運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-11-01 第6回国会 参議院 本会議 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月一日(火曜日)    ○開 会 式  午前十時五十七分 参議院議長衆議院参議院の副議長及び議員、内閣総理大臣その他の国務大臣、最高裁判所長官代理及び会計検査院長式場に入り、所定の位置に着いた。  午前十一時零分 天皇陛下衆議院議長の前行で式場に出御、玉座に着かせられた。    〔諸員敬礼〕  午前十一時一分 衆議院議長幣原喜重郎君は式場の中央に進み、次の式辞を述べた。    式 辞   本日親しく天皇陛下の臨幸を仰ぎ、ここに第六回国会開会式を挙げるにあたり、衆議院および参議院を代表して式辞を申し上げます。   終戰後わが国民生活を脅かした苦難の事態は、連合国援助によつて、ようやく危機を脱し、わが国復興のきざしが見えはじめましたのは、きわめて喜ばしいことであります。これと共に国際情勢が一層安定して、各国民のため、平和的活動の範囲ならびに機会が増進確保されることは、わたくしどもの切に祈願してやまないところであります。   およそ一国がみずから進んで戰争を放棄し、軍備を全廃することを誓つたのは、日本国憲法の開いた新例でありますが、近來の急激な兵器の進歩に徴すれば戰争はいずれの当事国をも名状しがたい惨禍に陷れ、少しも国民の幸福に貢献する所のないことは事実上証明され、早晩わが憲法は先見の明を誇り得ることになりましよう。その時機に至つたならば、日本の例にならうものが続出せざるを得ないと思います。われわれは希望に満ちて世論の動向を注目するものであります。   つぎに民主主義の徹底はまたわが憲法の特に重きを置く目的の一であります。この主義の誤解や濫用は往々心ある人の憂いを招いたのでありますが、最近これが正しい解釈と適用を普及させるため、真面目な、組織的な啓発運動が民間に現われつつあるのは、また満足すべき傾向であります。   国会はわが憲法の指し示す方針と理想を体し、国民の委託にそうよう、最善努力を盡す決心であることを、ここに表明するものであります。  次いで侍從長勅語書天皇陛下に奉り、天皇陛下は次の勅語を賜つた。    勅 語   本日、第六回国会開会式において、諸君と親しく一堂に会することは、わたくしの深く喜びとするところであります。   今日わが国が、日本国憲法理想に基き、連合国の好意と援助とにより、着々、民主的文化国家の建設にその実をあげつつあることは、諸君とともにまことに感謝と喜びに堪えません。しかしわが国が、現在なお直面している幾多の社会的経済的困難を打開して、真にその目的を達成し、世界の信頼を得るためには、われわれ日本国民は、今後、更にいつそうの努力をしなければならないと思います。   わたくしは、この時に当つて国会が国権の最高機関として、その重要な使命を果すとともに、国民のすべてが、困難を分ち、相協力してわが国理想達成のために、その最善をつくすことを切に望むものであります。    〔諸員敬礼〕  衆議院議長は御前に参進して、勅語書を拜受した。  天皇陛下参議院議長の前行で入御。  次いで諸員は式場を出た。    午前十一時十一分式終る。