一度ほんとうに経済行為が十分にできる單位協同組合、こういうことを考えて、今の細分された協同組合を合同させる。こういうことをぜひ実行しなければならないと思うのであります。これがもしできなければ、漁業権付與の問題はもちろんでございますけれども経済行為を遂行する組合といたしましてはまことに微力でございまして、ああいう状態におきましてはとうていできないのでございます。ひいては協同組合の将来の発展ということを予想することができないような実情にありますから、私はこの際漁業権付與されます場合において、非常に強い指導力をもつて協同組合の統合問題を全国的にぜひひとつ考慮していただきたい。こういうことを特にお願いしておきます。  さらに第二の問題といたしましては、競業関係にある者が役員及び主要職員に就任することを禁止する、この問題でございますが、この内容につきまして、いま少しく詳細なる説明を伺いたいのであります。  それから員外利用の問題でございますが、これはほかの事業から考えますと、できるだけ組合員外利用制限するということがもつともな主張でありますが、われわれ水産関係者、あるいは協同組合を何とか発達をさしたい、こういうような立場にある者は、できるだけこの員外利用緩和する、こういうような方策をとらなければならないと思います。おそらく産業組合発達する場合におきましては、ほかの商業資本ができるだけ産業組合事業分量制限する、発達を阻止する、こういう観念からいたしまして、組合員外利用の問題が著しく制限されておると思います。組合がいろいろな税金関係その他において大いに国家的の恩惠にあずかつておる、こういうような事情はよく承知しておるのでございますけれども水産人自体といたしましては、できるだけ組合事業を拡張する、こういうような観念でほかに向つて進まなければならないと思うのでございますが、以上三点につきまして、水産庁としての所見を伺いたいのでございます。
  22. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 ただいまの御質問の順に従いまして御回答申し上げます。  第一点の、現在の協同組合が非常に小地区にわかれ過ぎて、漁業権関係、あるいは経済單位からの関係、あるいは組合相互間の関係というものが非常にうまく行つてないというような問題につきましては、実際の問題といたしまして、そういつた点が事実あることをわれわれも認めざるを得ないのでございまするが、御承知のように協同組合法というものは、漁民の自覚した意識に基きまして自主的につくつて、おたがいに利益を享受し合うというような民主的な組織体になつておりますので、官庁指導統制というものも極力制限しなければいかぬというような建前になつておるのでございます。従いまして事実そういつた弊害がありますような場合におきましては、われわれの方といたしましては、とにかく漁民一人々々の意識を高める、あるいは啓蒙するという点に重点を置きまして、その組合がどうしてもまとまらなければうまくいかぬというような意識を高めてやるということが、必要ではなかろうかというふうに考えておる次第でございまして、官庁の力によりまして、それを強制的に統合するといつたようなことまでは、現在のところ差控えておる次第でございます。  それから第二点の役員の競合の規定でございますが、これは先ほど御説明申し上げましたように、農業協同組合法規定とまつたく同一でございまして、その内容といたしましては、たとえば、組合の行う事業と競合するというのは、組合の行う事業というものはどういうものかというようなことにつきましては、組合の行う事業は現に組合行つている事業、または総会役員会等におきまして、具体的に組合として行うことを決定した事業を言うものでございまして、組合の行い得る事業として、定款等に包括的に規定しておりまする事業のすべてを含むというものではないという解釈になつておるのでございます。それからまた実質的に競争関係にある事業と申しますのは、その事業が事実上組合経済的な不利益を與えましたり、あるいは與えるおそれのある同種の事業を言うのでございまして、組合に與え、または與えるおそれのある不利益程度がきわめて軽微であるというような場合におきまして、組合事業上ほとんど問題にするに足りないというようなものにつきましては、実質的に競争関係があるということの解釈にはならぬということになつておるのでございます。それから連合会の行う事業、それからその会員であります組合の行う事業との関係につきましては、競争関係は存在しないと、これは当然でございますが解釈するわけでございます。それから事業を営む者というものは、個人であると団体であるとを問わないのは当然でございまして、団体にありましては、その役員がこれに該当するという解決になると思うのでございます。  第三点の員外利用規定緩和の問題につきましては御趣旨通りでございまして、われわれといたしましても、水産業協同組合というものが漁業生産なり、漁業を中心とした経済的な発達をはかるという目的に照し合せまして、なるべく構成員でありまする漁業者、あるいは広く全体の漁業者利益になるように、この員外利用規定解釈して参りたいということにつきましてはかわりはない次第でございます。
  23. 田口長治郎

