運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1949-12-02 第6回国会 参議院 大蔵委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十二月二日(金曜日)   —————————————   委員の異動 本日委員中西功君辞任につき、その補 欠として中野重治君を議長において指 名した。   —————————————   本日の会議に付した事件 ○薪炭需給調節特別会計における債務  の支拂財源に充てるための一般会計  からする繰入金に関する法律案(内  閣提出・衆議院送付)   —————————————    午後一時三十六分開会
  2. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) これより大蔵委員会を開会いたします。  本日は先ず薪炭需給調節特別会計における債務支拂財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案を問題といたします。前回に引続き御質疑をお願いいたしたいと思います。
  3. 小川友三

    小川友三君 薪炭問題ですが、現物不足のあるもの、十億二千七百万円というものの内容につきまして……。去る十一月の二十五日に、毎日新聞に、「僞証書幽霊供出各地で続々発かる」という題、「木炭十億円の不足」という題で報道されておりますので、政府の方に特にお伺い申上げたいのですが、岩手県の例が出ておりますが、それから福島県の例と宮城県の例と靜岡県の例と新潟県、埼玉県、長野県とございます。これは政府でも御承知と思いますが、いわゆるこれこそ空樽木炭といいますか空つぼのもので政府から金を取つてまつたと、或いは貸付になつておるというような内容の報道でありますが、この書いてある内容につきまして政府から一つ答弁を賜わりたいと思います。
  4. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) この現物不足の、いわゆる帳簿面現物と渡りましたその結果における不足額が、これは只今お話のように十億に当るものが薪炭全部であります。そうしてそれにつきましては六月の中旬この原因の主たるものについてそれぞれ処理をすべきことを、出先であります木炭事務所の方に嚴重に追求方を指図しているのであります。そこでこの間の毎日新聞が取上げまして各地情報を紙上に発表されておりますのは、これは国警の方からの情報で私共といたしましてもそのことを承知しております。誠に遺憾でありまするけれども承知しているのでありまして、そこにつきましては私ここに新聞を持つておりませんし帳簿でございませんが、国警長官の御報告從来調べたうちのいわゆる空共出に該当するものの今までで一番大きいものは二百六十万円でありまして、その他福島県におきましても合計六件で二千万円に近いものがあるということを本院の予算小委員会の席上でも説明をしておられるのでありまして、私共といたしましてはそれらにつきまして二重でありますものにつきましてはその支拂代金回收をいたして行く、そういう考え方でございます。
  5. 小川友三

    小川友三君 それに関連して岩手県の例を取上げてちよつと伺いますが、岩手県では三千万円程度が、農林省駐在木炭検査員業者が結託して、そうして空供出の金を三千万円取つてまつたということになつておりますが、この点につきまして三千万円が正しいのか、或いはそれ以上でありますか。ちよつと御報告願いたいのでありますが。
  6. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 実は今国警長官メモ的に調べたものの写しを頂いておりましたのですが、その点につきましては後程そのメモにつきまして申上げたいと思います。
  7. 小川友三

    小川友三君 それから福島県でも二千万円程度という今の御発表でございますが、空供出の一番大きいのは二百六十万円が最高であるというお言葉でありまして、その後で又福島県の方では二千万円の空供出というものがあるというお話でございますが、福島県は二千万円というのは正しいと思いますが宮城県ではどのくらいになつておりますか。
  8. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 宮城県につきましてどのくらいあつたかということを私共としてはまだ国警の方からのあれがありませんが、只今取寄せております。国警長官メモとして持つて来たものがありますればそれに載つておると思います。その際合せて国警長官メモについては申上げたいと存じます。
  9. 小川友三

    小川友三君 そこでこの社会問題として大新聞が揚げております木炭十億万円というものに対しましては、極めて愼重にお聞き申上げるわけでございますが、全国的にこのいわゆる空樽木炭というのはどれくらいになつておりますか、僞証書農林省駐在木炭検査員というものが結託して支出をしてしまつたというものが十億万円の中のどれくらいの金額になつておりますか。そのパーセンテージをお示し願いたいと思います。
  10. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) この十億余円のうち現品が未生産であるのに代金支拂つたという、いわゆる空木炭といわれるもの、薪というもの、ガス薪、この三つの合計で以て金額にいたしまして二千四百六十九万六千七百五十二円というのが、会計検査院調査で一応こういうふうに推定されておるのであります。
  11. 小川友三

    小川友三君 未生産は僅か十億万円の不足の二・四六%という状態ですが、つまり農林省駐在員生産業者が取つてしまつたのは、いわゆる空気木炭というものが、三重県であつたいうことが書いてありますが、この空気木炭で詐取されたというものは三重県だけでも一千万円という額になつておりますが、これは全府県においてそういうことは言えないと思いますけれども、可なり新聞社調査も詳細と思いますが、空で金を支拂つてまつたというのは、そうすると十億のうち二千四百六十九万三千余円を引いたのが空で支拂つてまつたというような意味になりますか。
  12. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 言葉が足りませんであれでありましたが、十億のうち現品が未生産であつてそれに対して支拂いをしてしまつたもの、空というものに解釈されるものが二千四百六十何万ございまして、その他の分は県外輸送をしたものであることは明らかになつておるが、その受取等が来ないために生産供出の方が関係木炭事務所では帳面が落ちていなかつた。そこでそれはここに発送所等において追求して行かなければならないというもの、これが一番多うございまして、それが合計で三億八千一百万円ございます。それから県外への輸送途中に事故なつたもの、つまり発送と着地とにおきまするところの食い違いのものでございますが、それが金にいたしまして三千一百六千余万円。
  13. 小川友三

    小川友三君 まだ合いませんね。
  14. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) それから現品保管中、又貨車載せまでに輸送中の、減耗、或いは盗難火災水害等で亡失した、こういうふうに相手が言つておるいわゆる供出した人達の方の側からそういうふうに申立てておりまするものが、一億四千一百万円余でございます。そこでもう一つは、先程申上げましたいわゆる空供出と申しますか、現品生産されてないのに出先といたしまして支拂証書等を発行してしまつたというのが二千四百六十九万ございます。その合計が十億五千三百万円、こういういわゆる政府現物帳簿面との差額不足薪炭状況でございます。
  15. 小川友三

    小川友三君 まだ数字が合わないですよ。これじやまだ五億しかないですよ。十億になりませんか。
  16. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 失礼いたしました。それからここに事由不明のものが薪炭ガス薪全部で四億四千九百万円ございます。
  17. 小川友三

    小川友三君 それはどうして不明になつたんですか。
  18. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) この原因につきましては、本年の三月三十一日現在で会計検査院におかれまして長野県をお選びになつて長野県の伊那地区とそれから上田地区を四十名に近い方々が十数日お調べになりましたのであります。その際にも帳簿差額を持つて参り、そうして而もその地区におきます移動を全部停止いたしましてお調べになられました際に、不足を十七の原因に分けてこれを報告をされたのでありまして、その後その見本的な調査に基く十七の不明の原因を挙げて、三月三十一日現在で木炭事務所帳簿と、そうして現物との足らないものについてそういう原因別調べてよこせと、こういうふうにいたしまして各々木炭事務所に命じそして集つたものについて、尚不審なるものはその木炭事務所長等を喚ひ寄せてそして検討いたしましたものが、この十億五千のものでございますが、それで何分にもこの会計がいわゆる帳簿現物とを合せて参りまする仕事を大体においていたしませんでした結果できておりますから、その十七の項目にどうもどの項目にも挙げかねて、そして原因不明と一応どうしてもしなければならん、こういう状態のものが先程申上げました四億四千九百万円、こういうことになつておるわけでございます。
  19. 小川友三

