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1949-11-14 第6回国会 参議院 文部委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十四日(月曜日)    午後一時三十七分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国立学校設置法の一部を改正する等  の法案内閣送付) ○科学教育振興決議案に関する件   —————————————
  2. 藤田芳雄

    理事藤田芳雄君) 只今より開会いたします。初めに、国立学校設置法のや部を改正する等の法律案提案理由は聞いておりましたが、その内容について、文部当局の方から一応御説明願いたいと思います。
  3. 剱木亨弘

    政府委員剱木亨弘君) 国立学校設置法の一部を改正する等の法律案内容につきまして御説明申上げます。説明の都合によりまして、大体逐條的に御説明申上げようと思います。  第一條は、高等商船学校商船大学に昇格しまして、その商船大学規定するとに関する條文でございます。先ず国立学校設置法の第三條に、静岡県のところで、静岡大学の外に商船大学規定いたしまして、学部商船学部で。九十八條により包括する学校といたしましては、高等商船学校海務学院とを包括するわけでございます。これに関連しまして、後ほど出てまいますが、運輸省の方の設置法規定しております附属機関中から、この高等商船学校海務学院が除かれるわけでございますが、その外に商船教育関係があります四つのもの、例えば航海訓練でございますとか、海員養成所でございますとか、そういつたようなものは尚運輸省に残るわけでございます。それからその次に附属研究施設でございますが、岐阜大学の次に、商船大学の中に船舶運航研究施設が附置されることを規定したのであります。このことに関連しまして商船大学は、この国立学校設置法で、東京水産大学が、明年の、即ち二十五年三月三十日まで農林大臣所管に属すると規定してありますが、それと同じように商船大学も、来年の三月三十一日までは運輸大臣所管に属しまして、四月一日から、文部大臣所管に移るわけでございます。そのことを規定いたします同時に、尚この十三、四号を附則に加えたのでございますが、それは現に二十四年度高等商船学校入学いたしまして、現在在学しておる高等商船学校の第一学年でございますが、この学生は、実はこの四月から他の国立大学と同じに商船大学になるものと予定いたしまして、大学の一年生と全く同じ方法入学試験をいたしまして、入学後の教育新制大学と全く同じ教育をやつておりますので、その一年生を新制大学の、即ち商船大学の一年生に切り替えることにいたすわけでございます。その在学期間の年数の関係におきまして切り替えましたこの一年生は、四月から在学した者と同等に取扱うということを規定してあるのでございます。これは商船大学が、国立大学と同じように大学になるという目標で実施いたしまして、現在の学生は一日も早く大学になることを待ち望んでおるのでありまして、そういう意味で今回大学にすることができることになりましたので、この臨時国会にお願いいたしまして、早く切り替えをいたすというためにお願いする大きな理由でございます。学生の非常に待ちあぐんでおるところでございますので、その点御了承願いたいと思うのでございます。それからその次にこの国立学校設置法で定めましたにの定員は、前に大臣の御説明の時にもありましたように、国立学校設置法を立案いたします時には、まだ行政整理が完全に決定しておりませんでしたが、その際一般国立学校事務職員につきましては、欠員の二分の一が行政整理になりますが、この病院等につきましては、その点について多少異つた措置がとられる。即ち欠員につきましても行政整理がないというふうに予想されましたので、その予想に基きまして国立学校設置法定員を決めでおりまして、六万一千六十三人になつておるのでございます。その後行政整理が決定するにつれまして、行政機関職員定員法におきましては、病院におきましても欠員半数整理されまして六万九百四十名即ち百二十三人だけは直ぐ規定されましたので、実際の実施は、この行政機関職員定員法の方が優先いたしますので、それによつて実施いたしておるのでございまして、その国立学校設置法の方の誤りを、この機会に訂正さして頂くということにいたしたのでございます。それでこの規定にありますのは、各病院、その当時におきまして欠員を持つておる大学の、その欠員半数だけがでございます。  第二條以下は、この商船大学国立大学設置法規定するために、運輸省設置法の関連したところを改正するのでございます。で、これはただ條文の大体整理でございますが、その中で申上げておく必要があると思いますのは、運輸省設置法の第三十八條にこの運輸省にございます審議会規定がございます。その中に船員教育審議会というのを、運輸大臣の諮問に応じて船員教育に関する重要事項を調査する審議会設置することにいたしたのでございます。この点は従来商船教育が或いは文部省にあり或いは運輸省にありまして、しばしば変化したのでございますけれども、要するに船員教育に対する関係を持ちます省の両者の間におきまして、密接な連絡、連繋をとつてつて行かなければならんことが必要であるのでありまして、これを分担して行くという関係におきまして、その間の連絡調整を最も円滑にいたしまして、将来の商船教育を、今までと異りまして、相当スムースにやつて行くというために設けてあるのでございまして、特にこれを運輸大臣所管に置きましたことに重要な意義があると考えておるのでございます。こういう点につきましては、第三條に教育職員免許法の一部を改正しておるのでございますが、それは教員の免許科目の中に、水産及び水産実習の外に、商船及び商船実習を加えたのでございます。これは商船大学設置されますことによつてす。大体改正の主なる点は以上の通りでございまして、特にこの商船大学設置につきましては、非常に要望されておるところでございますので、何とぞよろしく御審議を頂くことをお願い申上げます。
  4. 藤田芳雄

