○川田
政府委員
特別調達庁関係の二十五
年度予算につきまして概略の御
説明を申し上げます。
私は経
理部長の職務にありますが、特別調達庁の
予算関係は、二十四
年度までは大蔵省所管と総理府所管とにわかれておりました。大蔵省所管の分が
事業費、いわゆる進駐軍
関係の調達に直接使われる
予算でありまして、総理府
関係は事務費、いわゆる庁費に当るわけであります。
政府機関の事務を行うのに直接必要な
経費が事務費とな
つておりまして、その方の所掌は官房の方でありまして、その
支出官は官房会計課長であります。
事業費の方の
支出官は東京におきましては私経
理部長がやり、また各調達局、
地方の部局におきましては同じ経
理部長というのがいたしております。ところが
昭和二十五
年度からは、現在の
予算案といたしましては、全部総理府所管の
予算にかわることに相なります。そこで今日御
説明いたしますのは、まず私から
事業費
関係を御
説明申し上げ、さらに官房会計課長の方から事務費の御
説明をいたしたいと思います。
本
年度の終戰処理費の総額は千九十億円でありまして、これに事務費も含んでおります。これを総
予算額に比較いたしますと、その
比率は約一割六分に相当いたします。これがか
つて終戰処理
事業が始まりました当時の四分の一、すなわち総
予算の二割五分
程度であ
つたことと比較いたしますると、終戰処理費というものが、総体において日本の
予算の中に占めるウエイトがかなり縮減されて来た、それだけ日本国内経済に向けられる
財政面の影響が有利にな
つて来たと申すことができるのであります。本年の
事業関係で御
説明いたしますと、終戰処理
事業費と申すものが二十五
年度といたしましては千六十四億七千万円、大体千六十五億であります。それからあとは、
予算書について一々ごらんになられるのもたいへんでありますから、ここで数字を申し上げますが、
事業費
関係としては第二一として経験処理業務費というのがあります。これが三億七千七百万円、第三として終戦処理附帯事務費、これが二十五
年度は六億四千四百万円、これだけが
事業費
関係の終戦処理費になります。第四番目と申しますよりは、
事業費を除いた分といたしまして終戰処
理事務費が十五億六千六百九十万円ございます。総体から申しますると、当二十四
年度の
予算が千二百二六億円にな
つております。それに比較いたしまして、二十五
年度は千六十五億円ということになりますので、一応百六十二億円の減少ということに相なります。しかしこれをなお実質的に見ますると、二十四
年度予算中には二十三
年度の繰越分に当るものが百七十四億ございます。そういたしますと、
年度計画としての
予算同士を比較いたしますと、実質的に約十三億円の増加を来しております。しかし今
年度の
予算科目は、お
手元で御審議願
つておりますように、項の建て方が昨年とかわ
つておりますので、検討をされるのに御都合が悪いのではないかとお察しいたします。それで後刻お求めがありますならば、私の方で、昨
年度の
事業面と対照できますような分類に従
つた数字も、速記をとめて御
説明申し上げようと存じまする大体におきまして
事業費
関係は、実質的に
年度関係の比較をいたしますと、十三億円の増にな
つておる。その他業務費、附帯事務費というようなものは、二十五
年度におきましては、業務費は昨
年度が二億六千万円でありましたものが三億七千七百万円でありますから、約一億一千万円強の増加にな
つております。附帯事務費につきましても、二十四
年度の六億三千八百万円が二十五
年度では六億四千四百万円になりましたので、これもごくわずか増加にな
つております。
終戰処理費の
予算を立てます場合に、一般の
政府事業の
予算のように、ある
事業計画をいたしまして、それから積算をして行
つて総
予算の一部が成立するという段階にならないのが、今日御
説明をいたしますにつきましても、はなはだ不十分なのを遺憾といたしますが、大体の概計
予算を立てまして、日本側として、本
年度は終戰処理費にこのぐらいはいかがかという伺いを大蔵省の主計局がGHQに立てます。それに基きまして、GHQ側が八軍の参謀部と協議しまして、八軍の参謀部はまたこれを各部隊の司令官と協議いたしまして、何部隊においては本
年度はいか一なる目的の
経費が幾らいるかということで、
ちようど日本
政府におきます
予算要求のような手続が行われまして、それででき
上つたのがこの
予算要求書にあります数字なのであります。
従つて私
どもこの
予算に携わ
つておりながら、内容の
説明につきましては、知
つてお
つて言うなと言われておるのではなく、全然知らされてない
状態でありますので、その点は御了承願いたいと思います。しかも国会において御審議を願うにつきましても、今回の二十五
年度予算の項の立て方のように、総司令部費で幾ら、副官部費で幾らというような部隊別の、いわば日本における
各省予算のような数字だけを出しまして、これで
仕事をするのだと申し上げても、一体この千億からの
予算で、どんなものが日本の国内でつくられ、買われ、出るのかわからない。そういう御不満も当然起ることと存じますので、一応ここで
説明を打ち切りますが、なお速記を止めましてから、
仕事別の金額もお書き込み願う
程度に
説明いたしたいと思います。