○清島
説明員 私から概略の御
説明をいた
します。お手元に届いておると思いますが、「
昭和二十四年度資金
需給見込」というのがございますので、その表をたどりながら御
説明いた
します。
左の方に資金の供給と資金の需要がうた
つてありまして、資金供給の面は一は金融
機関の資金の増加、これは大部分が金融
機関の預金でございまして、そのほかに金融
機関の自己資金なり、留保なりというものが入
つておりますが、大部分は金融
機関の預金であります。もつともその預金の中には公金預金も入
つておりますが、これはわずかでありまして、大体は預金の増加と御了解願
つてけつこうだと思やます。その次には
政府の出資がございますが、これは
予算に基く
政府の出資金がそこにあげてございます。三は対日援助資金国債償還という項でございますが、これは援助資金から国債償還がなされまして、その金は金融
機関等に返りまして、再びそれが産業界その他に流れるという
意味におきまして、資金の増加の方でうた
つてございます。その次は手元現金でございますが、手元現金は預金等が増加いた
しましても、金融
機関の手元現金がふえれば、それだけ金融
機関がそれを融資する力がないのでございまして、これがふえると実はマイナスの要素になるものであります。
それから資金の需要でございますが、一は国庫財政、これは財政でございまして、(2)のところの援助資金は、その財政の中で特に援助資金というものが問題でありますから、抜き出してあるのであります。それから二の地方財政、これは地方財政の地方債の引受け等でございます。それから三の産業資金でございますが、産業資金は金融
機関から出る分と、預金部から出るものと、そのほかに上の方の対日援助資金からの産業投資がこれに加われば、大体金融的に出る資金はそこに全部そろうわけであります。資金
計画的に申
しますと、さらに自己資金を加えなくてはならぬことにな
つておりますが、この表では自己資金は出ておりません。
それから第三が資金の不足でございまして、その次に調整項目があり、子の次に通貨増発があ
つて、期末の発券高があるわけでございます。
こういう分類で第四・四半期の御
説明を申
しますと、右の方の一月、二月、三月、第四・四期計、年間計というのがございまして、その一月、二月、三月のところをごらんになれば、それが出て来るわけでありますが、
ちよつと大まかに御
説明申
しますと、金融
機関の資金の増加は第四・四半期におきまして四百三十二億ということにな
つております。預金が大体四百三十二億ばかりふえておる。ところが四の手元現金の欄をごらんになりますと、五百八十億というのがそこに現われております。従いましてこれを山いた
しますと、実は預金の増加は逆に百五十億ばかりネツトがひつ込むというようなことでございまして、これは
ちようど三月が金融
機関の決済時期でございますから、金融
機関はいろいろな見せかけの預金をお互いにやり合いまして、そういう
関係から実は預金のネツトの計算におきましては、百五十億ばかり減るというような
関係にな
つております。これは必ずしも今年だけの現象ではないのでございまして、昨年の例を申
しますと、第四・四半期におきまして、去年は二百三十八億の貯金が名目上はふえでお
つたのでございますが、金融
機関お互いの見せかけの預金が三百二十五億ばかりございましたから、実際はやはり去年は百億ばかり減
つておるというようなことで、これは本年の特有な現象ではございませんけれども、しかし本年はその
程度がややはげしいということにな
つておるわけでございます。
それから国庫財政でございますが、これは非常に問題でございまして、第四・四半期におきましては、国庫の引上げ超過が千九十四億という数字に上
つております。これは一般
会計と
特別会計の両方でございますけれども、一般
会計の方の数字の内訳を申
しますと、一般
会計におきまして引上げ超過が八百二十八億、それから
特別会計におきまして五百九十二億という引上げが実はあるために、全体の国庫の引上げ超過が千九十四億、もつとも昨年はやはり千億代を越えまして、国庫の引上げ超過は千十億ということにな
つております。それから今年の四月から十二月までの国庫のいろいろな数字を見てみますと、二十四年度、つまり今年の四月から来年の三月までに、税金の徴收は三千八十四億になる見込みでありまして、これが大体全体の
予算から見ますと、五九%の徴収の進捗率であります。それから二十三年度は千五百九億でございまして、これは
予算に対
しまして、大体四八%の徴収でございます。それから歳出の方は、二十四年度の方は、
予算から申
しますと六九%、二十三年度は七四%になる見込みでございますから、達観的に申
しますと大体財政は、この引上げの方は昨年よりも非常に順調に進んでおるけれども、支拂い方は昨年度の方がやや順調であつたというような
関係が見られまして、とにかく第四・四半期におきましては、千九十四億の引上げ超過があるわけであります。この引上げ超過につきまして、第三・四半期の欄に目を移していただきますと、一月の隣に第三・四半期の計が書いてありまして、実績見込みと
計画とございますが、
計画はこれは当初私どもの立てました
計画で、実績見込みはその期の実績を
検討した結果こういう結果にな