    小川友三君 どうも原因不明が四億四千九百万円、一口に言うならば四億四千九百万円であるが、四億四千九百万円というものは百円札でもトラツクで五台くらいになる金額でありますが、この原因不明としてどうも御当局においては御発表なさいましたのですが、どうもその原因としては国民に対して相済まないということに相成りますが、この点につきましてすでに原因不明が、四億四千九百万円、外に保管中の額が一億四千百万円事故によるものが三千百六十余万円というような、又輸送中になつておるのがこれを調べましてもここで約七億近いものがなくなつておるというわけでございまして、これはこの原因があると信ずるにいたしましてもいわば農林省出張所検査員とか出張所長とかが業者と結託いたしまして、この七億に近い金をごまかしてしまつたんだというふうに見えます。とにかく木炭は食べるものではございませんし木炭は千年経つても腐らないものです。炭素ですから腐らないのです。だからどこかにある筈ですがその点の御調査というものはどういう工合に行われましたのですか。その七億近いものがどういう御調査によるか調査されたら見つかるものではないかと思われますので、現在の御調査方法一つ御発表願いたいと思います。
  20. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 勿論この不足木炭であります十億余円につきましてはどこまでも追求いたしまして、又一応この不明となつておりますものの更にその因を分解いたしまして、その理由を尋ねて追つて明瞭にしなければならんものでございます。で現在の整理清算事務は、現在九月の中頃持つておりました炭にして十三万余トン、又薪にして薪或いはガス薪等を成るべく政府といたしまして損をしないように至急売拂うということ、それから又御方面に焦げついておりますところの代金回收を急ぐということで、又御す人の間にこれはまだ受領書を出していない、仮受領である、我々としてはこれを受取つた積りではないのだと、政府はもう取つたつもりであるかも知れないが、これは受取つたつもりではないと、保管をしておるというような申立に対しまする解決等を專らやらして頂いておるのでありまして、この十億余円の不足薪炭につきましては、逐次その整理或いは消費地におきましては着荷の整理着俵整理ということをやつておりまするが、まだ本格的に公面的にこの不足木炭の追永という、実は段階までは整理状況として行つておらないのでありまして、是非この点につきましてはこの理由別にどこまでも突止めて、そしてこれを明らかにしなければならないとこういうふうに考えております。
  21. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) ちよつとお待ち下さい。今大蔵大臣に対する御質問があれば……大蔵大臣司令部の方にもう少ししたら行かなければならんのですが、呼びますか。大蔵大臣に対する質問はありませんか。
  22. 天田勝正

    天田勝正君 これは質問は到るところにあるのでありまして、この資料を提出されておる向きを或いは全部お呼び願わなければならんのであります。併し今大蔵大臣が来なくても私としては差支ありません、後で質問しますから。先ず重複するかも知れませんが、現在来ておられる、大分今もよそから来られたようですが、現在来ておられる関係当局一つそこへ委員長お呼び願いたいと思います。先ず現在来ておられる政府委員との方面から誰が来ておれるかを言つて下さい。
  23. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) それじや大蔵大臣は今のところよろしゆうございますね。
  24. 波多野鼎

    波多野鼎君 今いいということは大蔵大臣に対する質問はないということじやありませんよ。それを誤解しないようにして下さい。
  25. 黒田英雄

    ○理川(黒田英雄君) けれども大蔵大臣が今少し経つた司令部に行くから今御質問があればその間来るということであつたから実はお尋ねしたのです。今見いている方は林野庁長官三浦辰雄君と林野庁業務部長佐々木義夫君が来ております。それでは小川君。
  26. 小川友三

    小川友三君 そこで国会も明日で終りますので、特にこの点につきまして空で政府の金をとつてまつたというそれはどのくらい回收されるかということを聞きたいので、そこに齋藤国警長官の御出席を願いまして承わりたいと本員は思つております。どうか齋藤国警長官の御出席を得ますように委員長の御連絡をお願い申上げます。
  27. 木内四郎

    木内四郎君 この間の議事進行関係ですが、この間私が質問したことに対して農林大臣は相談した上で答弁することになつておるのですがな。
  28. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 前会の御質問のときに五十四億七千万円というものをどういうふうに使うか……。
  29. 木内四郎

    木内四郎君 その問題もあつたけれども、その外に小さい生産業者に対して迷惑をかけては悪いから、その方を拂つてあとの方はこの際拂わないで、もつと内容が分つてからした方がよいじやないかということを私は質問しておるのです。農林大臣が来なければ駄目ですよ。私は質問を今継続しようとは思いませんが、そのことだけ言つて農林大臣が来て答弁して貰わなければ困る。だから委員長一つ要求して貰いたい。
  30. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 今答弁ができなければ申伝えておきます。
  31. 天田勝正

    天田勝正君 これは先程も申上げましたように、各官庁からそれぞれ資料が出ておりまして、それを見ても相当食違いがある。こういうわけでありまして、各官庁からそれぞれ係官並びに責任者をお呼び願うことにいたしまして、私は先ず林野庁質問申上げたいのは、今も減耗のことが問題になつておりましたが、私はこの減耗というものに非常に実は疑惑を持つております。というのは時期が経つて軽くなる。或いは拔け出して行つたからということで、薪が半分になつたからそれを足して配給をして呉れたかどうかということを考えますと、配給制度のあるうちは、仮に四貫の炭が三貫目に減りましても私共はそのまんまで押付けられておつたのです。薪も仮に半分に減つてつてもそれが一把であるということで押付けられておつた一般薪炭業者業務をやる場合でありましたならば、これは減つたならば足して呉れますから、減耗が出るということは素人考えでもよく分るのです。ところが、配給機関で扱つた限りでは減つたならば減つたまま配給するのですから、減耗の出る筈がないのであります。その点について一体どうして減耗というもので出たのか、減耗が出た以上配給面で足して貰つたという人がいなければならん。私は寡聞にして貰つたという人を一人も知りません。そういうところから減耗ということはどういうところから出た減耗であるか明らかにして置いて貰いたいと思います。
  32. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 確かに昨年の十月までのいわゆる一本統制指定代行機関によつて配給をされておりました。昨年は外に配給者がございませんから、殆んど多くの商品は、事故はそのまま消費者の泣寝入というような状況で確かにございました。昨年の複数制配給がなりましてから漸くここで消費者の声というものに小売が耳を傾けざるを得ないし、又小売がその消費者の声を卸に言わなければその商売が成立たないのでありますから、出ましたけれども、その新機構になりました十一月以前は確かにそうであります。そこで今の不足のものもそれでありまするから、木炭で僅か、甚だ僅かかというと誤解があつてはいけませんが、全体の取扱量に対して〇・六%或いは薪にして二%、ガス薪にして一・二%で止つているのも確かにその事実を物語つておると私共は存じておるのであります。
  33. 天田勝正

    天田勝正君 到底了解はできません。そこで一つずつ細かいところから行きます。生産から貨車業などの間に減耗したというものが、そういう項目資料で提出されておりまして、木炭で言えば十二万七千四百三十何の單位で十二万というのか、ここに書いてありませんから知りませんが、いずれにしても尨大数字なんです。一体生産から貨車業までの間に減耗などの起る理由がない。これが小さい品物であるというなら途中で落ちて知らないということもあるが、木炭のように一俵四貫、八貫というものが落ちたものがそう分らんという理窟がないのでありまして、この点について一体どういうふうに追求されたか。これは先程来棚卸はせずして文書によつて処理されたとしうけれども、文書にいたしましてもこういうような数字が出て来るには疑惑を持たなければならない筈である。そこでこれらの追求取調をどうされたか、一つ伺います。
  34. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) この現物不足に関連いたしまするものは只今追求中でございますが、それらは、いわゆる政府に売つたものは政府支拂証書を出しておる。そうしてそれに基いたものが駅から出ておるのでありまして、その駅の発送とその駅に来るべき留駅における支拂証書関係からこういうものを追求して参るわけであります。そこで現在追求中でございますが、この大部分のものは昭和十九年の暮には需給が遍迫いたしましてから「かま」の前で買う。駅から十里あろうが十二里あろうが「かま」の前で買う。十二、三万に及びます「かま」のところで買うという形を取りました結果、又その場合におきましても、いわゆる政府指定場所と申しましてトラックであるとか馬車が着く所で買うという、こういうようなことで処置をせざるを得なかつたのに、その入れるべき倉庫というものは全然ない。こういうこともその時代におきましても、或いはその後におきましても、小運搬が大量貨物、扱いにくい貨物につきましては、なかなか思うように参らなかつたので予定以上道端であるとか「かま」場や山の中にいやでも暫く置かざるを得なかつたというような状況がございまして、私共といたしましては現在追求中である、かように申上げざるを得ない状況でございます。
  35. 天田勝正

    天田勝正君 その点については又あとでお伺いしますが、然らば現品保管盗難火災水害以外により減耗した、こういうのは火災減耗したとか或いは盗難減耗したとかいうような話なら分るが、火災水害盗難、これらのもの以上の理由による減耗というのは一体どういうものを指すのですか。
  36. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 今の現品保管中これ以外で亡失したというものは、明らかに水害などの理由からではなく亡失した、併し保管は当にさしてあるのだ、ところが現品を見るとそれだけ少いのだ、こういうことでありまして、結局これは保管者の要するに責任に属すべきものであつて保管者保管契約に基いて弁償をしなければならんものに該当いたします。
  37. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 如何でしよう、農林大臣が見えましたから農林大臣に対する御質問があればこの際願います。
  38. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) お答えいたします、五十四億七千万円という繰入れをせんでもよいではないか、生産者だけに支拂えばそれで足るではないかという御質問のようであつたのでありますが、この法案をお認め願いますれば、直ちに生産者に対して政府がまだ借りておる未拂の二十数億円のものは勿論支拂いをいたすのでありますが、証券といたしまして十二月の二十日にすでに二十五億九千万円というものが支拂期限が来ておりますのと、二十八億八千万円が一月の十日に期限が参つておりますのでこの期限が参ります証券に対しましては、特別会計としてこれを支拂わなければならんわけでありますので、五十四億七千万円というものの繰入を考えたわけではあります。
  39. 木内四郎