    理事藤田芳雄君) 只今の御説明についての御質問があつたらお聞き願いたいと思いますが、尚この際運輸省の方から山口船員局長も見えておりまするし、同じく運輸省船員局渡邊教育課長も見えておりますから、その方の質問にも答えられますから、どうぞお願いいたします。
  5. 鈴木憲一

    鈴木憲一君 この前国立学校設置法を定めます時には、大学附属病院事務職員の定数をあれで差支えないと思つて我々は認めたわけなんですが、それが行政整理一般方針通り定員法に則つてしまうようになつたために、百二十三人ですか、ここに首切りをしなければならんということになつたわけですけれども、これは事実上これだけ血が出たものですか、それとも明いておつたものですか、そこらを……
  6. 剱木亨弘

    政府委員剱木亨弘君) 学校の方のこの行政整理は、全部欠員半数整理するということになりましたので、病院以外におきましても実際は実員につきましては血が出た訳ではないのであります。それからもう一つこの国立学校設置法を御審議頂きましたその中で、第十二條と申しますのは、この定員でございますが、別に政府職員定員に関して定める法律の適用に影響を及ぼすものではないということを一応断りまして、その当時確定しておりませんでしたけれども、定員法ができればそれの方が優先するということにしたのであります。定員法が出ましたので、実際の実施はこれによつてつておるのであります。
  7. 若木勝藏

    若木勝藏君 今の定員に関する問題でありますが、これは御説明によると、大学附属病院事務職員について行つておる問題のように思うのでありますけれども、これは最初においてこの方面整理に及ばないというふうな考へ方は、私は非常に妥当な考へ方と思うのであります。なぜならばいわゆる附属病院事務職員というような冬のは、実際に患者の牧容の方から見て非常に重要な部面があると思う。それが一般政府機関のいわゆる定員法によつて、これをも整理するというような形にしたということは甚だ遺憾に思うのであります。この整理によつて実際大学附属病院事務方面支障なく行けるものであるかどうか、その点についてお伺いいたします。
  8. 剱木亨弘

    政府委員剱木亨弘君) 大学事務職員につきましては、私共といたしましてもできるだけ行政整理から外して頂きたいということを強くお願いして参つて、恐らくそれが聞かれるであろうと実は期待しておつたのでありますけれども、いよいよ決定されましたときには、案は今申上げました通り欠員半数だけが整理なつたわけであります。現在附属病院運営につきましては、事務職員のみならず、看護婦等も非常に少数になりまして非常に困つておるのでございます。本年度も、二十五年度予算におきましても、相当数の増員を是非お願いしたいと実は思つておりましたけれども、尚これは実現を見るに至つておりませんが、できるだけ将来に向いまして私も努力いたしまして、定員を増加して行きたいというふうに努力をしたいと考えております。
  9. 若木勝藏

    若木勝藏君 今の御説明によりますと、結局来年度予算において、この定員は修正する方面文部省として予算要求をしておるということになるわけでしようか。その点を……
  10. 剱木亨弘

    政府委員剱木亨弘君) 二十五年度予算につきましては、その点について相当要求したのであります。これもやはり行政整理字句等の問題でございますので、俄かにこれを増加するということは困難というので、現在のところではまだ認められていない。であります。
  11. 藤田芳雄

    理事藤田芳雄君) 外にございませんか。
  12. 岩間正男

    岩間正男君 今の問題重要だと思うのですが、文部省としてどうしても大学に、内部事情があつてこれに応えなければならないという立場に立つておられるとするならば、この條文の修正が單に事務的処理で、実体にそぐえないということは非常にまずいと思う。この法案の訂正は、議会に対しては、議会に新たに折衝された、努力された点があるか、その点をお伺いしたい。
  13. 剱木亨弘

