○甘利
政府委員 まず一番初めの試験研究費の
補助金でありますが、これにつきましては、この
法案にも最初盛
つてあ
つたのでありますが、
関係方面から、これは一種のサブシデイであるというような議論が出ましたので、先ほど申しましたように、この
法案を急いでお
つた関係上、一応これから削除いたしておりますが、しかしその後
関係方面といろいろ
折衝いたしました結果、
関係方面の大部分において、これはサブシデイではない。どの省においても技術の
向上のために、研究費であるとか、あるいは試作奨励金というものを出しておるのであるから、造
船業に対して、それを出してはいけないということは言えないということで、
関係方面も大部分の方は、そういう
趣旨に賛同してもら
つておりますので、私たちもできるだけそういうふうにして行きたいと考えております。
次に
造船のいろいろな
合理化、
近代化の問題でありますが、これにつきましては、先般の
運輸省設置法に出ておりました
造船技術審議会を活用いたしまして、現に活発にこの
企業の
合理化の問題について審議をいたしておりますので、この審議会の答申を待ちまして、積極的にこれを行いたいというふうに考えております。
次に船価の引下げの問題でありますが、これにつきましては
關谷委員のおつしやる
通り、船価の大部分を占めますところの鉄鋼価格が、漸次高くな
つて来ますので、その面において造
船業者は非常に困難を来し、一方、
運賃の採算の面から、
運賃が漸次下
つて参りましたために、これまたそちらの方から船価の引下げを要求され、板ばさみにな
つて非常に困
つておる
状況でありますが、われわれといたしましては、
運賃の方は国際性のあるものでありますので、できるだけこの
運賃で採算をとれるような船価に下げたいというふうに考えております。そのためには、一つには
造船所の
合理化をやりまして、船価を切り下げる。一つには鉄鋼の価格の引下げ、あるいは国際価格並にとどめ得る科度、あるいは基本的に申しますと、鉄鋼も国際価格程度にとどめてもら
つて、それ以上に上げないようにしてもらいたいということを、特に強調しておる次第であります。鉄鋼の価格につきましては、先ほど
關谷委員のおつしやいました
通り、現在におきましては欧州の鉄鋼の価格に比べて、わずか上まわ
つておりますが、これは全部の補給金がはずれた後においては、
相当上まわ
つて参りますので、この上まわりました鉄鋼の価格をも
つて、船価を現在より切り下げるということは、いかに
造船所が
合理化いたしましても不可能でありますので、われわれは鉄鋼価格は国際価格並にとどめておいてもらいたい。その範囲において、
造船所は
合理化して船価を切り下げて行くということで、
目下いろいろ対策を練
つておりますし、具体的に一部のものは進んでおります。われわれが特にここで要望いたしますのは、鉄鋼の価格について、特に国際並にとどめておくために何らかの手段を、あるいは鉄鋼業者に対する奨励金であるとか、あるいは石炭業者に対する
補助金であるとか、そういうものを鉄鋼の
合理化ができるまでは、暫定的につけていただきまして、この急場を切抜けたい、こういうふうに考えております。