    木内四郎君 おかしいですな。私はそういう期限が来るようなものがあるだらうということは想像しておつたのです、それを期限が来たからといつて、あなたの方はいつも還しておらないので、還さなければならんというものがあるのですから……。それに関連して、一体そういうものは後廻わしにして、先ずこの際当面必要なものだけ非常に迷惑をかけておる方面だけ拂うというような法案にして出すことはどうか。今伺つたところは、即座に伺い得たことです。政府が、そういう重大問題だから協議して答えるという話だからお待ちしておつたのです。
  40. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 会計に関することでありますが、これは大蔵大臣とも協議いたしました結果、そうすべきであるのだということにいたしたわけでありまして、生産者だけに返して後はそのま借りつぱなしにしておくということもでき得ませんので、一応不足額が予想される金額を繰入れて債務を果したい、かように考えたわけであります。
  41. 木内四郎

    木内四郎君 そうすると、非常におかしいのですが、あなたの方の法案提案理由においては清算結了時において、大体五十五億円ぐらいの赤字が、発生するつもりだからして五十四億七千万円というものを繰入れたいということをここに書いてある。この間政府委員、それから農林大臣もおられたと思うのですが、そのとき伺つたお話によるとまだ赤字幾らになるのか見込みが立たないのだ。そこで仕方がなく、今の食糧証券の現在高、薪炭証券の現在高をそのまま繰入れて貰うような計数を使つた。こういうふうにあなたの提案理由説明政府委員から聞いてところと丸つつきり違つておるのです。そこのところはどういうのですか。
  42. 森幸太郎

    政府委員森幸太郎君) 提案理由説明いたしましたのと、別に変つておるとは考えませんが、まだ清算が、決算がつきませんから、想像した不足額というのが五十五億円程になるのであります。赤字ということは予想されるのでありますけれども、まだ決算の途中にありますので、はつきりと細かい数字までは出ませんけれども、凡そ五十五億円というものが予想されるわけでありまして、まだ取立てるべき債権もあるわけであります。そういうようなものを勘案いたしまして五十五億程度のものがこの際必要である、こういう数字を算出したわけであります。
  43. 木内四郎

    木内四郎君 併し農林大臣の先程の御説明だと、生産者に対するものが幾ら、その外に食糧証券支拂もあるから、五十四億が手一杯だというような説明に聞えたのですがその点はどうですか。あとのものは残務整理によつて生ずることが予想される現実の数字とか手持薪炭目減り減耗額等を加えるとこのぐらいになると、そういうことは考慮されておらないのですな。
  44. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 先程大臣の言われた現在の状況からいたしまして、本年度末におきます特別会計決算推定と申しますか、推定は五十五億四千万円になるわけであります。五十五億四千万円という数字に一応考えられるわけであります。そうしてこの五十四億七千万円と一応現在証券を発行して頂いておる額を、赤字というものがまだ決算清算中であるから一応そこに基礎をおいてこれを繰入れて頂きました上は、生産者関係に対しまして支拂うもの凡そ二十億と推定されますが、それを先ず優先的に支拂つてそうしてあとのものでその発行されておる証券の一部を償還させて頂きたいと、これが御審議を願つておるものであります。
  45. 木内四郎

    木内四郎君 あなた方が言つておられることを速記録を見てあとでよく私の方もお伺いしますけれども、あなたの方でもよく調べておいて頂きたいと思います。五十四億七千万円という薪炭証券の現在高を挙げておいたが、実際はどのくらいなのか分らないのだという御説明提案説明ではこれくらい……。今伺うと予め分つておる、いろいろな生産者に対するものは二十七億幾ら、その外に食糧証券支拂もあるからこれで手いつぱいだという御説明ですが、毎回御答弁が違つたことになるのですな。言葉を換えて言えばもともと会計結了までに幾ら出るが分らないうちに、あなた方がこの五十四億七千万円という繰入の法律案予算を出されたことに間違いがあるのだと思いますが、そういう点はどうですか。まだ分らないのだということを繰返し繰返し言つておられるのだから。殊に農林省じやない。行政庁報告などによれば、あなた方の方で支拂を予定して出しておられるものの中でも相当の取立てたり、相殺すべき計数を出しておる。そういう討数を無視してあなたの方では何でも五十四億というものを出さなければならんという要求をしておられるが、あなた方行政庁報告を読んでおられると思うが、あなたの方で支拂を予想しておられるものの中でも、これは拂うべきものではない、これは相殺によつて整理すべきだといつたような意見が出ておる、あなた方はそういうことを考慮に入れて考えられたのかどうか。
  46. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) その点につきましては考えに入れて、それで資料の中にお廻しいたしましたように十月十七日現在で生産者関係から出ておるのは十五億六千万円でありますが、その後又清算等が進んで参りまして、差引して大体二十億見当になると考えられるわけであります。その残を先程申上げましたように証券の一部の返済に当てたい、かように考えておるわけであります。
  47. 木内四郎

    木内四郎君 今の二十億円というのは何ですか。
  48. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 十五億六千万円、十月十七日現在ですが、生産者関係債務といたしましては……それが逐次関係の供出団体でありまする農業協同組合とかそういう方からの清算が上つて参りますと、私共の方といたしましては取敢ずそこに二重の関係のものがあるといたしますれば、当然差引いたもので支拂うわけでございますが、それらが二十億、これがいよいよ仕事をやるという場合にはそのぐらいまで上つて来る、こういうような考え方でおるわけであります。
  49. 木内四郎

    木内四郎君 それでは今の方は考慮に入れられたというけれども集荷業者に対して十億余のことを予想されておる。そういうものに対して政府の持つておるところの債権によつて相殺したらよいじやないかというような意見が出ておることは、あなたはどの程度考慮されておるか。この計数は考慮されたのであるか、されないのであるか。私は考慮されておらんと思う。
  50. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 現在集荷業者といいますか、政府債務を持つておりまする分に対しては、その木炭事務所でその生産者に対して取立てるものがあるかということを調べて、そうして差引これこれだけが生産者支拂うべきものだ、こういうふうな手順でやつております。
  51. 波多野鼎

    波多野鼎君 今の問題に関連して私質問しておきたいのですが、五十四億何千万円の繰入れをする、繰入れられた五十四億何千万円がこの特別会計清算事務にどういうふうに使われるか。それから尚その上に赤字が出るのか出ないのか。そういう一応の計画があるはずだと思うのでありますが、そいつを出されたら今の質問には十分答えられると思うのですが、どういう順序でどういうところから入つたか、大体五十億入れても赤字が出るのか出ないのか、或いは債権債務の相殺をやつて行けば五十億になるかも知れないし、いろいろなことがあると思うのです。そういう計画、それを出されたら今の木内委員質問には十分答弁になると思いますし、私もそれを聽きたい。
  52. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 資料に御提出申上げてありますのに、二十三年度末貸借対照表がございます。これについて説明申上げます。最初の頁の(1)の二十三年度末貸借対照表でございますが、支出未済四十六億九千七百万円、その後に持つて来て、その当時といたしましては、その下に書いてあります二十五億九千万円が薪炭証券を発行を願つたものでございます。ここで二十三年末におきまするところのいわゆる欠損三十四億三千四百万円になつておるのでございます。そして今度はその裏にございます二十四年度未推定貸借対照表がございます。これは次の頁にある(3)の二十四年度收入支出の推定から基礎ができて、この二十四年度末の推定をしたのでございます。この(3)の二十四年度收入支出の推定の方から簡單に御説明申上げますと收入の方は三億六千二百万円、二十三年度末の收入未済九億九千五百万円から二十三年度末貸借対照表の借方に收入未済として同額のものを立ててございます。同樣に支出未済の四十六億九千七百万円を二十三年度末貸借対照表の貸方における支出未済として同額のものを立ててございます。そこでその後の項目につきましては、收入の方に売拂薪炭の收入百五億と予定しております。この收入の内容につきましては後に付いておる内容からこの百五億を推定しておるのでございます。そこで收入の計において百五十億それから支出の方で百五十一億七千万円、そこで差引一億三千二百万円というものが支出未済として残る勘定になるわけであります。  次に二十四年末推定貸借対照表に戻つて行きますと、二十四年度のこの関係からいたしまして、その次の(4)の二十四年度損益計算書というものを更にお開き頂きますとBの利益のところで、二十三年度から持つて来た薪炭関係が本年度に入りましてから掛りました五十五億九千万円という薪炭代金それらを見合つて、そこに純損失二十一億という損益計算が想定されます。この二十一億を二十四年度未推定貸借対照表に持つて参りまして、そこで借方の三番目にある損失五十五億四千万円というものが二十四年度末で考えられる。その際のこの二十一億五千万円の損失はどこから来たかという資料につきましては、その以下六、七枚に書いてあるつもりでございます。
  53. 波多野鼎

