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説明員(樺山俊夫君) お答えいたします。
警察電話の中で屋外の
施設を、従来
警察が自分の手で経営しておりましたものを、
電気通信省に
移管をいたしまして、
警察といたしましては、屋外の
施設を
電気通信省より
專用線として借受けまして、有線の通話をや
つて行くというのが骨子でございまするが、これにつきましては、有線の
施設の面から申しまして、
只今まで
電気通信省が経営して参りました公衆電話の
施設を一本に合せまして、屋外の
施設を経営いたしました方が、
施設の経済的な利用或いは又
施設の内容の改善という点から申しまして、極めて経済的であるということが
移管の第一の目標であ
つたんでございます。いろいろその点につきまして、従来
警察で運営して参りましたときの事柄と、屋外の
施設が
電気通信省に
移管をされました後に、どういうふうに運営されるであろうかという点を、大分研究をいたして参
つたのでございますが、結論といたしまして、国警の側といたしましても、大局的には
通信の実態から
考えまして、その
技術的な
施設を改善いたしまするために、主として経済的な観点から
考えまするとき、或いは又
技術的な観点から
考えますときに、屋外の
施設を
電気通信省に
移管をいたしまして、
電気通信省の持
つておりまする高い
技術によりまして、屋外の
施設を推持して貰う、或いは又
補修して貰うということが、従来
警察がや
つて参りました自分の手で
施設を創設し、推持し、
補修するというよりも、効果的であるという結論に達しました。屋外の
施設の
移管につきまして、
国警側といたしまして賛成をいたしまして、爾来や
つて参
つておるのでございます。ただ問題となりますのは、
只今申しましたように、経済的な見地から、或いは又
技術的な見地から申しまして、私共賛成をいたして参
つておるのでございまするが、実際の運営の面から申しまして、多少懸念をいたされました点が二点あるのでございます。その第一の点は、
警察の必要に応じまして、臨時に電話を架設いたしまして、
警察の急場の事務に間に合せるということが果して
警察自体が電話を持
つておりました時分と同じようなスピードで、これができるかどうかという点が
一つ、今
一つは機密保持が十分にできるかどうかという二つの点を、私共といたしましてもいろいろ検討をいたしました。第一の点につきましては、恒常的に
施設してありまする一般の線路以外に、例えば或る地点に非常に大きな犯罪が起りまして、そこに捜査本部を設ける、その場合に臨時の電話を架設いたしまして、
警察の県の本部なり、その他の
方面との連絡を確保するということが、
警察の角度から申しまして必要不可決の問題でございまするが、さような場合に臨時に急速に電話を架設する場合におきまして、
電気通信省におかれまして、さような方途が果してできるかどうかという点でございまするが、この点につきしてはいろいろその後も
電気通信省の方で非常に御配慮いたされまして、更に又
警察の側自体といたしましても極めて臨時的な
措置といたしまして、携帶電話等の敷設を、或る
程度急場の間に合わせるというような施策を講じまして、現在までには、一応臨時電話の架設という点につきましては、一応スムースに参
つておるように
考えております。それから今
一つの機密保持の点につきましては、これは有線によります機密保持の問題は、いろいろ屋外の
施設が
電気通信省に
移管されたという問題以外に、いろいろ問題がございまして、特に長距離通話等におきましては、たとえ
警察側が、自分の
施設を持
つておりましても、或いは又それが
電気通信省に
移管されましても、その問題に
関係なく、同じ問題が機密保持につきましては困難な問題がございます。その他におきましてもいろいろ
警察自体が持
つてお
つた方が、機密保持のためによいという点もございますけれども、逆に又
電気通信省が持
つておられまして、それの十分な監督の下にや
つて行くということも可能な点もございます。この点につきましては一般の有線電話のみならず、無線電話につきましても、機密保持の点につきましては、別途いろいろこの
移管の問題と
関係なく、機密保持の
措置を講じて置く方法もございますが、その方法を現在いろいろ研究をいたして、一部分ずつ
実施をいたしております。問題になりまする点は、
只今申しました二つの点でございます。
全体的に申しますと、従来の
警察通信、私共の專門に使
つております言葉で申しますと、一級線、二級線、三級線というのがございまして、一級線と申しますのは、国警の本部から管区本部までの分が一級線と申します。二級線は、管区本部から各県の本部まで参
つております線を二級線と申します。それ以外の県本部から、
警察署或いは巡査の派出所に参ります線を三級線と呼んでおりますが、
電気通信省に
移管になりました後の
施設の改善の状況を振返
つて見ますると、一級線並びに二級線におきましては、従来
警察自体で
維持管理して参りました時分と比較いたしまして、その後引続いて
警察が
維持管理したであろう場合と比較して
考えてみますと、私共は、非常に
施設が改善をされまして、通話の
状態等におきましても非常に良好にな
つておるということを認めております。これは私共のみならず、国警の内部のすべてがとにかく一級、二級線につきましては非常に
施設が完備いたしまして、改善の跡が非常に目覚ましいということを、私共は認めておるのでございます。ただ現在におきましては、三級線につきましてはすべての
施設が一遍に完備するというわけにも参りかねると思いまするし、目下三級線の改善につきましても
電気通信省側にいろいろ御配慮をお願いしております。近い将来におきまして、三級線につきましても
警察自体で
管理いたしますよりも、より良好なる
状態が実現するであろうことを、私共は期待をいたしております。総体的に申しますと、さように経済的な点のみならず、通話の
技術的な、
施設的な面におきましても、極く大局的に見ますると、
電気通信省におきまして屋外の
施設を
維持管理して頂くという方が、大局的にほ国警で持
つて参りますよりも、いいのじやないかという結論を現在持
つております。ただ先程申しました運営につきましての、臨時電話の架設、応急電話の架設並びに機密保持の点につきましては、先程申しましたような事情もございまして、いろいろそれの改善につきましては努力をいたしておりまして、私共といたしましては、その点は相当我々の期待できる
程度に改善ができるというふうに現在は
考えております。極く総体的なことでありますが……。