運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1950-02-07 第7回国会 衆議院 海外同胞引揚に関する特別委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十五年二月七日(火)     午前十時五十六分開議  出席委員    委員長 中山 マサ君    理事 玉置 信一君 理事 冨永格五郎君    理事 受田 新吉君 理事 竹村奈良一君    理事 天野  久君 理事 山手 滿男君       足立 篤郎君    池見 茂隆君       小川 平二君    田口長治郎君       岡  良一君    並木 芳雄君       柳原 三郎君    苅田アサノ君       松谷天光光君  出席政府委員         (理財局長)         大蔵事務官   伊原  隆君  委員外出席者         外務事務官   後宮 虎郎君         外務事務官   池田千嘉太君     ————————————— 本日の会議に付した事件  大連労働組合難民救済資金上金に関する件  華中地区引揚者持帰金返済に関する件  在外資産問題に関する件     —————————————
  2. 中山マサ

    中山委員長 これより会議を開きます。  大連労働組合難民救済資金上金に関する件、華中地区引揚者持帰金返済に関する件を議題といたします。一応この問題に関しまして、御説明をお願いいたします。
  3. 後宮虎郎

    後宮説明員 大体皆さんも御承知のことと存じますが、昨年の六月一日に在外公館等借入金整理準備審査会法ができたのでありますが、当時司令部了解をつけまして、すぐにこの法律を出す必要があつた関係上、予算措置が伴つておりませんでしたので、事務費もございませんでしたのが、予算上の措置ができまして、事務費ができてこの法律を施行することができるようになり、これが施行令が昨年の十二月二十日に公布せられまして、これから初めてこの在外公館等借入金整理準備審査会法が実施せられるようになつたのであります。すでに法律が通りました直後、事務局と申しますか、法律にうたつておりますこの審査会の庶務を受持ちます事務局を拡充いたしまして、臨時職員等も入れて大体八十名が審査の下準備にかかり、台帳に基きましてカード記入その他の整理をいたしまして、この法律の実施を待つてつたわけでございますが、十二月二十日にいよいよ施行せられまして、各市町村府県を通じまして確認請求書受理をしたわけであります。今日までのところ大体概数にいたしまして三千五百件来ております。法律施行の日から三箇月以内に請求書を出すことになつておりますので、この末日は三月十九日ということになつております。  この法律周知方法等につきまして、引揚者団体その他から、まだ徹底していないのではないかというような御懸念もございますので、係官の出張、新聞広告その他でいろいろ周知方法をとつておりますが、このごろでも大体日に五十件くらいの照会がございます。大体初めのような、全然この法律趣旨を取違えたとか、あるいは事実を知らなかつたとかいうような照会はなくなりまして、どちらに入るか、この法律のいう借入金という中に入るか、どうか怪しいというようなものについての照会というように、大体照会内容の焦点がはつきりして参りまして、周知の面におきましても八割も九割程度までは、皆樣に周知されているのじやないかというふうに事務当局としては思つております。  この確認請求書が集まりましたところで、法律にうたつております審査会にかけまして、これを確認すべきかどうかということを審査するわけでございますが、その第一回の審査会を一月三十一日に開きまして、次回をこの九日に開くことになつております。いよいよ本格的に審査会のすべり出しを見ているわけでございます。一応借入金とはどういうものが含まれるかということは、法律の第一條にうたつてございますけれども、この解釈につきましていろいろ疑わしいと申しますか、どちらに入るかという、ちようど境に入るような問題に、実は非常に機微な問題もございますので、こういうものはすべて審査会決定する。受理機関としての市町村の窓口でけつてしまうことはしないという方針によつてつております。それでこの間問題になつたと伺つております調整料の問題、あるいは大連労組の借上金問題等につきましても、すべて請求書を出していただきまして、審査会で諮つた上で決定するということにいたしまして、この趣旨が徹底していないやの御心配もあるように伺つておりますので、先日各府県に通牒を出しまして大連労組の問題あるいは調整料に関する請求書も全部受理して、所定の手続によつて中央の方に送れということを特に指示しております。それでたとえば持帰り証券の問題というように、はつきりほかの法律ないし命令でほかの官庁が取扱つているような問題だけは、この借入金と違うのだ、ほかにこういう道が開けているのだからといつてそれをお教えする。しかしそれ以外の問題につきましては、一応全部受理するという方針で進んでおります。この借入金法律が施行せられましてから、すでに半年以上けみしておりまして、大体のことは皆様よく御承知であろうと存じますので、概略の説明はこのくらいにいたしまして、あと具体的な問題の御質問に応じまして、承知している限りのことをお答えいたしたいというふうに存じております。
  4. 玉置信一

    玉置(信)委員 私は在外公館借入金の問題については、実はあまり調査をいたしておりませんし、同時にまた引揚者でないために、現地実情等もよく存じておりませんので、質問する内容があるいは当を得ない点もあるかもしれませんが、あらかじめ御了承願いましてこれから若干質問いたしたいと思います。  もちろんこれは引揚費あるいは救済費その他これに準ずる経費にするための政府上金だと思います。この借上金総額につきましては、せんだつて倭局長から一応お伺いしたように思いますが、なおその衝に当つておられる後宮説明員から総額を伺いたい。第二番目には、大連労組上金総額はどのくらいでありますか。第三点は、この法律を公布したのは十二月二十日であります。従いましてそれから三箇月以内の九十日ということをきめた根拠はどこにあるのか。以上の点をお伺いいたしたいと思います。
  5. 後宮虎郎

