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1949-12-20 第7回国会 衆議院 考査特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二十日(火曜日)     午後一時四十三分開議  出席委員    委員長 鍛冶 良作君    理事 小玉 治行君 理事 内藤  隆君    理事 猪俣 浩三君 理事 大森 玉木君    理事 横田甚太郎君       安部 俊吾君    岡延右エ門君       菅家 喜六君    佐々木秀世君       福田  一君    加藤 鐐造君       村瀬 宣親君    深澤 義守君       小林  進君  委員外出席者         証     人         (元水産油脂協         議会会長)   本郷慰與男君         証     人         (元脱脂糧穀販         売業界事務主         任)      瀧澤 榮一君         証     人         (油脂資源増産         全国協議会会         長)      三宅 正一君 十二月二十日  委員梨木作次郎君辞任につき、その補欠として  深澤義守君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  証人出頭要求に関する件  公団をめぐる不正事件油糧配給公団関係)     —————————————
  2. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会議を開きます。  油糧配給公団をめぐる不正事件について調査を進めます。  本件につきましては、本日、元水産油脂協議会会長本郷慰與男君、元脱脂糧穀販売業会販売主任瀧澤榮一君一油脂資源増産全国協議会会長三宅正一君、元帝国油糧株式会社社長周東英雄君、明日、物価庁第二部工業食品課長山本英喜君、元油糧配給公団総裁西川英三君、会計検査院院長佐藤基君に出頭を求める手続をいたしておきましたが、以上の七名の諸君を証人として決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 御異議ないものと認めます。それではさよう決定いたします。     —————————————
  4. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ただいまお見えになつている証人の方々は本郷慰與男さん、瀧澤榮一さん、あらかじめ文書で御了承願つておきました通り、本日正式に証人として証言を求めることに決定いたしましたから、御了承願います。  それではただいまより油糧配給公団をめぐる不正事件につきまして皆さんより証言を求めることになりますが、証言を求める前に、各証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて默秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。  瀧澤さん、ひとつ代表でお読みを願います。     〔証人瀧澤榮一君各証人代表して朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  5. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 署名捺印を願います。     〔各証人宣誓書署名捺印
  6. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 証言を求める順序は本郷さん、それから瀧澤さんといたしますから、瀧澤さん、もう一度もとの控室でしばらくお待ち願います。  本郷慰與男——いよおと読むのですか。
  7. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  8. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは前に水産油脂協議会会長をしておいでになつたようですが、いつまでおやりでしたか。
  9. 本郷慰與男

    本郷証人 昭和二十一年十月から本手の十月まで会長をしておりました。
  10. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在は何をおやりになつておりますか。
  11. 本郷慰與男

    本郷証人 現在は水産油脂協議会が発展いたしまして、水産油脂協会になつております。それの副会長をやつております。
  12. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この協議会というのはなくなつたのですか。
  13. 本郷慰與男

    本郷証人 なくなりました。
  14. 鍛冶良作

  15. 本郷慰與男

    本郷証人 はい。
  16. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 会長はどなたです。
  17. 本郷慰與男

  18. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この水産油脂協議会というのは、どういう目的のためにできたものですか。
  19. 本郷慰與男

    本郷証人 水産油脂協議会設立された目的は、昭和二十一年八月ころ、当時油脂統制下にありまして、特に魚油というものは戰争中におきまして、漁業用燃料として還元配給が七割行われておつた関係から、終戰後供出に乘る数量が非常に少くて、統制の実体が実現されておらなかつた。そこで油脂加工業者、あるいは塗料業者、その他魚油を必要とする消費者団体が相諮りまして、何とかしてこれを供出のルートに乗せる一つの運動を起したい、こういうことから当時の帝国油糧統制株式会社と相談いたしまして、ぜひわれわれにそういつた面の問題を取上げさせてくれ、こういうことから設立されたのでありまして、その目的とするところは、第一に水産油脂全般にわたる集荷の企画、第二には、国内産魚油集荷に関する具体的な方策の協議、それから第三には、国内魚油増産並びに供出促進に関するあつせん、指導、それから第四には、魚油増産あるいは供出促進に必要な物資のあつせん、あるいは補助金の支給、これらを目的として設立されたものであります。
  20. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたはその前は何をおやりになつてつてここに御就任になつたのですか。
  21. 本郷慰與男

  22. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつでした、設立は。
  23. 本郷慰與男

    本郷証人 水産油脂協議会設立はたしか昭和二十一年十月下旬だつたと思います。
  24. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 できるとともに、あなたは同時に会長になつて就任されたわけでありますね。
  25. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  26. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは法人ですか、何ですか。
  27. 本郷慰與男

  28. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 組合ですね。
  29. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  30. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると組合組合員というものは。
  31. 本郷慰與男

    本郷証人 構成メンバーは当時の油脂加工工業組合、それから塗料工業組合、それから魚油の精製を業とする油脂製造業会の第四部会、それに当時の帝国油糧統制株式会社、この四団体をもつて結成されております。
  32. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 経費は各組合員が出すのですか。
  33. 本郷慰與男

    本郷証人 経費はこれらの団体が按分しまして、それぞれ負担しておりすす。
  34. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 仕事内容は先ほどおつしやつた目的のような仕事をしている、こういうことですね。
  35. 本郷慰與男

    本郷証人 そうであります。
  36. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧配給公団と、仕事の面その他の面についてどういう関係にありましたか。
  37. 本郷慰與男

    本郷証人 油糧配給公団ができますとともに、帝国油糧統制株式会社メンバー油糧配給公団にかわつて構成メンバーに入つたわけであります。
  38. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団になつてもこの協議会メンバーであつたわけですか。
  39. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  40. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧配給公団から、普通一般経費のほかに、特に金を受取つたことはありますか。
  41. 本郷慰與男

    本郷証人 それはたしか本年の二月ころでしたか、集荷促進並びに増産に関するいろいろな施策の面で、五百万円の金を受入れておつたのです。
  42. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう名儀で。
  43. 本郷慰與男

    本郷証人 これは一般供出促進その他の施策面に使用するために……。
  44. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油の供出ですね。
  45. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  46. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その金は油糧配給公団でどういう金から支出しておりたものですか。
  47. 本郷慰與男

    本郷証人 それは立場をかえてちよつと申し上げたいと思いますが、私どもその構成メンバーのおもなものは、いわゆる油脂加工業者、あるいは塗料業者とか、こういうメンバーでありますが、私ども油脂加工業者代表しておつた。そうして昭和二十三年度の第一・四半期の配分を受ける油につきまして、当時の公定価格から見ますると、大口需要者に対しましては、公団から直接販売価格をもつて買い入れている。しかるに小口製造業者というものは代理店を通じて購入している。従つてそこに代理店の口銭ともなるべき若干の差額があつたわけでありますが、それに対しては均等な原価計算面に立つ必要があるというようなことから、その差額供出しないか。これは別に法律的に考えまして、出すべき義務を持つている金ではないのでありますが、われわれ油脂加工業者といたしましては、この金が油脂全体の増産並びにその他の事業に使われるならば、それは供出してもいいだろう、こういうことになりまして、出した金があるわけであります。これは別に保留をしておいて、その用途をきめる場合には、われわれの意向をくんでする、こういうようなことから、別に積み立てられてあつた金だと記憶しております。
  48. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあなた方からそう言つて積み立てさせたのですか。
  49. 本郷慰與男

    本郷証人 そうであります。
  50. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは要するに販売手数料になるわけでしようね。
  51. 本郷慰與男

    本郷証人 販売手数料になるべき差額であります。われわれ大きな業者が直接公団から買う金と、小さな業者販売業者を通じて買う金額とに差があるわけで、その差額を別に保留してあつたわけであります。
  52. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは油糧配給公団に関しては、業務内容に相当精通しておられますか。別に何にも御承知ありませんか。
  53. 本郷慰與男

    本郷証人 承知いたしません。
  54. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油糧配給公団は公法人であつて公団法従つて事業をやるものであるということは御承知でしような。
  55. 本郷慰與男

    本郷証人 存じております。
  56. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうして見ると、油糧配給公団へ入つた金は、国家に帰属すべき金であることも御承知だろうと思いますが……。
  57. 本郷慰與男

    本郷証人 それは先ほども申し上げましたように、油糧配給公団の金ということでなくて、私どものその当時出した立場から申し上げますと、別に保留しておつて、先ほど申し上げましたような油脂増産、あるいは供出促進、その他われわれ油脂業界全体の面に使われるものならば出そう、こういうことで出した金であることを承知しております。
  58. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 目的はそれでいいが、それではもう一ぺん聞きましよう。あなた方が出されたら、油糧配給公団の金に入つたのでしようね。
  59. 本郷慰與男

    本郷証人 油糧配給公団に一時預かつた金と私ども記憶しております。配給公団收入に属すべき金ではないのではないかと思います。従つてその用途をきめます場合には、われわれ代表がいつも二、三人呼ばれまして、その用途に対してこういうような面に使いたいという希望を申し出ます。
  60. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それなら配給公団に出さないで、どこか別に積み立てたらよさそうなものですが……。
  61. 本郷慰與男

    本郷証人 別に積み立てるべき——つまり油糧配給公団から買いました油の数量は、量的に見まして、どこに何トン行つたということが、われわれ個個でははつきりわからいなものですから、そこで公団がとりまとめたものだと私は推測しております。
  62. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、公団が受取るべき金じやないという意味ですか。
  63. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。ですから公団保留してあつた金で、預かつてつた金である……。
  64. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 保留は別だが、公団性質上受取るべき金じやないという意味ですか。
  65. 本郷慰與男

    本郷証人 そうであります。
  66. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団取扱つたから、公団手数料としてとつたのでしよう。
  67. 本郷慰與男

    本郷証人 公団手数料としてとつたわけじやないのです。その差額を積み立てて……。
  68. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、あなた方の寄付ですか。
  69. 本郷慰與男

    本郷証人 いわばみんなの拠出した寄付みたいなものです。それは公団收入に属すべき金じやないと思います。その後第四・四半期からは、公定価格公団直接に売る場合であつても、販売業者販売価格をもつて売ることができる、こういうことになつてからは、公団がその金を收入の面に積み立てておつたと思います。これは価格差益金か何かに使うという條件のように伺つております。
  70. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはいつから……。
  71. 本郷慰與男

    本郷証人 第四・四半期の油からです。ですから、二十三年度の第一・四半期の油に対しては、その法律が出る前の油の代金であつて、われわれはそれに対して拂う義務のない金なんです。
  72. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはだれかほかにそういう取扱者がおるとすれば、当然あなた方が拂わなければならぬわけですね。
  73. 本郷慰與男

    本郷証人 どこか別にそれをまとめるものがあれば、積み立てたひもわかりません。
  74. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大口業者も、卸売業者というものがあつたら、とられておるでしよう。だからあなた方に対しても、そういうもう一つ卸売所とでも言うか、配給所とでも申しますか、そういうものがあつたとすれば、当然それは拂わなければならぬ金ですね。
  75. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  76. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その仕事公団がやつていたから、そこでほかにやるということはないから、公団でやつたのだから、公団へ渡した……。
  77. 本郷慰與男

    本郷証人 そうではないのです。これは公団から大品需要者が買う場合には、引取手続から容器の問題から、一切自分でやるわけです。その関係で、公団からのいわゆる直接販売価格をもつて買取つているわけです。
  78. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは、それはあとにしましよう。それは二十三年度の……。
  79. 本郷慰與男

    本郷証人 第一・四半期の油だつたと記憶しております。
  80. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからあなたは五百万円もらつたのですか。
  81. 本郷慰與男

    本郷証人 そういうことです。
  82. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつ五百万円もらつたのですか。
  83. 本郷慰與男

    本郷証人 はつきり記憶しておりませんが、本年の二月か三月ごろじやないかと思います。
  84. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 第一・四半期……。第二・四半期から後はどうしましたか。
  85. 本郷慰與男

    本郷証人 第二・四半期から後の油に対しましては、公団から大口需要者買つた場合においても、販売業者販売価格買取つております。
  86. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは当然代金の中にマージン料も入つておるが、代金として拂われたわけですね。
  87. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。それは公定価格にそういう條項が設けられております。
  88. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると第一・四半期でどれだけほど拂いました、今あなたの言われる金は……。
  89. 本郷慰與男

    本郷証人 総額についてははつきり知りませんが、四千数百万円だと思います。
  90. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 第一・四半期だけで……。
  91. 本郷慰與男

    本郷証人 そうであります。
  92. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その後は……。
  93. 本郷慰與男

    本郷証人 その後は関係ないわけです。
  94. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは油糧配給公団から物価庁長官宛に、そのことについて府に申請書を出しておるのですが、これは御承知ですか。
  95. 本郷慰與男

    本郷証人 存じておりません。
  96. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 知らなかつたのですか。
  97. 本郷慰與男