    田口委員 第一の問題につきまして、ただいま御説明になりました各個人を漸次指導して、ある一定の点まで持つて行く、そうして個人の自覚によつてそういう点が修正されるようなふうに指導するんだ、こういうような御意見でございますが、今の民主的の思想から言いまして、一応ごもつともと考えるのでございます。しかしながら組合員一人々々をそこまで啓発するということは、おそらく相当長い期間を要するものと考えるのでございまして、今の漁業協同組合のあり方が、組合の真の目的でありますところのいろいろな協同事業、こういう事業を遂行する上におきまして、どうしても不可能な状態にある、また困難な状態にある、こういう場合におきまして、ただ個人々々の啓蒙運動によつて自覚するまで待つ、それではたしていいかどうか、私はいろいろな観点から考えまして、どうしても今の状態ではいかない、こういう結論がはつきりしておりますれば、少くともある啓蒙期間内は、やはり指揮者がある程度指導をして、間違わないような方向につれて行く、こういうようなことが必要でないかと考えるのでございます。幸いおそらく漁業権付與される場合におきましては、現状のままにおきましては、付與する方法に困る場合が非常にあると考えるのでございますから、この漁業権付與、この機会にこの方法を利用いたしまして、少くとも啓蒙期間中、間違つて組合がほとんど死んでしまう、こういうような状態にある協同組合に対しましては、積極的にそのことを利用されて、そうしてまつすぐな、あたりまえな組合目的を達することのできるような状態に、組合を指導してもらいたい、こういうことを重ねてお願いしたいのであります。  第二の競合関係にあるもの、このことに関しましては、いろいろ具体的なことを考えてみますと、非常にむずかしい問題と思うのでございまして、解釈のいかんによりましては、協同組合の運営ということに非常に疑問を持つて参ります。たとえば一例をあげてみますと、改正漁業法では、漁業に対する協同組合の自営ということを強く要望しておる次第でございますが、かりに一つの組合が、いわしを主たる漁獲物とするところの定置を経営するといたします。その地方はいわし漁業が非常に盛んでありますから、そこのいわゆる指導者になるべき人は、大概いわしの揚操網を経営しておる。こういう場合におきまして、この組合の主たる漁獲物がいわしであり、生産事業を営んでおる個人がまたいわしのほかの漁業を営んでおるとすると、その人は組合役員または主要役員として就任することができない。こういうことになりますれば、結局その地方のほんとうにりつぱな人が、組合役員主要役員になることができないということになるのでございまして、そこの組合の運営につきましては非常に疑問を生ずる次第でございますが、さような漁業漁業、いわゆる生産事業生産事業というようなことで、たくさんの漁獲物が大体において同じものだ。こういう場合におきましては、この競合関係が成立つかどうか。そういう点について非常に疑問を持つものでございますが、この点に関しましては、なお具体的の例を列記していただきまして、かかる場合はさしつかえない、かかる場合はさしつかえがあるというような、一つの基準をぜひ示していただきたいのでございます。  以上で私の質問を終ります。
  24. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 組合事業と実質的競合関係にある場合の問題でございまするが、具体的に例をあげて御説明申し上げますると、たとえば信用事業なんかにしましても、銀行の役員、重役などが組合に入つて組合の信用事業に影響を與えるという例が一番適例ではないかと思うのでございますが、そういつた場合には遠慮するということでございます。なお例にあげられました自営の場合でございまするが、組合自営の場合につきましては、概括的に申しまして、法律で組合自営をやるということなのでございまして、組合員事業関係とは競合しないという解釈をとつておるのでございます。原則的に組合の自営をやつたところで、組合員が同種事業をやつておるということのみの理由をもつていたしましては、この規定に該当するということはないと思つております。
  25. 井之口政雄

