○
八嶋政府委員 まず
水道法案というものについて、今回私
どもといたしましているく
構想を練りましたものにつきましては
用意をいたしたのでありますが、これの
内容等につきまして簡單にまず
お話申し上げ、これが今回一応保留をいたしました
理由並びに
水道の
行政機構問題等につきまして
お話を進めて参りたいと思うのであります。
まず
水道法案の
内容、これは今度出しませんでしたが、一応私
どもの考えております
構想という
意味において御承知願いたいと思います。
水道法によ
つて考えて行こうというその
目的は、
水道施設の
管理を適正に
行つて、
水源と
水道施設の
保護をして行く。もう
一つは
水道事業の
運営の
合理化をはか
つて行く。大体この三点に中心の
目的を置いて
参ろうということにいたしたのでございます。ことに
水道協会方面といたしましては、特に
水源の
保護とい
つたことについても、何とか法律の中に盛
つてもらいたいという御意向が、前々から相当強か
つたのであります。そこで
水道法案の中に入れますものにつきましては、單に
飲料水に限定いたしませんで、
家庭用、
商工業用、その他
一般公共上必要とするもの等全部を合せまして、
水道事業の
内容をひとつ書いてみたいと思
つております。そこで別個の紙を今配付しておりますから、それをごらん願いたいと思うのですが、そこには六
大都市と六
大都市を除きます人口十万以上の
都市のうちからピック・アップした
都市の
水道の
用途別の
給水量が、戦前と戦後とにわけて書いてあります。
家庭用の
給水量、これは
煮たき用であるとか、
洗濯用であるとか、
家庭用の風呂であるとかい
つた方面でございますが、これらにつきましては二三・六%というものが使われております。それから
商業用の
給水量は四五%、その
内容はそこに書いてございます。
工業用の
給水量は九%、
浴場用は一・六%、
鉄道船舶は一・五%、
公共用は五・七%、漏水、いわゆる損失をいたすものが、戰後非常に荒廃いたしました結果、約五〇%、そのほかに
進駐軍用として四・九%、大体こういう
現状にな
つておるのでございますが、これらを総括して、
水道施設によ
つて水を供給するものを
水道事業として取扱
つて参りたいと思
つているのでございます。この
水道事業の
経営は、
原則といたしましては
公共団体をして行わしめるが、他に
公共団体以外のものでも、
公共の
福祉のために必要があるというときには、
建設大臣の
認可を受けまして、
水道事業の
経営をなし得るということにしてもいいのではないかと思います。
次にいろいろな
事務の簡捷、いろいろな
事務の統合という点につきまして、
水道法に関しまする水の取入れ、また
水道事業を
公共団体がや
つて参ります際におきましては、
都市計画法なり、
河川法なりで二重の手間はとらせないで、できるだけ
事務の
簡素化号ほか
つて参るというようなことで、
都市計画の区域内に
水道事業を創設しようというときには、
都市計画審議会の
意見を聞かせる。それから
都市計画の
事業として
決定をいたしますれば、
水道法の
許可があ
つたものとみなして行くとか、あるいは
建設大臣による
水道事業の
認可があ
つた場合には、
河川法によりますいろいろな
河川の
使用というものは
許可があ
つたものとするというように、できるだけ
事務の
簡素をはか
つて参
つた方がいいのではないかというように、実は他の法令との
関連の
事柄を考慮いたしておるのであります。
第三の問題は
工事を
施行して参りますにつきましては、まず
認可を受けるということにつきまして、
建設大臣の
認可を要するということにいたしまして、いろいろな
改善とか、修理とかい
つたものも、やはり
建設大臣が一方的にも命じ得るという形を持
つて参るのであります。それから次に五のところには、
消防用の
事柄につきまして書いてあります。次に
工事の問題につきまして
認可の問題と
使用の問題につきまして、どういう
ぐあいに負担分をして参るかということを書いております。それから
業務の問題といたしましては、できるだけ
仕事がやりやすいようにして参る、
