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委員外議員(
高橋啓君) この
請願の
趣旨について簡單に御説明申上げたいと思います。この
東北少年院を
仙台市の
大年寺山という所に
設置する問題について
反対の
請願でございます。この問題のそもそもの発端は、
東北少年院を
仙台市に
設置するということで、昨年の十二月に
成瀬院長外数氏が
仙台市に来られまして
少年院の
設置の
趣旨を説明して、
用地の
斡旋方を
仙台市に要望して参
つたのであります。この際
反対運動が誤解を受けることを避ける
意味において、私が基本的な問題を申上げたいと思いますが、この
少年院設置につきましては、これは
国策でありますから、これに対しては
仙台市は
反対いたしておらないのであります。そうしてむしろこの
建設に
熱意を持
つて協力いたしたいということを
市長その他
関係者がはつきりその態度を示しておるのであります。ところが
地元といたしまして、
建設の
場所についてはいろいろ
観光施設或いは
風致地区、それから
都市計画という
ような、いろいろな重大な問題が関連して参りますので、予め市或いはその他の
当局と
設置場所決定についてはよく協議して貰いたい、尚進んで
自分達がこの
適地を斡旋したいというので、
市長は七ケ所かを用意いたしまして、特に一ケ所はここにも書いてあります
通り、
仙台に
西部観光協会というのがありますが、その
観光協会が盡力いたしまして、そうして
国見山峠という所に十万余坪を
決定いたしまして、それを御推薦する
ように用意いたしてお
つたのであります。ところが本年の三月三十一日に
仙台矯正保護管区長官の
吉田さんという人が来て就任の挨拶をしに来たのでありますが、その際に
大年寺山一帶の地を
少年院を
建設するための
適地として
決定したからという
報告をして参
つたのであります。そこに大きな市と
建設当局との
行違いが生じたのであります。その後
仙台市におきましては
市会を開いて、いろいろとこの問題に対して協議したのでありますが、
全会一致でここに建てて
貰つては困るということにな
つたのであります。又
仙台市の
市民大会が四回開かれた
ようでありますが、これ又非常に大きな叫びにな
つておりますので、殊にこの
請願を紹介して参つたときに、私は一応これは何らかの
行違いがあるんじやないかというので、実際に問題を
調査いたしたのであります。ところが
只今申上げた
ような当初において大きな
行違いがあつたというのであります。そこで私が
法務庁にも参りまして、その係の関という
事務官から、いろいろ
法務庁側の今日までのいきさつを聞いたのでありますが、ところがそこに非常な
行違いがあつたことを発見いたしましたので、私はどうしても
両方の人が
会つて、そうして
洗い浚い話合つたら何か一歩前進するんじやないか。私としてはこういう
少年院という
ような問題は、ただ
建設だけが
決定しても、実際に今後感化訓育するためには
地方との
接触が非常に必要である。殊にいろいろな開拓をしたり、或いは工場を設けたり、その他
社会人との
接触を保ちつつこの
ような
目的を達成するのであるから、
地元の
反対を押切
つて進めて行くということには、この
仕事の本質から見ていけない。どうしても
地元の
熱意ある
協力の下に
建設して
行つたらどうかという考え方から、何とか
両方の
一致点を見付けたいと
思つて、私が苦心しまして、
市長の方にもわざわざ
行つて貰つて、そのとき丁度
市長はこちらにお
つていなか
つたのでありますが、併し
地元の人やなんかの主張をするところを聞いて参
つたのでありますが、そのときに結局まあ非常な激烈な
言葉であつた
ようですが、一週間内に
替地を見付けたならば何とかするということで別れたのであります。そこでとにかく
替地を見付けてやらなければ
いかん。
ただ話だけで
建設の話をして、そうして
少年院の今後の
運営に
支障を来させては
いかんから、できるだけ早く今までの話の
熱意を
替地の選定に向けたらいいだろうということで、私共はその
反対者の
人達にも話して一生懸命
替地を心配させたのであります。大体
適地が見付かつたというので、私も
行つてその
現地を見たのであります。見るときはあらゆる
建設の
関係者、或いは
市当局又市会議員約三十名といつた
ような
人達で
現地を踏査いたしまして、これならば前の
大年寺と大体
條件において一致する、例えば
職員の
住宅等も近くにある、
学校も今度
新制大学ができて今
落成式を挙げたばかりである。それから
土地の状況においても十万坪というものが一括して得られるし、尚その外に近くにいろいろな
養魚池とか、或いはその他耕作するに
都合のいい
地域が隣接しておる。いろいろな
條件からこれはいいのではないかという
ような私も判定いたしたのでありますが、そのまま市においては
市会議員の
全員協議会を開いてここを推薦し
ようというので早急に
現地調査をして呉れということであ
つたのであります。そういうことで