    井之口委員 ただいま漁業協同組合法の改正について、一般的な説明をお聞きして受ける感じを申し上げますると、どうもこういうふうな改正をされたならば、協同組合はその本質を失うようになりはしないだろうかということを懸念するわけであります。大体今漁業問題で、全般的に起つているいろいろないざこざの問題を通覧してみまするに、外洋へ出て行くべき性質のものが、中の方へ次第々々に入つて来る。そうして次第々々に一番弱い零細漁民がその権利を侵されると同時に、あらゆる濫獲が行われて、漁業資源が枯渇するような傾向になつている。これが根本的に感ぜられるわけであります。しかるに今この協同組合法を見ますると、それに現われたその精神は、零細漁民を協同さして、それによつて合理的な漁業を開始し、彼らの生活を確保すると同時に、漁族の濫獲を統制して行く。そうして日本の漁業発達させて行くという根本的な点にあつたろうと思う。それでありますのに、今この改正におきまして、沿岸漁業緩和をされるということになつて来ますと、相当な資力を持つた人が組合からほかに参りまして、これが漁業緩和された結果、競争の立場に立つ。そうして協同組合漁業権や何かに侵入して来る。こういう弊害が将来顯著に起つて来るのではなかろうか、こう思うのであります。それと同時に、他方から大きな資産を持つておるところの方方が、法人として、この漁業協同組合に加盟して来る。そうしてこれが漁業協同組合の零細漁民の支配者となつて、一切の利益を壟断するという結果に立ち至ります。上から下からと、両方から攻め込まれて来て、協同組合はその名あつて実なきに立ち至るのではないか、こうわれわれは懸念するのであります。一体法人加入をお認めになつ趣旨をお聞きいたしますると、従来ほとんど個人経営として存在すべきものか、法人として登録されておるような状態であるから、これを一つ入れたいという御説明でございましたが、この個人経営であるべき性質のものが法人に名義上なつておるというのは、これは一つの脱税法でなかろうか。個人に対しては税金が非常に重うございます。そういう点を改革して、個人漁業として成立つようにこれを仕向けて行くのは当然でありますが、それが法人的な組織を持つて、税金も軽うする。ひどくなりますと脱税するということにも立ち至るでありましようが、そのものが今度協同組合に加盟して来ると、かなり零細漁民利益を侵害して来る結果に実質上立ち至るのではなかろうか。これに対してどういう考えをお持ちでしようか。  なお先ほど法人加盟の要望ということを、当局もここで言つておいでになりましたが、どういう所からそういう請願があつたか、その点を具体的に知らせていただきとうございます。  次に役員の点でありますが、役員の期限を長くなさるというのが、今度の改正趣旨のように承つております。これは短かい期間においてでも、むしろこの間にリコール制を実施して、真に役員の方々が組合員全体の利益をはからない場合には、むしろリコールきがくというふうに改正すべきが民主主義的であるにかかわらず、二年の期間を三年にするということに立ち至りますと、その長い期間の間には思いもよらない事件が起つて参りまして、その間幹部の独裁ということが起つて来る結果に立ち至りはしないか。むしろかえつて現在の方が適当ではあるまいか、さらになお現在においても、これにリコール制を実施して、そうして民主主義化する方が、かえつて改正としては適当ではないかと思うのであります。これについて、当局はどうお考えになりますか。  次に、総代制の問題でも、その通りでありまして、人数を少くしようというふうな点、もし総代の方々が組合員利益をほんとうに守つてつておいでになるでございましたならば、当然皆さんからの信頼があるのでありまして、そうしてこの方々も、熱心にやはり総代としての役目を勤めるというので、決して欠席したりなんかなさらないはすであります。でございますから、むしろこういうふうに少くいたしましたならば、かえつて幹部独裁が現われて来て、全体の利益はいつの間にか無視されてしまつているというふうなことは、今までも協同組合事業において、いろいろわれわれが見る点でありますが、こういう点もかえつて改惡ではなかろうか、改正どころではない、改惡に近いものになつて来るのではなかろうか、こういうふうに考えるのでありますが、以上の点について御返事を承りたい。