    後宮説明員 玉置委員の御質問の第一点の総額の問題でございますが、これは計算いたすときに、現地通貨と日本の通貨とのレートをどういうふうに計算するかということによつて、非常に差が出て来るわけでありまして、結局この審査会で将来返済にあたつてレートをきめるときに、このレートがきまつて日本円に換算した金額はつきりわかるということになつております。その資産によつて、このレートの取り方によつていろいろな数字が出ている、また引揚者団体その他民間でも、いろいろな想像による数字が出ているような状況でありまして、そういうレート関係で、今、日本円に換算してどれだけといつて総額を申し述べられない実情にございます。  それから大連労組総額につきましては、実際にやつております池田借入金審査室長代理説明してもらいます。  第三点の、三箇月の期間はどういう根拠できめたかということでありますが、実は法律制定のときも三箇月では短か過ぎないかという議論国会でもございましたが、大体この借入金の問題は、それ以前に何回も国会の方に請願等も出ておつて、大体引揚者の方にはよく周知されておるから、むしろ事務を早く運ぶためには、ずるずるべつたりに申請を受付けておるよりも、一応この三箇月ぐらいのところで線を引いたらよいのではないかということで、国会の方の御了承を得た経緯もございます。もちろん新たに引揚げて来られた方等につきましては、この法律の中で「本邦上陸後一年以内」ということになつておりますから、今内地におられない方については、別のこういう救済的な規定があるわけであります。さつきも申しましたように結局周知方法がどれだけ徹底しておるかということによつてこの期間の問題もあるわけでありますが、いずれ受付が進みまして、こちらの方でわかつている台帳、それから出て参ります請求書、これの割合を比べまして周知方法が徹底していないというときには、また何らかの措置を考えなければならないと思つておりますが、現在のところでは、今内地におられる方の請求期限を三箇月くらいにしておくことが、かえつて事務を急速に進めるという意味において、よいのではないかと思つておる次第であります。
  6. 池田千嘉太

    池田説明員 ただいまの大逆労働組合の借上金総額というお話でありますが、今事務当局で入手しておる資料は、大連労組からのは全然ないのであります。それで何と申し上げてよいか言う方法がないのであります。実は昨日大連労組代表者が見えまして請願書が一通来ていましたけれども、まだはつきり読んでいませんからちよつとお答えできぬのですが、そのほかに大連労組一部分としてわれわれの方に資料が出ているのです。ほんの一部分でありますが、これは大連の当時のお金で四千万くらいのものだと思いました。これもいろいろレートの問題もひつかかつて来るので正確には申し上げられませんが、その辺だと思います。
  7. 玉置信一

    玉置(信)委員 明確でないということになりますと、処理上政府側も困るでしようし、引揚者も迷惑するわけでありますから、これはやはり一応大連労組の方から証人でも喚問して、はつきりさせなければいけないのではないか、かように思います。しかし時間的の問題もありますので、本件に関しましては後日あるいは今日の散会後において、懇談の形式で御相談を願うことにいたしたいと思うのであります。  次は借上金対象でありますが、政府機関公館、それから民団民会というようなもの、大体この二つに区分しておるかのごとく、先般の参議院懇談会の席上で倭島局長からのお話ちよつとお伺いしたように記憶しておるのでございますが、この点につきましてお答えを願いたいと思います。
  8. 後宮虎郎

    後宮説明員 大体こういうふうに二つにわけてございますのは、中国本土、それから南方等におきましては、領事館、総領事館というようなものがございまして、終戰後も大体この機関借入金事務等行つておりました。これは在外公館はつきり言えるのでありますが、朝鮮満州等におきましては、朝鮮には領事館が全然ございませんし、満州にもごく限られた地区にしかありませんでした関係上、在外公館でなしに、従来からありました日本人会、あるいは終戰にあたりお互いに助け合うために、救済のために、特に自治団体が設けられまして、こういう団体が本来ならば在外公館がなすべきような救済事務にあたつてくださつたわけでござい。ですから、邦人自治団体というものの種類は、終戰前からあつたもの、終戦にあたつてできたもの、いろいろあるわけでありまして、これについてどういう範囲のものを入れるかということにつきまして、またこれを審査会でお諮りしなければならない場合が起つて来ると思つております。大体こういうふうに二つにわかれましたのは、中国南方のごとく在外公館がこういう事務行つてつたところと、満州朝鮮のごとく、在外公館が大体において機能しておりませんで、自治団体がやつてくださつた、こういうような地域によつて状況の差がありますために、こういうふうに二つにわけた次第でございます。
  9. 玉置信一

    玉置(信)委員 公館代行機関として認めておられるものは今の民団であるとか、民会というようなものでありますか、それともほかにまだあるのでございますか。
  10. 後宮虎郎