    政府委員剱木亨弘君) この法案は先に行政機関定員が決まりましたものと、国立学校設置法のあの二つ法案の間の誤謬を訂正するときの問題でございますので、その点は同じ趣旨としなければならんと考えております。ただ定員の増加の要求につきましては、おのずから個別の問題といたしまして、私共としては強く今日まで要求をして参つておるのであります。ただ非常に残念なことにはまだ現在それが認められるに至つていない。
  14. 岩間正男

    岩間正男君 私の質問についてお答を願いたいのですが、今度登録されたかどうかという、これはされなかつたと解釈していいのですか。この今の話、この法案を提出される機会に特に折衝されて登録されたかどうかというのです。
  15. 剱木亨弘

    政府委員剱木亨弘君) この法案に即して要求しておるということではなくして、これは全く同時に予算的には要求しておる。
  16. 岩間正男

    岩間正男君 まあ法案の、二つ法案の間の誤謬という話があつたのですが、誤謬はむしろ法案の方にあるのではないかと考えるのですね、病院の実情では職員がむしろ少いくらいだ、これをできるだけ解消して、人員を減らさないようにしたいという考を持つておらるるとすれば、法案誤謬を訂正するという考え方で、むしろ実体の方が誤謬に落ちておる。実体に即したもつとやはり努力をされることが必要じやないか。この点我々としてやはり大きな問題があると思うのです。この法案について一番……新たに百二十三名ですか、それが整理されるというところに一番法案の問題があると思うのです。これは予算がないからちよつとその点はやはり議会に出されるとこういう意味ですか。
  17. 剱木亨弘

    政府委員剱木亨弘君) 国会議決頂きました行政機関職員定員法というものが、百二十三名を削つた数において決定されるのでございまして、又それに則してこの二十四年度予算は確定しておるわけです。従つてこれに対しては国立学校設置法の方の余りは訂正しなければならないと考えます、ただ二十五年度予算につきましては、不十分な点は十分私共として主張して要求して参つておるのでございます。二十四年度の分は、これはすでに既定の事実として一日も早く訂正する必要があるのじやないかと思う。
  18. 松野喜内

    松野喜内君 文部省の方の、これまで研究生として船舶運輸関係研究ですか、細かいことは何ですが、私共は教育内容を、実質をば向上したいと常に考えておる。今ここに商船大学のことについてお話がありましたが、今までどんなふうであつたかこの一端でも承われば……
  19. 山口傳

    説明員山口傳君) 船員教育機関は、従来文部省にありましたこともございますし、逓信省にございましたこともございましたが、現在運輸省にございます。系統を一通り説明してみたいと思います。現在の制度は、海務学院というのが東京にございます。神戸海技専門学院この二つがある。これは東京高等商船神戸高等商船の後身になつておる。以上の二つ、その外にこの度商船大学にして頂こうという高等商船学校がございます。これが全国に現在のところ一つでございます。あと中等商船といたしまして、全国に五ケ所ございます、そのもう一つ段階の下のものといたしまして海員養成所というものが全国に八つございます。それからちよつと変つた特色のものとい恥しまして航海訓練所というものが運輸省にあるのでございます、機構といたしましては大体以上でございます。その中の最初の申上げました海務学院高等商船学校を合せまして、この度商船大学にして頂くように申請をいたしておる次第でございます。この海務学院は、高等商船学校教育を受けて、一旦職場に就いた人を、再び一年とか二年とか、再教育をいたす制度でございまして、只今のところ海務学院では二十名毎年採用いたしておりますが、主として狙いは外航へ出て行くまあ高級船員、即ち高等商船学校は無論出ておりますが、尚もう一段高級な教育、実際的な教育をしたいというのでいたしておるわけでございます航海科機関科と両方に分れております。最高幹部養成というような趣旨でできております。  それから海技專門学院と申します所では、これ又再教育でございますが、これにはいろいろとクラスがございまして、例えば中等商船を出た人が一旦職務に就いたと、その人方が持つております免状、その上級の免状を受けるためには、更に基礎教育が必要でございます。そういう者のために各種段階での再教育クラスができております。そういうものが主でやつております。それともう一つは、戦時中に短期養成学校を出た、即ち中等商船あたりを五ケ年ぐらいでやつておりましたのを、戦時中に一年とか一年半とか短縮いたしました。そういうわけで教育不十分な者がございましたので、そういう者のために補修教育をやつておりましたが、これは本年度までやつております。来年度は中止することになつております。即ち神戸海抜專門学院は、実際に船員職場に就いた今の各種のグレードの再教育をやつておるということにいたしております。それと高等商船学校は從来のいわゆる專門学校でございます。それから中等商船中等商船海員養成所と申しますのは、これは主として普通船員になる人のために設けた教育機関でございまして、ここでは本科と申します所で約一ケ年間教育をいたしております。それが本科でございまして、その他に三ケ月の短期教育をいたしまして、年に三回ぐらい入れ替え入れ替え収容いたしまして、そこで三ケ月の初歩訓練を受けた者が普通船員となつて行く。こういうふうに一ケ年のものと三ケ月間のものと二通りに分れております。  以上が学校としての大体の制度でございますが、その外に、最後に航海訓練所というのがございますが、これは高等商船学校或いは中等商船学校座学終つた人が、実習教育をやるため更に一元的に設けられた機関でございます。ここで一年とか、一年半とか、海上の実際の訓練を受けまして、そこで始めて高等商船或いは中等商船卒業免状が貰える。本来ならば、各学校練習船を置きましてやつてつたのでありますが、それでは戰時中並びに戰後のこうした情勢では、なかなか船を動かすということが非常に困難でございますから、一元的にそういう実習課程を一まとめにしてやる機関を作りまして、そこで実地訓練をいたしておるというような制度になつております。  只今教育制度の概要は以上の通りであります。
  20. 松野喜内

