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今泉説明員 お手元に配
つてあります
昭和二十五年度見返資金公共事集運営
計画策定
方針というのが出ております。これは極秘の扱いにな
つておりますから、その点ひ
とつ御
承知おき願いたいと思います。
この
方針を
ちようど今週の火曜日の閣議において御決定いただきまして、もちろんこの
方針を決定するについては
関係方面と事前に事務的な折衝はありましたが、この内容をいかに盛るかということにつきましては、必ずしも
関係方面と細部的に打合せた次第ではございません。
従つてこの要領に基いて一応火曜日の閣議においては、それぞれの
河川とか砂防とか、農業その他に数字は盛
つてございますが、これは日本
政府の一応の案といたしまして、水曜日の日に同うに持ち込んでございます。今日も私ども向うへ呼ばれまして、午前中から一時ごろまでその問題についていろいろ向うと折価して参らた次第でございますが、向うの
考えておることと、こちらの
考えておることとだんだん歩み寄りいたしまして、現在においては私どもの観測では九十パーセント
程度までは大体向うの重点と
考えておることとこちらの重点と
考えておることとが一致した段階に入
つておるのではなかろうか。あと十パーセント
程度が向うとこちらの
意見が一致を見ない、こういう
状況であろうと思います。
従つて見通しといたしましては、来週中ごろ
あたりまでに大体
政府案に対して向こうの代案とい
つたようなものが日本
政府に示されるのではなかろうか、それに対してどういうふうになりますか、閣議決定案がそのままいれられれば問題ありませんが、そうでなか
つた場合にどういうふうに対処するかという問題で、最終的に決定いたすまでにはまだ若干の日にちがいるのではなかろうかと思います。しかし日本
政府も非常に急いでいると同時に、向うもできるだけ早くこれをきめて、なるベく早い機械に出してやりたいという気持は持
つております。時に向うの
方針で最近かわりましたのは、当初は百十億の公共事業の見返り貸金は一括して出すのではなくて、今後の金融の情勢であるとか、あるいは失業発生
状況等とにらみ合せて、その都度々々
予備金的に使いたいというのが、今年の三月
あたりまでの先方の意向であ
つたわけでございますが、われわれとしては公共事業に
計画的に使うものをそうい
つたふうにその都度々々ということでは非常に困るので、特に大きな事業をやろうとする際に、ただ金融が逼迫したからそら使え、それから失業が発生したからすぐ使えというようなことをや
つても、これは法律的には使えないので、やはり当初からこの百十億については一定の
計画を立てて、それに基いてわれわれは使
つて行きたい。またそうしなければ有効な
使い方ができないのだということを、るる向うに
説明いたしました結果、向うもその点を了承いたしてくれまして、現在ではやはり百十億の全般
計画を立てて、それをおそくとも第二・四年期から順次第三、第四というふうにわけて、百十億を今年度内に使い終らせたいという意向にな
つておりますので、その点は完全にわが方と
意見が一致しているわけであります。しかしながら個々の点に入りますと、われわれの
考えております重点主義というのと、向うの
考えでおります重点主義と若干食い違いかございますが、これも先ほど申し上げました
通り、大体九十パーセント
程度までは日本
政府の意向をくんでや
つてくれる、あとの十パーセント
程度についてはまだ若干の
意見の相違はあるけれども、これも私の
見通しではそう長い期間でなく向うと一致するようにたるのではなかろうかと
考える次第でございます。また具体的の数年は今申し上げました
状況で
相当動き得る
状況にあると思いますので、確定的にこうなるという
見込みは今日はまだ立ちませんけれども、大体の傾向から申しますと、この
方針にも書いてあります
通り、重点はなるべく公共事業に落ちたものを全部これに一々あげて行くというようなやり方でなく、公共事業のうちでも非常に重要なものについて、しかもまたこの見返り資金を使うことによ
つて早急に経済効果がもたらされる、こういうものに重点を置いてや
つて行く、それがためにはまず第一に
河川と砂防、これに特に重点を置く、次には農業水利に重点を置く、さらに道路が非常に荒れている
状況で、この道路についても従来の道路を補修する、あるいは舗装するというほかに、さらに未開発地区で、たとえば鉄道を当然つけなくてはならないような所に現在鉄道がない、そうい
つた所にこれをつけて行く、これも向うの意向か非常に強いようでございまして、そうい
つた点に重点を置く、東海道とそれから未開発道路ということに重点を置いてこれに道路をつけて行く、それから航路標識と保安通信施設につきましては、御
承知の
通り日本は非常に海岸線が長いにもかかわらず燈台の数が非常に少い。支那よりもその單位距離当り燈台の数が少い、こういう
状況にありますので、今年一般の
公共事業費で
相当見たのでございますが、それでもまだまだ不十分である。ところが一方海難は非常に多いという
状況で、航路標識、特に燈台
関係を
相当程度増設したい。それから海上保安通信が、非常に無電その他で不完備の
状況にある。これを
相当整備したい。それから次に結核病院
関係でございますが、これは御
承知の
通り、
相当公共事業費では見ておりますが、まだまだ全体の結核患者に比べて病棟数が少い。これをひ
とつ全国的にいま少し増設したいということで、大体全国に二十箇所余り新たに結核病院をつくる、こういう点に重点を置いて、この百十億の
使い方をやろうじやないかというので、計数もそうい
つた問題を中心といたしまして、
河川関係については大体二十二億
程度、砂防
関係については八億、農業水利につきましては若干の入れ違いはございますが、大体二十七億
程度、道路で大体四十三億
程度、それから今の燈台及び航路標識等、これが大体三億四、五千万円
程度になると思います。それと海上保安施設が一億五千万円
程度、結核病院二十箇所余りで五億、多少入れ違いはございます。それで合計大体百十億見当になろうと思います。あるいは少し計数の入れまじりがありますので、若干その計数と百十億とは合わないかもしれませんが、そうい
つた点に重点を置きまして、目下司令部と折衝中の問題でございまして、来週の火曜日か水曜日
あたりに向うの案というものがこちらに示されるのではないか。それに対してどういうふうになりますか、今の
見込みでは先ほど申しました九十パーセント
程度、日本の
政府の案をのんでくれますと、あと入れ違
つたにしても、そう大きな違いはないのではなかろうかと
考えている次第であります。