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塚田十一郎君 この
請願は、新潟県の東頸城郡を縦貫いたしまする直江津、六日町間の
鉄道を建設願いたいという
請願であります。
請願の
理由は、この地帯は
一つは石油、亜炭、農産物などの豊富な資源が相当ある。これを開発していただきたいということ、それから現在信越線が碓氷峠がああいうぐあいでありますために、北陸方面に行きます急行がずつと長岡までまわ
つて行
つておるわけであります。それでこの線を通しますと、ずつと六十キロ以上の距離短縮になり、そうして裏
日本と表
日本の連絡が非常にぐあいよいよなるということ、それからもう
一つは、この地帯は御承知のように非常な豪雪地帯でありまして、冬季になりますとまつたく交通機関が何もないのであります。私などは毎回選挙をいたしますときには、わらじばきでこの地帯を歩かなければならぬ。しかも今申し上げました東頸城郡は、これは郡内いずれの
土地にも国有
鉄道が入
つておらないという、まつたく
鉄道のない郡なのでありまして、そういう非常に恵まれない地帯でありますために、その恵まれない地帯の者をいくらかでも文化の恩恵に浴させていただくという
意味もあわせましてぜひこれは早急に御建設願いたい。この
請願は実は近年始められたのではないのでありまして、最初に始めましてから十数年にな
つておるのであります。幾たびか
測量はしていただいておるのでありますが、その後戦争などの
関係でいまだに成就しておりませんので、住民のそれに対する熱望はここ十数年来まことに熾烈なものがあるのであります。当初からこの建設の
請願に当
つておられた柳という人は、実は昨年亡くなられたのでありますが、私はこの人が生前にしよつちう、私の生きておる間にひとつ郡内を汽車が走るのを見せてもらいたいという、切なる願いを聞いておつたのでありますけれ
ども、遂にそのことができなかつたのでありますが、遺言として必ずこれは私が政治家として出ておる間に、御意思を体して成就いたしますからというように申し上げてあるくらい、私も非常に熱心に関心を持
つておる線なのでありまして、どうかそういういろいろな事情をおくみとり願
つて、一日も早くこの線の御建設をぜひお願いしたい、こういうように
考えておるわけであります。