    松野喜内君 分りました。
  21. 堀越儀郎

    堀越儀郎君 只今松野さんの質問に関連いたしまして、運輸省政府委員からお聽きしたいと思います。現在商船大学になつて文部省に移管されるということは教育の一元化から当然妥当なことと思います。従前運輸省所管であり、又只今承わりますと、この外いろいろ海員養成教育機関運輸省でお持ちのようであります。又運輸省に更に船員教育審議会というものを設けまして、それで船員教育についていろいろ審議されるらしい。そうなりますと将来両省の間に摩擦が起るようなことができはしないかという懸念がございます。商船大学文部省所管として大いにやつて行かれるということについては、運輸省としては、快くこれを文部省に当然移すべきものと考えてやつたか、将来そういうものについて、両省間にいろいろ摩擦が起るようなことがないかということを懸念するのでありますが、これをはつきりしたことをお伺いして置きたいと思いますが、お考え如何でございますか。
  22. 山口傳

    説明員山口傳君) お答えをいたします。このたびの商船大学昇格問題並びにこれに関連する所管問題につきましては、昨年来文部当局との間に、長い間いろいろと折衝いたしまして、そうしていろいろ議論をいたしましたのでございますが、過去の沿革或いは今後のことを考えましで、落著いた結論がこのたびのような制度でございまして学校教育法の示すところによりまして、学校というのは文部省へ一元的に纏める。併し私共船員を実際に監督いたしている側といたしましては、この教育につきましては、非常な関心を持つておりますので、その教育内容等につきまして、主として技能的の方面であろうと思いますが、こういう点につきましては、どうしてもただ任せつ放しにはでき難いのであります。この点につきましては、関係方面の示唆もありましで、船員教育審議会というものを設けましてこれで安定を見た。又これで両者がこういう制度を楔として、相協力して行かなければ、到底立派な商船教育はできないんだと思います。我々がこれを持ちますことは、やはり一般基礎教育等については不十分な点がございますことを十分認めてお願いする点をお願いすると、私の方でいろいろと御注文申上げたいことはこの審議会を通じまして、反映して頂くようにお願いするというので、円満に結論を出したのがこれでありまして、私共としてはこの制度で今後不可はないと考えておるのであります。
  23. 堀越儀郎

    堀越儀郎君 只今運輸省政府委員の御答弁で、運輸省方面の御意向は分つたように思いますが、今度は文部省の方にお伺いしたいのでありますが、今度移管されたことは、これは妥当なことと思いますけれども、実際の教育技術、いろいろな面において、運輸省において、又それぞれお考えをお持ちのようでありますが、そういう点を、船員教育審議会を作り、反映したいという御意見は承わつたのでありますが、そういう点に対して、文部省船員教育審議会に監督されることを快でお受けになつて両省の間で摩擦がないように、船員養成について十分考慮されて行かれるのでありますか、万一意見対立を見た時には、文部省としてはどうされるのでありますか。その点を念を押して置きたいと思いますが、文部省のお考えを聽いて置きたいと思います。
  24. 剱木亨弘