  26. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 御質問の第一点は、今度の改正によりまして協同組合の本質が失なわれはしまいかという御懸念でございます。しかしながら、今度の改正によりまして、あくまで中小漁業者の自主的協同体であるという実を失うことはないというように、われわれは考えおるのでございまするし、またかたがた、先ほど御説明申し上げましたように、個人といつたようなものが主体になつて組合を構成し、法人加入するという場合につきましては、准組合員としてこれを取扱つておる。すなわち議決権、選挙権のない准組合員として取扱つておるというような体制になつておるのでございまして、この加入准組合員を拡張するということは、とりもなおさず漁村なり漁業実態から見まして、お互いに利害を同じくするものが協同してやつて行こうという精神を、もう少し強めて参るというような趣旨にほかならないのでございます。  それから第二点の、一定規模以下の法人加入の問題につきまして、脱税を認めるといつたようなお話がございましたが、われわれの方といたしましては、さような解釈をいたしておらないのでございまして、漁業者の方々が、困難な経済事情に対処いたしまして、いろいろと経営の合理化をはかり、その経営の合理化を苦心してはかられた結果につきまして、協同組合事業を利用できないということになりますと、はなはだお気の毒でもございまするし、また実態から申しまして、そういう方々は協同組合のメンバーに加うべきであるというような解釈から、改正をいたしたいと思つておるのでございます。  それから第三番目の、法人加入要望はどこから起つておるかというような問題につきましては、いろいろと国会なり、われわれの方にも陳情がございまして、たとえて申しますると、福島の小名浜、あるいは宮城の塩釜、宮城の細浦、千葉の銚子といつたようなところからは、資本に制限を加えて法人加入を認めろということでございます。それから小規模法人組合員として加入せしめるというのが愛媛あたりからも出ておるのであります。なお法人加入につきまして、そういつたような要望があるということは、各地の協同組合法の普及宣伝の際にも、水産庁の係官が出張して、いろいろと各地の事情を聞いて参つたのでありますが、そういうような席上でも要望が多かつたという報告があるのでございます。  それから第四番目の、役員の任期延長の問題でございまするが、その点につきましては、お話のリコール制というものは、現在の水産業協同組合法でも規定してあるのでございまして、もし役員が非常に不当であれば、組合員のリコールによつてこれをかえ得るということになつておるのでございます。ただしかしながら、役員にすわつておりまする方々が、一年とか二年というような短期間では、腰をすえて組合のために盡すことができないというふうな事態もございますので、リコール制はそのままにいたしまして、そういつた意味合いから三年間というような期間に延長したいという意味なのであります。  それから第五番目の、総代会の制度につきましては、これは漁業関係実態から申しまして、朝早くから晩おそくまで生産に苦労されており、従つて組合には組合員として関心は持つておるのでございますが、そのひまがないといつたようなところもございますので、なるべく総代といつたような適当な人を選挙いたしまして、総代を通じて組合の運営に参加するということが、そういう地方においては望ましいのではないかということを考えておる次第でございまして、なおそういう地方におきましては、総会を開くということが最も必要ではございまするが、事実上開けない場合があるということもございますので、その程度問題とは存じまするが、この程度緩和でございますれば、総会にかわるべき総代会を設けるということは趣旨に反しないということで、改正いたしたい、かように存じておる次第であります。
  27. 井之口政雄

