○田渕
委員 私は嚴粛な意味で論じたいと思うのであります。あの晩の状態について今
事務総長から御報告がありましたが、それはテーブル・プランから見た報告でありまして実相を把握しておりません。
事務総長としては、しかたがなかつたと言われるのでありますが、私は警視庁の自治警察と国家警察との関連、それから公安
委員会と国家警察との関連は、まことに私たち情なかつたのであります。樋貝国務大臣の要請で、ただちに国家警察が発動するものと思
つていましたが、それもできない。それで樋貝国務大臣が警視庁に歎願しておるようなわけであります。ことにあの晩、われわれの最も尊敬しておる庄司仮
議長のとられた処置は何たる醜体ですか。六時に門を突破されて三千人近い者が赤旗を振り、フライヤーをたき、ガソリン・タンクの上で火をたいておる。何たることかと私は庄司仮
議長を不信任いたしておるのであります。私はわが党の大会において、庄司仮
議長から、いろいろ万全を盡したけれ
ども、こういうわけだつたという釈明があつたので了としたのでありますが、あの晩の様相を見るとまさに革命の一歩前であります。新聞記者がたくのか、組合員がたくのか知らぬが、まるで火焔放射器のごとくフライヤーをたき、
予算総会の部屋の下で、わつしよわつしよと赤旗を持
つて二時間もや
つておる。私は七時四十分まで待つたが治まらないので、副
議長室に何たる醜態だとい
つてどなり込んだところが、そこへ田中君、赤松君、
猪俣君が来られて、わが党に單産の役員が来ておるから来てくれというので行きましたら、單産の班長が二十幾人か来ておりました。それで何とかしようじやないかと言つたら、そのときに三割くらいがこれに
反対で、どうしても押し切れという。
あとの七割くらいが、国鉄の菊川君にまかして行こうじやないかということを言つた。ところがあそこへ
行つて宣伝演説をするような赤松君や
猪俣君ではないと思うが、菊川君はどういう演説をするかわからぬので私はついて行つた。そうするとあのトラツクの上に立
つて、赤松君、
猪俣君が秩序整然としてくれと言つた。ところが菊川君は、君たちの運動は成功した。この勢いで参
議院もやるからしつかりや
つてくれと言
つておる。そのうちに国会共闘
委員がスクラムを組んで、いよいよ警察権が発動しそうだから出てくれというので、八時二分までに全部出てしまつた。その
あとに警察官が五百人くらいや
つて来ましたが、
あとの祭りで何ともできない。こういうわけで、われわれ身体の危險を感じてわれわれの任務が遂行できますか。このフライヤーは労働組合がたいたのか、新聞記者がたいたのか知らぬが、ガソリンタンクの上で、まるで花火でもたくようにたいておる。もしあのとき赤松君、
猪俣君が
行つてくれなかつたならば、三百人や五百人の警察官が来てもどうにもならなかつたと思う。この意味におきまして私は公私の別を離れて、どうしても庄司仮
議長の不信任を唱えたい。かようなことでは安心して議案の審議ができません。