○
與謝野政府委員 竹尾
委員にお答え申し上げます。前回の
委員会で東南アジアの情勢の緊迫せるごとについて御
意見を伺いまして、われわれも同じ
意見を持
つてお
つたのでありますが、その後にその
状態は何らかわ
つておらないばかりか、非常に各地域におきまして、急を告げていることは事実であります。 ただ御指摘になりましたような、たとえばタイの惰勢が非常に緊迫しているようなことについて、ときどき個々の
情報が、たとえば今日あたりは
国民政府軍の兵が——敗残兵でありましようが、これが一万人ほどタイの中に入つたというような
報道があります、がこれがすぐただちにどの程度の重要性を与えているかというようなことにつきましては、まだはつきりしたことがわからないのであります。われわれの見ますところでは、タイもさることながら、たとえばそのほかの地域、
インドネシアというようなところでも情勢が安定しておりません。またいろいろな動乱が起りかけておるというような
状態だと思います。先ほど
アメリカの援助計画というお話がありましたが、援助計画は、バンコツクの
会議からジエサツプ大使が帰りました後に、具体的にいろいろ進展するであろうと思われるのでありまして、今日のところ、具体的なことはまだわか
つておらないのでありますが、今年の年頭にトルーマン大統領は、いわゆるポイントフォア——第四点計画という後進国の援助計画を発表いたしました。これによる援助資金は、今日予定されているのは大体四千五百万ドル、しかもこれを
国連を通じて使用するということましようが、これが一万人ほどタイの中に入つたというような
報道がありますが、これがすぐただちにどの程度の重要性を与えているかというようなことにつきましては、まだはつきりしたことがわからないのであります。われわれの見ますところでは、タイもさることながら、たとえばそのほかの地域、
インドネシアというようなところでも情勢が安定しておりません。またいろいろな動乱が起りかけておるというような
状態だと思います。先ほど
アメリカの援助計画というお話がありましたが、援助計画はバンコツクの
会議からジエサツプ大使が帰りました後に、具体的にいろいろ進展するであろうと思われるのでありまして、今日のところ、具体的なことはまだわか
つておらないのでありますが、今年の年頭にトルーマン大統領は、いわゆるポイント・フォア——第四点計画という後進国の援助計画を発表いたしました。これによる援助資金は、今日予定されているのは大体四千五百万ドル、しかもこれを
国連を通じて使用するということに、な
つておるのでありますがこれはまだ議会を通
つておりません。それからジエサツプ大使が帰りました後。三月の初めに、
アメリカは、ゲリフインという人を団長とする国務省の特別調査団を東南アジアに派遣して、目下各国の実情を調査しておるのであります。いかなる援助が適切であるかということを、各国にわた
つて調査しているわけであります。なおこの
アメリカの援助計画と並行いたしまして、東南アジアの諸国の間にもそれぞれいわゆる太平洋同盟というような構想でも
つて、
協力する態勢をつくろうという
機運があるのは御
承知の
通りでありますが、これは昨年夏もキリノ・フィリピン大統領が提唱いたしました西太平洋における政治、
経済及び文化的の同盟というものに対しまして、最近オーストラリャのスペンダー外相が、若干の
軍事的性質を帯びさせた太平洋條約というものを提唱しておりまして、この両者が、どういう形で妥協できるかというふうにながめられてお
つたのでありますが、三月の下旬にスペクター外相は、キリノ大統領を訪問いたしまして、両者の間で
意見が大分接近したと推測されるのであります。三月の二十七日でありましたか、マニラの議会で、スペンダー外相は、キリノ大統領の構想を非常に賞讃して、これを
アメリカ政府に伝達するということを言
つているのであります。しかしながらこの東南アジアの諸国を組合した
一つの同盟という構想につきまして、たとえば
インドのネール首相はも共産、民主両陣営のいかなる紛争にも
中立的な態度をと
つて行くのだと言
つて、いわゆる反共的な同盟というものには反対の意向を表明している。また
インド支那におきましてもも
インド支那は先般
ソ連から
承認されたのでありまして、
ソ連に使節を送るというようなことにな
つておりますが、この太平洋同盟については、非常に消極的な態度をと
つておる。従いましてフィリピンの
当局としてはもこの太平洋問題を論議するための
会議招請の
手続を進めておるようでありますが、またタイその他、この
会議に
代表を送ることをきめている国もありもまた
インドなどは、人は送
つても同盟には入らないという態度のようでありますが七この太平洋同盟という構想も、前途に相当むずかしい点があるのじやなかろうか、こういうふうに見られておるのであります。また先ほどタイの話がございましたが、ジエサツプ大使が二月の下旬にタイにおりましたときに、タイ国人に呼びかけるラジオの演説をいたしまして、反共主義、またトルーマン大統領のいわゆる後進国開発計画を
説明し、
アメリカは、
外国勢力が他を支配することを
排除するということについて、タイ国人に呼びかけたわけであります。具体的に、
アメリカがお金を持
つて援助するとかどうとか、タイ国人がすぐ飛びつくようなものがなか
つたので、案外タイ国人は、この演説で非常に失望したというようなことも
報道されておりました。
アメリカの援助が今後進められるとしましても、なかなか時間を要することでもありますし、その間に、東南アジアの情勢が、御指摘になりましたように相当むずかしくな
つて来るという
可能性も、非常に多い、こう
考えております。