工事を
施行して参るにつきましての
仕事をしやすいようにして行こうということを、この
業務の中に書いてあるのであります。三面におきまして
水道事業というものは、
公共の
福祉に重大な
関係がありますので、これに対しまして
官庁方面としては嚴重なる
一つの
監督を施して参る。その
監督の
事柄についても実は書かれておるのであります。そこで
事業の
調整という問題につきましては、
水道は
公共の
福祉に
関係いたします問題でありますので、いろいろと
中央方面におきましては
事業の
合併をさせる。あるいは水の分水とか、排水とかい
つた問題についての
調整の問題もタッチして参らなければならないということも考えておるのであります。それらの問題につきまして、特に重要な問題、ことに
合併の問題でございますとか、あるいはいろいろな法規に違反をいたしまして
工事の
施行を停止せしめるとか、あるいは水の
調整の問題であるとかいうような問題につきましては、
中央に
水道審議会を置きまして、
大臣だけのいわゆる
諮問機関といたしまして、
愼重にこうした重要な問題の
処置をはか
つて参ろう。この
水道審議会の
意見を聞いて
愼重に取扱
つて参りたいと考えておるのであります。
その次には先ほど申しました
水源の
保護とい
つた問題のために、
大臣あるいは
知事というものが、
水源の
不正工事の防止を命ずるとか、あるいは水量、
水質等に著しい影響を及ぼすような行為の
制限並びに禁止をはか
つて参るとかいうような
措置を講じて参りたい。あとは訴願、訴訟とい
つたような問題でございますが、大体そうしたような
事柄をこの
水道法の中に盛りまして、そうして
水道法施行の完璧を期して参りたいと考えてお
つた次第であります。ところがこれが今回、私の方で
用意をいたしますると同時に、実は
厚生省の方におきましても、
水道法というものを一部
担当いたしておりまする
関係上、両方で実は
水道法というものが立案されて参
つた。お互いに当初
連絡なしに
水道法というものをつく
つて参つたのでありますが、それがつき合せて見ますると、
向うの面とこちらの面とが、相当食い違う点もありまするし、それからまたそもそもの根本の問題といたしまして、この
水道法の
行政官庁を主としてどこにするかということ等の問題のために、いろいろと、たとえば
水道審議会の問題をどこの
所管にするとい
つたような
問題等もございます。また
都市計画法とい
つた方面の
調整の問題であるとか、あるいはまた
飲料水のみに限定するとい
つたようなことに
向うの方ではしておりますが、こちらの方としましては、
現状はこういうようなことによ
つて水道というものが敷設されておるのだ。あえて
飲料水のみに限定する必要もないのであるというような、根本的な考え方も相当に食い違
つておりまするので、それらの
調整もはか
つて参らなければならないという
意味におきまして、実は今次の
国会に提出することができなか
つたような、実は
現状であるのでございます。
そこでしからば一体現在の
上下水道の
行政というものは、どういうぐあいにな
つているかということを申し上げますると、本日お配りいたしました一枚ゲラの中に「
上下水道行政の
所管状況」というものがございまするが、これをひとつ見ていただきたいと思うのでございます。これをごらんになりますと、これは実は
内務省時代に
衛生局並びに当時の
土木局の間におきまして、この
水道行政を
内務省の両局において
担当をいたしまするにつきまして、
協定をいたしましたものが
基準になりまして、その後
衛生面が
内務省から分離いたしまして、
厚生省の
所管となりました際におきまして、
厚生省と
建設省との間におきまして、従来
衛生局、
土木局において
担当されておりましたものを、そのまま引継いで
一つの
協定をいたしたというものでございます。
水道事業の
内容を具体的にわけてみますと、
比較調査の
仕事といたしましては、
両省の
共管ということにいたしております。それから
事業の
認許可というような問題につきましては、
新設、
改良拡張、
災害の分を含めまして、
水質の問題は