    波多野鼎君 そういうことも必要なことでしようが、ここで我々が要求したいのはこういう事情があるからなんですよ、五十四億幾ら一般会計から繰入れてみてもそれが本当の生産供出をした人々の手に入るか入らんかという点についていろいろ疑問が、中間機関で変なことをしないかということをすでに恐れられておる。そういうことから考えてこの五十四億の中の生産者に拂う分はどういう順序で拂つて行くかいとうことをはつきり我々は知りたい。それでないと租税の上からこんなものを入れて行つても、中間の変なところに入つてまつたということでは相済まん、我々としては。それから薪炭証券の償却ということもあるでしよう。あるでしようが、どちらが重要かといえば生産者に拂うことの方が重要だと我々は思う。そういう支拂の計画というものが、だからこれだけのものを要求される以上ある筈だと思う。それを見せて呉れということなんです。
  54. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 今請求者自身もこの供出関係者において更に持つて来ておるのでありますが、お手許まで差上げてありまする資料におきましては、生産者関係といたしましては十五億三千万円、そこで尚上つて来ます生産者関係については支拂わない。けれども日通であるとか海運業者、ここでは先程問題になりましたいわゆる輸送中不明のものというものが相当の額でございます。生産者におきましては相殺すべきものが割分にはつきりいたします。そこで現に相殺をした資料もできておるわけですが、この輸送業者の場合におきましては、この点が事故原因追求して参ります場合に、輸送業者相当責任を持たすべき、輸送業者の負担にそれがなるべきものが相当あるのじやなかろうか。そこで輸送業者につきましては、この支拂について、私共の方としては急ぐわけには参りません。生産者関係の方を何しろ優先して、そうしてあとはこの薪炭証券の方に入れて参りたいと、こういう考え方で、請求者自身も目下その請求の整備をいたしております関係から、私共としては約二十億くらいあるのじやなかろうか、かように考えておる状況であります。
  55. 天田勝正

    天田勝正君 先ず大蔵大臣に伺いますが、この会計は大蔵省の所管でありますから、勿論予算のことも全部あなたの方でやられたと思います。そこで二十四年度の薪炭需給調節特別会計歳入歳出予算補正額こういう資料が提出されておるのでありますが、これによると款項目互いに詳しく書いてあります。で、一体補正というもりの常識並びに理論からいたしまして、年度当初における予算に若干の修正を加える、こういうことが筋道であろうと思うのです。現在随分要求されておりまする公共事業費等にいたしましても、僅かに二割しか補正されておらない。ところがこの特別会計を私昨夜ちよつと調べて見たのでありますが、非常に驚くべき補正が行われておる。例えば、額は小さいのでありまするが、違約金という項目がある。これは一万二千倍の補正が行われておる。当初の予算自体がまるでめちやめちやに組まれておるということが分るのであります。恐らくどういう予算にしましても、補正において一万二千倍になるなどということはこれはもう正気の沙汰とは実は考えられない。その次は弁償、これは実に二十一万倍になるという仕末です。こういうことを挙げて申しますると、数限りがありませんが、今度は、歳出の方で見ますと、職員手当、職員の俸給、これが六百八十六万円でありますか減つておる。今度は諸手当の方は殖えておる。こういうことになつておる。勿論殖える額には減つておるだけの額は計上されておりませんが、とにかくそういうことです。そうかと思うと今度は消耗品費、この会計が縮小されようとするときでありまするから、消耗品費も減るべき筈のものが今度は四・五倍になつておる。旅費は今度は三・五倍になつておる。こういうことで賠償及び償還金、こういうものは一万三千五百倍になつておる。こういうことはなんです。一体こういうものはどうしてこうなつて来たのか、又もう一点特別会計への繰入、これは国債整理基金への繰入だと思いますが、これが殖えたという根拠は、どこから出ておりまするか、これらをまあ一括して質問いたしましたが、要するに御提出になつておりまする、この昭和二十四年度薪炭需給調節特別会計歳入歳出予算補正額これらの今申上げた諸点について、大蔵大臣の御答弁を要求いたします。
  56. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 天田君に申上げますが、大蔵省に要求して置きましたが、農林省の方から、お分りになつておるところを説明してよろしうございますか。
  57. 天田勝正

    天田勝正君 勿論よいのですが、農林省でやつたのでしよう。これは所管は農林省の所管だから、だから大蔵省はどうしてこういうえらい違つたものを平気で見落してかというので、それは農林省一つ農林大臣から……。
  58. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) この違約金は、正に倍数といたしましては、そういう大きな数字になつておりますが、当初の予算では一千円を組んであつたのであります。それをこういつた千二百万円というふうにいたしましたのは、この特別会計がいよいよ整理の段階になりまして、そうしてその契約を整理して置きます段階で、この違約金というものは、このくらいは入るだろう、それはその理由といたしまして、例えば卸業者に対しまするところの納入に対する違約利子、こういつたものは相当に嚴重にやりまする関係から、この一千円という数字を成るべく現実の見込に合したつもりでありまするし、殊に次の弁償金の非常に多くなつておりまする点は、これ又この清算事務に当つてこの弁償金の調達をするような事項が非常に多い。現に二十四年の四月から十月までの弁償金にいたしましても、八百三十八件で九千六百万円というものを、すでに十月までに違約弁償金を調達していた、こういうような関係から年間といたしまして見込みましたよりは遥かに多い弁償金を予定したというような状況でございます。
  59. 天田勝正

    天田勝正君 それでは物品拂下の六十二万円というのはどういうのですか。
  60. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) この特別会計といたしましてすでに清算のできました事務所はその都度閉鎖して参ります。その関係からいたしまして、その閉鎖に伴つて從来運搬のために、或いは執務のためにしておつた物品はこれを適切に拂下をして参る、その関係からいたしまして物品費は当初含んでおりましたこの特別会計の運用をずつと続けて行くようになつてつたその予算に比べまして非常に大きい数字なつたわけでございます。
  61. 天田勝正

    天田勝正君 支出の方は。
  62. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 支出の方で職員の俸給の下りますのは、私共といたしまして当初の計画よりは更に十二月には少いものにする、こういうふうな減員の目安に基いて減額をしておりますが、この諸給與、諸手当の問題は寒冷地手当、ああいうものは從来含んでなかつたのでありますが、この切替期の補正の機会に組まして頂いたという関係でございます。
  63. 天田勝正

    天田勝正君 ちよつと支出の方で今も言いましたように、消耗品費というのが四・五倍になつております。あべこべに備品費というものが、三分一に減つておる。これを総体に縮小して行くというならば消耗品費だつて何だつて減らなければならない筈で、この消耗品費というのは何を指しているのか、大体今のところはむしろマル公より大抵のものが安くなつているという御時世なのです。今この当初よりも殖える理由が私はないと思うのですが、どういうふうにこれが殖えたのか。当然これは備品費が減つた、備品費が極端に三分の一までに減るということ自体がそもそも当初予算の非常に出鱈目な組み方であるということが考えられますけれども、多少減るということならば話は分るが、この同じような性質で殖えたり減つたりしなければならないものが二つ並びまして、片方は四・五倍、片方は三分の一に減る。こういうことはどういうところから出ておりますか。
  64. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) この備品費の方が減つたのに、消耗品費は逆に殖えているという問題でございますが、この閉鎖の事務に関しましてもう本年で、從来の会計でありますればいろいろとやりくり等も多少できる建前でありましたけれども、今度はいよいよ閉鎖ということで、実際に必要を予定して組んだつもりでございますが、それにつきましては尚薪炭課長が参りましたならば詳しく御説明申上げたいと存じます。  それから旅費が非常に殖えているという問題でございますが、從来の旅費というものが非常に少いのでありまして、今回いよいよこの整理をやつて行くためには、又円滑に正しくやつて参りますためにはこのくらいの旅費が必要だということで組まして頂いたわけでございます。
  65. 天田勝正