    政府委員剱木亨弘君) 只今船員局の問題につきましては、十分両者の間で協議して参りまして、その期間、今日まで、むしろ私共といたしましては、両者全く協力的な立場に立つて来たと思うのであります。特にこの商船大学運営するに当りましては、その養成計画なり、又実際の教育方法なりにつきましては、相当その直接の責任があられます運輸省の御意向を聽いて行かなければならんのでありまして、その意味におきまして、その船員教育審議会というものを運輸大臣の下に置きまして、そこで十分運輸省でやられますけれども、その船員教育審議会そのものの中にも、これはやはり文部省も入りますし、教育関係としても入つて行つて、そうしてその船員教育の根本的な面を、方針を決めて行く、併しこれはむしろ私は両省は本当に一つになつてそうして運営して行く一番いい楔だと考えておるのでございまして私共これを通じて参りますれば両省の間に将来対立というような問題は起つて来ないと思います。又起つてはいけないと思います。特に商船大学教育の実際やつて行く面におきましても、例えば今申されました航海訓練所といつたようなものは、相当これはやはり利用さして頂きませんと、実習というようなものはできませんので、両省は本当に密接に連絡をとつて行くものと考えますし、又私共としてはその両省の間に将来対立が起るというようなことは実は想像できないのでございます。
  25. 堀越儀郎

    堀越儀郎君 只今両省責任者の御答弁を承わつて我々安心したのでありますが、現在においで両省聞にそういう意思の疏通が十分できており、運営支障なくできるという、ことを我々は信じたいと思うのでありますが、将来の、又例えば一つの例を挙げますと、人事院が公務員の給与ベースについでの勧告を内閣に送り、内閣はこれは内緒で触れないというようなことがある場合がある。これは一つの例であります。けれども、この海員教育委員会から通じて反映されるこの意見に対して、文部省が十分受入れられる、今の構成の上からできるようにも思います。只今伺つたところでは我々は安心できると思つております。現在の文部委員立場として将来の点に十分な保障を一つして頂きたいと思います。政府委員の方を信頼すればそれで十分だと思いますが、それを私達は非常に懸念しておるので、両省大臣お立会いの上ではつきりそういう点について懸念のないという亡とを文部委員に言明して頂ければ結構だと思います。これを我々委員としては要求したいと思います。
  26. 藤田芳雄

    理事藤田芳雄君) そうすると今のは何か形の上に、只今のお二人の政府委員説明でその意味が分つたのですが……
  27. 堀越儀郎

    堀越儀郎君 大体了承はできたのですが、将来の大きな問題でございますから、責任ある両者大臣が我々に言明して頂きたいと思うのであります。
  28. 鈴木憲一

    鈴木憲一君 農林大臣も……
  29. 剱木亨弘

    政府委員剱木亨弘君) この問題につきましては御尤もだと思いますし、我々もやはり将来に向つてそういうことのないようにしたいと思いますのでできましたらこの機会両省大臣覚書ぐらい作りましてそれをここで御披露さして頂くとか、そういう形式をとることができると思うのでありますが……
  30. 藤田芳雄

    理事藤田芳雄君) そうすると只今の発言から参りますと、運輸大臣、それから文部大臣、同時に今の農林大臣関係するようですが、そうした関係大臣の共同の何と言いますか、覚書ですか、そうしたものをこの委員会一つ出して貰うというようなことでよろしうございますか。
  31. 堀越儀郎

    堀越儀郎君 只今劔木政府委員お話通りでもよろしいのであります。又で貸ますれば大臣お立会いの上で我々に言明して頂くにしても、何れにしてもこれは委員長にお任せいたします。
  32. 藤田芳雄

    理事藤田芳雄君) それじや次の機会にそちらかの形をとるようにいたします。
  33. 左藤義詮

    左藤義詮君 只今お話に関連しまして船員教育審議会が今できておるようでありますが、その構成及び現をどういうような方面審議をしておるか、その点を承わりたいと思います。
  34. 山口傳