厚生省が取扱う。
技術的な
工事とい
つた問題につきましては
建設省が取扱う。それから実施、設計の
認許可とい
つたようなものにつきましては
建設省がやる。
工事の
監督も
建設省がやる。それから
竣工認定とい
つたようなものも
建設省がやる。
国庫補助の問題につきましては、
新設、
拡張、
改良、
災害というような
方面は大体
厚生省が取扱
つて参る。
戦災都市の復旧、
復興とい
つたような問題につきましては、
建設省が大体これを取扱
つて参る。それから
維持、
管理に関する
指導一般とい
つたようなものについては、
水質関係は
厚生省、
建設の
関係は大体
技術、
資材、労務の問題といたしましては
建設省、並びに
維持管理の方とか、
電力関係、
電力の
調整問題等は
建設省が取扱う。
薬品関係は
厚生省。戰災
都市復興関係は
建設省ということで、大体当時の打合せというものを遂げて
参つてお
つたのでございますが、これは別に私はセクショナリズム的に申し上げる気持は全然ございませんから、その点あらかじめ御了承願
つておきたいと思うのでございまするが、ただその後実際にこれの
運営を見て参りますると、実は
厚生省の
公衆衛生局の中に、
環境衛生部というものがございまして、その下に実は
水道課というものがございます。私の方の
都市局の中にも実は
水道課というのがございます。そこで従来
内務省の中にありましたころは、
道路課の中に
水道係というものが置いてあ
つた。以前は
厚生省の中には、
健民局のある課の中に
水道係というものがあ
つたのであります。私の方ではこの
協定に基きまして、
水道の
工学方面の
技術者を置きまして、ここにありますような
仕事を見てお
つたのでございます。当時
厚生省の方におきましては、いわゆる
衛生技術者というものを存置いたしまして、そこでここに書いてありますような
厚生省の
担当の
仕事を実はや
つてお
つたのでございます。その後
厚生省の方に
水道課を設置いたしました際におきましても、実は当時の
内務省の
土木課、
道路課に設置いたしておりましたと同じいわゆる土木工学的な人を入れてお
つただけで、衛生的な
方面を
担当する
技術者がおらなか
つた。現在も実はおらないのでございます。そうして同じような
土木工学者が
向うにも入
つたということが、この問題をこういうぐあいにきめてありましても、乱して来る
一つの大きな機縁をなしたものだと、私
どもは推察をいたすのでございます。当時
内務省といたしましては、そういうことをやると、かえ
つて最初きめたとりきめというようなものは非常に混淆を来たすから、あなたの方はもつ
ぱら衛生技術者をも
つて、
水質その他の検査をおやりになる方がよいのではないかということを、こちらの方からも十分に申し入れ先のでありまするけれ
ども、しかしここにきめてありまする
事柄につきましては、侵さないからというような
お話で、実は
向うがか
つてにそういうふうな
技術者を入れて参
つたのでございます。そのために現在
工事の設計的な
事柄は、この
協定に基きまして、私の方にも来て話をしなければならぬ。同じような
技術者でございますから、また
向うへ
行つても一応話をしなければならないというようなことで、実は
地方といたしましては、非常に迷惑を感じて参りましたというのが
現状でございます。私はどこがどう侵したというようなことをここで申し上げるつもりはございませんが、とにかく最初の
協定通り一応やり、そのような性質の
人たちを置いているならば、別に大した問題も生じなか
つたのではなかろうかと実は推測いたしてお
つたのでございまするが、今日はそういうような
現状になりましたので、この
水道行政の
所管問題が
中央といたしましても、いろいろ今日話題にな
つているものの
一つでございます。そこで何とか
水道行政というものをできる限りひとつ線を引いて、
一つなら
一つの省に置く。それからどうしてもそれが置けなければ、ある一定のところに置いて線を引いてみるということが、可能なりやいなやということについて、先日来いろいろ
研究をいやしておるのでございますが、
水道行政の
所管の問題につきましては、私の
