○
政府委員(
山根東明君)
只今の御
質問に私からお答えいたします。第一の、測らざる事故によ
つて家畜を屠殺しなければならなか
つた場合の肉や皮の利用の問題でありますが、
現状におきましては、
お話のように多くの場合、
肉商なり
皮商なりにいわゆるたたかれまして、非常に畜生としては不利な
取引をせざるを得ないような
実情であると、私共認めておるのであります。これを
改善することは、
お話のように非常に必要なことだと実は
考えておるわけでありまして、実は遺憾ながら、屠場の
関係の
所管が私共の
手許にないのでありまして、これは
厚生省の
所管にな
つております
関係上、
厚生省にもこの問題につきましては、常に
善処方を私共の方から要望してお
つたところでありますが、
厚生省といたしましては、実は遺憾ながら法制その他を以て強制的なそういう
取引改善の
措置を講ずることはなかなかむずかしい、困難であるというようなことを言
つております。そこで私共としましても、こうした
現状が
畜主に対して非常に経済上不利でありまして、延いては
畜産振興上も面白くないわけでありますので、これらの点につきましては、
畜主の、何といいますか、その面における
畜主の力を強くするような
指導啓蒙という点で、私共のできるだけの力を注いで行きたい。具体的に申しますならば、
協同組合等の共同の力で以て、そういう問題も或る
程度改善できるのではないか、こういうようなふうな実は
考え方をいたしておるのでありまして、現在のところこの
取引を何らかの法的な
強制措置で以て
改善して行くことにつきましては、現在のところ具体的な
考え方を持
つていないような
事情でございます。
第二に、
原皮の
価格が
皮革製品に対して非常に割安であるという
お話は、実は私共も認めておるのであります。実は私共がいろいろな
物資を
統制いたしております中で、
皮革の
関係の
統制は最も困難なものの
一つであるというふうな感じがするのでありまして、いろいろ手を代え、品を代えまして手段を
考え、この
統制をや
つて参
つておるのでありますが、なかなか実は
統制がうまく行かない
実情であります。そういう意味で
皮革製品も御
承知のように、すべてが
統制によらないで闇に流れて、
製品が市場に氾濫しておる。それらのものから較べますと、如何にも
原皮の
価格は不当に安過ぎるという、こういう
実情になりまして、これはこの際きつ
ぱり統制を止めるか、或いは更にもつと進んだ、
皮革製品につきましても、こうした
現状でないように
統制を強化するかということにつきまして、国内の
関係各方面と、先頃来実はいろいろ相談をいたしておるのでありますが、なかなか結論を得るのがむずかしいような、それ程実は困難な
統制であるのであります。そういうようなわけでありまして、現在闇の
皮革製品と較べて
原皮の
価格が安過ぎることは、私共も認めておるところでありますが、仮に
統制が我々の所期する如く参りますならば、
原皮の
価格も
皮革製品の
価格も、
一つの釣合の下に定められておるわけであります。更にそれが他の
物資に較べましても、私共としましては、定められた
公定価格は、一応他の
物資との均衡も取れておるというふうに実は
考えておるわけでありまして、
必らずしも他の
物資に較べて現在安過ぎるが故に、これを直ちに改正するというような
考え方はいたしていないのであります。
次に最後に、
去勢法の
廃止後の
去勢がどうな
つておるかというお尋ねでありますが、実は
廃止されましてから後の正確な
統計は、私共の
手許にないのでありますが、従来より若干減
つておるようであります。そのために馬の
改良上非常な
支障があるのではないかという点につきましては、必ずしもそのために特別な
支障を来してはいないと
考えております。
法律が
廃止になりましてから、
去勢に関連しまして、そうしたいろいろな間違
つた問題が起るであろうということは、私共としても懸念するところでありまして、この問題につきましては、
開業獣医師を十分機会ある毎に教育いたしまして、弊害のないように計ら
つて行きたい、かような
考えで今日進んでおるわけであります。
お話のように
去勢によ
つて斃死いたしましたものに対する
手当は、
お話の
通り、従来の
法律では、この
手当が規定されてお
つたのでありますが、
法律廃止後今日では、これに対する
手当は渡していないのであります。ただ
保險の
共済金の支給は、これには当然に入れるわけでありまして、私共としましては、
去勢による
斃死手当を今後復活することにつきましては、現在のところ
考えておらんのであります。
—————————————