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土橋委員 ただいまの点は、おそらくこれはおあいにくさまと相なると思いますが、私が
考えておりますのは、あなたのお
考えと別と思います。その候補者、いわゆる
次官は、明らかに
保守反動の
政党を名乗
つて出ることに相な
つております。世間、
新聞あるいは
官庁が持
つておりますところの雑誌等よ
つて、明確に自己宣伝をし、事前の
選挙運動をしております。そうしてしかも
人事部長とか、そういう
職員を使いまして、事もあろうに書問執務中にウィスキー等を飲みまして、
下級の
地方局長を集めまして、
選挙運動に関するような言辞を弄しておるのでございます。こういう
諸君が――なるほど御
指摘の
通りに、
官房長官通牒をも
つて一応とりやめだでありましようけれども、そういう政治運動をや
つてお
つて、しかも
現実に
地方においては、社会党の支部なり、あるいは共産党の細胞が
政治活動をすると、ただちにこれを首を切る。こういうような状態について
官房長官はどう
考えておるか。この点をお聞きしておるのでございまして、
下級官吏といえども
公務員でございます。
政治活動は
国家公務員法によ
つて禁じております。
上級職であ
つても、ただこれをやめてもらうというのでは、人事院規則が許さないじやないかと思う。そういう懸念のあ
つた者は、調べたしただちにこれを馘首し、免職するという
態度をとらないでおいて、ただやめてもら
つて、
保守反動政党を名乗
つて出ることには賛成し――今のお話によると、左翼極左主義はいない。その
政党は何を指しているか、おそらく本
委員会の
委員は全部御
承知と思います。そういう
政党は
日本にはないのであります。少くとも左翼極左主義という
政党はないのであ
つて、
保守反動的な
政党は、今日
日本においてはたくさん残存しておるのでございまして三百有余の
政党の中には数多い
政党のものでございます。
従つて私は町者のこの不都合な対照的な地位において、高級官僚が
官庁の組織を利用し、官の金を使い、しかも
保守政党を名乗
つて新聞にも発表し、あるいは
官庁の機関誌にも堂々とこれを載せられて、なお在職しておるということについて、なぜ人事院規則を通用して、その
保守反動政党に所属しておる
次官を馘首しないか。ここに問題があるのであります。そういう片手落ちをするところが、
吉田内閣のいわゆる本領でなかろうか。
官房長官の心中がまさにそこにあるのではなかろうかと
考えますが、いかがでありましようか。