方面で別個にきようお配りいたしました「
水道行政一元化に対する
意見書、
建設省」という刷物をお
手元に配付いたしておるのでありまするが、その目次の一番初めを見ていただきたいと思うのでございまするが、総論として書いてあります。これは別にここで御
説明を申し上げる必要もなかろうと思いますが、「輿論の動向」、こういう見出しをひとつつく
つて参つたのでございまするが、まず
水道の問題は
両省が
所管いたしております
関係上、各
地方から何とかこれの
調整をはかるとか一元化してもらいたいという
要望はやかましく出ております。ここにあげましたものはその
陳情書的なものでございます。この中にはそれぞれ一元化してもらいたい、非常に迷惑をこうむ
つておるというような実情も書いてございますし、さらにまたわれわれとしてはこうしていただきたいというような、積極的な
要望も詳細に書きまして出しております。その中で
水道協会の
要望というものが提出されておるのでございます。それはお
手元に配付いたしました書類の四十五ページの、
昭和二十三年三月三日に
水道協会長東京都知事の
安井誠一郎氏から
両省に提出された
陳情書でございます。
水道協会は御承知の
通りに、
水道関係者が集ま
つてつく
つておりますところの
社団法人でございますが、これは唯一の
機関でございます。この
水道協会の
意見は、要約して申し上げますと、ここでは
役員会、
臨時総会におきまして、いろいろ
水道行政監督の機構問題が取上げられまして、種々論議をされました結果、各会員の意を体し、少数の
委員を設けてさらに検討することになりました。よ
つて当
協会において
委員会を設け、検討の結果
厚生省、
建設院——これは当時
建設院でありましたので
建設院等より独立した
内閣直属の
機関を設くるを理想とはするが、次の方法といたしましては
厚生省衛生施設課の
水道関係人員をすべて
建設院水道課に
合併し、しかして
厚生省より
合併したる
人員を
厚生省の兼務として
衛生関係の
連絡をとらしめることを可とする
結論を得たのでございます。これは四十五ページから四十六ページにかけて、そういうことが書いてあります。いわゆる
厚生省よりも
建設省の方に軍配が
上つた、こう
言つてもさしつかえはないと思うのでありますが、その
理由は、「今日のわが国の
現状に於いては
戦災復興事業その他大いに
建設を要する
時代であり、
都市建設或は
取水権と
水道との
関係は
衛生関係よりもより大なる
関連を有するものと認められますので
建設院水道課を
厚生省の方え
合併するよりも
国土計画一般を鞅掌する
建設院に
合併することが
水道事業の急速なる
普及発達を期し得る所以と思考せられるからであります。」ここに
理由をつけまして、
建設省に一元化する方がよろしいという
結論を出しておるのでございます。ただ「然し乍らこの事も
官制改革を必要とし、直に実現不能とすればとりあえずの
措置としては
共管行政は形の上では一応其の儘として
事務処理を一元的に
処理をなすためにその
事務分担を
建設と
操作管理の面に大別し左の如く
措置せらるる事を熱望致す次第であります、此の案は全国約七百の
水道事業者の熱意と考えられますので輿論政治の今日是非共急速実現せらるる様
措置あらんことを
要望致す次第であります」というので、大体
水道の企画立案は
両省の協議による
水道の
新設、増設、
改良及び復旧修理に関する
認許可、補助等は
建設院の主管として、
建設院は
厚生省に
会議して参る。右に関する
資材は
建設院において專掌する。
水道の
操作管理に関する事項はすべて
厚生省の主管とし、
厚生省は
建設院に
会議する。右に関する
資材、
電力、漏水防止等は
厚生省の專掌として参る。
水道の調査指導、
監督、
技術者の養成等はそれぞれの立場において
行つて参る。特に重要な事項に関しては、
両省の間に
委員会を設け、
連絡、
調整をはか
つて行
つた方がよろしいというような、いわゆる第三次案といたしましての案というものが、ここに詳しく載せられておるのでございます。私はこれがすべての今日の
水道行政所管に対する
