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賀屋政府委員 外国商社の
わが国国内における
事業活動の
状況についてでございますが、
外国商社が
国内で
事業活動をいたします場合の規制と申しますか、取扱いのやり方からまず申し上げたいと思います。
昨年の一月に総司令部のサーキユラーが出まして、同時にまた、
日本政府側に対してスキヤツプインが下されまして、これによ
つて大体
外国人が
国内において
事業活動をいたします場合には、原則としてすべて業者は司令部の許可を得るということに
なつたのであります。司令部が許可をいたします場合には、あらかじめそれが
日本政府として賛成であるかどうかということを照会して参るのであります。これに対してこれは
外資委員会で受付けまして、
外資委員会で
関係各省が集まりまして、
日本の
経済の
状況その他を考慮いたしまして、あるいは賛成すべきもの、あるいは不賛成というような結論を出しまして、司令部に回答を出してお
つたのであります。この制度に基きまして、
日本側が司令部に対して
意見の開陳を行いましたものが、約三百件ばかりありまして、大体は賛成の回答をいたしているのでありますが、そのうち十件ばかりにつきましては、たとえば当時は料飲業等も非常な制限をしたときでありましたので、
外国人が支那料理屋をやりたいとか、あるいはアイスクリームをやるとか、あるいはぜいたく品の販売業務をやるというような
事業につきましては、
日本側といたしましては不賛成の回答をいたしてお
つたのであります。ただ賛成の回答を出しました
事業の内訳でありますが、この大部分はいわゆる商業活動でありまして、
外貨建で
外国から
輸入をいたしましたいろいろな物資を、
国内におります
外国人の消費に充てるために卸売をする、そういう業務が約四分の一ばかりを占めております。そのほかで目ぼしいものといたしましては、船舶代理店業、銀行保險業、弁護士、顧問、そうい
つた業務も
相当あ
つたのであります。それから
件数として多いものでは、出版
関係の
事業でありまして、これがやはり
相当の
件数に上
つておるのであります。ところが、この制度によりまして大体十月まで参
つたのでありますが、十月の二十一日に新たな指令が出まして、その指令によりまして、従来はそういうふうに司令部が
日本で
外国人が業務をいたします際の許可をや
つてお
つたのを改めまして、大部分の業務につきましては、
日本人と平等の立場に立
つて、特に原則として司令部の許可を要しない。そしてただ銀行業務でありますとか、保険業務でありますとか、あるいは通信、運輸そういう特定の業務のみにつきまして、
日本側に許可の権限を移す、こうい
つたことに
なつたのであります。こういう特定の業務につきましては、すでにそれぞれの業法が出ておりまして、
日本人に対しましても免許制度とな
つてお
つたのであります。この各業法に基く免許によ
つて規制をして行くということになりまして、あらためて
司令部側の許可が必要でないということに
なつたのであります。ただこういう業務を各省が特定
事業について免許いたします場合に、
外資委員会に
意見を聞いて参るという制度にかわ
つたわけでありまして、こわ新しい制度になりましてから、これは前の司令部の免許を受けてお
つたものがそのまま参
つたわけでありますが、銀行業務が十一件、保險業務が三件ばかりあります。以上申し上げました各省がそれぞれの業法によ
つて免許いたします業務以外にごくわずかな種類でありますが、
外資委員会が固有の権限に基いて
事業の開始について免許する
事業がございまして、これにつきましては船舶代理業が、十月以降ただいままでで六件、それから航空
事業が一件、それから建築請負業が一件、弁護士業が四件、そういう数字に相な
つております。これらの
事業が
事業活動を行いまして、どれほどの利潤を上げておるか、あるいはどれだけの円資金をためたかというようなことは、まだただいままでのところでは的確な数字が集ま
つておりませんが、今度新しく提案いたしました
法律では、そういう点につきましても資料を徴し得ることにな
つておりますので、おいおい調査を進めて参りたいと
考えております。ただ前から出ております例のリーダーズ・ダイジエストというような
会社は、書籍の出版によりまして
相当の円資金をためておりますし、また
外国映画の配給をいたしておりますモーシヨン・ピクチユア等も
相当の円貨をためておるということは、当然予想されるところであろうと思います。