    本郷証人 はい。
  98. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 「物価統制令第三條第一項に規定する統制額によりがたき特別の事由」こうして申請してあるのです。それによりますると「油糧需給調整規則指定生産資材販売規則等において販売業者段階を認めている以上、需要者販売業者経由購入を希望する場合、販売業者の介在はこれを認めることが現段階においては正しい。しかし販売業者大口分解硬化用油脂の受渡しにタツチする部面は、ケースにより多少違うが、きわめて少いか、皆無の場合が多い。この場合にあつても、一般配給油脂と同様のマージン(一罐七・八円)を認め、取得せしめることは正しいとは言えない。従つてここに適正なマージンを別に定めることが必要となる。しこうしてこの実施に当つては、右により決定した適正マージンを七・八円より控除した額を公団が特別に加算するごとにより実施できるので、前記の申請をお願いする次第であります。」こういうものです。わかりましよう。
  99. 本郷慰與男

    本郷証人 わかります。ですから先ほど申し上げましたように、二十三年度の第一・四半期の油まではそういうことが法律で出ておらなかつた
  100. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 出ておらなかつたから、こういうことであなたの方からとることになつたのでしよう。
  101. 本郷慰與男

    本郷証人 ですから、それで公定価格の中に公団で直接販売するものであつても、販売業者販売価格でもつて販売することができる。こういう但書がそれから以後に入れられた。
  102. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 一・四半期となつておるのですよ。一・四年期でそういうことがきまつておらなかつたが、マージン料はある一種のものをとらなければならない。それにしちやないものだから、こういうことで……。
  103. 本郷慰與男

    本郷証人 ですから、先ほど申し上げました醵出金は、その法律がきまる前の問題であります。
  104. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 法律がきまればこんなことがいらないから、法律できまらなかつたから、これでとるという認可を得た。但し「なおこの実施により取得する金額は、別途保留し、関係官庁承認により使用することといたしたく、あわせて御承認願います。」こう書いてはある。
  105. 本郷慰與男

    本郷証人 ですから、この点は公定価格にそういう但書條項を入れるための申請書だと私は思います。ですからいわゆる公定価格自身にそれがうたわれてないときには、公団としては、公団販売価格以外には売ることができない。
  106. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だけれどもさつき言つたよう値段が違いますからね。大口小口と……。
  107. 本郷慰與男

    本郷証人 値段段階がございます。公団の直接販売価格販売業者販売価格とあるわけであります、従つて公団からわれわれが直接に買うときには、公団公団販売価格以外に売つては違法であるわけであります。
  108. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それだからこれをもつてとつたんだろう。
  109. 本郷慰與男

    本郷証人 そこで二十三年度の第一・四半期以降の油についてそういう但書條項を入れて、初めてとれるようになつた。その前はとれないわけであつたのですが、二十三年度の第一・四半期の油に対しては、われわれからそれを油脂業界全体のために使うならば、出そうというわけで醵出したわけです。公団收入に属すべき金でないと申し上げたのであります。
  110. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは一・四半期ですよ。
  111. 本郷慰與男

    本郷証人 第一・四半期ですか——そうすればあるいはその前の金ですから、二十二年度の最終期の油かもしれません。
  112. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年十一月にこういう申請が出ている。今言う大口分解硬化用というのは一・四半期一品種三十トン以上となつている。
  113. 本郷慰與男

    本郷証人 それは一・四半期ということは年間を四・四半期にわけて、そのうちの一・四半期という意味だろうと思います。いわゆる第一・四半期、第二・四半期、第三・四半期という限定されたものでなくて、それは三つにわけた一・四半期という意味だろうと思います。
  114. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうか。「なおこの実施により取得する金額は別途保留し、関係官庁承認により使用することといたしたく、あわせて……」とあるが、あなたのはこれにはまるのでしよう。
  115. 本郷慰與男

    本郷証人 いいえ、それは法律によつてきめられたものの差額だと思います。公団但書を入れまして、そうして面接のものについても販売業者が売る価格と同じに売つているわけでありまして、そうすると公団販売代金というものを別に積み立てる。こういう意味だと思います。
  116. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 改訂したあとのでですか。
  117. 本郷慰與男

    本郷証人 いわゆるマル公にそれが記載されて以降のものであります。
  118. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうでない。あとの別表としてこう書いてある。「右は昭和二十三年度分解用第二及び第三・四半期分合計数量なり」とある。
  119. 本郷慰與男

    本郷証人 でありますから第一・四半期のものだけはその法律に触れていない。第二・四半期以後のものはそういうふうにしたらいい。こういうことであります。
  120. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 しかしあなたはそう言われるが、われわれが考えると、いやしくも公団へ入れば、公団国家の金になるのですからね。それならそれで、入つたなら入つただけのものを規則によつてこれを処置し、規則によつて支出せんならぬのだが、それはどう思いますか。
  121. 本郷慰與男

    本郷証人 それは私どもの解釈としましては、公団收入に属すべき金でないと思つております。従つて公団がただまとめて保管している。その中から油脂全体の事業のために出してもらう。こういうふうに私どもは考えております。
  122. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ではあなた方が言われる第一・四半期の分は幾らあつたね。
  123. 本郷慰與男

    本郷証人 第一・四半期までの油については、たしか四千何百万円と聞いております。
  124. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その後は……。
  125. 本郷慰與男

    本郷証人 その後のものは、法律によつて公団がわれわれから徴收してそれを積み立てた。ですからマル公によつてはつきり明示されたものと、その前のものとは性質が違うわけです。
  126. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この積み立てたもの全部を公団では油脂増産資金として出しているんだ。
  127. 本郷慰與男

    本郷証人 それは私は知りません。
  128. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年度の第一・四半期のものだということではないはずですよ。
  129. 本郷慰與男

    本郷証人 われわれの考え方からいたしますと、先ほど申し上げましたわれわれが醵出した分に対するものの中からもらつているつもりでおります。
  130. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団ではそういうのもあつたかもしれませんが、その後においてもマージン料をとりましたね。それも全部得意先前受金として残していた。
  131. 本郷慰與男

    本郷証人 その内容については私は知りません。
  132. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その中からあなたのところへ五百万行つている。あなたはそれを第一・四半期だけだと言われるのですが、それがわれわれにはわからない。
  133. 本郷慰與男

    本郷証人 第一・四半期だけというのは、いわゆるわれわれが醵出した金であつて公団收入に属すべき金ではないということの内容を申し上げたわけであります。
  134. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうのもあつたかもしれませんが、その金の中から五百万円とつたと言われるのは……。
  135. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。私はその中からもらつたと思つております。
  136. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 全部が得意先前受金になつているとあなたは言われるのだが……。
  137. 本郷慰與男

    本郷証人 というのは、大体それが四千万円以上あつたということを、承知しておりましたから……。
  138. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もつとあるだろう。
  139. 本郷慰與男

    本郷証人 もつとということは、醵出した金額以外に、今度はマル公によつて徴収している金があるから、多くなるかもしれませんが、私どもは、少くともその四千何百万円かのうちから五百万円もらつておる、こういうわけです。
  140. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそうじやない。二十三年度のあとから出たものも、得意先前受金と全部同じにして、別途に積み立てて、八千何百万円になつている。その中から五百万円出ている。
  141. 本郷慰與男

    本郷証人 そういうことについては、私は知りません。
  142. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前のはもう少し私らも調べてみるが、あなたに言わせれば、そういうようにきまつておらぬのを出したのだから、これは別だ。しかし第二・四半期以後の分は当然公団收入ですね。
  143. 本郷慰與男

    本郷証人 これは当然公団收入です。マル公によつてきめられたものから以後は、当然公団收入に属する。
  144. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがそれも別途に積立てておるね。
  145. 本郷慰與男

    本郷証人 それは知りません。
  146. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでその五百万円はどういうふうにお使いになりましたか。
  147. 本郷慰與男

    本郷証人 それは先ほど申し上げました目的とする事業内容から、国内水産油脂産地別にわけまして、たとえば北海道だとか、三陸だとか、常磐だとかいうふうにわけまして、そのおのおのの地域に額を割当てまして、そして北海道であるならば、かれい油増産だとか、あるいはいか油の増産だとかいうような面に、啓蒙宣伝意味でポスターをつくらせましたり、あるいは協議会を開いて趣旨を徹底させるというような面に使つておるはずであります。
  148. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう啓蒙をするのですか。
  149. 本郷慰與男

    本郷証人 魚油統制と、そうして供出すべきものであるということを、徹底的に認識をさせる。
  150. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはみんな使つてしまいましたか。
  151. 本郷慰與男

    本郷証人 使つてしまいました。
  152. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方は油脂協議会というのだが、こういう名前で油糧配給公団からいろいろの団体へ金が出ておつたようですが、これは御承知ですか。
  153. 本郷慰與男

    本郷証人 存じません。
  154. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかのことは知りませんか。
  155. 本郷慰與男

    本郷証人 はい。
  156. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 油脂資源増産全国協議会というものがありますね。これはあなたの方とどういう関係にあるのですか。
  157. 本郷慰與男

    本郷証人 別に直接関係はありません。ただ日本国内油脂増産を目標として生れた団体でありますから、そこの中の水産油脂という面につきましては、横の連絡を保つて、いろいろわれわれの方で方策を練つたものを、増産協議会の方の水産油脂部別に伝えるということの連絡はやつております。
  158. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは水産魚油が主ですね。その分だけはあなたの方と関連があるわけですね。
  159. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  160. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは相当仕事をしておりましたか。
  161. 本郷慰與男

    本郷証人 深く内容につきましては、私は存じません。ただ水産油脂に関する場合は、相談も受けましたし、われわれの方から水産油脂協議会で決定した事項をお知らせしております。
  162. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方の協議会には、相当事務をとつておる人でもおるのですか。
  163. 本郷慰與男

    本郷証人 一番最初設立しましたときには、帝国油糧株式会社の水産油脂を事務局に暫定的にあてまして、その水産油脂の担当者を事務当局者としてお願いしておりました。
  164. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、向うの方の人間を使つておるから、別に給料を拂つたり、手当を出したりする必要はなかつたのですね。
  165. 本郷慰與男

    本郷証人 そうであります。
  166. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは無給でおやりになつておるのですか。
  167. 本郷慰與男

    本郷証人 全然いただいておりません。
  168. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたのほかに、まだ役員はたくさんおつたのですか。
  169. 本郷慰與男

    本郷証人 別に役員と申しましても、その構成メンバーである油脂加工業者の中から四名、塗料から二名、帝国油糧から二名、さらに製造業会の第四部会から一名、それぞれ委員を選びまして、その委員協議体だつたのであります。これらはみな無給であります。
  170. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうするとこれの役員というものは、名前を出して相談を受けるが、実際の仕事は帝国油糧の者がやつておるわけですね。
  171. 本郷慰與男

    本郷証人 事務は全部帝国油糧でやらせております。
  172. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団ができてからは、公団の者がやつてつたというわけですね。
  173. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  174. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会なんかもみなそうだが、実際に仕事をしておるのは、公団の者が仕事をしておるわけですね。
  175. 本郷慰與男

    本郷証人 そういうことであります。
  176. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 帳簿は別に持つておりましたか。
  177. 本郷慰與男

    本郷証人 帳簿は別に持つておるはずであります。
  178. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団の者がつけているはずだけれども、帳簿は別にあるというわけですね。現在ありますか。
  179. 本郷慰與男

    本郷証人 あるはずです。
  180. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのほか各組合員から組合費として出されたものは別ですか。
  181. 本郷慰與男

    本郷証人 はあ。
  182. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからこういうような仕事の金は五百万円だけですか。ほかにありましたか。
  183. 本郷慰與男

    本郷証人 ありません。
  184. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今日あなたは帳簿を御承知になつておりますか。
  185. 本郷慰與男

    本郷証人 その都度こまかい報告は聞いておりませんが、記帳したものは見たことがあります。
  186. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会なんかは、普通組合員の收支はつけてあるけれども、こういう特別の金の收支のものはないのですか。
  187. 本郷慰與男

    本郷証人 それは先ほども申し上げましたように、各地方別に割当てます。そうすると、一応地方別に割当てた金額は、そこに載せられているわけであります。その地方別に割当てた金の使途がわかつているから、それに記帳することになつております。その地方別に割当てた額についても、私は目を通したことがあります。
  188. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何か帳簿になつてつたのですか。
  189. 本郷慰與男

    本郷証人 ノートにつけておりました。
  190. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今でもあなたはこれに関係しておられるわけですね。そのまま引継いでいるのでしよう。
  191. 本郷慰與男

    本郷証人 水産油脂協議会になりましてから、私は副会長であります。
  192. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いずれにしても、その仕事は引継いでおられるのでしよう。
  193. 本郷慰與男

    本郷証人 引継いでおります。
  194. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その帳簿は早速出さしてもらいたいと思います。
  195. 本郷慰與男