    説明員山口傳君) 教育審議会の今度の法案通りますと、これに基づきまして政令を出してそうしで作ることになつているのであります。その政令の案で申上げますと、会長は運輸大臣になつておりまして委員は十二名、その從に名は、先ず船主側代表二名、船員代表二名、それから学校長の中から、教育機関の長が二名入りますそれから文部省から二名、運運輸省から二名、そうして以上で六つだと思います。が、とにかく十二名であります。それで極めて人数も外の審議会に比べますと少いのでありますが、これだけで以てまあ簡素、強力にやろうというのであります。そこで審議いたします事項は、従来……その前に一言申上げますが、従来運輸省には船員教育委員会というものがございましたのでありますが、これはやはり関係方面の方を大勢集めまして、運輸大臣の諮問に答えておりましたが、今回商船大学文部省に移ります機会に形を整えまして、只今のような教育審議会ということにいたしておるわけでありますが、船員教育及び養成の基本方針に関する事項をここでは審議する。先程御説明いたしましたように、只今のところ大学文部省へ行きましたが、尚外に中等教育が残つておりますし、それから先程申上ザました海員養成所関係もございますし、それから航海訓練所でスクーリングは文部省へ行きましても、実地の海上訓練の方は運輸省の方で受持つように只今のところ考えてありますから、その辺の関係からいたしまして、この教育審議会では、船員教育の全般につきまして、教育或いは養成の基本方針、根本をここで調査審議いたします。それから具体的にそのときの船員の需要供給の趨勢によりまして、いろいろの計画を立てています。  それからその他主なことはそれだけでございますが、一般教養の方をお受持ちになる文部省との間々は、十分に連絡をいたす必要がございますので、技能教育の方につきましては、常に運輸省としてできる限りの研究をして、意見を立てて、この審議会を通じて意見を求めまして、それを文部省の方と連絡いたしてやる、かようにいたしたいと思つておるのであります。その他重要なことであれば、船員教育に関する限り、ここに運輸大臣としてはお諮りして、民主的に意見を聞いて貰えるというふうな考えでおるのでございます。
  35. 左藤義詮

    左藤義詮君 現在まで運輸省の方に船員教育委員会というものがございましたですね。それとこの審議会とは余程性格が違つて参りますか。どういう点を変えるために組織を変えられるのであるか。従来の教育委員会との関係一つお伺いいたしたいと思います。
  36. 山口傳

    説明員山口傳君) 従来の船員教育委員会は、大臣達を以ちまして、四、五十人ぐらいの大勢の関係方面の方を集めておつたわけでありますが、無論商船教育についての意見をいろいろ聞いてお諮りしておつたのでありますけれども、ここ暫くの間主たる審議事項は、学制の改革、今度の新制大学或いは高等学校、学制改革のことであるとか、或いは商船教育運輸省の方がいいのか、文部省にお渡しした方がいいのかというような当面のことを洗いざらい諮問いたしまして、その方の調査研究を一通り終りまして、運輸大臣のに答申をされたのであります。それで、実は二十三年度で殆んどもう仕事を終りまして、止めております、解散いたしました。それで今度法律案ができますと、船員教育審議会という形を以ちまして、新たな事態に応じての構想としてやつて参りまして、従来のように大勢でやる必要もないのでありますから、この案のように変更が来たのでございます。
  37. 左藤義詮

    左藤義詮君 我が国の現状では、貿易及び海運の発展に活路を見出すより外ないことは、申すまでもございませんが、そういう点から考えて将来の高等海員の需給と睨み合せて、商船大学は少くとも二校以上は必要であると思いますが、一校で十分と考えておられるかどうか、その点を両省当局から承わりたいと思います。
  38. 山口傳

    説明員山口傳君) 運輸省としてのお答えを申上げたいと思いますが、現在のこの高級船員の需給状況からいた、しますと、終戰後、だんだんと余剰船員というものがなくなつて参りましたが、現在と雖も、職種によりましては、若干尚余つておるという状態でございます。従いまして、今度の清水にあります高等商船学校大学に昇格することが、先ず第一のことでございましたが、恐らくお考えになつているのは、従来、この東京神戸高等商船がございました歴史もございますので、将来、関西方面にも商船大学が要るのじやないかというお話だろうと思いますが、只今申上げるように、只今のところでは、船員の、高級船員の方に、若干の余剰がございますので、今直ぐに需給面から申して更に一校をこの際作るということは、荷時期尚早であると思います。併しお話しの通り、日本の産業が、今後復興し、発展して行くためには、どうしても貿易によらなくちやならない。貿易を進めるためには、どうしても海運が昔の殷盛を取返えされなければならんと思いますが、だんだんと造船、新造船、或いは修理の関係等が、計画が立つて参りまして、来年は三十万トン程度、再来年は三十五万トン程度の新造船の計画も立つて参るように聞いておりますが、さようになつて参りますと、これに応ずるところの高級船員養成というものは、どうしても考えて参らなくちやならないのであります。従つて、将来、近き将来におい、商船大学は作つて参るような時期が参ろうと思いますが、そういう際には、海運の中心でもある関西方面に作つて参るのがいいのではなかろうかと、運輸省といたしましては、さように考えて、まあそういう時期が早く来ることを望んでおる次第であります。
  39. 左藤義詮