    後宮説明員 正規の終戦前からございました民団民会等のほかに、臨時と申しますか、あるいは終戰なつたために機能を果さなくなり、あるいは元来なかつたところに特に救済のために団体ができた、そういう臨時的と申しますか、終戰後でき上りましたような団体も予想しております。ただその団体が、はたしてそこの地域全般の一般的な邦人自治団体であつたか、あるいは一部の、たとえば会社とか何かの互助組織であつたか、そういうような点につきまして、どこに線を引くかというような問題は、将来審査会でまた決定しなくてはいけない機微な問題も含んで来るだろう、そう思つております。
  11. 玉置信一

    玉置(信)委員 そうしますと、そうした審査会審査にかけて、もしもそれが三月十九日までに明確化できなくして審査が延びるというような場合には、この法律との関係はどうなりますか。
  12. 後宮虎郎

    後宮説明員 法律にうたつてございます三箇月の期間は、一応確認請求書受付を締め切る期間でございまして、実際はこの締切り期間と申しますのは、末端の機関である市町村で締め切る期間でございますから、それから府県を経まして審査会事務局の方に送つて参りますのは、まだ大分間があつて、最終のものが受付けられるのは大体四月くらいかかるのではないかと思つております。審査の方はもちろんどんどん入つ来るに従つて並行してやつておりますけれども、法律建前といたしまして、審査につきましては三箇月という期間は限られておらないのでございまして、これはもちろんできるだけ早くやるように努めますが、今申しましたように、請求書が最後に入つて来るのがすでに三月以後になるのでございますから、審査の完了するのもそれ以後になる、こういうことになつております。
  13. 玉置信一

    玉置(信)委員 次に申し上げることは、先般参議院の打合会で質疑の間に私聞いたことでありますが、会社銀行等から借り上げたようなものは、適用されないというようなお話もありました。それから中には薬とか食糧とかいうものを持ち込まれた、こういうものも該当しないということでございます。しかし実質上引揚げあるいは救済の面に充当されたことが明確になつておるものとするならば、これはどうにかしてこれに当てはめてやるべきではないかと思いますが、この点に関して御意見を伺いたい。
  14. 後宮虎郎

    後宮説明員  最初の、貸主と申しますか、借入金を提供された方の問題でございますが、法律の第一條に「在留邦人から借り入れた」とうたいましたときの立法趣旨といたしましては、大体会社銀行のようなものは含まない。大体国会でこの法律審議されましたときの経緯から、各個人が物を売つたりした、なけなしの金を全般救済のために使つていただいた、そういう細々とした金さえも提供していただいたというような、こういうお気の毒な方を対象にする必要があるということで——もちろん銀行会社から借りたものを、将来とも全然否認するというような問題ではないのでありますが、とりあえずこの法律で拾い上げるのは、個人としての在留邦人から借り入れた資金、こういうふうな趣旨立法したわけでございます。  それから物品で借り上げたものについてはどうなるかという点でございますが、これも法律建前といたしましては、いろいろ在外財産在外債権債務に関する清算の問題が残つているものでございますが、とりあえず借入金法律で拾い上げる問題は資金と金、こういうふうに立法趣旨としては予想したわけでございます。ただ現地におきまして、たとえば場所によつては金の延棒を提供されて、これは金額にして幾らのかわりにこの金の延棒を提供するというような場合、あるいは食糧とか衣料等を提供されました場合にも、ちやんと資金かわりとして出された場合というような——これは物品だからといつて全然拾い上げないというのでは、そのときの状況によりまして不都合も場合も起つて来るのではないかということも、もちろん承知しておるのでございます。ですから法律建前としましては、一応物品は今度のこの法律では対象になつておらない。将来また別の在外財産関係の問題が取上げられるときに取上げるんだということになつておりますけれども、そういうふうに資金と言えるか言えないかという、非常に境にあるようなかつこうで提供されました物品につきましては、これはやはり審査会できめていただく、こういうことになると思つております。大体審査会のおもな任務と申しますのは、もうはつきり台帳とか証拠書類がそろつておりまして、だれが見ても貸した借りたということがわかつている問題については、むしろ問題がないのでございます。さつきいろいろ玉置委員から御質問のございました借主の点におきましても、あるいは提供された資金につきましても、どちらに入るか、怪しいと申しますか、いろいろ機微な問題を審査会できめていただく。これに重点が置かれることになるだろうと存じております。
  15. 竹村奈良一

    竹村委員 先般参議院との打合会で問題になつたのでありますが、華中ではたとえば円にするために三万円だけは送金小切手で送つた。その三万円を送るために三十万円を別にいろいろな費用に差出した。従つて三万円の送金小切手を持つている者は、事実上は三十三万円出している。こういう問題などは、もちろん審査会決定されると思いますけれども、三万円の証拠を持つてつて、事実上は三十三万円出しておるという場合には、三十三万円を政府は補償するのかどうか。もう一つは、おそらくそういう場合におきましては、三十三万円を差出さなくてはならぬ人が、はたしてどれだけおつたかどうか。全部が三十三万円持つているわけではない。あるいはもつと多く持つている人は、持つていない人の名を借りて——名前を借りるというわけでもないが、一応名前を借りて内地へ三万円ずつは送金しているかもわからない。そういう場合には、一人でたとえば三十人分も、あるいは五十人分も——そんなことはまずないでしようけれども、そういうぐあいにして送つた場合においては、その人にもその三万円についているところの三十万円、つまり三十三万円を何人前であつても全部補償するのかどうか、それだけひとつお答え願いたいと思います。
  16. 後宮虎郎