    本郷証人 現在の帳簿でありますか。
  196. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その当時の金の支出……。
  197. 本郷慰與男

    本郷証人 その当時の金は一応別になつております。現在事務局を公団でなく持つておりますから……。
  198. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いずれにしても、あなた方の方で引継ぐべき性質のものだと思いますから……。
  199. 本郷慰與男

    本郷証人 水産油脂協議会というのは、発展的解消をしたと思うのであります。現在のものは全然別個のものであります。お話の趣を前の事務担当者の方に命じておきます。
  200. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 もしないならないというふうに聞かしていただきたいと思います。
  201. 本郷慰與男

    本郷証人 承知いたしました。
  202. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 事務担当者は、公団水産油脂課長ですか。
  203. 本郷慰與男

    本郷証人 帝国油糧統制時代は石川というものがやつてつたのでありますが、公団に移りましてからは、西村という水産油脂課長だつたと思います。
  204. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかに何かありますか。
  205. 大森玉木

    ○大森委員 証人に少し横にそれるようなきらいもありまするけれども、お尋ねを簡單にいたしたいと思います。それは今の五百万円の金は、各魚油啓蒙運動その他に対して使われたというのでありまするが、その金は一体いかなる趣旨のものであるかと申しますと、統制違反をなした金であると私どもは考える。そこでこの六円十五銭の価格の上に、それだけを乘せた金である。それが何千万円というものが浮き上つたから、そのわけ前をもらつたのだということになるのではないかと思う。しからば、統制というものは国民全体のものであると考えるので、あるいは公団がやつたから統制はかまわないというものではないと思うのでありますが、この点に対してどういうふうに考えておられるか。
  206. 本郷慰與男

    本郷証人 ただいまお尋ねの六円十五銭というのは、魚油をさしておられることと思いますが、一カン六円十五銭のものに、さらに何がしかをかけて徴収したものだ、こういうお尋ねのようでありますが、先ほど申し上げましたように、この金は統制違反の金でないと私は思います。というのは、公団販売価格というものと、販売業者販売価格というものが、マル公に定められておる。公団からは大口需要者として、公団販売価格をもつてつておるわけなのであります。ただ販売業者販売価格をもつて買入れている小口業者との間に、原価計算の面から見ますと、原料費としての考え方が、そこで不平等な面があるから、それについては油脂業界全体のために使う金として醵出しよう、こういうことであつて、何ら統制違反にはなつていないと思います。
  207. 大森玉木

    ○大森委員 しからばこの四十何円というものは、公団がやつたから、それはそれでさしつかえないというわけなのですね。
  208. 本郷慰與男

    本郷証人 別に公団が高く売つたという事実ではないわけでありまして、私どもがそれを一括して醵出したわけであります。それは別途に保管しておつて、その中からそういつた増産、あるいは供出促進の運動の資金として出しているわけでありますから、統制違反にはならないと思います。
  209. 大森玉木

    ○大森委員 これは四十何円一般販売価格より高くないのでありますか。
  210. 本郷慰與男

    本郷証人 高くないのであります。
  211. 大森玉木

    ○大森委員 そうすると、さらにお尋ねするが、公団が買入れるものは安く買うのでありますが、どうして一般販売業者公団が販売する値段の相違が出て来ないか。四十円高くとつても、金が残つても同じであるというのは、どういうわけでそうなるのか。
  212. 本郷慰與男

    本郷証人 公団から高く買入れたものではないのであります。公団からは公団販売価格をもつて買入れているのです。ただ差額に相当するものをわれわれが醵出して、その金を公団が一時預かつてつて、その中からそういつたような油脂全体の施策の面の補助金を出した。こういうことになるのであります。
  213. 大森玉木

    ○大森委員 なおこの四十何万円に相当する四千万円近くのものがあつたという先ほどのお話であつたのですが、その中から五百万円をもらつて運動費に使う。そうしたものは自由に使つてもいいということは、いかなる方法によつて使われるのか、何かそういう自由に使つてもいいという法規の面でもあるのですか。
  214. 本郷慰與男

    本郷証人 私どもは先ほどから申し上げているように、われわれがそういう全体の油脂事業の面から醵出してある金であるから、その中から、水産油脂の面では水産油脂増産並びに供出促進一つの運動費として、水産油脂協議会があつせんしたということであつて、決してマル公の違反とは思つておらぬのであります。
  215. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 マル公違反でないかしらんが、中小業者価格大口業者価格の差があるでしよう。そこでおもしろくないということが起つたのでしよう。
  216. 本郷慰與男

    本郷証人 しかしそれはマル公に一応書かれてある以上は、われわれが購入した価格一つも違反はないのです。その不合理は現在でも至るところにあると思うのであります。
  217. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その不合理があるから、向うから出してもらいたい、あなた方も出そう、こういう気持になつたのでしよう。
  218. 本郷慰與男

    本郷証人 それは先ほど申し上げたように、油脂業界全体のために出すのだから、われわれが出すのも、まとめて出すのも同じだから、醵出したというわけです。
  219. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういう意味かしらんが、出そうという根本は、中小業者に行く価格大口業者に行く価格にたいへんな差があるのがおもしろくない。何といつてもこれから出ているのでしよう。
  220. 本郷慰與男

    本郷証人 むろん一つはそういう意味もあるかもしれませんが、それならば、過去のものは全部出しているかというと、そうでない。ある一期間だけのものに対して、そういつた油脂業界全体のために使うならば出そうじやないかということなんです。
  221. 深澤義守

    深澤委員 証人にお尋ねいたしますが、大口業者公団から買入れる公団直接販売価格は幾らであるか、それから販売業者販売価格として小口業者が買入れるマル公は幾らになつておりますか。
  222. 本郷慰與男

    本郷証人 私ここではつきり覚えておりませんが、その差額は先ほど委員長がお読みになりました文書にもあつたように、一カン七十八円かそこらのものであつたと記憶しております。
  223. 深澤義守

    深澤委員 そうすると、小口業者はその販売業者販売価格で買入れた。それだからその差額を醵出した、こういうことになるわけですか。
  224. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いや、小口業者販売業者価格で買つている。大口業者販売業者を通さないから、公団から行つたのだ。そこで業者マージンだけが安く入つている。
  225. 深澤義守

    深澤委員 ですから販売業者販売価格公団直接販売価格差額が七十何円です。その何円を結局積み立てて来た、こういうわけですか。
  226. 本郷慰與男

    本郷証人 おつしやる通りでありますけれども、ある一期間のものに限つてわれわれがその面を醵出したわけであつて……。
  227. 深澤義守

    深澤委員 われわれと申しますと大口業者ですか。
  228. 本郷慰與男

    本郷証人 さようでございます。
  229. 深澤義守

    深澤委員 そうすると、あなたの立場であられる水産油脂協議会という立場は、またこれは違うのですね。
  230. 本郷慰與男

    本郷証人 違います。
  231. 深澤義守

    深澤委員 ちよつとお伺いしますが、この構成でありますが、油脂加工の組合塗料加工の組合と帝国油糧とがこの構成メンバーになつておりますが……。
  232. 本郷慰與男

    本郷証人 そのほかに製造業界の代表
  233. 深澤義守

    深澤委員 それから帝国油糧が公団になつてからは、公団がそのメンバーになつておるのでありますか。
  234. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  235. 深澤義守

    深澤委員 そうすると、水産油脂協議会の中には公団メンバーとして入つておるわけですか。
  236. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  237. 深澤義守

    深澤委員 そういたしますと、その経費は五百万円で全部まかなつておるのか、それとも各メンバーが按分して醵出しておるというぐあいに先ほど言われましたが、どういう状態において醵出しておるのですか。
  238. 本郷慰與男

    本郷証人 初年度におきましては、たしか百万円ぐらいの経費を醵出しておつたと思いますが、その割合は、油脂加工工業組合がたしか半分くらい負担して、あとの残りの二分されたものが塗料油脂製造業者が負担しておつたと記憶しております。
  239. 深澤義守

    深澤委員 そうすると、公団メンバーとしてこの水産油脂協議会に入つておる。そうするとこの五百万円は、公団構成メンバーとしての分担金でなしに、全然別個の立場において出したのですね。
  240. 本郷慰與男

    本郷証人 それは公団が出したというよりも、先ほどからくどくど申し上げておりますが、われわれの醵出したものの中からもらつておる、こういうことになると思います。
  241. 深澤義守

    深澤委員 大口業者が醵出したと言いますけれども、そこがはつきりわからないが、つまり公団直接販売価格というものは、大口業者が買入れる価格のわけですね。
  242. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  243. 深澤義守

    深澤委員 そうすると、その差額があるということは、つまり小口業者大口業者の間には原価計算の差があるから、差額があるわけですね。
  244. 本郷慰與男

    本郷証人 いやそうではなく、小口業者というものは数量がわずかなんであります。従つてそういうようなものは、代理店を通じて容器のあつせんだとか、あるいはいろいろの手続だとか、そういうようなことを一切問屋がやるわけであります。大口業者の場合には、それ自身がすべての販売をやつておるわけでありますから、当然差があるのはあたりまえであります。
  245. 深澤義守

    深澤委員 つまりそれだけ安く買つておるわけですね。
  246. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  247. 深澤義守

    深澤委員 つまりそれはあらかじめ経費がかかつておるから安く買うわけでしよう。
  248. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。
  249. 深澤義守

    深澤委員 つまり安く買つておるということで、結局原価計算上そういう結論になるので、当然の価格だということになるわけですね。
  250. 本郷慰與男

    本郷証人 そうです。マル公によつて買い入れておるわけであります。マル公にそういう段階がつけてあるわけであります。
  251. 深澤義守

    深澤委員 そうするとマル公によつて買うんだが、小口業者よりは安く買」つておるから、その安い分だけを醵出して積み立てておつたというわけですか。
  252. 本郷慰與男

    本郷証人 そうであります。
  253. 深澤義守

    深澤委員 それは公団に頼んで預金をして置いたわけですか。
  254. 本郷慰與男

    本郷証人 公団に一括して預かつてるわけです。
  255. 深澤義守

    深澤委員 どうして公団に一括して預けたのですか。
  256. 本郷慰與男

    本郷証人 結局公団が全部——われわれ個々にはどこにどれだけ行つてるかわからないのでありますから、公団に一括して預かつてもらつたわけです。
  257. 深澤義守

    深澤委員 すると、大口業者買つた分が幾ら幾らであつて、お前の所は幾ら出せというぐあいに、その中から出したのではなく、公団が何かその販売上の過程において天引きして預かつておいたのですか。
  258. 本郷慰與男

    本郷証人 いや、天引きではありません。あとから出しました。
  259. 深澤義守

    深澤委員 すると、大口業者がだれが幾ら出したということは明確になつておりますか。
  260. 本郷慰與男

    本郷証人 なつているはずです。
  261. 深澤義守

    深澤委員 わかりました。
  262. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ほかにありませんか——もう一応聞きますが、これは重要なことですが、あなた方初めから、今あなたの言われたようなつもりでやつたということは間違いありませんか。
  263. 本郷慰與男

    本郷証人 間違いありません。
  264. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがこつちで調べたところでは、第一・四半期も第二・四半期もないんです。みな同じに得意先前受勘定というものに入つてるんです。
  265. 本郷慰與男

    本郷証人 その公団内部の経理の取扱い方、あるいは処理の仕方については、私どもは全然知りません。
  266. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで物価庁に行つてこつちが調べたときには、すべて同じであります。けれども幸いに、こつちで許可せぬ先の金があつたのだから、それは別だと、こう言つてるそうですよ。
  267. 本郷慰與男

    本郷証人 私ども公団の経理の内容については存じません。
  268. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあなた方、あとから考えてつけたりくつじやないですか。
  269. 本郷慰與男

    本郷証人 そうじやありません。
  270. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 物価庁ではそう言つてる。重要なことですから、もし何らか言い直すなら言い直してもらつて……。
  271. 本郷慰與男