仙台市はこの
少年院の
設置に対して
反対をしておりません。それからこれに対して援助するということを惜んでおらないのであります。ただ
適地として
決定された
大年寺山というのは、最初は十万坪の
計画で三万坪が木を伐られてある。これも
治山治水の
関係から危險な
土地でありまして、その外に七万坪というのが今木が生えております。これは
観光地、いわゆる
風致林として
制限地にな
つております。これが一部の人によ
つてすつかり独占されるということは将来
仙台市の
観光都市としての
計画、或いは
都市計画において非常な
支障を来す。もう
一つは建てるところが
由緒のある
土地で
一つの信仰的な気持で
仙台市は
反対した。それから近くに
女專があります。この
女專の生徒の、余り山の中に建てたのでありますが、その
通り道にもなるので、そういうことも懸念されるのであります。そういうことであの
地域でなければならないという
ような
建設者側の
理由よりも
仙台市側の
理由という方が大きな
理由があるのじやないかと私は
思つておるのであります。そこへ今度
調査に
行つて貰いました。ところが
調査に
行つた場合、その前に県知事より、若し
大年寺山でなく別に
替地が欲しいというならば
協力し
よう、市の
市長も私が直接聞いたのですが、若し
大年寺山でなければ何んとか心配してあげ
ようということであります。そこで第一
調査をした結果、
法務庁の方から
調査に
行つて貰つたのですが、大竹とという技官が
行つたそうです。私には何も話がありませんでしたが、
行つたそうです。それが
中間報告をしてこう言うのであります。それは
適地ではない、どういう
理由かというと、技術的に経済的にというのであります。技術的には
技術者がそこに
行つておりまして、決してこれは不適当ではない、経済的というのは、まだ交渉もしないのだから、交渉したかしないか分らないけれども……
地元の
反対というか、最も公平な見地から僕が決めるということは、ここは私がいるところなんです。私の住いがこのところにあるのですが、私がそこの
警防団長をしておりました、この
地域の
真ん中におる……そうして
地元の
反対ということがあれば私が一番苦痛を受けて立たなければならん、その私がそれはこの辺に造
つてやらなければ
いかんという考えを持
つたのでありまして、
地元の
反対を調べるところによりますと、
吉田という人が盛んに
反対者に対して行動をしたという
ような事情も聞いておるのですが、これは確かに言つたかどうか知らんが、そういうことを聞いておる。そうしてたつた二十分間見たというのです。私はあれを約六時間、私が山を
調査した。ところが、実際にそれをやらなければならない人はたつた二十分間見ただけで
福島に
帰つて温泉やなんかで休養したということに対しては、初めから
大年寺山でなければならないという
結論を以て見るからそうなんです。そうして
仙台市民全員の
反対を押切らなければならんという
理由は私はないと思う。そこで今日まで
大分建設が遅れたからこれは皆んなでいろいろの
行違いがあつたにしたところ、
国策運営に
支障を来し
ちやいかんからお互いに一もつこでも担ごうじやないかということを
言つておる。それを排斥して、この問題の
大年寺山に
決定しなければならんということは私はどうしても考えられない。ここにおいてこの山についていろいろな問題が起きておりまして、この
新聞にある
通りです。これは一流、二流の
新聞が皆書いておる。こういう
ように沢山の問題がありまして、ここにどうしてもやらなければならんということの私は
理由はないと思うのであります。将来の
運営に対して三万坪では駄目である。十万坪でなければならん。ところがその中の七万坪というのが、
反対の下にやつた場合、
風致林として県が
制限地として指定してありますから、これを若し絶対に解除しないという場合には小さい三万坪だけでや
つて行くというところへ恐らく最後に到達しなければならん。理想的の
計画には持
つて行けない、こう思うのであります。私は将来段々それが必要であれば十万坪か十五万坪といつた
ような隣接した
環境も含めて考えなければならんと思います。私は何よりもこの
少年院の性格から
地元の
熱意ある
協力があ
つて、そうしてやらなければ駄目だ、ただ監獄として隔離するならばどこでもいい。併しながらこれは
事業をするにも、耕作するにもいろいろ
社会人との
接触があるのでありますから、私はどうしてもこの
ようなことを強行しないで、そうして十分なる
仙台市民の賛成を得て、そうしてできるだけ遅れた
建設を
市民の
熱意のある
協力を得てや
つて行くことで私は
十分補いがつくと思う。そうでないと人夫一人出ない場合はどうする。
請負師も相当心配いたしまして、
仙台市民の
反対を受けてやる
ような
仕事を推進することについて考えておると
言つておるのであります。そういう
ようなことでありまして、どうぞこの問題に関しては皆様の
熱意ある御支援を頂きまして、この
反対の
請願に対して御採択あらんことをお願いいたします。