つたのでありまして、第三・四半期におきましては、国庫財政におきまして実績見込は七百六十四億の支拂い超過にな
つておるわけであります。それからなお今度は十月の次の左の欄に第二・四半期の計がございますが、第二・四半期におきましては、国庫財政の状況は二百四十三億の引上げ超過にな
つておる。それから同様に第一・四半期を見ますと、七十一億の支拂い超過にな
つておる、こういう推移でございまして、とにかく第四・四半期は国庫が一番引上げをする時期でありまして、これが資金の
需給見込みとしてはいろいろな問題をそこに投げかけるわけであります。
それから財政の次の援助資金でございますが、ここで問題になりますのは、大体産業投資でございまして、その一番
最後の(二)の同上産業投資というのがございますが、大体年内には五十億
程度は出る見込みでございますが、一、二、三を通じまして大体ここに書いてあるように、私どもの見込みとしては一月に七十億、二月に七十億、三月に六十億と大体二百億
程度は金が出るだろう、こういうふうに
考えております。それから地方財政はこれは一番右の年間計のところは三百四十億にな
つておりまして、本年度の三百十億と三十億ほど違うのであります。これは地方債が三百十億でございますから、実は金融
機関の方から一時的に貸す金があるのでありまして、それが三十億くらいあるだろうというような予定でございまして、地方債の
予算とはやや三十億ほど違うのですが、これは大体
予算以外のものは金融
機関が引受けることにな
つております。それから産業資金の金融の欄を見ていただきますと、第四・四半期におきましては六百七十六億の産業投資を金融
機関が行うわけであります。昨年は金融
機関が第三・四半期に行いました産業に対する融資は、四百二十八億であ
つたのでございますが、昨年はまだ復金が存在いたしておりまして、それが大体第四・四半期に二百八億ばかり融資をやつたものですから、合せますと大体復金と金融
機関で六百三十六億くらいの融資をや
つてお
つたのでございますが、本年は金融
機関は第四・四半期におきまして、六百七十六億の融資をやるようなことにな
つております。この六百七十六億は実はあまりこまかなことはあげてはありませんけれども、第四・四半期におきまして大体この
程度の金が出れば大体経済は円滑と申し手か、そうぎちぎち言わずに循環するのではないかというような感じもいたしております。
それから一番下りまして結局この期末発券高は、三月の発行はこの三月の欄の一番下の方をごらんになりますと、三千三十六億というような数字になるわけでございます。この三千三十六億は、昨年の三月末は三千百二十五億でございましたが、それよりもやや下まわる。年末はもう間近に迫
つておりますが、この見込みはこの十二月の実績見込みの一番下のところに、三千五百十六億という数字がありますが、大体三千五百十六億
程度におちつくのではなかろうか。この三千五百十六億が三月末に三千三十六億になります。一月から申
しますと三千三百十四億、二月は三千百九十三億、三月は三千三十六億、こういうふうに推移して行くのではなかろうか。この状況は昨年よりもやや下まわつた発行高でございますが、大体昨年
程度のところにおちつくのではなかろうかというふうに
考えております。
ただ今のは
需給の
簡單な
説明でございますが、しからばこの三千三十六億が適正通貨量かどうかということはいろいろ疑問があるところではございますが、大体私どもとして、昨年が三千百二十五億であれば、昨年の物価、賃金、出産、雇用等から見まして三千億からそう下まわることは、必ずしも適切ではないというように
考えます。三月末において三千三十六億の通貨の発行のためには、
日本銀行が相当追加信用を出して応援をしなければならぬというように
考えております。しからば
日本銀行として三年末に三千億の通貨の発行を維持するためには、どの
程度の信用追加が必要であるかということを各金融
機関別に計算いた
しますと、大体
日本銀行で六百四十億から五十億の追加信用があれば、この表に書いてあります三千三十六億の通貨の発行が維持できる。この六百四十億から五十億につきましては、
日本銀行の国債の買入れが御承知のように非常に進んでおりますが、これが二百三十億から二百五十億あるいは二百六十億、大体二百五十億
程度おそらく国債の買上げをやられるのではないか。
あとは借入金と
政府の指定預金、両方で一般金融
機関に資金を供給して、大体
関係者として六百四十億か五十億の
日本銀行の追加、あるいは財政面からのいろいろな金融的の援助というか、
政府の指定預金等によりまして、この六百四十億か五十億の金は市中の方につぎ込む態勢は十分あるわけでございますけれども、ただ問題は普通の金融
機関が産業にはたして貸すか、貸さぬかというようなところに帰着するだろうと
考えます。結局こういつた問題が、これは今の均衡
予算なりドツジ・プランなりの一つの構想で、金融の自主性を確立した一つの大きな経済実体面とのいろいろな立地の
関係が、そこにいろいろ帰納的に現われるわけでございますが、これにつきましてはなお
関係機関と十分
検討いた
しまして、そういうことで金融の梗塞がないように十分するというふうなことで、いろいろ
研究を進めておるわけでございます。
簡單でございますが、
あとこまかな御質問があれば、お答え申し上げたいと思います。