    本郷証人 いや、そうじやありません。私証言申し上げた通りであります。
  272. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 よろしゆうございます。それじや済みました。  瀧澤榮一さんですね。
  273. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はい。
  274. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたは脱脂糧穀販売業会にお勤めになつてつたようですが、いつからいつまで、どういうことをやつておいでになりましたか。
  275. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 ずつと前は、脱脂糧穀販売業会ができる前の脱脂大豆配給統制組合、その当時からずつとそちらの方の仕事をやつておりまして……。
  276. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 脱脂大豆ですか。
  277. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 日本脱脂大豆配給統制組合というのが、一番最初の団体でありました。
  278. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それからいつこの業会というのになつたのですか。
  279. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 それからそれが昭和二十二年だつたと思いますが、脱脂大豆商業協同組合というのに改組されまして、それが昭和二十二年の七月に閉鎖機関に指定されました。その後はしばらく閉鎖機関の残務整理をしておりました。その前の統制組合が登記の手続の不備なために、昭和二十三年の三月ころだと思いましたが、また閉鎖機関に指定されましたものですから、その後両方の団体とも全国的な組合員を持つておりまして、連絡が、何かよりどころがなければ困るということで、脱脂糧穀販売業会というふうな名前の団体をつくつて、それを組合の連絡機関にして置こうということにしました。
  280. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年ですか。
  281. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 二十三年ごろだと思います。
  282. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十三年何月ころ。
  283. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 二十三年の三月に日本脱脂大豆配給統制組合が閉鎖機関になりましたものですから、その後だと思います。
  284. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 四月か五月ですね。
  285. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はい。もつともその場合に、何か組合員のいろいろな閉鎖機関の資料を出すとか何かの関係で、こちらの方で連絡機関をこしらえなければ困るからというて計画はしておりました。
  286. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつまで勤めておられました。
  287. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 脱脂糧穀販売業会というのは任意団体なものですから、別にいつというふうなものでない、しり切れとんぼになつているような状態なのですが、私はことしの五月に日本容器株式会社ができまして、そちらの方に勤めるようになりましたので、そこまでほはつきりしております。
  288. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたここの專属だつたのですか。
  289. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 さようでございます。
  290. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 專属の事務をやつてつたのですか。
  291. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はあ。
  292. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 日本容器とはどういうことをやる会社なのですか。
  293. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 麻袋とかますを取扱つております会社であります。
  294. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前の油糧配給公団の大豆部長であつた野村千秋氏が社長になつているようですね。
  295. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そうでございます。
  296. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 野村さんがそれをつくるのについて、一緒に行つたわけですか。
  297. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そうであります。
  298. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 野村氏とあなたはどういう関係にあるのですか。
  299. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 野村さんは油糧配給公団ができる前は、農業会におりましたように聞いております。
  300. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 別にあなた配給公団には関係しておつたことはないのですか。
  301. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 ございません。
  302. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、脱脂糧穀販売業会の目的は何にあるのです。
  303. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 一番最初は、組合員のいろいろな連絡に必要だということでありましたが、その後前の脱脂大豆配給統制組合時代に、かますの回收や容器の回收や何かもしておりましたものですから、そういうふうな面でも仕事はできるのじやないかというふうなことで最初つくりましたのですが、その後かますや何かほとんどありませんものでしたから、たまたま油糧公団の切りかえのときに、脱脂大豆粉が配給になりましたのですが、これが油糧公団の切りかえのためにうまく配給なり受渡しができないからということで、私どもはその輸送代行を引受けました。それが主たる仕事みたいになつて参りました。
  304. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、單に組合員の何か共同の事業啓発とかいうのではなくて、一つ仕事目的としてやつたものですね。
  305. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 脱脂糧穀販売業会ですか、最初の考えはそうでなかつたのでありますが、いろいろ閉鎖機関や何かから各組合員の資料を集めたりするのに、共同事務所が必要だというようなことで最初スタートしましたのですが……。
  306. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それがどうしてかます。の集荷をやつたり、事業団体になつてしまつたのですか。
  307. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 かますの集荷をやつたというのは、配給統制組合の時代にかますの集荷などを組合がやつておりましたものですから、そういうような仕事もできるかというようなことで考えたのであります。それからその当時は、かます詰めの品物は割合にありませんでしたから、かますよりもむしろ油糧公団の方の大豆粉の輸送代行を引受けるというようなことで、重点がだんだんかわつて行つたようなわけなのであります。
  308. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 資本金はあるのですか。
  309. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 最初は五十万円で、二十五万円拂込みで、何も別に仕事をするという団体でなかつたものでありますから、ほんとうの維持費なりがあればいいという意味で何しましたものでありますから……。
  310. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 任意組合ですね。
  311. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 任意組合で、組合員醵出金——出資金でありますか、二十五万円もらつて始めたのであります。
  312. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう人たちがやつたのですか。
  313. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 会長は館野榮吉。
  314. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その団体は、どういう団体メンバーになつているのですか。
  315. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 従来の脱脂大豆配給統制組合組合員から出資してもらつたのであります。
  316. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 前のですね。
  317. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はい。
  318. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 現在はないのですか、それともあるのですか。
  319. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 現在金がまだ若干残つておりますが、私が容器会社へ行くようになりましてから、その後元の事務所に移つてしまつたために、一まとめにした書類などは散逸してしまつたので、それで資料はないので、そのままに留保されております。
  320. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 形式だけは残つているのか。
  321. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 財産というほどのものでありませんが、金が残つております。整理のしようがないので、そのままほうつてあります。
  322. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 二十五万円の出資は。
  323. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 それは前に……。
  324. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 返済してしまつた……。
  325. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 返済してしまいました。
  326. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 この販売業会が、今あなたのおつしやつた油糧配給公団から、大豆粉及び大豆ミールの配給業務を代行させてもらつたそうですね。
  327. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はい、一番最初がこの代行なのであります。
  328. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どういう関係でそういうことになつたのでありますか。
  329. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 油糧公団が発足しましたのですが、荷物がそのころ約四、五万トン港に滞貨されておりますし、あと引続いて荷物が参ります。大体二十三年の初めころは、みそ、しようゆは計画配給をされておりましたが、原料が少いために、あつちこつちに大分遅配ができておりました。農林省なんかも、原料の放出が決定したものは至急に輸送をしろということでありましたのですが、油糧公団は発足早々なので、人員も足りません。元来私どもの方の組合員は、油糧公団販売業者になるという意思を持つておりましたので、なるべく消費者団体に接触して行つた方がよいというような意味から、組合員代表を販売業会へやつて、輸送代行をさしてもらいたいということをお願いしたわけであります。
  330. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、代行というのはどういうことをやるのですか。
  331. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 農林省の方の割当数量が決定になりますと、府県別の数字がわかりますので、それを私の方で聞きまして、各府県の消費者団体に電信か電話で知らせましたり、大体何台とか何個という各府県の荷受方法と照会すると、いつどこの駅へ幾らというような連絡がありますから、それによつて輸送計画をつくります。それから新橋の管理部や東鉄の方へお願いして、配車計画をつくります。そうして今度は現地にあります倉庫なり、マル通と連絡をとりまして、配車計画によつて発送する段取りになります。発送しましたら、各府県の消費者団体、荷受者に、貨車番号とか、何両の車へどういうふうに積んだというふうなことを連絡いたしまして、あと代金の請求と領收をすることになります。その間大豆は皆麻袋積みですから、麻袋の返還請求とか、あるいは荷物の輸送途中の事故、たとえば雨ぬれのための沢手だとか、あるいは乱袋の欠減というふうな事故が若干出ますので、そういうふうなものの解決をすることになります。
  332. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 たれとたれがこれん携わつておりましたか。
  333. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そのころは荷物が大量にありましたものですから、私のほかに、忙しいときには臨時に各組合から人を頼んでやつておりました。
  334. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 常任は。
  335. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 常任は私で、私は主として東京におり、駅より倉庫の方へそれぞれ人を派遣しなければなりませんので、そういうのは組合員を臨時に頼んでやつておりました。
  336. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 中村宇四郎というのは。
  337. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 專務理事というような肩書ではありましたですが……。
  338. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはほとんど仕事をせないのですか。
  339. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 大体私から、きようはこういう状態になつているというような報告はいたしますが、何分にもほかの仕事をやつておりますから、その仕事は直接やつておりません。
  340. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 何をやつてつた人です。
  341. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 中村さんは、相互産業と相互工業という会社の社長をやつてつたのです。
  342. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団関係している人ではないですね。
  343. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そうではありません。
  344. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこでまず大豆粉について承りますが、大豆粉の代行料を、最初は大体一トンについて三十円ときめてあつたそうですね。
  345. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はあ、三十円ときめてありました。
  346. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところが、その後指定油糧販売業者価格というものがきまつてマージンもきまつたそうですね。
  347. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はあ、きまりました。
  348. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどうきまつて来たのです。
  349. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 最初はトン三十円の割合でしたが、そのころは四百五十四円八十九銭の油糧公団販売価格一本きりしかなかつたのであります。油糧公団としては、できたばかりで輸送や何かは人がなれないし、手が足りないしするから、最小限度でやつてくれということでしたが、私どもはなるべく消費者に接触して関連を持つていた方が、将来販売業者として仕事をする上に有利だというふうなことから、いくらでもけつこうですが、最小限度三十円くらいは費用がかかるからほしい、こまかい計算の基礎や何かは忘れましたけれども、折衝した結果やむを得ないということで、一応そういうふうにきまりました。
  350. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 三十円で損がいきましたか。
  351. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 組合自体は別に赤字にはならないのですが、組合員は、市中の電車賃とか何とかいうものは自分で出しておりますから、そういう点では相当な犠牲を拂つていると思います。
  352. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 けれども、あなたの方としては損をしていなかつたのですか。
  353. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 組合としては、そういうふうな費用は別に見ておりませんで、組合員の援助でやつていたので、損をしないわけであります。
  354. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 ところがその後になつてマージンが九十円にきまつたそうですね。
  355. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 七月の末に、油糧公団販売価格販売業者販売価格というふうに二本建にきまりましたものですから、取扱い業者価格もトンあたり九十円に決定になりました。
  356. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方では九十円もらつたそうですね。
  357. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 たまたまその価格にひつかかつた荷物が約八千トンくらい積めなかつたり、あるいはこの荷物が各県の食糧事務所や何かに散在しておりましたものですから、発送が一箇月近くかかつた。肥料公団の方は即日実施ということで、私の方でも、油糧公団が二本建にせられるならば、販売業者と同じ仕事を実際にやつているのだし、さらにこまかく言えば、それ以上仕事をやつている状態であるから、そうしてもらつたらどうか、今までの三十円はあまりきちきちであるからという話で、それでその当時油糧公団の方でも、油糧需給調整規則や何かでもさしつかえないだろうというようなことだつたものですから、私の方では消費者の方へ頼んで、消費者も大体みそなりしようゆなりアミノ酸の業者団体の方へ行つて了解してもらいましたが……
  358. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 九十円を……。
  359. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はあ。中にはいきなり九十円じやよ過ぎるから、いま少しく負けろというようなこともありまして、四十五円だとか五十円にしたのもあります。
  360. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まけたのもあるのか。
  361. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 あります。ですからまちまちなのであります。
  362. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆ミールもあなたの方で取扱われたのですね。
  363. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はあ。
  364. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 やはり同じ代価ですね。
  365. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 大豆ミールは最初価格や何か出ておりませんから、ずつと私の方で五月から六月にかけて売り急いだ荷物と、それから七月に入つて、荷物が一どきに輻湊して入つて参りました関係上、それを積みましたのが二万トンばかりありました。そのうちクーポン制度にならないでおりました一万八千トン台の荷物は、私の方で代金決済や何かいたしました。
  366. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆ミールは、初めはきめずにやつておいて、きまつてからもらつて来たというのですね。
  367. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そうであります。そのころは大豆ミールは初めての商品で、価格も何もなかつたのであります。
  368. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あとでさかのぼつて一トンについて二百円ずつもらつたのですか。
  369. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そのころの価格がやはり二本建になりました。油糧公団販売価格販売業者販売価格という二本建になりましたから、たまたま販売業者マージンに相当するものが、トンに換算しまして二百円ありましたものですから、それをやはり大豆粉や何かと同じように、販売業者に相当する価格を、実際にそれと同じようにやつたんだからもらいたいがというようなことで、各県の消費者団体に頼みまして、もらつたところもありますし、大豆粉と同じように、もらわぬところもありましたし……。
  370. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それだつてあたりまえにとるべきものなら、もらわぬところがあつたら、きゆうきゆう責めたらよさそうなものだが、もらわぬところがあるというのはおかしいじやないか。どういうわけでそんなにもらわぬでもいいというところが出て来たのか。
  371. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 私の方としては、もらつても当時の油糧需給調整規則で行けばさしつかえないだろうという気持だつた。油糧公団の方は、もともと正規な販売業者として来ているのではないしするから、むりにとれなかつたというふうな話もありましたしするものですから、また事実荷物の積出しや何か非常に順調に行きまして、むしろ消費者団体や何かの方から感謝されておりましたので、そういうふうな府県では、それは当然だろうから出してやれというふうなことでもらいましたところもありますし、また非常にりくつつぽい府県は、いろいろ研究してみると、これはやる必要もないようだから、しんぼうしろ。そのかわりあとでクーポンにでもなつたら、お前らの方を大いに使つてやるというような話もありました。
  372. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実際は三十円でもそろばんがとれてやつていたんだから、マージン料がきまつたからといつて、ぽんとやるものだから、そんなにお前ら何のためにもうけるんだ。それが根本なんだろう。
  373. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 いやそういうことは……。前の三十円というのは、油糧公団経費の中から出してくれたものなんです。
  374. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから三十円でもやれたんだから、それをマージンがきまつたといつてぽんとやる、お前らそんなにもうけぬでもいいだろうということが根本なんでしよう。
  375. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 しかし消費者の方は、そういうことは別に言つておりませんでした。
  376. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それじや何で拂わないんだ。
  377. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 たとえば三重県などは、県の方へ聞いてくれたそうです。しようゆとみその組合から県の方へどうしたものかという話をしたところが、県の方で安定本部かどこかの方へ聞いたところ、それは拂つても拂わなくともかつてだというようなことで、別に拂わなければならぬというふうな性質のものじやないというふうな話だというので、私の方からもらいたいのだということでお願いに行つた。その後に、それは拂つても拂わなくてもいいというものだそうだから、うちの方では拂わぬからあしからずというふうな話もありまして……。
  378. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたの方で正当にとるべき金なら、とらなければならぬのじやないか。それをあえて拂わぬでもいいというところに、へんなことがあるんじやないか。
  379. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 正当な仕事はしたのですけれども、正式な販売業者という許可なり認可をもらつていないところに、私どもの弱いところがあつたわけです。
  380. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 九十円というのは、あなたのやつておるのは代行料なんだから……。