    後宮説明員 最初の御質問のいわゆる華中調整料問題でございますが、これは最初に申しましたように非常に微妙な問題でございますので、この補償の限度その他につきましても、一、二審査会審議にまつ。事務当局限りできめるというのは非常に微妙な問題ですので、そういう関係で、私といたしましても、今ここで具体的なことをお答えする自由と申しますか、お答えすることが全然できない状況でございます。  それからその次の名義貸し等によりまして、たくさんな口を一人の人が出した場合というようなお話もございましたが、これにつきましても同様でございます。ただいわゆる借入金としてこちらの方で準備調査をやつておりましたときの感じと申しますか、印象によりますと、ほんとうに少額な五千円以下ぐらいのものが大部分を占めておるというふうな印象で、非常に大額のものを提供された方はごく少部分になつております。  それからもう一つこの審査会でいたしますことは、現地で提供されました資金を、現地通貨でそのままともかく借りたという証書を出すということでございまして、この法律にうたつてありますように、返済方法等につきましては、これはまた別に法律制定を見ることになつております。すでにこの審査会法国会審議せられました当時も、今竹村委員の御指摘になりましたような見地をいろいろお述べになつた場合がございまして、社会政策的と申しますか、そういう見地から、また返済に関するこの法律制定していただくときに、あらためて問題にする必要があるだろう。一応この審議会の考えておりますことは、証書を出すことだけでございまして、一人でたくさんの口を出した人をどうするとかいうような問題は、今度また返済のときに法律できめられる、こういうふうに存じておる次第でございます。
  17. 松谷天光光

    松谷委員 先ほどの玉置委員の御質問に関連してのことでございますが、玉置委員の御質問に関して説明員お答えなつ物品提供に対する問題のところで伺つておりますと、物品を提供した者の中でも、その物品を全員に換算してという場合と換算しないという場合と両方あるように伺えたのですが、その限度を一体どこにお置きになるのか。あるいはこれは審査会決定をするのだというような御説明もあつたように伺つておりますが、ただ漠然とそれを審査会にゆだねてしまうのであつて、何らそこには限度と申しますか、あるいはどういう場合にはそれを金員に換算する、あるいはどういう場合にはしないというような一つ標準というものがあるかどうかということを伺いたいと思います。
  18. 後宮虎郎

    後宮説明員 私言葉が足りなかつたのでありますが、物品で提供された場合に、金に換算して提供されたのと、そうでないのとにわけるというふうに申しましたが、そういう方針を持つておるというのではなくて、そういうふうにわけてやつてくれたらどうかという議論もございますので、そういう点につきましてもこの審査会決定していただく必要がある。審査会決定にまつんだという意味でございまして、今政府と申しますか、ないしこの事務当局といたしまして、金に換算されて出されたものと、そうでないものとわけるという方針を持つておるわけではございません。審議会におきまして、結局どういう基準でこれをきめていただくかということでございますが、大体今考えておりますのは、はつきり証拠書類なんかそろつておる、そうして法律の定義にぴつたり合うというような簡單なものを、どんどんできるだけ早く解決して行く。そうしてこういう複雑な問題につきましては、よく熟慮審議を重ねるという方向にやつて行きたい。その方が事務の能率をあげる上にもよいのではないかと思つております。また物品で提供された問題につきまして、どういう標準でやるかという事務当局案も、まだ固まつておらない状況でございます。一応の建前といたしましては、この法律としては資金だけにして物品は入れないんだ。ただその品物がもし何かの関係で入る場合にはこういういろいろな議論がありますから、だからその点を審査会できめていただく、こういうような趣旨つたのでございます。
  19. 松谷天光光

    松谷委員 そういたしますと、その当時の状況をまだつぶさに伺つておりませんので、あるいは的はずれになるかもしれませんが、金員の場合にも、とにかくそういつた一つ規定に基いて、一応の保証の上にこれを提供することができた、一応の安心感を持ち、信頼感を持つて提供することができたと思いますが、そういう場合にそれでは物品を提供するものも、やはり金員を提供するのと同じような一つ安心感と申しますか、信頼感を持つて提供することができなかつたのかどうか、そういう物品に対する国家保証というものは全然なくして、ただ無契約のうちに物品を提供させたのか、そこに物品金員との取扱いは全然相違するものがあつたかどうかということがおわかりでございましたら、伺いたいと思います。
  20. 後宮虎郎