    天田勝正君 いろいろお話伺いますと、違約金、辨償金等の殖える理由だけは分りますけれども、今度は整理してこうなるのだというお話はどうも私共としては了解できがたい。整理期になろうがなるまいが、するべき辨償金は当然取らなければならない。当然取るという建前ならば当初の予算にその相当額が組まれていなければならない。それが整理期になつたというのであわててこれだけ埋合せして組む、ここに私共は杜撰ということを指摘せざるを得ない。その殖える理由は分る。私共は恐らくそういう御答弁があると予想した。それが問題なのです。何故に今までこれらを取るという整理を一体されないのか。そのことを伺いたい。
  66. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 從来ともこれら辨償に当るもの、或いは違約等につきましては取つてつたのでございますが、いよいよ帳簿を閉めて買入という形式はかりでなく薪炭需給というものがいわゆる落着いた、ここに持つて来て買入というものは全然停止して、專ら清算ということになつて、先程来問題の例えば二重支拂書を発行していたとか、或いはいわゆる未清算のものをやつていたというようなことが分つて来ることができる段階になりましたので、これが特に殖えていると、こう考えております。
  67. 天田勝正

    天田勝正君 そのことはもつと後で答弁して頂くようにいたします。私の言うている意味をよく御了解願つておらないのだと思う。それはあなたのおつしやる通り私もよく分りますけれども、併しその理由は何も今だけでなしに、年当初からそういうものは辨償させなければならん筋合のものである、ここへ来て急に殖えるべきものではない。約束してある時期にそれは辨償させるのであるからして、何もそれは整理期になつたから急に全部を早く取るという筋合のものではない。だからどうしてもそれは徐々に辨償させるなら辨償させる。違約金を取るなら違約金を取る、こういうことなんだから、それを杜撰に放置しておかなければ、整理期が来たつて急にそう沢山取ろうつたつて取りようがないということを言つているのでありますから、若しあなたが詳しく御存じけなれば後で課長がおいでになるということでありますから、その際伺つても私は一向構わない。そこでこの際更にお伺いして置きたいのは御提出になつておりまするこの薪炭対策沿革、これを私は詳しく調べて見たのであります。これをよく頭に入れませんとどうしてこういう混乱が起きたかということが分りませんから、そこでこれを全部頭に入れてよくこれをずつと見ますると、先程お話のあつたところの減耗であるとか、或いはその他の不足、こういうものが起きよう筈がないように書かれている。誰だつて品物を渡せば受取を取るでありましようし、やはり普通の商売で受取るがごとくに書かれている。それでその通りに実行していればそうした過ちなどは起きない。政府帳簿上と現品とを要するに照し合せないために違うということを一貫して申されておりますけれども、併し帳簿上だけであつてもそういうことが起きないようにこれが書かれている。然るに先き来申されておりまするように、えらい大過ちが起されている。そこでここにいろいろ不足状況理由を書いたものがありますけれども、これらによりますると、はつきりと誰の責任と今になつて調べるまでもない、その当時誰が取扱つているということによつて、誰の責任に帰すべきものであるかということが、こういうことが明確にならなければならない結論になつて来るのです。例えば輸送したもので不明のもの、或いは輸送中に起つた事故、こういうものがありますけれども、特に事故といつている以上はどういう事故でどうだということがはつきり分らなければならんと思うのですが、こういうことはもう私はどなたが扱つてこういう事故が起きたのかという資料がお集まりになつておると思いますので、この際全部を勿論明らかにしろとは申しません。併し例を挙げて私はお聞きしておきたいと存じております。
  68. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) この輸送中の事故のごときものでございますが、もう一つ別の資料として從来のいわゆる忘失届を正式に会計検査院にその都度その理由を付けて、いわゆる責任を明らかにして帳簿上から落した年度別の減耗の表がございます、その表を御覧頂きましてもその数字というものは比較的小さい、一%ちよつと程度のものでございます。そこでこれも残念でありましたが、この会計といたしましては、例えば貨車が戰争中のようなときでも、その減耗処理というものを必ずしも的確にやつていなかつた輸送をいたしまして来月はこの県から何トンを東京にやる、そういうふうにして木炭事務所がよく県と相談いたしまして、或いは関係団体と相談をいたしまして、どこの駅々とどこの駅は東京の分に当てるし、どこどこの駅は横浜に、といつてつておりました。その計画の最中に途中で、東京には割合に方々からの同情があつてその附近の衞星都市に入らん、それじや二十日以降からその分は切換えて浦和に廻さなければならんということになりますと、電報を至急打ちまして、二十日以降の東京入りの分はカツトして、或いは千葉へ何割、あすこに何割廻すという緊急的な指令を要した際に、乘せたということは確かなんだけれども、その着地変更という分についてはつきりしないものだから、却つて受取が戻つて来んというと、発送地の木炭事務所帳簿というものを落さない関係でありますから、発送したことは確かなんだけれども、輸送中の輸送事故としてこれは一応今のところは処理して行かなければならん。やがて追求はしなければならんが、一応は輸送中の事故だというように処理したような問題もこれは入つておりまして、現在私共といたしましてはこの追求を着々やつておりますが、輸送を急いでおりますのでここで申上げるような細かい資料は持つておりません。
  69. 天田勝正

    天田勝正君 そこでもう一点財政の方に返りますが、いろいろ書類によりましてこういうときにこういう不足ができた、或いはこういうところに欠損が起きたのだということを指摘されておるけれども、私共も確かにその通りとこう受取つてその点はよろしい、併し例えば早期築窯費を支出したからだとか、或いは業者の手数料を殖やしてやつたから、それだけ損失が起きたのだということをおつしやいますが、それは当然殖やしてやつたり、或いは築窯費を支出してやつたときに、その欠損が出るということは、それはあまり学校へ行かなくても分らなければならん筈なんです。こういうことがあるにも拘わらず、今まで国会が開かれておつてもそれらのことが一向御提出になつておらない。そのような財政的に無感覚な人たちに公務員をして貰うのは私共はどうかと思う。こういうことは容易になかなか発見ができないというのならば筋道が立つ、それは余計な支出をしたならば、それだけ足りなくなるというようなことは、これはもうどなたでも分らなければならんと思う。こういう点については一体誰にやらしておるのですか、べらぼうな話です。これが私には根本的に分らないのです。
  70. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 確かにべらぼうな話であつたといえばまさにべらぼうな話と申上げるより仕方がありません。とにかく私の方といたしましてはこの会計が二月頃どうも不健全なものを持つておるのじやないかということに気が付かざるを得なかつたのであります。そこでいわゆる算盤合つて金足らずであるのか、いわゆる在庫量はあるという形になつているのだが、品物は不足なんだ、或いはどこかですでに欠損というものがあるということで、いろいろとこの件につきましては、統制方式の変更とも絡んだ需給とも見ながらいろいろと研究いたしました結果、ここに大きな発見をいたしましたのは、與えられたいわゆるマル公のマージンよりは、実際において経費というものを余計かけておつたということはすぐ分る筈だ、ところがこの決算によりましては、御指摘のごとく從来決算様式によりますというと、要するにプラスのときもあつたが、その額はごく小さい形において報告されておつた、これは経費が多くかかつて翌年度への手持の炭をいわゆるマル公で計算をするということは正しいことではありますけれども、そのために余計使つていた経費の姿が隠されていた、こういうことで誠にこれは遺憾でありまして、この点につきましては、我々として十分責任のあるところを痛感しているような状況でございます。
  71. 天田勝正