  381. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そのころの九十円とか二百円とかいうのは、單価がだんだん上つて来ましたから、そういうふうなことに価格がかわつて来ました。
  382. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 マージン料をもらつて販売業者と同じような仕事をしておると言われるが、販売業者は自分の資金で買い入れて、また販売代金をとりもどさなければなりません。それはたいへんな仕事だぜ。それをあなたのところはやつてないのだろう。
  383. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 私のところは、大豆ミールなどの代金決済のときには、消費者の方がその後金詰まりになつて拂えぬからということで、代金の整理がつかない、手形でもらつて来て、それを組合員の信用で割引いたりして、油糧公団に拂つております。
  384. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 仕入れるときは油糧公団へ金を拂つてないだろう。
  385. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 その荷物は、最初から代金決済が遅れて出ましたものですから、最初にあらかじめ代金を拂つて積み出すというふうなことでなかつたのです。
  386. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 代行だもの、そんなことはあるべきはずはない、君は独立の業者ではない、代行者だから、そんな金を立てかえる必要はない、そこで販売業者と君の方の仕事とは、仕事内容が違うのだ。
  387. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 現実には銀行から金を借りて、手形を割引いて油糧公団に拂つておるというふうな……。
  388. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは支拂いの方でしよう。仕入れるときは金を出させはしないだろう。
  389. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 仕入れをすると言いますけれども、仕人れはもう前に輸送されておる荷物です。額がきまつてから荷物を積んだのが……。
  390. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 君は金を出して油糧公団から買い入れたことはあるか。
  391. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 金を出して油糧公団から——その荷物に対しては別に買入れとか何とかいうふうなことは……。
  392. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あるべきはずはないでしよう、それはなぜか、代行だからでしよう。
  393. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 その荷物は先に動いてしまつておるからです。
  394. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 荷物を送つた主はたれです、油糧配給公団のものをあなたは代行して送つたのでしよう。
  395. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 最初はそうです。
  396. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから資金というものはいらないでしよう。そこに独立の業者とあなたの方とは全然性質が違うだろうと、それを聞いておるわけです。
  397. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 実際の資金の面から行きますと、たまたま私どもが大豆ミールを全部で二万八、九千トン積みましたけれども、そのうちにクーポン制になつて、正規な販売業者と言いますか、指定販売業者が、私どもが積んだ荷物を代金決済したのがあります。それもやはり私どもがやつたと同じような経過をたどつております。
  398. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そんなことはどうでもよい、君の性質を聞いておるのだ、独立の業者ではあるまい、どこまでも配給公団のを代行したわけでしよう、それは間違いないでしよう。
  399. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 積むときは代行だつたのですが、代金受渡しになつたときは、私の方が代行であれば、みそなりしようゆの業者から金が入るのを待つて油糧公団に納めてもよいりくつなんですが、実際は私どもは金がないからというので、手形でもらつて、手形で割引いて代拂いしておるというふうな……。
  400. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういうこともあるかもしれないが、私の言うのは代行機関だろう。独立の業者ではあるまいというのだ、あなたのところはその点だけ言えばよいのです。その通りだろう。そうしてみれば、代行機関と独立の業者は、その間の資金のやり繰りだとか、損益は自分のふところに影響がある。君は何も影響がない。しかるに独立の業者と同じマージンをとるというところにふしぎが起るのであつて、そんなものは佛わぬでもよかろう、半分にしておけと言われる。それでなければそんなことを言われるわけはない。
  401. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 積むときは、確かに代行で積んだのは事実でありますが、代金の決済や何かの面に至つては、販売業者と同じ機能を、販売業者組合の名前でしておりますから、私はそうじやないと思います。
  402. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 代行というのは、本人がおつて、その仕事をかわつてやるのだ。要するに俗に言えば、番頭の仕事をやるのだ。業者というのは自分で自分の仕事をする。損益、いわゆる危險負担を自分でやるものだ。たいへんな違いのものだが、代行なのか、独立の業者なのか、どつちなのか。
  403. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 ……。
  404. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこまでも代行だろう。その代行が独立の業者と同じマージンをとろうというから、そんなにとらなくてもいい、何でそんなにとるのかと思うのは、だれでも当然のことだ。それが合点が行かない。
  405. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 どうもふに落ちない。
  406. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこがふに落ちないのか。
  407. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 積むときは、確かに代行事務として荷物の輸送をいたしました。ところがたまたま公定価格が出ました結果、公定価格代金決済ということになつたときに、販売業者と同じような機能を実際はしております。
  408. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうすると、集金については公団で便宜を與えたことがあるというのだろう。
  409. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 販売業者と同じように……。
  410. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 便宜を與えたのか。
  411. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はあ。
  412. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうかもしれぬが、どこまでも性質は代行だろう。そのために独立の業者になつたのかね。
  413. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 ……。
  414. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 私の言うのは、独立の業者であるか、代行であるかということを言つておるのだ。私の言うことにさえ答えればよい。よけいなことを言うから……。何のためによけいなことを言うのか、言わなければならぬ何かがあるのだろうと言われる。あたりまえのことを聞いておるので、聞いておる者はみなわかつておる。君一人だ、そんなことを言うのは。
  415. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 ……。
  416. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 実際どうですか。あなたとしても、三十円でやれたものを九十円とつては、これは少し不当にとり過ぎると思わなかつたかね。きめずにおつてあとから二百円をとるのは、少し多過ぎると思わなかつたかね。
  417. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 ……。
  418. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうたね、そう思うかね。そうでなかつたら、堂々となぜよこさぬと言うてとつたらいい。それでこれによつて幾らもうけましたか。
  419. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 総体的には、全国的に四百四、五十万円、全部の收入があつたと思います。
  420. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いろいろな費用を差引いてか。
  421. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 いえ、費用はそれから出ております。
  422. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 費用はどれほどかかりましたか。
  423. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 各組合員の支出費用というのは、こちらの方でわかりませんものですから……。
  424. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはあなたは出さないのだろう。
  425. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 組合員には、費用弁償という意味で、入つた金から組合員の方にそれぞれわけてやるようにしております。
  426. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どれだけわけましたか。
  427. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 約二百万近くわけているんじやないかと思いますけれどもはつきり覚えておりません。
  428. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会から、百二十万円もどしをよこせと言つて、とつているそうだね。
  429. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 もどしではなくて、大豆協会の資金面が非常にきゆうくつであるから、特別会員で経費の一部を持つ意味で、特別会員になつてくれというような話が昨年の秋にありました。
  430. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どれだけ出しましたか。
  431. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 その当時は、まだ具体的に大豆ミールなり何なりの金がどの程度に入るということが、はつきりわからないものですから、できるだけのことはいたしますということで、中村專務と相談して、最初に金がぼつぼつ具体的に入つて来ました一月ごろに五十万円。
  432. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今年の一月ですか。
  433. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はい、一月と三月。そのあと四月だか五月ごろだと思いますが、三回にわけて、入りぐあいに応じてそれぞれ特別会費というようなことで……。
  434. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どれだけ出したのですか。
  435. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 合計百二十万円です。
  436. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会には、あなたの方はどういう恩惠をこうむつていますか。
  437. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 大豆協会は、大豆の輸入促進と内地産大豆の増産ということをしております。現に大豆ミールなり大豆フラワー、あるいはアメリカ産大豆が輸入されたのは、大豆協会や何かによるところが非常に多かつたように私どもも聞いておりますし、それからそういうふうなことで大豆協会の仕事が成功して、大豆なり大豆ミールなり大豆フラワーが輸入されて来ると、あるいは内地産大豆が増産されることによつて、われわれの取扱い商品がふえて来るという意味で、直接いくらという利益はありませんが、間接的に大豆なり何なりの取扱い数量がふえて来るということで、私の方の中村專務も、大豆協会の設立のときに、自分たちの取扱い商品のないために、大豆協会を通じて大豆の増産なり輸入を促進して、取扱いのできるようにしてもらうという話だつたものですから、そういう話があつたときに、できるだけ援助をして行くべきだということで、特別会費を納めようという話になつたのであります。
  438. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会には、特別会費をとらなければならなかつたほど、金の入用があつたのか。
  439. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 その点私の方ではわかりません。
  440. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 わからなかつたけれども、そう言われたから出したのか。
  441. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はあ。
  442. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だれが言いましたか、大豆協会に出せということを。
  443. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 野村さんだか門田さんだか、はつきりしておりませんが、持つて行つたのは野村さんのところに持つて行つた
  444. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 野村は大豆協会の何ですか。
  445. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 理事であります。
  446. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆協会の理事ではあるが、公団の大豆部長ですね。
  447. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そうです。
  448. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆部長の野村氏が、大豆協会に出せと言つたのでしよう。
  449. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 大豆協会に加入してくれという話で……。
  450. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうであろうが、大豆部長である公団の野村氏が言つたのだろう。それはどうですか。
  451. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 同じ人ですから、その点は……。
  452. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 こつちはそれを聞いているのだ。
  453. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 私の方に来たのは大豆協会として……。
  454. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 だから野村部長が、大豆協会に特別会費を出せと言つたのだね。大豆協会の理事でもあるし、それから……。
  455. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 大豆部長としてであれば、公団の方へわれわれを呼んでするわけなんですが、私の方の事務所に、たしか野村さんと門田さんが見えてのことなんですから、大豆協会としてでないかと私は信じております。
  456. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そのときは大豆部長をやめて来た……。
  457. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 やめておりません。
  458. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 とにかく大豆部長である野村氏がそう言つたんだね。間違いありませんね。
  459. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 大豆部長であるかということになると、私はちよつとわかりません。大豆部長としての話だつたら、いつでもわれわれを呼んでするのですけれども、わざわざ出かけて来ての話なんですから……。それで大豆協会として加入して来れというふうな話だつたのですから、たしか大豆協会の理事なり事務当局として出て来たのだろうと思います。
  460. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 大豆部長をやめて来たわけじやないだろう。それからこの代行はたれにさせてもらつたのですか。
  461. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 大豆部と折衝したのであります。
  462. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 するとあなたの方に代行させて、業者と同一のマージンをとつてもいいと野村氏が言つたんだね。ほかの者が言つたんじやないだろうね。
  463. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 野村さんが言つたかどうかはつきり記憶しておりません。
  464. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 すると大豆部で言つたんだろうね。
  465. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 大豆部でもさしつかえないだろうということで、私どもは野村さんに呼び出されなければ、むしろその下の方の人にいろいろ話なり何なりをしております。直接大豆部長のところへまで行かないで、申達してもらうようにしておりますから……。
  466. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 とにかく大豆部に代行をさせてもらつてマージンをとつてもいいということを許してもらつた。そして四百何十万円の利益があつたから、今度大豆部長から、特別会員になつて金を出せと言われたのですね。
  467. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 四百何十万円というものが集まつたのは、それからずつと後になつて、そういうものを通計してからなんです。しかし私どもが自分で頼んで、まわつて歩いて計算したところが、大体見通しができそうだつたので、できるだけしようというのでしたのですが、現実に金が入つてからしたわけではないのです。
  468. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 百二十万というのは、どういうことできまりましたか。
  469. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 私の方は、百二十万円というのは、とにかく相談してみましよう。そして相談して、せいぜい大豆を入れていただくように願いたいということでしたのですが、最初五十万円ばかりの金が集まりました。組合員に一部ずつ経費補償をした残りの五十万円ばかりを何しました。その後にやはり三十五万円ずつしましたが……。
  470. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そういう額はたれがきめたのですか。
  471. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 私は中村氏と話し、そして野村さんと一緒に話を……。
  472. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 百二十万円だけはどうしてもこさえますということで……。
  473. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 どうしてもこさえますということではないのです。
  474. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 百二十万円くらいにしようということになつたのですか。
  475. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 大体野村さんの方では、どうしても百二十万円くらいほしいというような腹案があつたらしいのですが、私の方へ百二十万円出せとか、百五十万円出せとかいうことではなかつたのです。
  476. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 野村さんに腹案があつたというのは、どこからそういう腹案が……。
  477. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 あとで私の方から、特別会費はどれくらいかということを、非公式に伺いに行つたのです。その結果自動車とか維持費だとかいうようなことで、そのくらいはほしいけれども、できなければやむを得ないし、その点はひとつできるだけ援助をしてやつてほしいというふうに、たまたま私の方の中村專務は、大豆協会の理事をやつてつたものですから、ざつくばらんに話を聞いたのです。
  478. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 自動車を買うので、百二十万円できたらしてもらいたいというのですね。
  479. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 してもらいたいというのではないけれども、それくらいできれば、われわれの方では自動車を買うということであつた。けれどもわれわれの方では、はたして百二十万円できるかどうかということは、具体的にはわかりませんものですから、それでできるだけ援助をするというか、特別会費を拂うように努力しますということで……。
  480. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうもいろんなことを考えて言おうとするから、あつちこつちするのですよ。それで言うた通り、自動車を買つたことは知つておりますか。
  481. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 知りません。
  482. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 自動車はたれが乘つて歩きましたか。
  483. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 それは私の方では知らないのですが、私のところと出口が一緒だつたものですから、よく公団の方に置いてありますが、私の方でも一、二度乘せてもらつたことがあります。
  484. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 自動車はどこにあるのです。
  485. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 公団の出入口の、高島屋の下によくありました。
  486. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 車庫に……。
  487. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 車庫は……。道のところにくつついております。
  488. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 車庫にある……。
  489. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 車庫ではない。道のところによく晝間ついております。
  490. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 私が公団にあるというから、車庫があるかということを聞くのです。
  491. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 車庫はありません。
  492. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこに車庫があるか、知つておりますか。
  493. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 存じません。
  494. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 和田氏の家にあるのか、車庫に入つておるのだろう。
  495. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そうであります。
  496. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 まあ、いいでしよう。どうもこつちの言うことに答えずに、ほかのことをしいて答えようとするのは、どういうわけなんだ。こつちの言うことを簡單に答えればよさそうなものだ。こつちの聞いたことさへ答えさえすればいい。それを答えないものだから、聞く者には非常にへんに聞えますよ。けいこして来たのかね……。
  497. 菅家喜六