    後宮説明員 この資金を借り入れました場合は、これは法律制定のときにも御質問があつたと思いますが、大体あのとき内地から資金が送れなかつた関係で、外地におられる方から、将来返済するという約束で借りろという訓令外務大臣から出まして、その訓令従つて、そういう約束で借り入れたわけでございまして、金の場合には割にはつきりしていたのでございます。物品の場合になりますと、これが現地によつて非常に状況が違つておりますので、いずれ審査会で各現地で扱われました方に来ていただきまして、物品提供のときにどういう約束であつたか、借入金としに出されたものか、あるいは單に救済のために寄付として出されたものか、そういうような当時の事情をよく調査する必要があるのでございます。物品についてはこういう訓令とか基礎づけがなかつた関係もございまして、その当時どういう了解で提供されたかということは、個々の場合、また各地によつて非常に異なつておりますので、これもやはりその審査をいたします前提として、当時の実務担当の方に来ていただいてよく様子を伺い、場合によつては提供された方にも来ていただいて様子を伺う、こういうような手続をとりまして愼重にきめたい、そういうふうに思つておるわけでございます。
  21. 玉置信一

    玉置(信)委員 借入金を提供したものが、証拠書類がない場合には、事実がはつきりしておりましても、証拠によらなければこれを返済しないというようなことになつておるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  22. 後宮虎郎

    後宮説明員 借入金は、場所によりまして、証拠書類などを持つて帰れなかつたところもありますし、台帳証拠書類はつきりそろつておるという場合は——大体そうでございますが、場所によりまして台帳だけは残つておるけれども、証拠書類はつけられておらないという場合も、もちろんあるのでございまして、一番はなはだしいところになりますと、証拠書類も持つておられないし、台帳現地で沒收されたりなどしてない、どちら側にも全然証拠が残つていないというような場合もあるわけでございます。それでこの法律の中にも証拠書類をつけることができない場合は、当事の事情を詳しく書いていただくことになつておるのでございますが、それによりまして結局現実に借入れが行われたものかどうかということを、審査会できめていただくことになるのでございます。台帳がある場合のごときは、証拠書類がなくても、審査会審査していただくのに好都合と申しますか、割にはつきりするのでございますが、全然どちらもないという場合は、困難が起つて来る。当時の関係者の記憶だけによらなければいけないという場合もございまして、そういうものは審査会できめる場合も非常に困難が起つて来るのじやないかというふうに思つております。少くとも借入金提供者が請求書につけて出されます証拠書類がないときは全然認めない、こういうふうな趣旨ではございません。これもやはり当時の各ケースの事情に基きまして、審査会でこういうものをきめる、きめない、確認する、確認しないということをきめることになるのでございまして、これも審査会の非常に大きな仕事の一つになつておるわけでございます。
  23. 玉置信一

    玉置(信)委員 ただいまの後宮説明員の御答弁の趣旨、きわめて妥当と私考えます。どうか審査会に向つて政府としてはその趣旨をよく徹底して審査を進めていただくよう要望たします。  次は三月十九日までの申出期限の問題でありますが、まだ地方によりますと、徹底していない向きもあるようでございますから、これに対しては即刻全国に徹底するような処置を重ねてとられんことを要望いたします。
  24. 池見茂隆

    ○池見委員 資金物品関係は、大体わかつたようです。物品関係につきましては、これから審査会でいろいろと検討された上、これに対する処置がとられるというふうに承つたのでございますが、私がお伺いせんとするところはさらに一歩進みまして、現地物品を納め、その納品に対しては、それぞれの公館よりこれに対する代金として小切手の発行を受けておる、その小切手が事情によつて受取りができなかつた、こういつた場合をお尋ねしたい。
  25. 後宮虎郎

    後宮説明員 今の御質問あるいは私誤解だつたかもしれませんが、現地の官庁が物品を買上げまして、その代金を出した、いわゆる売買の形式で行われた物品納付の場合の質問であつたのではないかと思います。実はこういうような問題、あるいはたとえば現地の官庁が家屋を在外公館用として終戰後借り入れて、これの家賃をどうするかというような、いろいろな問題が実はまだたくさんたまつておるのでございます。いわゆる在外債権債務問題、この借入金の問題が、最初のあれとして司令部から解決の第一歩を踏み出すことを認められたというような関係でございまして、借入金の方といたしましては、とりあえず借入金というかつこうで借り入れたものを救つて、これ以外の問題は、借入金をやつておりますうちにもいろいろそういうような問題が出て参りますので、これまた適当な機会に解決するというふうに、逐次解決して行くという方針をとつておりまして、とりあえずこの借入金の問題といたしましては、売買の場合の代金、債務の問題は扱わない、こういう方針になつておると思います。
  26. 池見茂隆

    ○池見委員 そうすれば、そういつた一つの商品代金の支拂い等に対しての性格は、今お話を聞きますと、少くとも当時のいわゆる資金としてのものでないといつたような点が、一応考えられるわけですが、これらの債務に対しましては、また適当に処置されるということなのですか。
  27. 後宮虎郎

    後宮説明員 そうでございます。ともかくほかの渉外債権債務問題としまして、この法律の適用は見ない、将来の解決にゆだねられる問題だ、そういうふうに思つておるわけであります。
  28. 池見茂隆

