○今泉
政府委員 それでは私から昭和二十五年度
公共事業費予算の全般につきまして、ごくその概略について御
説明申し上げたいと思います。お手元に資料を差上げてあります
通り、昭和二十五年度
公共事業費全額といたしましては、九百七十億でございます。これを前年度予算の六百六億六千万円余に対しまして、どのくらい増加にな
つておるかと申しますと、六割増しということに相な
つております。さらに一般会計歳出予算に関しまして比率を申し上げますと、前半度の予算が、その一般
会議出総予算に対する割合が、八・二%であるのに対しまして、二十五年度の予算は、一四・七%、そういう比率で増額に相な
つております。それからこの予算を編成する重点は、一体どういう点にあるかということにつきまして、御
説明申し上げますと、一般
公共事業費につきましては、治山治水
事業に最も重点を置いて編成したと申し上げることができると思います。
従つてその金額も治山治水
事業といたしましては、百七十百九億円という金額を盛
つております。それからもう一つの特色と申しますれば、前年度予算は御
承知の
通り、ドツジ
方式によりまして、かなりむりな圧縮の仕方をいたしておりまして、それも特にこの一般
公共事業関係において、かなりむりな圧縮をいたしました結果、六・三制を初め農業その地にかなりきつい削減の
方式がとられたのでございますが、二十五年度予算につきましては、そうい
つた前年度のこの不均衡をできるだけ是正するということに重点を向けた次第でございます。なおそのほかに今年度の緊急
事業といたしまして、たとえば厚生
施設であるところの結核病棟あるいは保健所の増設であるとか、それから海上保安
施設としての燈台の増設とか、それから目下非常な緊急問題にな
つておりますところの住宅
施設の増加、こうい
つたものにつきましては、一般のものにくらべて、かなりの増額を予定した次第でございます。さらに災害復旧予算について申しますれば、昭和二十五年度に一応限定いたしまして、その災害のうち、土木災害については、全額国庫負担の制度を採用したことでございます。さらに昭和二十四年度におきましては、過年度災害の予行は盛りましたけれども、当年に発生する災害につきましては、
先ほど申し上げました
通り、
公共事業予算全般が、極端に圧縮された結果、当年災害の予備費というものは、二十四年度予算に計上してなか
つたのでございますが、二十五年度につきましては、百億をこれに予定して、計上してある次第でございます。さらにこれは
公共事業予算と直接の
関係ということではございませんけれども、御案内の
通り、昭和二十五年度の見返り
資金の使用につきまして、百十億というものが、
公共事業に
使つてもよろしいという
関係方面の御了解も得まして、一応この百十億を
公共事業に充てるべく、予定しておる次第でございます。この見返り貸金の百十億は、
関係方面の意向も、大体のことはわか
つております。と申しますのは、大体百十億は
日本の経済の二十五年度のあり方等をよく見た上で、河川とか近路とか港湾とか、国の直轄
関係の
事業に予備費的に使いたいという意向は聞いておりますが、なお具体的にそれでは内容的にどうい
つたものを盛るかということにつきましては、まだ
関係万両とも正式に交渉をいたしておりませんので目下これにつきましては
安本内部において、どうい
つたものにこれをつけた省から目下私どもの方でとりまとめたものには集ま
つておりますが、その五百億のうち、どうい
つた盛り方をするかということにつきましては、内々今協議中でございまして、近く
各省の協議会等も開き、その使い方等について
各省の
意見も十分参酌した上で、司令部当局とはか
つて、できればなるべく早い機会においてこうい
つたものも
決定したいと
考えておりますが、私企業
関係と違いまして、はたしてこの年度当初にこの使い方を一般
公共事業費と同じような予算的なふうに
取扱つてくれるかどうかということは、今後の折衝にまたなくてはならぬと思います。ごく概略を御
説明申し上げて、なお具体的な問題につきましては、御
質疑に対してお答え申し上げます。