    ○菅家委員 一点だけお尋ねします。証人が本委員会に証人として喚問の通知を受けてから、これらに関係する人と、どこで、何べん、どういう話をしましたか。
  498. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 私はきのう出先でもつて、私の家に書類が来たという通知を受けましたので、それからすぐ帰つて、その書類を持つて、私の事務所へ行きましたが、そのとき会つたのは、私の方の黒田という職員と、あと二、三人の職員であります。
  499. 菅家喜六

    ○菅家委員 大豆協会でも公団でもいいのですが、野村氏に会いませんでしたか。
  500. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 きのうは行き違いで会えませんでした。
  501. 菅家喜六

    ○菅家委員 野村さんに電話をかけたことはないですか。
  502. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 私、その当時事務所におらなかつたものですから……。
  503. 菅家喜六

    ○菅家委員 いや、そうではない。あなたが証人として出て来るのに、野村氏に会わなかつたですか。
  504. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 会えませんでした。行き違いのために……。
  505. 菅家喜六

    ○菅家委員 行き違いになつたのはどういうわけです。
  506. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 野村さんはほかに用事でもつて出ておりました。
  507. 菅家喜六

    ○菅家委員 会いたいと思つて電話をかけて……。
  508. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 かけないのです。
  509. 菅家喜六

    ○菅家委員 行き違いになつたというのは、どういうわけですか。
  510. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 行き違いになつたから、会わなかつたのです。
  511. 菅家喜六

    ○菅家委員 何で行き違いになつたのです。
  512. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 野村さんはずつとほかの用で出ておつたのです。
  513. 菅家喜六

    ○菅家委員 どうも証人の話は、先ほど来委員長の質問や注意があつたように、質問の的をはずれているから、話がこんがらかつてしまうじやないか。要するに会つたか会わないか、会わないなら会わない、会つたなら会つた、会おうと思つたが行き違いになつて合わないならそれでもいい。自分の方から面会を求めたが、向うの関係で行き違いになつたというのか、まことにあいまいな答弁をする。先ほどから聞いておると、何かこの事件に、だれかに迷惑をかけてはならないというような考えから、これを隠蔽しようという考えの答弁が非常に多い。先ほどから聞いておると、その例はたくさんある。一々言わないが、ここに書いてある。それでは真実を述べることができない。そうなるとあなたの不利になる。そういうことをやると偽証になるおそれがある。しかも十一月二十五日に、一度本委員会に呼出しをされておる。きのうもらつたからと言つて、きのうもらう前に、十一月にあなたを呼んでいるじやないか。そういうあいまいなでたらめを言つてはいけない。きのう初めてもらつたから、とるものもとりあえずすぐ来たということを言うが、すでに十一月二十五日に、あなたに対して本委員会から喚問呼出しが行つている。ところがその後にあなたが会わないということは、間違いがなければ間違いないでいいが、あなたの不利益になる。私はあなたのことを一々調べていて、打合せが済んでいるのを知つているから、それを聞くのである。もしも一ぺんも会わないというならば、速記録にとどめておいて、あなたは偽証になる。そういうことは気の毒だから、もう一ぺん念を押して聞くのです。会わないなら会わないと……。
  514. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 十一月には……。
  515. 菅家喜六

    ○菅家委員 前のことを聞いているのじやない。くだらないことを言うのじやない。この事件が起きて、あなたが呼出しを受けた後に、確かに公団の人に会つたか、会わないかと聞いている。十一月二十五日の本委員会の呼出し後において、公団の人か、もしくは大豆協会の人にあなたは会つたのではないですか。
  516. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 十一月二十五日に呼出しを受けまして、その後私参りましてから、きよう野村さんに会つてしたのが……。
  517. 菅家喜六

    ○菅家委員 会つたか会わないかを聞くのだよ。
  518. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 会いました。
  519. 菅家喜六

    ○菅家委員 会つたならなぜあなたは会つたと言わない。
  520. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 きのうの……。
  521. 菅家喜六

    ○菅家委員 きのうでもおとといでもかまわない。会つたか会わないか。いつ会つたかと聞いたときに、そういうことを言えばよい。それはいつだね、野村氏とあなたが会つたのは……。
  522. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 十一月の二十六日、それからずつと会社の事務所で何べんか会つております。
  523. 菅家喜六

    ○菅家委員 何べんか会つているでしよう。野村氏と会つたことは、ちやんと私の方で知つているのだ。そういうことを隠してもみなわかるのですよ。
  524. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 隠すというような意味ではないのですが、たまたまきのう……。
  525. 菅家喜六

    ○菅家委員 そういう詭弁を弄してはいけない。そういうのを詭弁というのだ。会つたか会わないかということを聞いているので、きのう会つたかどうかということを聞いているのじやない。呼出状が行つてから、会つたか会わないかということを聞いているのである——そうすると前後二、三べん会つた……。
  526. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 二、三べんじやきかないと思います。
  527. 菅家喜六

    ○菅家委員 もつと会つた……。
  528. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はあ。
  529. 菅家喜六

    ○菅家委員 どういう話を……。
  530. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 会社の仕事の報告や何かをしておりました。
  531. 菅家喜六

    ○菅家委員 そのとき、大体野村氏が委員会で調べられたこの條件のうちに、こういうことを言つてくれということをあなたに頼んでいる。
  532. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そういうことは……。
  533. 菅家喜六

    ○菅家委員 頼んだというわけではないが、こう自分は申し立てている、委員会に出てこういうことを言つてくれということを言つている。それを聞いて来たろう。
  534. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 いいえ、委員会の話は別に……。
  535. 菅家喜六

    ○菅家委員 委員会でなくても、大豆協会と何かの関係のことをあなたに話して、自分たちはこういう取扱いをした、こういう考えのもとで、こういうことをやつたということを、あなたに示唆を與えているね。
  536. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はい。
  537. 菅家喜六

    ○菅家委員 それだから、あなたは先ほどからなるべく野村氏だとか、いろいろな者に関係ないように証言しよう証言しようということが、ちやんとそこに現われているのです。その一つの例は、あなたに聞くけれども、百二十万円の特別会員になつた。あなたの話では、どこがほんとうだかわからない。百二十万円くれ、その内容を聞いてみたところが、ほしいと言つた。ほしいということは物をくれということなんです。特別会員というものは、どこの会でも特別会員というものが一年に幾ら、普通会員が幾ら、正会員が幾ら、特別会員としては一年にこのくらい出すということが特別会員です。金額も指定しないで、大体そのくらいほしいと言うのだ、大体あとから見ると、自動車を買うから百二十万円くらい援助してくれないか、特別会員というのは援助ではない。援助という意味があつても、年々会費を幾ら幾ら納める特別会員になつてくれないかというのが、われわれの常識だ。あなたは一体一年に幾らの会費の特別会員になつて、特別会員というのは何人あつて、どういうことをやつたかわからないじやないですか。
  538. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 大豆協会には、特別会員というものはないのです。
  539. 菅家喜六

    ○菅家委員 ないだろう。それじや特別会員になつたんじやないだろう、金をほしいというから……。
  540. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 私の方が初めてそういうふうなことになつてしまつたんです。
  541. 菅家喜六

    ○菅家委員 それがほんとうなんです。
  542. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 大豆協会の会員は、それぞれクラスがありまして、年額十五万円とかあるいは三十万円とか、一万円というふうなものがきまつております。そういうふうな金額がきまつてないから、特別会員というような……。
  543. 菅家喜六

    ○菅家委員 わかつた。それでは特別会員という名目のもとに、要するに百二十万円という金をほしいというから、自動車を買うのにやつたということになる。それなんだ事実は……。それを特別会員というような、ただ金をくれ、援助してくれというようなことでは名目が立たないから、特別会員という名前のもとに、百二十万円の金を援助してもらいたいということで援助したということに結論はなる。それを特別会員になつて会費を納めたようなことにして、大豆協会の理事だからというようなことを言つておる。これはやはりあなた方に便宜を與えて、業者と同じマージンをとつていいという示唆をして、認可を與えたと同じようなことになつておるから、あなたの方ではおせわになつておるから、そういうものを出さなければならぬ。あなた方は小さい金額だと思つておるか知らぬが、百二十万円は大金なんです。自動車なんかを買うのにぽんぽんと百二十万円寄付するのは、よほど景気がよくなければそういうことはできない。特別会員でも何でもない。要するにこれは、そういうような関係において援助したということになるのが正当だと思う。それでわかりました。この一点だけで……。
  544. 深澤義守

    深澤委員 証人にお伺いいたしますが、公団から大豆油の配給の代行を認可されたわけですが、それはつまり公団の大豆というものについて普通の認可を與えたのですね。
  545. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そうであります。
  546. 深澤義守

    深澤委員 その大豆の認可を與える場合、野村部長が認可権を決定するわけですね。
  547. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 内部で人事の方をまわしてするのだろうと思います。内容のこまかいことは、私どもは知らないのでありますが、人事をまわしてやつております。
  548. 深澤義守

    深澤委員 まわるのでありますが、その認可を決定するのは、結局大豆部にその権限があるのですか。
  549. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 起案するのは大豆部なのであります。
  550. 深澤義守

    深澤委員 その代行の認可を受けるについては、大豆部長である野村氏に御盡力を願つたという事実があるのですか。
  551. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 代行については、私の方は最初は野村さんの方のところまで行かないで、その下の方の人にやらしてくれ、それで経費は最小限度でもいいからというような話でしたのです。
  552. 深澤義守

    深澤委員 その代行の認可を受ける場合には、野村氏とは何らの関係はなかつたのですか、面接したとか、お願いするというような事実はなかつたのですか。
  553. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 最後に大体よかろうという話のときに、私の方の專務理事や何かと公団の応接所で会見して、具体的に決定したわけであります。
  554. 深澤義守

    深澤委員 野村氏に相当御盡力にあずかつたというわけですね。
  555. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 決定したのは野村氏だろう、部長だから……。
  556. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 一番最後に公団の方で大体よろしい、人事で通つたからということで、私の方では最後にとりきめをするときに……。
  557. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 わかつた、野村氏はそのときにおつたんだろう。
  558. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 おつたんです。
  559. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それさえ言えばいいのだ。
  560. 深澤義守

    深澤委員 それから大豆協会に特別会員というものがあるといたしましても、大豆協会の規約というものが一応あるわけですね。
  561. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はい。
  562. 深澤義守

    深澤委員 その規約の中には、特別会員というものが明確にないわけですね。あるのですか。
  563. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 それは私は存じないのでありますが……。
  564. 深澤義守