    ○池見委員 そうしますと、最初に話がありました物品関係に関連した要求として考えておることは、別にさしつかえないでしようね。これはあなたのおつしやるように、一つの商行為的な性質がありますから、それに対する公館の債務といいますか、商人側から言わせるならば一つの債権なんですから、私はそういうふうな品物でもつて提供したという物品関係は、あとで適当に処置する、しかもこの商行為というものによつてつて来たものは、すでに納品代も明確になり、その代金に対しては公館が責任を持つところの小切手を発行しておるということであつたならば、これは最も明確なるものの一つでないかということを、納入者側からいえば考えられる。こういうものが少くとも最も急速に解決し得る條件ではないかということが考えられるわけですが、その点をもう一回御説明願いたい。
  29. 後宮虎郎

    後宮説明員 公館の債権債務の問題の中でそういうふうに非常に優先的に扱われる問題があるわけでありますが、これにつきましては一応この借入金の使途という点から、借入金にならないという説明もできますし、この商行為によるところの債権、債務関係というものは、借入金とは性質が違うように思つておりますので、この借入金法律でそれを解決するということは考えておらないわけでございます。
  30. 池見茂隆

    ○池見委員 それでは私の質問はその程度にとめておきますけれども、少くとも現地でそういつた終戰まぎわに一定の物を納め、しかも公館からそういつた明確な責任ある小切手をもらつておる。これに対する支拂いについては、非常にはつきりした一つの証憑書類ないしはその他の事情も明確になつておるものに対して、私は今の資金関係においてきわめてめんどうなものよりも、早く手をつけていただきたいということを要望しておきます。
  31. 玉置信一

    玉置(信)委員 私はこの機会に大蔵省の理財局長にお伺いいたします。私の質問せんとすることは、しばしば申し上げておりますので、局長におかれても、すでにお知りになつておられることと思いますが、去る昭和二十年十月十五日付大蔵省令第八十八号をもつて、北海道拓殖銀行樺太支店の預金の拂出しを停止した件であります。これはたびたび申し上げましたように、第五国会以来第六国会にわたつて、私が熱心に当局にこの支拂い解除方に努力せられんことを要望いたしたのでございますが、幸いに大蔵大臣以下事務当局の方々の御努力によりまして一部十二月の二十日か二十一日に解除されたということを年内に承りまして、まことに欣快に存じておるのでございます。しかしながらその拂出しの許可を受けた総額及び今後の措置についての質問に対して、まだ満足する御答弁を得ておらないので、本日あらためてお伺いするのでありますが、現在許可された総額は何ほどであるかということをまず最初にお伺いし、第二点といたしまして、解除を許可された額はいつ資金化されたか、その許可された額は預金の四分の一程度を許可されたということでありますが、その余の四分の三はいつごろ許可される見込みであるか、この三点を先にお伺いいたしたい。
  32. 伊原隆

    ○伊原政府委員 北海道拓殖銀行の預金につきましては、玉置委員ほか国会の御鞭撻もございまして、大蔵省としましては特殊の事例といたしまして一部でもぜひ支拂いたいということで司令部へ交渉いたしました結果、昨年の末に至りまして一部の支拂いが認められることになりましたことは、大蔵省といたしましても、非常に喜ばしく思つておるところでございます。その金額につきましては、実はこういうふうな計算に相なつております。樺太の支店の取扱いの預金というものが昭和二十年十一月十五日現在で推定いたしますと、件数にして五万三千九百四十九件、金額にして一億九千七百七十六万七千九十六円三十銭、こういう金額に推定いたされるのであります。これは樺太から引揚げて来られました行員の方のメモとか記憶によりましたもので、もとよりきわめて正確なものとは言いがたいのでありますが、大体役所で入手し得る資料といたしまして一億九千七百万円の預金が当時あつたであろうということを私ども推定の根拠にいたしたわけであります。それだけの預金があつたろうと推定いたされるのでありますが、樺太の預金につきまして、内地で支拂いを開始いたしました特殊事情といたしましては、御存じの通り樺太の支店の預金が大体北海道の本店の方にほとんどみんな回金になつてつたという点に根拠を求めておるのでありまして、北海道の本店が樺太の支店に対して持つております債権と申しますか、金額はこういう計算をいたしました。本店の樺太支店に対する為替じりは、借方の残高、すなわち債権の方が四千百二十八万八千八百八十六円五十銭それか借りになつおります貸方残高一億二千四百八十三万三千二百四十八円七十八銭、差引いたしまして八千三百五十四万四千三百六十二円二十八銭、こういうものが北海道の本店が樺太支店に対して負つております債務すなわち樺太の預金が本店に回金になつておる残高ということに考えられたわけであります。すなわちこの残高の範囲内におきましてお支拂いをするということが一応の推定になつたわけでございます。しかるに御存じのように一般の銀行につきまして金融機関再建整備法というものがございまして、一般の預金者が債権を打切られましたことは御存じの通りでございます。それが北海道拓殖銀行につきましては三三%の打切り率になつております。従いましてただいま申し上げました八千三百五十四万何がしの六七%という金額、すなわち五千五百九十七万四千七百二十二円七十二銭というものがお支拂いをいたし得る限度であるという計算に相なります。この五千五百万円を樺太の推定せられます預金残高一億九千七百七十六万七千円から見ますと、大体四分の一に当るものでありまするから、一般の預金者に対しまして、原則として昭和二十年十月三十一日現在の預回残高を基準といたしまして、その四分の一を限度といたしましてお支拂いをするということにきめたわけでございます。もとより預金者からいろいろの申出を受けまして、それを集計いたしたりしました結果、五千五百九十七万四千円に満たない場合におきましては、第二回の措置としてこの限度までは——何も四分の一で打切るというのが趣旨ではございませんので、五千五百九十七万四千七百二十二円七十二銭のところまではお支拂いをいたしたい、こういうふうに考えております。  それから第二段の御質問で、推定せられまする一億九千七百万円のうち、ただいま申し上げました五千五百万円が支拂われますが、その残余につきましては、日本の一般の預金者と同じように三三%の打切りはがまんしていただかなければならないと思います。その残りにつきましては、一般のいわゆる在外債権債務の問題といたしまして、ただいますぐには措置がつかない問題である、こう考えております。
  33. 玉置信一