一般の輿論ではなかろうかと実は考えているのでございます。
今日の
水道の
現状を申しますと、ここにも書いてございますように、
建設の段階である。私はこの
水道の
所管問題はどういう観点からこれを考えた方がいいかということにつきましては、いろいろの考え方があると思います。しかしながら今日私
どもといたしまして主張いたしたい
事柄は、
水道行政の重点というものは一体どこにあるか。今日の
現状から考えて何であるか。それはここにも書いてありますように、
建設の段階である。今日各市、町、並びに県というものが私の方に対しまして、
水道の
認可の問題、補助の問題あるいは起債の申請の問題についての援助とい
つたようなことにつきましての
要望が実は非常に多いのであります。私はこの一事をも
つて見ても、今日
水道事業というものが非常に荒廃に帰している。いかに
建設というものを地元が
要望いたしているかということを、如実に証左いたしているものだと思
つております。現在
水道條例によりまして
認許可をいたしましたものは六百九十九箇所、約七百箇所ございますが、保健衛生上、防火上、保安上、あるいは、工場生産上とい
つたようなことから考えて見まして、少くとも私
どもは市制あるいは町制をしくような場所には、ぜひとも
水道の施設を今後はか
つて参るということを考えております。また既設の
水道にいたしましても、簡易
水道に類するものか大部分でございまして、ほとんど完備した
水道はございません。また戰争中におきまする設備の荒廃であるとか、人口の自然増加によりまして設備の
改良なり
拡張を要しまするものが、ほとんど全部にわた
つていると
言つてもさしつかえないと思うのであります。下
水道の面におきましても、下
水道法によ
つて認可されましたものは五十六箇所、このうちで全市域に
改良下
水道の完備されているものは一箇所もございません。今後の
改良拡張というものが非常に熱望をいたされているのでございます。下
水道の
処理に至りましては、全国わずかに六箇所しかありませんで、しかもその
処理区域が岐阜市だけが全市の六割で、他はようやく三割内外に過ぎないような
現状でございます。そのほかに水害なり、あるいは震
災害なり、あるいは鉱害によりまして施設の荒廃をなしておりますものが非常に多い。これが今日復旧を一日も早くと切望いたしているような
現状でございます。これが日本における
水道行政の重点だろうと私は思います。
建設をやらなければならぬということの問題が、一番大事な問題であろうと思うのであります。
建設ということが一番の
水道行政の重点だということになれば、次の問題といたしましては、どこの省においてやらせることが能率的であるか、この能率直から
水道行政の
所管というものを考えていただきたいというのが私
どもの希望でございます。こうな
つて参りますれば、先ほど
水道協会からも
お話がございましたように
都市計画関係なり、あるいは水の取入れとい
つたような
関係から、
建設省の方においてやらせることが非常に能率的であることは、当然に
結論が出て参ると思うのでございます。一、二の例を申し上げましても、今日東京
方面といたしましても、非常に水が足らない。これは神奈川県から持
つて来る。あるいは小河内の貯水池のダムの問題も考慮されております。こうしたいわゆる水の取入れとい
つたような問題は、しからば神奈川県から持
つて来る場合におきまして、さらに遠方から持
つて来るということには
電力の
関係があり、それから川崎市との水の配分の問題というものも考えて参らなければならぬ。また兒島半島におきましても、そうしたような問題がたくさんございます。また阪神
方面におきましても、水の取入れ問題につきましていろいろと問題がございます。また北九州
方面におきましても、
水源問題は非常に大きな問題として、今日われわれが議決に迫られている問題がたくさんあるのであります。それらの問題になりますと、どうしてもやはり
河川法を
担当いたします
建設省においてこれを
行つて参ることが、非常に能率的であるように考えられるのであります。すなわち治水のために
河川法を
使用いたします場合、問題となりますところの耕作物の浸水とか、