    井之口委員 今各所からの要望によつて法人加入のことを取上げたというふうな御返事で、いろいろな所をあげておられましたが、あれは協同組合からの要求でございますか、あるいはそういうようなところから正式な決議として出て来ておりまするか、それともその漁村におけるところのいろいろな網元だとか、その他の漁業資本家の方から出て参つておるものでございますか、その辺はどうでございますか。
  28. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 正式な決議もございまするし、また正式な決議によらずして、個人意見として組合員の方々、あるいは組合員の幹部の方々から出された御要望もあるわけでございます。
  29. 林好次

    ○林(好)委員 第一の問題で伺いたいと思いますが、これは井之口委員と私とは根本的な考え方が違つておるのでありまして、小さな法人漁業を営み、また水産加工業を営んでおりますものは、協同組合加入いたしまする場合に、准会員でなければならないということが、はなはだ私は不合理ではなかろうかと思うものであります。先ほど井之口委員は、当然個人がやれる仕事を法人がやるのは、脱税が目的ではないかというお話でありましたが、これはとんでもない考え違いでありまして、もしさようなことがあるならば、当然税務署あるいは国税庁が、それぞれの処罰をするものでありまして、この法案の改正にあたりまして、さようなことを考えることは適当な考え方でないと私は考えるものであります。しかしながら法人であるから准会員にして、発言権もない、役員にもなれないというような立場に置くということは、私は適当でない。これは法人では、いろいろ漁業とかあるいは水産関係のない株主ももちろんございますけれども、しかし法人の場合は、その法人を代表した代表者が一名加入するだけでございまして、株主全体が協同組合加入するものではございませんので、当然私はその法人の代表者が協同組合加入いたします場合は、正会員として取扱うのが正しい方法であろうと考えるものでございますが、その点につきまして御当局の御説明をいただきたいと思います。
  30. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 御質問の趣旨は、実態的な問題といたしまして、われわれも、單に法人という組織をとるからいけない、あるいは個人であつたらいいということは、区別しがたいとは思つておるのであります。しかしながら法人加入というものを無制限に認めましたり、あるいはたとい一定規模範囲で認めましても、いろいろとそこに弊害を生ずる場合がある。たとえて申しますと、実態的に個人とかわりない法人の方々で、われわれがどうしても協同組合事業を利用した方がいいというような関係のものとは違いまして、それを惡用するというような弊害も、まま出て来るのではなかろうかというようなことを懸念しておりますので、この協同組合法というものの建前個人個人個人を中心にしてでき上つております改正になつておりますので、一応准組合員といたしまして、そういつた制限を設けたのでございますが、事業の利用関係につきましては、正会員と少しもかわらずに利用し得るというような関係にもなつておりますので、そういつた程度で、組合個人から組織されておるという本質を失わせないというような意味合いから申しましても、それからまた法人なつた小規模の方々の厚生、共同福利といつたような点からいいましても、その程度で線を引きましたならば適当ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
  31. 林好次

    ○林(好)委員 これは見解の相違ですから、これ以上申し上げましてもらちがあかないと思いますけれども、あまりにも官庁の考えておられることは、私は杞憂にすぎない、かように考えるものであります。法人の代表者といえども、りつぱな漁村の指導者もあるはずであります。そういう方々に発言もできない准会員にするということが、はたして正しい民主的な漁村の指導であるかどうかということに対しましては、私は非常に疑義を持つものでありますけれども、これはこれ以上申し上げましても、お互いに見解の相違でありますから、私の意見としてそれだけを強く申し上げておきたいと思います。
  32. 川村善八郎

    川村委員 本改正趣旨については賛成でありますが、これは正式に政府提案としてわれわれに審議を要請されたのではなくて、言いかえれば、予備審査とも言うべきものであります。そこでこれは事務当局水産庁改正案でありますが、われわれにもまだまだその意見もあり、各委員相当改正の要点については意見その他をつけ加えて改正しなければならぬ点もいろいろあるだろうと思います。従つてきようはこの程度質疑を打切りまして、漁業制度改革小委員会がありますから、これをその委員会に移して、われわれ、当局ともに愼重に審議を重ねた方が効果的であろうと思いますので、皆さんにお諮りして、小委員会に移されんことを望みます。
  33. 石原圓吉

    ○石原委員長 この際お諮りしたいと思います。ただいま政府より説明を聽取しました水産協同組合法の一部改正に関する件は、ただいま川村君よりも動議が出ましたように、これを漁業制度に関する小委員会に付託し、十分審議したいと思いますが、いかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 石原圓吉