    玉置(信)委員 私がたびたび申し上げました預金の数字、それから再建整備法によつて三三%を切り捨てた残額の数字とはやや合つております。そこでこの残余の支拂いに関しては在外資産と同一に見て支拂いをするというお話でありますが、そうしますと、今の公館借入金政府支拂いのものと同一の趣旨においてこれを支拂うということになるわけですか、この点をお伺いしたいと思います。
  34. 伊原隆

    ○伊原政府委員 預金につきましても、実は樺太の場合が、日本政府といたしまして、司令部と交渉の結果拂い得ることになりました最初の例でございますので、その他たくさんお支拂いをしていたいものがございます。これらにつきましては、全体の問題といたしまして、一つ一つのケースについて今後はできるだけ場合々々によりましていろいろ先方ともお打合正せをして、できるものから解除いたして参りたいと思いまするけれども、ただいま申し上げました残余の金額につきましては、在外資産一般の問題といたしまして処理するということになると思います。
  35. 玉置信一

    玉置(信)委員 この問題に関しましては、第五国会以来の速記をお調べ願えばわかるのですが、今日は私一人しやべるようになりますので、時間の関係上省略いたしますが、この北拓の預金封鎖を解除されるということは、私がしばしば申し上げたような論拠に立つて関係筋も了承されて、これだけを別のケースとして許可されたのじやないか、かように私は解するわけであります。従いまして、一般の在外資産と同一な取扱いをもつて、この支拂いの方法を講ずるということは、少しく当を得ないのじやないか、かように考えるわけであります。せつかく大蔵省当局におかれてこれだけ努力されて、この成果を得られたのでございますから、この北拓預金の趣旨からいたしまして、大蔵大臣の許可においてこれを拂い出すととができるということにもなつておるのでございまするから、もう一つ努力を拂われて、別箇に急速に支拂いをするようにしてもらいたいと思うのであります。この見通しについての御意見を承りたいと思うのであります。
  36. 伊原隆

    ○伊原政府委員 この問題につきましては、ただいま玉置先生の仰せの通り、国会の御鞭撻等がありまして、司令部においてもその特殊性を認めて解除を許してもらつたわけであります。その特殊性と申しますのは、たびたび申し上げまするように同一の通貨が流通しておつたので、これが解禁になつたことは、もう先生が十分御承知の通りと思います。拂い出します資金、すなわち拂い出し得る限界は、ただいま申しました八千三百万円、その中の三二%が一般の預金者と同じように切られまして五千五百万円を限度として拂い出すということに決定しております。あとの部分につきましては、これは他の銀行もございますが、債務の方だけをお拂いをするというわけには行がない。特殊性というものは、あとの問題については全然なくなつて参りますので、支拂い得る資金の可能な限度においてお支拂いをすることは、やむを得ない点であると思います。  なお在外引揚者の救助に関することでもありますが、その他一般の問題についても、北拓だけでなく、全体の問題しして十分努力いたしたいと考えております。
  37. 玉置信一

    玉置(信)委員 先ほどの現金化された額をひとつお知らせ願いたい。
  38. 伊原隆

    ○伊原政府委員 根本の方針がきまり、あと手続の問題であつたのでありますが、ちよつと私にわかりかねるのでございますけれども、相当の金額が支拂われておるのではないかと思つております。報告があり次第、この委員会に御報告申し上げたいと思います。
  39. 中山マサ

    中山委員長 さきに申入れておりました問題について、御返事をお願いいたします。
  40. 伊原隆

    ○伊原政府委員 先ほど委員長からお尋ねがございました日本に本店を有するある外国人の会社の支店が満州にありまして、満州で関東軍に物品を納入いたしました結果、百二十万円の日本銀行の小切手を受取つて、その支店の方が日本に帰つて来られた場合、どうなるかというお尋ねでございます。この問題は御存じのように省令の八十八号によりましてただいまのところは税関でお預かりいたしまして、すぐにお支拂いができないことに相なつております。しかし先ほど申しましたように省令八十八号は昭和二十年にできましたものでございますし、かたがたこういう場合につきましてどういう処置が許されるかということについては、具体的の問題をいただきましたら、関係方面に交渉いたして参りたいと考えております。
  41. 中山マサ