    天田勝正君 責任は痛感されておるので、私も余り追求するのは好ましくないのです。いろいろ幾つかここへ出された資料のどれを取つてみてもそういうことが言えますが、余り時間が長くかかりますので一つだけ言いますが。今の例が早期築窯費、これは九月頃始まるのです。要するに九月から着いた物に対して幾ら或いは十一、十二に窯を築いて、それから襲炭したものについては幾らやる、こういうわけです。そうすると当然これは第四国会でも第五国会でありましても、それをやつた以上は、その額が幾らになるかは不明としても、こういう欠損が出て来るのだということだけは、その制度を始めたときに分る。特に築窯費というものは御承知の通り前は一般会計から支出しておつた、それを特別会計の支出にした。もう特別会計の支出にしたこと自体で財政担当官ははつきり分らなければならない。今年どの程度の新規築窯をやらなければ日本の薪炭需給が円滑に行かない、こういうことも出て来る。それによつて欠損というものも幾ら幾らというような推定は出て来なければならない。そのことを私はしつこいけれども言うておるのです。そういう制度をしたときには必ずこういう結果が来る、その見込がその通り行かないで多少違う点は多少とも金を出して、それだけ金が足りなくなるということくらいは実に事理明白だ、こういうことを私は申上げているのです。それについて遺憾の意を表されておりますから、これらは若しあなたが直接扱つておらないとするならば、当然その責任者がいる筈だ、私は細かいことを追求するのは止めたいと思うが、先日来この説明を聽いておりますると、何かこうした欠損が出た理由というものが、天から雨が降るがごとく、空に風が吹くがごとく、自然現象のごとく起きて来てしまつて、誰もその責任の人がいないというところにこういう細い追求もせざるを実は得ない、こういうことでありますから、そのつもりで一つお答え願いたいと思う。  余り前段が長くなりまして恐縮でありますが、では一つずつ伺つて行きますが、昭和十五年度においてのこの会計の運営が、要点は、買入木炭代金支拂方法は買入代行機関の受領書輸送代行機関(通運会社)によつて発する発送報告と照合して支拂い、売拂代金の徴收は産地の発送報告書と配給機関受領書を照合して代金の徴收を行う、こういうことなんです。この方法でずつとやつて来ておれば決してそういう間違いが起きなかつたわけなんです。それで一体取扱をこの通りにやらない時期があつたのでありますか。これは今文句を言いましたけれども、この外の言葉で書かれておりますけれども、そういう整備された方法でやつた、私はこう思つておる。從つて誤りは全然起きないという答えになりはしませんか。それが起きたというのは、そういう制度でなしに杜撰にやつてもよろしい、そういう言葉を使うと矯激になりますけれどもそういう時代がありましたか。
  72. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 十五年、十六年、十七年、いわゆる当初には、発駅でそういう購入をいたしました関係からありませんが、十八年の九月になりましていよいよ木炭需給逼迫いたしました関係から、それをいわゆる指定場所、馬車着き或いはトラツク着きという所で買う、そうしてそれをどんな奧でも駅からの距離に拘わらずそういう機関の入る所は同じ値で買う、こういうふうにいたしまして、更に需給が逼迫をいたしました十九年の十月からは更に奧に行きまして、もう「かま」の前でできたてで買う、薪も山床、いいなりで買う、こういうところまで行きましたが、さすがにそれでは余りに混乱をいたしますので、翌二十年の十二月に至りまして、せめていわゆる元の中間的な指定場所というところまで戻つたような状況であります。
  73. 天田勝正

    天田勝正君 そこでその点は多少煩雜になつたということは分りました。ところが引取場所が指定集荷所であるとか、或いは貨車積であるとか或いは山元であるとか庭先であるとかいうふうにいろいろ変つて来たでありましようけれども、どこで取引をしたにいたしましても、物を取つて要するに証書を出す、どういう証書か知りませんがとにかく受取を出す、こういう形であろうと思う。ところが物を取らないのにそれを出したというようなことがこの報告では書いてある。そういうところがこれはあなたの方でお許しになつたのか、許さなくともそういうふうに勝手にやつたのか、こういう点はどうですか。
  74. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) もとよりそういうような二重の発行であるとか或いはできていないものに対して買つたというようなことは当然許したものでなくて、むしろそういうことのないように注意を重ねて来たつもりでございます。
  75. 天田勝正

    天田勝正君 そういたしまするとさつきも申上げましたように、一体不足など容易にできないではないかということなんでありますが、同時に棚卸をしないということが不足原因である、こういうことを御答弁ではおつしやつておる。ところが今もあなたからお話があつたように、去年あたりからは多少品物によつては余つて来た、こういう恰好も見受けられまするけれども、本来今までは足らないで東京へ来ても東京は多少ある、それを浦和に送らねばならん、こういうことのために混乱が起きた、こうおつしやつておる以上は消費地は品物がどうしても不足しておつた生産をした以上はすぐ送らねばならないという状態にあつたと思うのです。そうだといたしまするならば一体そう調査ができないという程備蓄があろう筈がないと私は思うのですが、その点はどういうふうになつてつたのですか。帳簿整理というけれども帳簿整理をするのと同時にもう品物がなくなつてしまつておる、こういうことではなかろうかと思うのですが、その場合に帳簿上落して品物を送つた言つても、向うは品物が来なければ矢の催促をする、こういうことになるから帳簿上で合つて現品とぴたつて合うようになつてすぐ分りそうなものだ、物がないだけにそういうことが考えられる、その点はどうですか。
  76. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 確かに物がないのに買つたものが出て来ないというのは今から考えると誠に不思議でございますが、当時の小運搬事情から申しまして、山元乃至は「かま」元で買つたものが駅まで来るのに非常に輸送業者からは嫌われる品物でございましたし、全体として小運搬が行き詰つておりました関係からなかなか出て参りませんでした。丁度山奧で買いました十九年からの翌年度越の数量は三十七八万トン炭にいたしましてあつて、あれだけ殖えておるのに来ない、こういうような状況になつてつたような状況であります。
  77. 波多野鼎

    波多野鼎君 農林大臣が帰つてしまわれたから困るのだが……。
  78. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 農林大臣は今農林委員会におります。呼びましようか。
  79. 波多野鼎

    波多野鼎君 もう一遍呼んで下さい。
  80. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 暫時休憩して懇談会に移ります。    午後三時九分休憩    —————・—————    午後三時十六分開会
  81. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) 休憩前に引続きまして会議を開きます。
  82. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 先程農林大臣大蔵大臣と話合の結果、薪炭証券の償還、あれは十二月、本月ですか約二十億、一月約二十八億それだけで四十八億約五十億近いですが、その他に約二十億清算支拂、そうしますと五十四億七千万円では足らないわけです。それはどういう関係になるのですか。
  83. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) お答えいたします。政府資料を提供いたします通り債権を持つておるのであります。その債権と現在手持のものを至急に整理いたしまして結論をつけたい、かように考えております。
  84. 木内四郎

    木内四郎君 今の計数正確に言つて呉れませんか。十二月に幾ら一月に幾ら返すと言われたが、僕も算盤が合わないと思つたんだが……。
  85. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 現在政府会計で買取りますのは、証券といたしまして五十四億七千万円、そうしてそれの外にいわゆる政府支拂になつておりますものが二十二億五千万円以上あります。それが合せますと、約八十億に近いものになりますが、一方で現在品物を持つておりますものが十億程度現物で持つておる。それから卸売関係には二十三億何がしという回收すべきものがございます。
  86. 木内四郎

    木内四郎君 もう一遍……。
  87. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 債権の方として二十二億三千八百万円でございます。それから未支拂いでありますが、生産者の方で十月十七日までに来ておりますものは十五億三千百万円でありますが、日通その他運送業者等一切入れまして債務となつておる、支拂未済となつておるものが二十三億一千九百万円でございます。そこで五十五億余が結局現在のところこの会計の本年度未におきます赤字というふうに予想されております。
  88. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 そこで今のお話を伺いますと、大体生産者に対する未拂は債権回收によつて或いは又今手持ちのものを売拂つて、その代金支拂う、それから薪炭証券に対しては五十四億七千万円そういう見合いになるわけですか。
  89. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) その五十五億余が赤字になるという、総括論から申しますればそういうようなことにもなりますけれども、現在政府といたしまして生産者方面につきましては七月の未に從来の買上方式を止めまして、そうして時恰も夏に向うときでしたから、生産者方面に対しては非常な不滿を実は買つておるわけであります。そこへ持つて来て生産者に対して支拂うべきものを今日まで支拂わずに来ております。そこで一日も早くこれを生産者の方にはともかくお拂いをいたしまして、又一方において全体の資金計画から出ておりまするように、薪炭証券としてはその期限が来ても待つて呉れ、待つて呉れといつても困る、そこでその一部を返したい。もとよりその間卸商に対しまする債権の回收というものは当然急ぐ。又手持品の売拂及びその他の收入を急ぐということも、やるのでございますが、支拂の時期といたしましてはお認め願いますれば、この五十四億七千万円で生産者関係につきましてはでき得る限り早く支拂をしたい、かように考えております。
  90. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 そうしますととにかく生産者にはこれで拂う、後で債権の回收それから売拂代金、これによつて薪炭証券を債権するこういうことになりますね、手続は。何よりも先に生産者に拂うとなれば、その場合債権回收がうまく行かなかつたりなんかすれば、薪炭証券の債還の予定はおのずから狂つて来るわけですね。
  91. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 私共といたしましては、債権の回收といものも極力やつて違算のないように、遅くともこれを年度未までにしたいと存じますけれども、若しそれができなければできない部分に対してだけは薪炭証券の債還をしない、こういうふうになつております。
  92. 天田勝正

