○今村(忠)
委員 私の伺
つた安本当局の信念なるものは、まことに満足を與えられない不十分なものであると思います。第一、私が申したのは、
国土開発というような仕事は、何というても技術
中心の仕事でございます。
従つて今日
国土開発の面に関する仕事が、
建設省にまとま
つておらず、あるいは農林省、はなはだしきは港湾に関しては運輸省にあるというようなぐあいであ
つて、これはどうしても力強い一つの
建設技術を統合したところの省にならなければならぬという信念を、われわれ
建設委員は持
つておるのでありますが、その立場から
建設技術の総合統一をされるという見通しは、今お聞きするとないらしい。ただ
経済的に共通な立場から、総合的にいえば
安本であろうという理論については、必ずしも私は否定いたしません。けれども私の問わんとしたのは、技術的な統合ということに対してのこの点を私はお聞きしたのであります。これについてはもう一度お答えを願いたい。次に私はこの
計画が單なる世間の
総合開発が必要だというようなものにこたえる程度のものであ
つては、敗戰のあとの日本の再
建設、いわゆる基礎的なものでないじやないか。もう石炭は枯渇して来た、工業の基礎をなすところのガソリンもないのだ、鉄も不十分だ、何か一つでも他国にまさるものを持たなければ、日本の工業なんというものは、とうてい
成立たぬ。今回われわれはアメリカに
行つて輸出を盛んにするようなことを各方価に訴えてもそうです。何かわれわれがアメリカよりもまさるものがあ
つて、それを活用することによ
つてこれこれの品物ができる。
従つて精巧なものになり、
従つて価格も安いものだというような基礎的なものが解決されない限り、日本の
産業の振興、貿易の振興ということは
成立たない。その一つとして電源
開発をして、電力だけは世界第一安い豊富なものをつくるならば、敗戦日本はこれによ
つて立ち上れるかもしれぬという希望を持たれると思う。しかしその御信念がないと思う。あるならこの際お聞きしておきたい。
第三に失業救済は必然的にできるというなら、現在もや
つておる。
建設省において公共
事業費とい
つて先ほども御指摘に
なつた九百七十億円の中に、失業救済費が多分に含まれておるが、信念がなく、ことさらに会期迫
つてかつこの
法律をむりに通して行くという
意味では、はなはだ物足りない。それといえども、せめてこれだけを出すことによ
つて、今までよりも便利になるから、当座のものでございますという態度であるなら、これもこの際一応必要だという
意味で認める。深い
意味があるのだが、さしあた
つて次の段階に到達するまでの仮の処置であるということなら、それでも
考えられる。ここのわかれ目をひとつはつきりお聞きしたいと思います。
続いてお尋ねいたしますが、書いたものが今とつさに出されたのでありますから、私は十分読み足りない点もあるかもしれませんが、
全国総合開発計画というものを
審議会でやる、それではこれを実際に技術的に統括してあるいは技術的な面を実行して行くということに際して、これを全然他の省にゆだねてしまうものか、将来はまたここに一つ
事務局をつく
つて人を置いて、行政整理で多少経費を軽減するのに努めておるのに、この際またここに一つの
事務局をつくる、それによ
つてわずか計上された予算は、わけのわからぬ
事務費と人件費に消えてしまうというようなことでありますと、私
たちが心配する、いわゆる世間のうわさの手前を
考えていたしたという程度のものに終
つてしまうと私は思うのでありまして、一体この点はどうするのか。つまり
審議会程度のものを設けて、あとは
関係省に
勧告して終りという程度のものか、積極的に多少そこで
事務局的なものをつく
つて、人も置き、また技術者も置いてや
つて行こうというお
考えなのか。その点のお
考えをひとつ聞かしてもらいたいと思うのです。そうでもなければ、行政整理をいたしておるこの際としては、ま
つたくむだな経費を使うものを新たにまた起したという感じがなきにしもあらずと思われるのでありますが、この点をひとつはつきりお答え願いたい。