    左藤義詮君 海運総局からCTSに出された日本の経済安定期、即ち昭和三十年における保有船腹は、最低四百万トンを必要とするように聞いておりますが、そうしますと少なくとも千五百名位の高級船員を補充する必要がある。右の中、三分の一を商船大学教育して、これを一校に収容しますると二千名以上となります。ああいう特殊の商船教育としては、適正を欠くものだと思うのであります。  特に全寮制度、技術教育のいろいろな方面から、一校では適正を欠くと信ずるのでありますが、只今近き将来にというお話でありましたが、少くとも相当の年数をいよいよ一人前に仕上げるのに要するのでありまして、その近き将来というのを、いつ頃に想定しておられるか。  尚、これと関連しまして、今度の商船大学を一校設置されることを、いろいろ審議せられた船員教育委員会における審議の過程においては、一校だけのことしか考えられなかつたか、将来のことも含めて考えておられるのか、その点も一つお願いいたします。
  40. 山口傳

    説明員山口傳君) 船員教育委員会の答申の方をお答えいたしますが、それでは清水の高等商船学校商船大学にいたすと同時に、同時にでなく、若干遅れますが、確か二十六年度暮から海技專門を中心として、これを大学にしていくという答申であつたと思います。併しその当時から私を関係いたしておりますが、その当時の船員の需給け見透しというものは、その後、御案内と思いますけれども、乗組要員の減少、その他で少し需給が延びたような関係、幾らか船員の足りない時期がずつた関係もございまして、大学の昇格も、その影響は免れんと思います。
  41. 左藤義詮

    左藤義詮君 そうすると、教育……船員教育委員会では、二十六年という希望は持つておられる、まあ、そういう需給状態が少し延びだ、或いは財政関係等で、二十六年度というはつきりした運輸当局としては言明はできない。併しこれはやはり、そういう最初委員会方針からも、将来一日も早くこれが復興は、殊に講和会議の曙光も見えで来た現在においては、二十六年度を目指して、一つ最善の努力をする、今後教育審議会等においても、その点については、運輸省としてできるだけ一つ努力したいというような希望をお持ちにやはりなつておるかどうか、運輸省が積極的におやりになるかどうか、その点を一つつて置きたい。
  42. 山口傳

    説明員山口傳君) 船員が足りなくて困るのは運輸省でございますから、今後の船員需給の趨勢に応じまして、いろいろと協議を進めた上で、お話通りに、審議会に秀お諮りしまして、その意見文部省にお願いするという形になるのでございますが、二十六年だということは、今日ではちよつと無理だと思います。少くとも二十七年から以降で、今後の造船或いは外交進出の問題等が如何ように進みますか、それらによりまして、その方から、むしろ実現の時期は決まつて参るわけであります。  一方尚海技專門を中心として商船大学を設けます場合には、御案内のように、大学設置審議会でございますか、の方にお諮りしなければならんのでありますが、海技專門は、御承知のように、戰災で相当施設が惡くなつておりますか互いろいろと準備が必要であると思います。そういう点は今後一つ審議会とよく御相談もいたし、結論を持つて文部省にお願いして参るということに、私共の方では取り運ぶつもりでおります。
  43. 左藤義詮

    左藤義詮君 積極的にと申上げましたのは、文部省の無論設置委員会との関係がございますが、現在の非常な歴史を持つてつた神戸高等商船学校が焼けて、海技專門学院として復興しておる、その復興が十分できなければ、無論設置委員会を通らないわけでありますが、その復興に対して、できるだけ近い将来に大学にする熱意を持つて運輸省海技專門学院の復興を積極的におやりになる御意思があるか、どうか。やはり大学という目標が眼前にございますれば、どうしても復興に熱意が余計入ると思うのでありますが、そういう点を、まあもう少し需給状態が変つて来るまでは、海技專門学院は現状で置くというおつもりか、やはり大学に、あれだけの歴史を持つたものだから、進むという熱意を持つて復興を積極的におやり頂くかどうか、その点一つお伺いいたしたいと思います。
  44. 山口傳

    説明員山口傳君) 私共としては、学校当局は無論、あの地方の各方面の方が一日も早く大学にしたいという熱望でおありになることは十分承知しております。今後海抜專門学院はあらゆる点において準備を進めまして、積極的に持つて参るように努力したいと思つております。今日までもいろいろ復興等につきましては、司令部の方と折衝をしたり、いろいろ整備いたしたり鋭意やつているつもりでございます。
  45. 左藤義詮