    中山委員長 それは税関で預かつておるのではなく、本人が現在持つておるのです。
  42. 伊原隆

    ○伊原政府委員 それは本筋を申しますと、御申告なさつて、税関でお預かりするはずのものではないかと私存じます。
  43. 中山マサ

    中山委員長 ほかにございませんか。
  44. 竹村奈良一

    竹村委員 先ほど他の委員質問されましたが、大連労働組合の経費とか、その他の扱いました金額について不明な点があるということについて、わかつていない、こういう答弁であつたのでありますが、大連労働組合から請願書が参りまして、それを見ますと、大体の金額等が書かれておりますので、この、審議を進める上に非常に便利だと考えますから、一応それをひとつ皆さんにプリントにでもしてお渡し願いたいと思います。そうして審議を進める資料にしたいと考えるのであります。  それからもう一つは、ちよつと委員長にお願いしておきたいのでございますが、実は定着援護の問題が一応問題になつておりまして、この予算も出ておりますので、厚生省関係の点につきまして、未復員者給與法に基く予算の点で少しお聞きいたしたいので、次会の委員会に厚生省関係のその答弁のできる人に御出席願いたいと思います。
  45. 中山マサ

    中山委員長 承知いたしました。
  46. 玉置信一

    玉置(信)委員 竹村委員の御意見と私も同様でありまして、次会にはぜひ厚生省の政府委員の御出席を求めるようにお手配願いたいと思います。
  47. 中山マサ

    中山委員長 さよういたします。
  48. 山手滿男

    ○山手委員 大蔵省の関係政府委員の方にひとつ簡単に、一、二私のお伺いしたい点をただしてみたいと思います。戰時中に主として中国関係からでありますが、日本に送金をいたしました場合に、興亜院その他が強制的に公債を各商社なんかに持たせましてその公債がいわゆる登録公債になつて現在大蔵省でいろいろ登録という形で管理をしていらつしやると思つております。これは私の関係している会社にも二、三あるのでありますが、相当な金額になつていると思うのであります。先般来一、二利子の使用の許可その他があつたのでありますが、この登録公債は外地から引揚げて参りました者たちにとつては、何とかして利用したい最大のものでありますが、なかなかうまく利用できないという状態にあるのであります。この登録公債は総額においてどのくらいあるか、またどういうふうな方法で順次これを利用し、活用させて行くような方向に持つて行かれるおつもりであるか、それをお伺いしたいと思います。
  49. 伊原隆

    ○伊原政府委員 ただいま手元にその種類の登録公債が幾らあるかということにつきまして、資料がございませんので、もし取調べましたら御返事申し上げます。それからただいまお示しのような登録公債につきましては、元利支拂地の変更を内地にいたしまして、そうして支拂うといいますか、それを内地の登録公債と同じようなことに扱う取扱いに相なつております。
  50. 山手滿男

    ○山手委員 内地の登録公債と同じように扱うということになりますると、どういうことになりますか。現実に中国あたりから引揚げて参りました者たちが利用し得る限度というものは、どういうことになりますか。
  51. 伊原隆

    ○伊原政府委員 公債につきましてただいま申し上げましたように、元利の支拂場所内地に変更なさいまして、その人は日本で公債を持つていると同じことになりますから利拂期が参りましたら利子の支拂ができる。登録公債につきましては、御存じのように除却の制度がございますので、登録除却をいたしまして公債証券を請求なされば、公債証券になります。公債証券になりますれば、これを市場に売ることもできるわけでございます。
  52. 山手滿男

    ○山手委員 今の登録の除却ということは引揚者全部が非常に熱望しておることなのであります。それについては向うさんの方でも相当異論があるように聞いておるのでありますがどういうような交渉をしていらつしやるのか、いわゆる完全に登録公債が登録でなくなつて利用できる、処分できる、こういう状態に持つて行く交渉は、どういうふうになつておるか、それをお伺いしておきます。
  53. 伊原隆

    ○伊原政府委員 率直に申し上げまして、そういう手続につきましては、ただいまよくわかりませんので、いずれ研究いたしまして、すぐ御報告申し上げます。元利支拂い場所が外国であります登録公債につきましては、内地に元利の支拂い場所が変更になる。変更になつたら同じだと私は思うのでありますが、もし登録の除却並びにそれが転々売買されることにつきまして、いかがになつておりますか取調べまして、ただちに御返事申し上げます。
  54. 山手滿男

    ○山手委員 登録公債の問題は、私はおそらく総額十億くらいあるのじやないかと思つておるのです。これは先般この利子が解除というふうなかつこうになつて一部分使えるようになつて非常にみな喜んでおるのであります。しかし何と言いましてもその当時のいろいろな事情からいたしまして、本体の解除というところに進んで行かなければいかないと思うのでありまして、ひとつ次の委員会で、この問題をもう少し御説明を願うように御準備をして来ていただきたいと思います。
  55. 伊原隆

    ○伊原政府委員 ごもつともの仰せでございますから、次の委員会までに必ず調べて参ります。
  56. 中山マサ

    中山委員長 ほかに御質問ございませんでしたならば、時間も過ぎておりますので、これで散会をいたします。     午後零時八分散会