    深澤委員 その規約はあなたは御存じないのですね。
  565. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 はあ。
  566. 深澤義守

    深澤委員 そうすると、あなたの先ほど申しましたように、会員としては各クラスで会費がきまつておるが、別に特別会員というものはないらしい。今度初めて自分の方が……。
  567. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 私どもが特別会員として——大豆協会の特別会員になつたのは……。
  568. 深澤義守

    深澤委員 それではいいです。特別会員というのはほかにはないので、あなたのところが初めて特別会員になつた、こういうわけでありますね。
  569. 瀧澤榮一

    瀧澤証人 そうではないかと私は思つております。
  570. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 済みました。御苦労さん。
  571. 菅家喜六

    ○菅家委員 議事進行についてお願いいたしますが、先般来すべての資料の提出のことを各委員から要求があつたのであります。ただいま資料を拜見したのでありますが、まことに不完全でありまして、真相糾明に非常に支障を来します。これは即刻明日までにこの資料の不備なる点、こちらの方で要求しておいた点の欠けている点の資料を取寄せていただきたい。それは、大体私ども油糧公団の経理というものが信頼できないというのが、全委員の一致した意見でありまして、経理の内容というものが、ある証憑は燒いてしまつたと言い、帳簿もはつきりしていないということから大きな疑問が抱かれておるわけであります。ところがこの提出になりましたものを見ましても、資料七、これを見ますると、收入も支出も、全部月日も正当証書もありません。いつこれだけの金を拂つたのだというような日付のないような資料をいただいても、これは真相糾明にはなりませんから、このすべての資料の收入支出の年月日のある正当証書をただちに提出するようにお願いしたいと思います。  それからもう一つお願いしておきます。大豆の増産奬励金の領收書を全部今拜見しましたが、福島県は金をもらつておりません。しかるにここに署名捺印もなく、收入印紙もなく、これは経理から言うと違反の領收書であります。五万円が昭和二十四年の四月二十日に福島県大豆協会の会長佐藤了壽が受取つたことになつております。これは判もありませんし、印紙もありません。何人かが書いた領收書と思うのでありますが、これは速達をもつて福島県大豆協会佐藤了壽君に、この五万円を受取つたかどうか、受取つたとすればこの五万円は何に使つたかという詳細を、ただちに御照会願いたいと思います。  それからもう一つは、この領收書にありまする公団の方で立てかえたという金があつて、大豆協会に対して公団がどこどこの立てかえ金というので、油糧配給公団から大豆協会あての領收書があります。そうすると、油糧公団が立てかえたとするならば、三十万円の金というものは、油糧公団に対してそれぞれ立てかえたものの領收書というものかなければならない。ただこれは北海道の大豆協会の増産奬励費に立てかえた。立てかえ金の領收書というものはないと思います。北海道の大豆協会から見ると、仮領收書になるべき性質のものであつて、これに対するものは相当にここにあります。この辺に間違いとからくりが起きて来るのであります。六十四万五千六百十円を北海道支部と東海支部に立てかえた。立てかえたならば、領收書というものは保存さるべきものであります。北海道支部の五十万円、それから東海支部の十四万五千六百十円、これを見ましても、ただ支部活動費、そして大豆協会東海支部代理とありまして、不明な判が押してあります。こういう領收書というものは多くの場合ない。領收書としては不備であります。東海支部代理というのがあります。何人が代理したかということを明確にしていただきたい。これだけの大豆協会の領收書は、これは全部まだ計算してみませんが、計算してみればすぐわかるわけですが、大豆増産奬励費の領收書は本部から出した金額と合わなければならない。まずこれだけの分を至急調査していただきたいと思う。明日の証人にこれを尋ねる上において必要なことであります。  もう一つは、大豆集荷督励費に関する和田博雄より松田総裁にあてた証書が出ておりますが、これではわれわれは真実を発見することができない。大豆集荷督励費四百四十万円の支出明細については、これらのものはすべてのものがないと言う。どういうわけでないのであるか、これだけの金のものというものはなければならないのであります。かくのごときことによつて、われわれは真実の発見ができ得ないのであります。先ほど来わずかの時間に見たのでありますが、今見たところにおいては、それだけのものをひとつ至急とりそろえていただきたい。  もう一つは、例の予算外支出の二千二百八十万円の明細書には備品というものがない。この前燒いてしまつたけれども、わかると言う。何と何と品物を買つたということはわかると言う。ところがこれには備品は何品物があるかということが書かれておりません。それから相当大きな金が料理屋に行つておる。だれ外何名として相当な金額が出ております。これらも領收書なくして、これらの料理屋に拂つたものであるかどうか。当然これらの領收書がなければならぬと思います。領收書なくして、みな拂つたつたといつて計算を出すということになりましたならば、われわれは信憑力を発見することができないのであります。これはひとつ至急事務当局においてそれらのものを、明日の証人に必要なことと思いますから、取寄せるように委員長にお願いいたしたい。
  572. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 事務の者にできるだけやらせます。  三宅正一さん、あらかじめ文書で御了承願つておきました通り、本日正式に証人として証言を求めることに決定いたしましたから、御了承願います。  それではただいまより油糧配給公団をめぐる不正事件につきまして証言を求めることになりますが、証言を求める前に、証人に一言申し上げますが、昭和二十二年法律第二百二十五号議院における証人宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言証人または証人配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者、またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて默祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていた、だきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人宣誓を求めます。御起立を願います。     〔証人三宅正一君朗読〕    宣誓書   良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います。
  573. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 署名捺印を願います。     〔証人宣誓書署名捺印
  574. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それでは三宅さん、伺いますが、あなたは油脂資源増産全国協議会会長をやつておいでになりますか。
  575. 三宅正一

    三宅証人 さようでございます。
  576. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 いつからおやりですか。
  577. 三宅正一

    三宅証人 油脂資源増産全国協議会というのは、昭和二十三年の十二月十四日に結成されまして、そのとき選ばれて会長になつたわけであります。
  578. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それはどういう目的でできたものですか。
  579. 三宅正一

    三宅証人 これは昭和二十三年の八月だつたと記憶いたしますが、油脂関係の経営者、労務者等、国内油脂が非常に欠乏いたしまするのに加えて、外国の油脂も入らないという事情で、国民的にはせつけんに困り、油にも困るという状態であり、それから工場におきましては、設備は実にたくさんあるけれども仕事がなくて労資ともに困つておるという事情で、労資寄りまして油脂復興会議というものができておりました。その油脂復興会議の主催で、目黒の雅叙園だつたと思いますが、全国生産者大会をやりまして、水産関係、栽培油脂関係、大豆の関係、何もかもの関係の生産者を集めまして、懇談会を三日にわたつてつたことがあります。そのときの決議といたしまして、この際未利用油脂の開発もやらなければならぬし、ますます栽培油脂の開発もやらなければならぬから、ひとつ全国的にこういうものをつくろうじやないかという決議になりまして、そうして全国各県にそれぞれできましたものが寄りまして、十二月に結成した。こういうわけであります。それは全国的な状況ですが、それからなお新潟県などにおきましては、主として農業恐慌に備えまして、保有米の米ぬかというものは生ぬかのまま使つておりまして、これは実にもつたいないので、農家の保有しておるのを農民組合と農業協同組合が中心になりまして、米ぬか搾油の工場が二十以上できたのであります。そういたしますと、米ぬかは御承知の通り、出来秋から三月ごろまでにやりませんと精度が惡くなります。あと工場が休むのも不経済であるし、従つてかぼちやの種から、ひまやひまわりの間作から、えごまをつくつたり、あらゆることをやろうというわけで、新潟県では約二年ばかり前から油脂増産協議会ができておりました。私その会長に選ばれておつたわけでありますが、県庁等の援助のもとに、県の農林部長、それから業者関係の諸君、それから農業協同組合の諸君等が副会長になられまして、そうして活動をいたして来ておつたわけであります。そういうわけで、全国的にそういうような性質のものも方々にありまして、なおこの二十三年八月の油脂復興会議の生産者大会の決議によりまして、準備会をつくつて、そうして十二月に結成をいたした。こういうわけであります。
  580. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これは任意組合なんですか。それとも何か法人にでもなつておりますか。
  581. 三宅正一

    三宅証人 別に社団法人とか財団法人とかいう関係はありません。但し県によりますと、農業協同組合長が会長をやつておる県もあり、それから県知事が会長をやつておる県もあり、いろいろでありますが、要するに民間団体として官民協力はいたしますけれども、そういう任意の組織であつて、財団法人というものではありません。
  582. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 組合とまでは行かぬ。
  583. 三宅正一

    三宅証人 協議会です。
  584. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 協議会ですね。任意に加入する。そうしてメンバーは各県の……。
  585. 三宅正一

    三宅証人 そういうわけです。生産者団体、農民組合とか、それから農業協同組合業者関係、それから学校給食や病院給食をやります関係では、そういう食生活改善の団体、いろいろの団体及び個人がやりまして、県と一体となつてやる。従つて中央の方では、農林省とは密接に連繋をして行く。こういう建前であります。
  586. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 経費はどこから出ることになつていますか。
  587. 三宅正一

    三宅証人 経費は、結成の当時におきましては農林省におかれましても、主食は二割程度の輸入で済みますが、油脂関係しては八割の輸入でありますので、輸入を促進する意味においても、国内で努力しろという向うの指令もあり、従つて数千万円の予算を各地方に流すつもりで計上しておられたようであります。それがドツジ・ラインによりましてだめになりまして、団体が出しまする会費、それから地方協議会が持ちまする会費、それから業者団体等の寄付、そういうものでやることになつておりまして、国の補助は一文もありません。
  588. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 補助もないのですね。
  589. 三宅正一

    三宅証人 補助はその意味においてはありません。
  590. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 国の補助は……。
  591. 三宅正一

    三宅証人 国の補助はありません。初めは計上いたしましたけれども、予算の関係で削られまして……。
  592. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それで仕事内容はどういうことをやつていますか。
  593. 三宅正一

    三宅証人 仕事内容は、全国協議会仕事といたしましては、たとえば生産者団体の意向をとりまとめまして、増産者に対する価格の問題とか、あるいは施策の問題につきましての政府への建議等がございます。それの一番大きな最近における実績は、御承知の通り米ぬかのつき精度が九六%であつて、それを実際は黒い米ですから、お互いの家庭でまたすりこぎですつたりしまして、二度づきをやつておる。九四%が栄養的にも油とりにも一番いいという陳情をいたしまして、九四%づきを最近に進駐軍の方も承知をいたしまして、指令になりまして、これで油は非常にふえることになりました。そういう意味の官庁に対する民間団体の意見を統一して建言する仕事であるとか、それから各地方の特殊々々の地帶に対しまして、未利用油脂集荷、それから栽培その他。それから米ぬかなどにつきますれば、ほとんど大部分の保有米は生ぬかで使つておりますので、これを搾油してから使うという啓蒙宣伝、そういうような仕事をやるわけであります。具体的に申しますれば、米ぬかなどにつきましては、御承知の通り今言つたようにつき精度を九四%と直させたほかに、映画をつくらせまして、各地方で生ぬかを一応脱脂をしてやれという映画会や懇談会、これは小さいものを合せて数千箇所各地方でやつておるわけであります。それから山林関係におきましては、南京はぜという木がありますが、これは炭材としても非常にいいし、毎年油が出る。非常に有利な作物でありますので、こういうものを数十万本配るというような仕事をやつております。それから最近の仕事では、むしろ政府の方をお助けしておるのでありますが、農事試験場がその費用を削られまして、落花生が日本の将来の非常に大事でありますが、原々種で試験ができないようになりまして、千葉県の農事試験場、栃木県の農事試験場、もう一県あつて、たしか三県だつたと記憶しておりますが、その原々種を保存しないと次の種ができない。費用がないからということで、増産協議会の方で八十五万円ほど出しまして、原種の確保に努めておるというような事例。それから水産の油脂関係におきましては、いかの油を捨てておりましたものを、盛んにとる運動とか、こういうような面の啓蒙宣伝増産、それから建議、こういう仕事いろいろやつておるのでありまして、こまかい事務的なことは私にはわかりません。
  594. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこであなたの協議会油糧配給公団から金を受取つておられるようですが、いつ、幾ら、どういう名目でおとりになつたのでありますか。
  595. 三宅正一