    左藤義詮君 今の問題につきまして、文部当局として一日も早くその際に……具体的に申しますれば、若し專門学院を中心に商船大学をもう一個増設するように努力する意思があるかどうか、又その実現に対してどういう見通しを持つておられるのか伺つて置きたいと思います。
  46. 剱木亨弘

    政府委員剱木亨弘君) 商船大学の問題でございますが、先にも御質問の中にございましたように、商船大学一つの在り方の問題があると思うのでございます。いわゆるああいう特殊の教育を非常に沢山な者を集めてやるという教育方針としましては、相当これは疑問があるのでございまして、この需給の関係相当数を確保する必要があるという決定があります限りにおいては、その大学のやはり数というものは或る程度考えて行かなければならん、そういうふうに考えます。今需給関係について運輸省からお話がございましたが、この需給関係で問相当の高級船員養成を必要とする結論が出ます限りにおいては、私共十分この運輸省と協力しましてもう一つ関西に商船大学を作るということにつきまして、積極的に努力して参りたいと考えております。
  47. 藤田芳雄

    理事藤田芳雄君) 国立学校設置法の一部改正は、予備審査でございまして、明日本審査もございますので、今日はこの辺に止めまして何か外にもお話があるようですから如何でごさいましようか。    〔「異議なし、進行」と呼ぶ者あり〕
  48. 岩間正男

    岩間正男君 この前私の方からちよつと皆様にお諮りしたのでありますが、科学教育振興決議案ですが、この動機になりましたのは、湯川博士のノーベル賞受賞と連関しているのでありますが、これを各党派で持ち帰つてそうして今日ここで又お諮りを頂く、こういうふうになつてつたと思うのですが、その件についてどうでしようか、お諮りを願いたいと思うのであります。  尤も従来の決議というのは、非常に数が多過ぎて、何かこれが国会のゼスチユアのようになりつつあるじやないかというような反省が持たれるのでありますが、今度の問題は、非常に日本の将来にとつて大きな問題であり、そうして又湯川博士の受賞をきつかけとして非常に院外におけるところの輿論も大きく、起つておるわけでありまするから、こういう際に国会がこれに対してはつきりやはり意思のあるところを伝え、そうして院内外においての問題に協力してやつて行くということが必要な段階と思いまするので、やはりこういう輿論の起つておるうちに、一つの政治的な態度をはつきりするということが重要だと思いますので、是非これを今からお諮りを願いたい、こういうように思います。
  49. 河野正夫

    ○河野正夫君 この前もお話がありましたし、それは趣旨は極めて賛成ですけれども、決議となると手続が要るので、先ず一応速記のない懇談会で意見が纏まつたものの方がいいじやございませんか。審議の上では。
  50. 藤田芳雄

    理事藤田芳雄君) 如何ですか。それでいいですか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 藤田芳雄

    理事藤田芳雄君) それでは速記のないところでやつて頂くということにお願いいたします。
  52. 河野正夫

    ○河野正夫君 その前に何か速記をつけてやるような事項がございましたら、もう十分ぐらいしか速記の方は貰つていないそうでありますから。
  53. 大隈信幸

    ○大隈信幸君 ちよつとお願いして置きたいのでありますが、従来陳情、請願等は国会の末期になつて大変に忙しい時にどたばたとやられて、陳情、請願せられる方は真剣になつておるに拘らず、非常に扱いが疎漏になる憾みがありますので、まだ法案の出ていない今日において、委員会の繁閑と睨み合せて十分審議のできるように、或いは必要なら小委員を設けてやつて頂きたい。そのことを申して置きたいと思います。    〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  54. 藤田芳雄

    理事藤田芳雄君) 本委員長は今衆議院に行つておりますので、早速申し伝えまして、そのように取計いたいと思います。尚次の委員会を十八日の金曜日に、できるならば午前、午前本会議があれば午後になりますが、いたしたいのですが、その際に休会中の各地の報告をそれぞれやつて頂きたい、こういうのでありますから、その衝に当つている人はそのように御準備をお願いいたしたいと思います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 藤田芳雄

    理事藤田芳雄君) 外に速記の要るものはありませんか。それではこれを以つて閉会いたします。    午後二時三十七分散会  出席者は左の通り。    委員長     田中耕太郎君    理事            若木 勝藏君            松野 喜内君            木内キヤウ君            藤田 芳雄君    委員            河野 正夫君            左藤 義詮君            小野 光洋君            大隈 信幸君            堀越 儀郎君            山本 勇造君            岩間 正男君            鈴木 憲一君            河崎 ナツ君   政府委員    文部事務官    (大学学術局    長)      剱木 亨弘君   説明員    運輸事務官    (船員局長)  山口  傳君