    天田勝正君 ちよつと一点だけ一つ大臣に伺いますがそれは評価益の問題なんです。一体評価益というような利益があるかどうかという根本的のことになりまするとこれは議論があります。併し一応或る品物を買つた当時よりも公称値段が上つたということになればそれをまあ評価益、こういつておるのです。そこでこの資料の中に書いてありまする毎年々々繰越があつたそれを雪だるまのように評価益を見て来たから、そこでその差額がそういうふうに生じて来た。大体こういう説明が附いておるのです。ところがこれはもう評価益であるかどうかは別として、値段をとにかく段々公定価格が上るに從つて見積つて来るということは当然ではないかと思う。それで物の値段が上つて来た当時においては、帳簿上においてもそれで損はしないという数字が出なければならん、ものが、それだけ上つてそうしてその上つた値段で売るのだからそれはずつとそのまま帳簿上は無事平穩に過ぎなければならない筈なんだ。ところが問題はただその値下りになつて来た場合に評価益があるなしに拘らず、その帳簿に記載された価格よりも下つたというところにそこに問題が出て来るわけです。そういう見方をしなければ一体政府が価格差益金などを取立てるということ自体に今度は矛盾ができて来る。であるからやはりこれは評価益である。評価益が生ずるがごとくマル公の改訂に準じて値上つた値段を記帳して行くということで私は一向差支がないと思う。ここには民間会社の経理等の比較がなされておりますけれども、これは民間会社のような場合は取得した値段なり、或いは売却した値段なりそのいずれか低い方をとるこういうことは当然でありますけれども、国会の会計としてはここは盛んに会計あたりの不備を言つておりますけれども、そういうことでなしに私はやはり評価益は評価益として帳簿上にそういうふうに処理してようにもだ、こう考えまするけれど、そう大臣はお考えになつておりませんか。
  93. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 会計規則に評価益を見ておるということが規定されておりまして、これは一つのやり方でありますので、このやり方が全然いけないというのではないのであります。併しこのやり方によりまして、実際の経費が決算に隱れておるということも想像されるのでありまして、評価益を見積つて行くということについては別にこれが違法でも何でもないのでありますが、その結果実際の経費が正確に出て来なかつたということが言い得られると思うのであります。
  94. 天田勝正

    天田勝正君 それに関連しましてつまり具体的に申しますと、昭和二十一年で例えば百円のものが昭和二十二年に二百円になつた。そうすれば我々は配給を受ける場合に二百円で買うのでありますから、それを帳簿に載せ且つ又売つた場合にそれを落して行つて一向差支がないわけです、その数字の上におきましては、だから評価益々々々と言うけれども値下りになるまでは一向損失が生じていないのじやないか、こういうことなんです、私の言うのは。そこでそれがただ差額がどうのということが問題になるのは、そこに現われておる数量だけのものがないということは評価益と関係なしに、なければそれだけ損に決つておるから、そういうことではないかとこうお聞きしておるのです。
  95. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) その評価益を見ること自身は確かに正しいことであります。客観的に言えば毎年値は上つて行きます。そこでお手許に差上げました資料薪炭特別会計損益計算表というのがございます。つまり売上高と期未在高から期首の在高と仕入の金を引きましていわゆる売上総益を出しまして、その売上総益とその売上をいたしますと申しますか、その仕事をするための諸経費を比べた表がございますが、これで御覧頂けますように、確かに評価益を見ること自身は正に商品は高くなつておるのでありますから、そこでなくなつたものは帳簿上上げておつたという面についてだけは欠損が見えますけれども、評価益を見ること自身はよい。又翌年度へ持ち越します品物につきまして、その年で評価益を見た決算をしておる。そこでその年に経費が総益金よりも多くかかつておるということ自体が隱れておつた。その結果は結局こういう一応隱れておつたために、その注意というか早く発見しないで来ちやつた、こういう過去におきます分析をした程度でございまして、評価益を見るということ自身をとやかく申しておるわけではございません。
  96. 波多野鼎

    波多野鼎君 先程の木村委員のと大体似た質問なんですが、ここではつきり農林大臣の方針を示して頂いて貰いたい点が二点あるのでございます。はつきりとお答えを願いたいと思います。  一つはこの赤字の出たいろいろな理由説明書を見ましても分るように、まだ未回收の債券が沢山ある、これは分つておる。それから又政府の債権と債務とが相殺し得るものが相当あると私は見ております。こういうものについて政府側では或いは回收を急ぎ、或いは相殺をやるということを政府委員言つておりますが、農林大臣もその点全く同感ですかどうですか。
  97. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 勿論今残つております政府の債権に対しましては、なかなか回收に非常な手数もかかり、場合によりましては相当の別な強硬な手段もとらなければならんかとも存じますが、政府責任上一日も早くこれを回收いたしたいと考えております。又相殺すべきものは当然これは相殺すべきものと存じております。
  98. 波多野鼎

    波多野鼎君 ところがそういう今までなかつた仕事をこの際農林省はやらなければならん。而も急に急いでやらなければならんということになると、人員とか経費の点などについて問題があると思う。今のような木炭関係の役人の数が非常に少くて、こういうところまで手が一仲廻り得るかどうかということが恐れられるのです。そこで人員なり或いは経費なりの点について十分な人員を取り、十分に経費を與えて、そしてこういう仕事をやらして行くというお考えがあるかどうか、そうでないと債権の回收を急ぎますと、相殺をやると言われてもこれは一年先、二年先になつたんじや意味がない、急にやらなければならんと思います。その点について構想を持つておいでになるか、どうか一つお伺いいたして置きます。
  99. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 現業事務の閉鎖に伴いまして、自然結局においては千五六百人と存じますが定員が減ることになるのでありますが、それを一時に減らさずして、現に今申上げましたような事務を執行するようにして、漸次人を減らして行きたい、かように私は考えておるわけであります。現業事務の閉鎖をいたしました結果相当の人が減るのでありますが、この十月の一日には千六百九十余名の人員があるのでありますが、これが一月一日には百三十余名を減してまして、四月一日には、八百三十余名を減らし、七月一日には七十五名を減らしておる、これは漸次事務の閉鎖と伴つて定員を減らしまして、そうしてこの仕事の遂行をいたしたい、かように考えておるわけであります。
  100. 波多野鼎

    波多野鼎君 そうしますと事務の減少による定員減をそのままやらないで清算事務の方に振向けて行く、そうしてこの清算事務の進捗を図るという御方針だと承わつて置きます。それからもう一つの点は先程から問題になつておる薪炭証券支拂、これは十二月の二十日に二十五億九千万円の償還期限が来るというお話であります。ところで現在の未拂額が大体二十三億、うち直接生産者に対するものが十五億ということでありますが、仮に二十三億という数字を取りましてやりますと、五十四億の繰入をしまして年内に二十三億の支拂未済額を支拂つてしまう、それともう一つ片方で二十六億に近い証券支拂う、これは十二月二十日と先程おつしやつたが、二十日に支拂うとしますと、本年度末の五十四億のうち、僅かに三億しか残らない。そこで債権の回收をうんと急がない限り来年の一月に償還期限が来る二十四億の薪炭証券支拂いができなくなるということは、はつきりしておるわけであります。  そこで私はお伺いしたいのは、そういう来年一月に二十四億の証券支拂期日が来るのに備えるために、生産者支拂う十五億乃至二十三億というものを手控えされることがないか、手控えしないでこれは年内に拂つてしまうんだということをはつきりと、そういう方針であるということをはつきりして頂きたい。
  101. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) お話のように優先的に政府債務を履行いたしたいと考えております。又問題になつておりますのは八月一日から閉鎖しましたために、その当時手持しておつた薪炭等の倉敷金利等の損害を與えておることも集荷団体から要求されておりまするので、これも何とか処置をいたして、この生産業者、集荷何体の迷惑を軽くいたしたい、かように考えておるわけでありますが、取敢ずこの生産者に対しましては一日も早く責任を果したい、かように考えておるわけであります。
  102. 波多野鼎

    波多野鼎君 その一日も早くがどうも非常に気にかかるので、この予算が仮に通つたとした場合には年内に拂うということは可能だと私は思いますが、年内に拂うという確言をして頂きたい。
  103. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 勿論御承認願いますれば年内に必ず拂い得ることと存じております。
  104. 森下政一

