○海老塚
説明員 失業の状況につきまして、本年度と明年度の見通しを申し上げたいと思います。御承知の
通り一昨年までは、いろいろ議論はございましたけれども、失業状況はそれほど深刻でなかつたというふうに思われたのでございますが、昨年に入りましてから、ことにドツジ予算の実施に伴いまする経済界の動向、あるいはそれに
関連いたしまする
行政整理、企業整備等の結果、昨年の七、八月ごろから失業状況は一段と深刻化しつつあるように
考えられるのでございます。この状況を数字的に、たとえば失業者の数の推移等で現わせますと非常にいいのでございまするが、現在の失業者の定義あるいはその統計に現われて来る数字というような事柄が明瞭を欠くために、必ずしもこれをも
つてその傾向を現わすことはできないのでございますが、大体失業
保險の受給者の数でありますとか、さらに各工場、
事業場におきまする労働者の採用あるいは転退職の状況でありますとか、あるいは公共職業安定所に現われて参りまする求職者の数、あるいは安定所の
紹介によりまする就職者の数、そのほかには企業整備の状況、こういうような数字を見ますると、ただいま申し上げましたように、昨年の八月ごろから一段と失業状況は深刻化しつつあるというふうに
考えられるのでございます。これらの数字につきまして、御希望があれば後ほど御
説明いたしたいと思います。
これに対する対策といたしましては、昨年度労働省の所管といたしましては、失業
保險、それから公共
事業に対する失業者の吸收、あるいは失業対策
事業による労務者の吸收、こういうふうなことによりまして、でき得る限り失業者の離職の間の生活を援護するように努力して参
つたのでございまするが、明年度の予算におきましても、失業対策
事業あるいは失業
保險等によりまして、これらの失業者の離職の間の生活の保護にでき得る限りの努力をいたしまして、失業の激増に伴いまする社会不安の解消に努めたいと
考えている次第であります。もちろん失業の最終的解決は、一般
民間雇用量の増加にまたなければならないのでございまして、これは全体的な経済施策の進行促進によりまする輸出の振興等を中心にいたしまする雇用量の増加にまたなければならないのでございまして、これらによりまする失業者の吸收に至ります間の措置といたしましては、ただいま申し上げましたような
方法によりまして、でき得る限り失業者の生活保護に努めたいというふうに
考えております。
内容が非常に広汎になりまするし、さらに御
質問によりましてお答えいたしたいと思います。