    三宅証人 公団からの助成金につきましては、期日はよく私もこまかいことは存じませんが、三百万円のブロツク協議会の助成、これは採種圃等をつくつたり、協議会を結成させたりする費用等で三百万円、それからさつき申しました種苗圃等をつくります技術指導等の関係で四百万円、二回で七百万円を公団から助成を受けているわけであります。但し、この金については細かいことは、公団内容は知りませんけれども、何か大豆が輸入されましたときに、運賃の関係で儉約になりました分を、業者がとるのか、あるいははしけがとるのかわからぬ部分があつて、これを増産奨励のために使つてくれということで、どれだけか知らぬけれども公団に預けた金があつて、その金を公団が出してくれた、もとより農林省等もその出すことについては関與しておられる、こういう事情の金のようであります。私が受取つたわけではありませんが、事務の方で……。
  596. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そこで、あなたのおつしやるそれが相当ここで問題になつているんですが、大口需要者に対して公団が直接販売したらしいのです。そこで小口の方は業者が中に入つて業者価格で受取つている。大口の方は公団から直接もらつたものだから、マージン料がいらぬことになつているわけです。そこで小口大口とで、大品の方があまりに安過ぎるというので、価格をならす意味において、マージン料に相当するものを公団がとつたわけなんです。その金の中から出ているらしいのですが、それらのことについては、あまり詳しいことは御承知ありませんか。
  597. 三宅正一

    三宅証人 何も知りません。私どもの聞いている範囲においては、何かそんなような関係で、どこでとるというものでないので、業者側から委託になつた、その金をまわしたのだという……。
  598. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 これはあなたの方から、その中からよこせと言つたんですか。向うからこういうものがあるから持つて行けという……。
  599. 三宅正一

    三宅証人 これはこういう協議会ですから、総裁は顧問になつております。それから西川、元の副総裁なども常務員になつております。それから三宅鹿之助君、原料部長ですが、顧問になつておりまして、公団、各団体、農業組合ども役員をそれぞれ出しております関係を持つております。油脂製造業会等が三百万円ほど、これは会費として負担しますほかに、公団の分として七百万円出してもらう。私ども承知している範囲におきましては、今言つたような金ということで、国の予算ということでなく、公団が持つている金を出している、こういう意味に了承しております。
  600. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 公団に入りますと、公団收入になると、御承知の通り公団は公法人なんですから、一応国庫に入るべきで、それから出るのだと、出るべき手続がないと国庫の金は出ぬと思つておるのですが、それが別途積立てになつて出ているのです。それが一番問題なんですが、その点について御承知ないなら、おわかりにならなければやむを得ませんが……。
  601. 三宅正一

    三宅証人 その点についての事実は一つもわかりません。ただ、私ども承知しているのは、私の方はこれだけいただいた。それから遠藤君が水産油脂関係で、そつちの方に出ている。それから大豆の関係で何百万円か何千万円か出ているのだということは承知しております。それから公団としても総裁から判を押し、そして役所の関係についても、別に判を押すべき性質のものかどうか知りませんけれども、こういう点で使うのであるからという了解を得てもらつているということを聞いております。詳しいことは一つもわかりません。
  602. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 今、会計検査院でも相当問題になつているようですが……。それから、これは日常事務をとつている者がおりますか。
  603. 三宅正一

    三宅証人 日常事務をとつております者は、職員としまして事務局長、それから事務局長の下に事務をとつている者がおります。これも団体が貧弱な団体でありますから、団体の方から無給の職員を貸してくれるということで、そういう意味の事務職員もおりますし、それから給仕とか何とかいう関係、それから農業組合などから派遣職員として来てくれております者は、資金団体でありますので、給料を出しておりませんが、六、七人の者には給料を出しております。
  604. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どこに事務所があるのですか。
  605. 三宅正一

    三宅証人 事務所は油糧公団の一室を拜借して、各外郭団体があそこにずつとおりましたものですから、あそこを拜借して、小さな部屋を一つ借りて……。
  606. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 事務局長は独立ですか。油糧公団の人が兼務ですか。
  607. 三宅正一

    三宅証人 事務局長は独立しております。鈴木眞壽雄と申しまして、油糧公団には関係がない人です。初めは企画室の諸君などが一人、二人無給の職員として置かれておつたのですが、製造業会等から派遣を願つている無給の職員と農民組合等から出してもらつている職員と、それからこちらが直接とりました女給仕と、五、六人でやつているようであります。
  608. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 役員はみな無給ですか。
  609. 三宅正一

    三宅証人 全部無給であります。
  610. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 あなたも。
  611. 三宅正一

    三宅証人 はい。
  612. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 役員全部ですか。
  613. 三宅正一

    三宅証人 全部無給です。貧弱な団体で金が出ませんから……。
  614. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 その七百万円についての使途は、大体おわかりでしようか。
  615. 三宅正一

    三宅証人 私こまかいことはわかりませんから、事務局長から……。
  616. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それは帳簿にはついておりましようか。
  617. 三宅正一

    三宅証人 ついております。
  618. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 調べてなかつたんだね。
  619. 三宅正一

    三宅証人 いや、見てもらつたはずだと思います。四百万円は……。見ていただいたはずです。
  620. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どれほど使つてどれほど残つているか、御承知ないですか。
  621. 三宅正一

    三宅証人 それはわかりませんが、要するにブロツク協議会に、それぞれ働いている県と働いておらぬ県とありますので、民間の任意団体ですから……。それぞれ二十万とか十万とか、採種圃の金を渡したものと思います。それから二、三百万円だと思いますけれども、種の配給をやりまして、それが未拂いになつている、未拂いになつているというのは、こつちに回收できぬものです。それから無料で出したもの。それから米ぬかの映画とか、そういうものをやつたものがある。それから採種圃の関係でさつき申し上げましたが、私の記憶は八十万だと思いますが、試験場関係の原々種を獲得するために出しました。そういうことで出ておつて、現金は大して余つておらぬと思います。
  622. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 相当仕事して、大体使つておりますか。
  623. 三宅正一

    三宅証人 そういうわけです。
  624. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 そうですか、あまり仕事しておらぬ……。
  625. 三宅正一

    三宅証人 仕事と申しましても、大体県の協議会仕事をしております。中央でやつておりますことは、映画をつくるとか、それから月一回の機関誌をつくるとか、ポスターをやるとか、官庁に陳情するとか、会議をやるとかいう仕事でありまして、その直接の商行為等のことはやつておりませんから、従いまして大体採種圃とか、そういう関係、それから種代とか、それから機関誌代という形で出ている、こういうわけであります。
  626. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 どうです、何かありますか——内藤君。
  627. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 三宅さんは特に私の敬意を表している一人ですが、ことに農業関係、農政関係については、まことに精通しているりつぱな紳士だと承知しておりまして、この協会の会長としては、まことに適任者であると私は思つておりますが、先般のある証人と比べると、そのお答えぶりなり、明瞭におつしやることがまことに好意をもつて聞き得るので、質問しないでもよろしいと思いますが、ただ一、二点ちよつとお聞きしておきたいと思います。  大豆協会と比べると、その油糧公団から受けている金額においても格段の相違があり、わずかに七百万円程度でありまして、大豆協会のごときは、数千万円を持つておりながら、一人の職員をも持つておらない、まことに幽霊のような協会であるのに比べて、あなたの会長をしておいでのこの会は、職員も今伺えば五、六人おいでになつてつておられる。この点まで信用し得るのですが、さいぜんの御証言の中の経費の出所のところに、業者団体寄付を受けておるというお言葉がありましたが、その業者団体というのはどういうものでございましようか。
  628. 三宅正一

    三宅証人 まだ全部入つておりません。大体予算を組みまして、——幾らの予算になつてつたかこれも正確に承知しておりませんが、油脂復興会議が会費として二十万円持つ。それから人造バター工業会が五十万円程度のものを持とう。これは会費として入つて来たのは十五万円程度らしいのです。それから雑油協会——これは解散してしまつたようでありますが、これが会費として二十万円持とう。しかしこれは実際は入つていないようであります。それから油脂工業協会というのがあります。これが百万円負担しようということでありましたが、毎月わけて拂いますから、まだ五万円か十万円しか入つておらないと思います。それから油脂製造業会というのが三百万円程度、それらの費用で地方に機関誌なりをまわす、それが予算になつております。
  629. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 もう一点お伺いしておきます。先般の和田博雄君の証言によりますと、大豆協会は帳簿もあるかないか会長としてわからないという、まことに無責任な御発言があつたが、ただいまの三宅さんのお話では、職員もいらつしやるということでありますから、おそらく帳簿もあると思いますが、この点もう一度会長として、確かな帳簿があるかどうかをお伺いしておきたいと思います。
  630. 三宅正一

    三宅証人 帳簿はございます。私ろくに見ないのでありますが、出資団体等の監査も受けております。それから公団の監査室の監査等も受けております。それから考査委員会の事務の諸君も来られてごらんになつたそうであります。この前事務局長がこちらへ呼ばれて、その辺のことは申し上げたと思いますが、そういうわけでございます。
  631. 内藤隆

    ○内藤(隆)委員 わかりました。よろしゆうございます。
  632. 菅家喜六

    ○菅家委員 一点だけお尋ねいたします。すでに委員長より詳細な質問がありましたので、大体了承したのでありますが、二十四年六月二十九日、証人は山口刑事部長、東京地方裁判所、東京地方検察庁に、その他一、二あるのでありますが、西川、本村両氏の疑獄事件関係した上申書をお出しになつておるようであります。これはもちろん署名捺印があるのでありますが、そういうものをお出しになつたことがあるかどうか、お伺いいたします。
  633. 三宅正一

    三宅証人 西川君の事件が起きましたときに、公団の内部ですか、油脂復興会議ですか、あるいは協議会でございましたか、ともかく関係団体の諸君が寄られまして、救援委員会をつくられました。このときは珍しく労働団体から経営団体まで一本になりまして、嘆願書というか、上申書というものを出すことになりまして、それに私も判を押したのであります。
  634. 菅家喜六

    ○菅家委員 妙なことをお尋ねするようでありますが、この上申書を拜見しますと、御両人が無罪である、まつたくこの公団においては不正事実がないというふうにとれる上申書であります。もちろん私どもは、本村氏なり西村氏に何ら恩怨もなく、一面識もないのでありますから、あえてこれらの人々を罪人にするという考えはないのでありますが、一たびこの油糧公団の問題が本委員会に取上げられ、真相糾明にあたりましたところ、今日までにおいて、油糧公団並びに大豆協会には不正が数限りなくあることが現われて来たのであります。その事例の一つは、大豆増産の奨励金、集荷督励費というようなものが油糧公団から出まして、そうして大豆協会に行つたものは領收書もなく、帳簿もなく、しかも油糧公団の予算外支出の金が、検察庁にあげられたものだけで二千二百八十万円でありますが、現在ではこれに数倍する予算外の不正支出があるということが、証憑によつてはつきりいたしたのであります。また今日油糧公団から出て参りました証輝その他の参考資料を見ましたところ、まつたく偽造せるところの受領書をもつて経理をいたしておるのであります。今日までわれわれこの委員会において調査いたしましたところによりますと、その責任者は何といつても経理部長の本村君であり、副総裁の西村君は、証憑を燒けといつて証憑を燒かせ、一切の帳簿もない。あらゆる点においてそういうことが今日までにはつきり現われて来ておるのであります。これらの事態は、もちろん証人は御承知になつておられるはずであろうと思いますが、まつたくこれと正反対なこの公団のこの経理、これが日本再建に非常な利益のあつたものであるというようなことを、検察庁なり裁判所なり刑事部長なりに——これはむろん証人一人でお出しになつたのではございませんが、お話のごとく各種団体の連名で出ております。そういう点において、私が敬意を表す証人のごとき人がこういう上申書を出されるということについては、少くとも油糧公団なるものの内部をいろいろな関連において多少とも御承知になつておるはずなので、こういうものをお出しになつた気持をお尋ねしたい、こう考えたのであります。別段それ以上意図もございません。しかしながら、かくのごとき事態があることを御認識願いたい。われわれが今日調べたところにおいてもこれだけある。帳簿も備えず、偽造証憑をつくり、しかも大金がそれからそれへと不明になつたということでは、国民に対して申訳がない、こう私は考えておりますが、これらに対して何か証人にお考えがあるなら、簡單に御意見を伺つてみたいと思います。
  635. 三宅正一

    三宅証人 私は本村君については、あまりよく知らないのであります。しかしながらあそこにおられる幹部でありますので、ときどきはお目にかかつております。西川君については、私どもが新潟県で米ぬかからせつけんや食用油をとる工業を起した関係から知つた人でありまして、二、三年のつきあいであります。私ども承知しております範囲においては、ともかく油糧公団は、公団自体いろいろな批判はございましようが、国内油脂におきましても、一万トンのものが四万トンにふえ、また外国油脂の入ります率も非常にふえて来た。そういういろいろの点で、なかなか功績があると私どもは信じておるわけであります。こまかいことについては、検察庁でありませんので、もとより存じておりません。これは検察庁が御判断になると思いますが、そういう線におきまして、たとえば労働組合の線、経営者の線、一切があの人物に対して一種の尊敬を持つていることは事実であります。そういう意味で私も署名をいたしたわけであります。
  636. 鍛冶良作

    鍛冶委員長 それではよろしゆうございますね。  それでは本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十二分散会