○菊池
政府委員 道路法の改正につきましては、前々
国会以来の皆さんの御意見もありまして、だんだん研究いたしまして、本
国会にはぜひ提案いたすように努力して参りましたが、ただいま
道路審議会にかけて審議いたしている途上でございます。それで本
国会にというわけで申し出てありましたが、ある時期までに整わない場合にはあとまわしというようなことになりましたので、遂に本
国会にはどうも現状は出にくくな
つているのであります。どういうところでつかえているかという
お話でありますが、これは私
ちようど病気しておりまして、係の課長から一応
説明はいたしたはずでありますが、何しろ大正八年に制定いたした
道路法で、非常に古くな
つております。当時の情勢等から、おわかりのように、
相当中央集権的な色彩もありますし、軍事的な色彩もあります。今日
地方自治強化の線には沿いかねる点も多いのでありますので、ぜひ改正しなければならぬということは、皆さんのお認めに
なつた通りであります。
一番問題になりました点は、今日までの
道路法では、
道路はすべて国の営造物ということに相な
つております。ただこれを
管理しますものは、
地方長官、現在の知事とか、そういうものが、国の機関として
管理するという形で参
つているのであります。今回の
地方自治法の改正によりまして、それが知事とか市長が、国の機関として国の営造物たる
道路を
管理するという
建前は、どうもよろしくないという見方もありますので、これを
地方の
道路、あるいは国が
管理するならば国の
道路というふうに、はつきりする必要があります。
それからもう
一つは、そういう
管理者は、ただいまでは
地方の知事なりが、国の営造物、国の機関としてそれを
管理していますが、その維持の費用は全部
地方が持つというふうなことにな
つております。そこで
道路を改良いたします場合に、国が助成する。あるいは直轄
国道につきましては、国が
相当の
負担をいたしましてこれをやるという
建前にな
つております。そこで一番問題にな
つておりますのは、非常に
地方自治を強化いたします半面、国として、ぜひともこれは幹線であるからりつぱなものにしておかなければならぬような
道路が、各府県なり市にまかされてしまいますと、一貫した交通運輸の面でさしつかえを生じはしないか、どうしてもある
程度の重要幹線は、むしろ国が
管理すべきであるというふうな見方もございますので、そういうただいままでの
国道に対する国のめんどうの見方を、もう少しく重く見るというふうな
考え方をいたしまして、改良はもちろん、維持補修についても、国でも
つてめんどうを見ようというふうに
考えてお
つたわけでありますが、そういたします際の
財政の
関係から、それらの延長はどうなるかというような問題が、
相当問題の中心をなしております。
従つてただいままでの府
県道なり市道なり、そういうものと
国道とのつり合いというような問題も、問題とな
つていると存じます。ただいまの一番大きな問題はそれではなかろうかと思います。
それから損傷
負担金という制度がございます。それは税ではなく、
負担金制度、寄付みたいなものでありますが、そういう
負担金を、
地方で現在までも
管理者が、使用して特に損傷を多く来す業者なりからとり得るようにな
つております。その制度が今後どうだろうかという問題もあります。非常に支障にな
つている問題は、特に前段申しました
道路網をどう促進するかということが、一番大きな問題であると思います。