    ○石原委員長 御異議ないようでありますから、さよう決します。
  35. 川村善八郎

    川村委員 今国会には相当水産に関する法案があるようでありますが、一応きよう上程されました法案、すなわち、らつこ、おつとせいの問題等について説明を受けまして、なお質疑をするものは質疑をして、小委員会に移してこれを審議するというふうにして、審議を十分に促進させるということにいたしたらいかがかと思います。
  36. 石原圓吉

    ○石原委員長 らつこ、おつとせいの説明は時間がかかりますか。
  37. 松任谷健太郎

  38. 石原圓吉

    ○石原委員長 それではらつこ、おつとせい獸猟獲取締に関する法案について、政府よりの説明を聽取いたします。
  39. 松任谷健太郎

    松任谷説明員 らつこ、おつとせい取締法の一部改正に関する法律案要綱につきまして、御説明申し上げたいと思います。  この問題は御承知の明治四十四年にできました膃肭獸保護條約に関連して参るのでございまして、この條約は日英米ソ四箇国によつてできたのでございますが、御承知通り昭和十五年十月に日本から條約を破棄するという申入れをいたしまして、十六年の十月から日本の脱退といつたようなことになつておるのでございます。それでこの理由といたしましては、アメリカのおつとせいの繁殖地でございますプリビロフ島のおつとせいが日本近海に来て、さけでありますとかあるいはいわしとかいつたような、有用な魚類を食して害するというようなことのためにという主張と、そうでないという主張とで、その結論がつかなかつたのでございますが、その後戰争に入りまして、それで日本では昭和十八年から二十年の間、三箇年間海上猟獲を許しておつた次第でございます。それで終戰後になりまして、関係方面から、このらつこ、おつとせいをとることを禁止するというような指令がございまして、現在農林省令で海上猟獲及び陸上猟獲とも許可制にはなつておるのでございますが、実質上許可をその指令に基きましてしておらないのでございます。また一方アメリカ本国からこの調査の專門家が参られまして、それを現在、昨年と今年にわたりまして、いろいろと理由をはつきりさせるために調査しておるのでございます。それでそれに必要な予算というものも、昨年度は予備費で組んだような次第でございまして、本年度はさらに調査船、取締船といつたようなものを出しまして、これに当るということになつておるのであります。そこで本年度は海上猟獲といつたものと同時に、陸上の取締りを嚴重にしてほしいというふうな一つのサジエスチヨンがございまして、それに基きまして、その陸上の取締りの内容といたしまして、獸皮の製造、あるいは獸皮の加工販売といつたようなものの禁止、制限の施設を法律で規定するということになつたのでございます。この改正はそれに伴う罰則と、さらに新憲法下におきまして、いろいろ取締りの方面におきまして、昔のらつこ、おつとせい取締法の第四條の関係が、新憲法の規定と合わなくなつておるようなこともございますし、かたがたいろいろと御審議御決定いただきました。新漁業法によつて、らつこ、おつとせいの関係の取締りが行われるというような関係にもなりましたので、この第四條を削除するということになつておるのであります。この法案は現在実は法務庁で審議をしておるのでありまして、骨子はかわらないと思うのでございますが、條文その他につきましては大分整理されるのではないかというふうに予想しておるのでございます。
  40. 石原圓吉

    ○石原委員長 本件に関しても、その審査を充実したものたらしめるために、これを漁業制度に関する小委員会に付託し、審議したいと思いますが、御異議ありませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 石原圓吉

    ○石原委員長 御異議なしと認めまして、さよう決します。  明日も委員会を開いて漁港法に関する説明を聽取したいと思います。  なお小委員会に付託した問題について小委員会をお開きになるならば、公報に出したいと思いますから、そのおとりきめを願います。  先ほど決議することになりました韓国に対する拿捕事件決議案の案文ができましたので、理事の方にお残りを願つて一応これの御審議を願いたいと思います。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時三分散会