河川に影響を及ぼします
工事の
制限等は、すべて
河川法に規定するところであります。
水道施設はこの制約を受けることはなはだ大であります。従
つてこれを円滑に行わしめるためには、
建設省の方において
所管させることが能率的であるということは、当然に言えると思うのでございます。ましていわんや
水道管の敷設というような問題になりますと、どうしてもこれは
道路法との
関係もございますので、これらはやはり一元的に
処置するということは、当然に言われることだろうと私は思
つております。それから
水道移設ということにつきましても、いろいろと土地の確保という問題が非常に大きな問題ともな
つております。またその
水道移設の位置の
決定を與えて参るということも、東京都内におきましては、下
水道の
処理等の問題において、いろいろ問題が起
つて来ているのでございます。この土地確保の問題につきましては、
都市計画法を適用いたすことによりまして、土地の收用もできますし、また農地との
関係につきましては、
都市計画との
関係が農地
調整法の中にも書かれてございますので、これの法規によ
つてその
処置が講ぜられて参るわけであり、またいろいろな施設の位置を
決定するというような場合におきましては、他の
公共的な施設というものと総合的に考えて参らなければ、その位置の
決定はできないと思うのでございます。こういうようなことは
都市計画法としての專売特許でありますので、この
方面においてやらせることがやはり一番いいのではないか。ましていわんや戰災
復興の
都市におきまする区画整理に伴いまして、下
水道の移設をしなければならぬというような
仕事にな
つておりますと、これはもう区画整理と不離一体、切り離すことのできない
仕事なのであります。
新設の
道路の下に
水道管を敷設して参る。従来敷設しておりましたところの
道路の
道路敷を、
住宅の
住宅敷地としてこれを提供しなければならぬということになりますれば、どうしても区画整理によ
つて道路をつくるというような
事柄と、不離一体としてやらなければ、むだな
仕事をや
つて参ることになります。
道路をつく
つてしま
つたあとで
水道管の移設をするということは、でき
上つた道路を掘り返して、また
水道管の移設をして参らなければならぬ。こういうことは国費の濫費であります。私
どもはどうしてもこれは一緒にやることによ
つて初めて能率が上ると思うのであります。これは不離一体のものであります。従
つて今日の補助の問題にいたしましても、戰災
復興都市に関します
水道管の移設というような問題は、補助や何かもすべてが
建設省——当時
復興院でございましたが、そこの
所管ということに現在も相な
つておるのであります。こういうようないろいろの
方面から私
ども総合的に考えてみましても、
水道行政というものを一元化するとしたならば、私はどうしてもやはり
建設省の方において一元化する方が、今日の段階としては一番能率的ではないかというように、実は考えておる次第でございます。
ただしかしながら一元化という問題がどうしてもできないということでありますならば、次の段階といたしましては、
水道協会からも第三次案として出ておりますいわゆる
建設修理を含めた
建設面ということと、
操作管理面というものとわけまして、
操作管理両の
仕事は
厚生省の
方面が
担当し、修理を含めた
建設面につきましては、すべてそれに附随いたします予算並びに
資材というものも、やはり全部
建設省が
所管するということになれば、はつきりとした
一つの線も引け、そこに何らの紛淆も来さないことになり、またそのような
意味において人間の配置も考えて参るならば、国家的にも非常にいいじやないか。同じような人間を両方に置くことは、国費の濫費だと私は思
つている次第でありますので、どうか皆さん方におかれましても、公平なる御判断を願いまして、できるだけ
行政の
簡素化をはかると同時に、この
水道法案というものもその線に沿うて、お互いにおいて立案して参ることの方がいいじやなかろうかというぐあいに実は考えている次第であります。以上簡単でありますが、終ります。