○田中(元)
委員 そういたしますと、
先ほど青柳
委員が御
質問になりましたように、少くとも社会保險、この社会保險は、御存じの
通り政府が指導してや
つておるものであります。よく問題になるのでありますが、
厚生省に聞きますと、二三・七%しか純利益というものはないのです。これに所得税がかか
つて行く。所得税の問題も、私自身としては
相当な問題があるだろうと思います。その範囲内において、
医師、
歯科医師に附加価値税もかか
つて行く。今度は固定資産税もかか
つて行くというようなことになりますと、畢竟、一体そのかか
つて行つたものがどこへ行くか。私はよく言うのでありますが、ある医帥会でも
つて北海道でございますが、ぺニシリンが一千八百円のときに、一体幾らで注射をしようかという議論が出たそうでありますが、二千円で注射いたしますと、国税
地方税を引きますと四百円損するから、三千円でも
つてちようど二百五十円ないし三百円もうかるのだというふうなことで、三千円でペニシリンの注射をしたということが、二、三年前からの傾向であつたのであります。少くとも
医師、歯科医帥に、
厚生省の指導下にあ
つて適正な
医療を行わせるということは、国家としてはほんとうに緊急事であります。その際において、ややもいたしますと、国家の再建のためには税金が足りないからというような
考え方で、医帥、歯科医帥に税金をかけることは、あたかも
一般大衆の病気に対して税金をかけると同じ問題なのでございます。この
意味において、ほかの税金を
考えられまして、適正な
医療、適正な歯科
医療とすることが、
日本国民にと
つては重大な問題であると思います。ややもいたしますと、何か
医者の問題であれば、これは非常に遠い世界の問題であるというように
考えておる。
地方自治庁しかり、大蔵省しかり、厚生
委員会が
医者の問題に血道を上げるだけで、どの
委員会、どの役所におきましても、問題にしていない。自分の子供が病気に
なつた場合をよく
考えてもらいたい。また自分自身が病気に
なつたときをよく
考えてもらいたい。そういうときの
医師、
歯科医師に対する注文は多いのでありまして、この
国民大衆の真劍なる態度を
考えたときには、必然的にこの税は成立
つて来ないと思う。私はこぞ
つて自治庁自身が、
医療、歯科
医療というものの適正化を、
厚生省にぶつけるなり、あるいはわれわれにぶつけるなりしてもかまいま
せんから、この際根本的な
考え方を持
つてもらいたいと私は思うのでございます。私自身も、党は自由党でありますが、党に対して、これは私は強く出ておるのでありますが、この問題を非常に
簡單な問題に
考えておる。これがほんとうに大きな問題だということを、
国民全体としても忘れておるのじやないかと思う。自治庁の方を前に置きまして、まことに失礼なことを言うようでございますけれ
ども、この際あなた御自身ひとついま一歩——これを改正することができるならば、強くその筋とも
お話合いの上において、附加価値税、固定資産税の中から、医業、歯科医業に対する全般のものを削
つていただきたい。これが私の希望でございまして、簡単な
質問をいたすと同時に、これを希望としてひとつ申し上げておきたいと思います。