    ○森下政一君 農林大臣にお伺いいたして置きたいと思いますが、本年度の補正予算を見ましたときに、たまたま五十四億七千万円というものが一般会計から特別会計の方へ繰入れられる段々御説明を聽くと、薪炭証券が現在五十四億七千万円、丁度その金額が一致しておる、そこで一般会計から繰入れたもので一応薪炭証券を償還してしまう。これはドツジ方針を徹底的に貫くという政府の方針に合致することなんで、そうかと思つておりましたらそうでなくて、段々御説明が進むに從いまして五十四億七千万円のうちから約二十三億の債務を、焦眉の急に迫つておる中にも、春以前からの生産者に未拂になつておるものを早急に支拂う、今の波田野委員質問に対しても年内に必ず拂うということをおつしやつておるのでありますが、そうするとそれを差引くと償還し得る薪炭証券というものは全額を賄うて十分である、十二月償還期間の来るものはこれはどうなるでございますか。この会計をいよいよ締切るということになると、決算がまだできていないというわけですから、尚相当額の赤字が出るということが予想される、先日来の政府委員説明を聽いておりましても、まだ赤字の全貌もはつきり掴められない。併しながら赤字が出ることには間違いなさそうだという状態なんでありますが、そうすると今一番焦眉の急に迫つておる零細なる生産者支拂わなければならんようなものであるとか、或いは運送関係に拂わなければならんものというふうなものは、この際国民が納めておる税金によつて一応決済をしてしまう、これは忍ぶとして、その外のものはやがてこの会計の始末の決算をしたときに損失が現われて来るということになれば、この損失も何とか処理しなければならんということを考えると、この際薪炭証券の償還というのは一時借替えをするとか何とかいうことにしておいて、すべての会計の結末のつくというときに何もかもきれいにしてしまうことのできるようなときに、一応更に処置をお考えになるということの方が妥当じやないかというふうに思いますが。どうしても薪炭証券というもは償還期が来て返さなければならん、おそらくこれは大部分が日銀手持のものだろうと思いますが、税金で取つた金をわざわざそういうことに充ててやる必要はない。それからこれが済んでしまつて何とかまだこの会計清算して見ると若干の損失が出て来るだろうということが予想される。世間では五十四億七千万円は赤字の補填のためだというような噂が立つておりますが、それで事が済んだとしてやがて将来において赤字特別会計の終末をつけるために多額の損失のカバーをしなければならんというようなことが出て来るといよいよ世間が又かというような奇異の感を持つだろうと思う。そういうことを考えて見ますと今どうしても拂つてやらなければ零細な生産者に対するところの未拂金、そういうふうなものじやこの際に一般会計から繰入れて来るのが妥当だと思います。外はいつでも借替その他の便法で忍んでおいてその事の決済のつくというときに善処する、このことの方が遥かに妥当だと思いますが、そういうことがいけないのでありましようか。どうしても薪炭証券の一部を償還して行かなければならんのですか。この点に対するお考あはどうでしようか。
  105. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 一応御尤もな御意見でありますのでこの繰入につきましてはそういう点を検討いたしたいのでありますが、財務当局の意見もありまして特別会計を閉鎖した以上、できるだけ早く証券債務を弁済しなければならんことは当然であるからというのでこういう考え方を持つたわけであります。
  106. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 先程政府委員お話聞きますと生産者に対して支拂つた後において薪炭証券の償還の予定が債権の回收によつてできない場合には、それを減らすとそういうことを言つたのであります。そうしますと私はこの提案の理由がおのずから管理特別会計と同じような趣旨でドツジ・ラインについてインヴエントリー・フアイナンスによつて、金融によつてはいけないということになつて、そうして税をとつて一般会計から繰入れると同樣の趣旨によつてこれもそういうふうに言われたので、農村大臣大蔵大臣とのお話合ではどうしてもこの薪炭証券を十二月より一月に来る償還期にこれを償還しなければならないとそういうお話合になつておるのではないか。
  107. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 大蔵大臣としては是非これは償還しなければならん。それまでに政府といたしましてはこの償権を処置をいたしましてこの経理をつけて行きたいとかように考えを持つているわけであります。
  108. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 そうしますとさつきの御答弁と矛盾して来るわけであります。農林大臣大蔵大臣お話ではどうしてもこの薪炭証券を償還しなければならんというお話合になつた、こういう意味なんでありますか。そうしますと生産者の方に対する支拂はやはり債権を回收して支拂うと、こういうふうになつて先程の御答弁と違うと思うのであります。    〔「それが真相だ」と呼ぶ者あり〕
  109. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 私の前に答えました中で誤解があつたようですが……
  110. 木内四郎

    木内四郎君 君の答弁じやないよ農林大臣答弁の中にあるのだ。
  111. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 波多野さんのお尋ねにお答えましたように債務に対しましては年内に支拂いいたす覚悟を持つております。たまたま五十四億と五十五億と大体似た数字がでたために、証券を還して政府生産者に対する債務は、債権を取立てて、そうして債務を拂うというように一応取られたようでありますが、これは証券の償還ということを勿論しなければならんのでありますが、それを今御承認を得まして二十億そこそこの生産者に対する支拂は勿論第一にやります。從つて今直ちに五十四億の証券が還すことができ得ないこういうものに対しましては、政府の持つておりまする債権を速かに徹收するように努力をいたしまして、そうしてこれを償還いたしたいとこういうことでありますから決して私申上げたことと違いはないと思います。
  112. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 そこで問題になりますのはどうしてもこの予定の薪炭証券は還さなければならんということになりますと、債権の回收がそれに充たない場合にはこの予定の償還はできないことになるのであります。そういうことになるわけですね。
  113. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 債権の結末が遅れれば一部証券が残るかも知れませんと存じますが、できるだけ努力いたしまして債権の整理をいたしたいとこう考えております。
  114. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 それは今度のドツジ・ラインによつて食糧管理特別会計においてもインヴエントリー・フアイナンスにおいては、金融でやつてはいけないということになつて、そうして一般会計から繰入れることになつておりますけれども、大体我々の推測するところでは大蔵大臣とドツジ氏との話合によつて政府では薪炭証券の償還を多少別に償還額を減らすとか、延ばす、借替みたにいしたかつたのでありますが、大蔵大臣とドツジ氏との話合によつてそれができなくなつた、こういうことになつているのじやないか。それをここで曖昧にして若しその債権の回收額が薪炭証券の償還額に充たない場合には一部減るかも知らんこういうふうにおつしやるのであります。それは減つても差支ないようになつておるかどうか、そこをはつきり伺いたいのであります。
  115. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) これは私はその経理の方には玄人でありませんか、大蔵大臣にもよく御質問なつたようなことを話しましても債権というものは楽々取れるわけではないのでありますから、今日まで残つておるのは相当むずかしいものですから、そう預けたものを取るようなわけには行かんのであります。これは第一は生産者に借金しておるからこれは拂わなければならん、証券も勿論早く還さなければならんという立場で進まなければならない。これはこつちでは整理を急ぎまして償還が或いは少しずれるようなことはあるかも知れませんけれども、一生懸命に農林省責任として債権は取立てる、そうして一応生産者に第一にこれを拂つて行くという方針は大蔵大臣もそういうふうにしてやるということをここで前日大蔵大臣もお答え申しておつたのでありますが、そういう方針で参る考えでおります。
  116. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 薪炭証券には償還期限というものはあると思うのであります。十二月には幾日、一月には幾日、ところがその一部償還して一部償還しないということは私はできなりと思います。それはどういうふうに……
  117. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 分割償還はできると思いますが、必ずそれをそのときにどうしても全部ができなければ一部償還は差支ないと思います。できるだけそれは償還する方針ですけれども。
  118. 木内四郎

    木内四郎君 今の問題はね、農林大臣重大な問題である。でさつき言われたことと丸で食い違つておる。さつきは証券期限が来るからその時に拂えなければ借替、その他の方法で暫く延ばすということができるじやないかというふうに相成つておる。一部償還でも延ばしても構わん、さつきの答弁と違つて根柢から崩れて来る、そこを私は言つておるのであります。
  119. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) それは十二分に還す分、或いは一月に還す分と二回に……。
  120. 木内四郎

    木内四郎君 それは何回であろうと問題は同じことです。それが借替で以て続けてあとへ廻して小さい生産者に対する支拂その他のものをやつて、すべてのものをやつて、そうして薪炭証券を最後にするというならこれは話は分るのです。さつきはあなたは期限が来ているなら拂わなければいかんということを言つておる。今木村君に対してはそれは一部償還をして一部延ばしてもかまわないと、ということは借替も含んでいるのだろうと思うが、それではさつき言つたこととまるで違つている。
  121. 森幸太郎

    國務大臣森幸太郎君) 私の気持は同じですが、用語が変つとつたか……。
  122. 波多野鼎

    波多野鼎君 この問題は、農林大臣だけじやお困りだろうと思うのだ。大蔵大臣も同席してここではつきりしとかんと、あとで問題が残るのですよ。農林大臣は今のようなお考えでおられても問題は残ると思うのです。私は農林大臣の意向のようにやつて貰いたいのですが、大蔵大臣にも我々ははつきり念を押しておかなければならん。
  123. 森下政一

    ○森下政一君 どうですか。この問題は保留しましよう。これが今農林大臣の言われるようなことになるのなら、この次に議題になる食糧管理特別会計でも同じなんです。何もそういうものを一般会計に繰入れる必要はないということになる。
  124. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) この問題は明日大蔵大臣出席を求めましてはつきりいたしましよう。
  125. 木内四郎

    木内四郎君 ちよつと資料を要求しておきます。今持つておられる薪炭証券幾らで何月何日の期限であるということを出して下さい。
  126. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) それでは如何でしよう、薪炭特別会計はその程度で中止しておきまして……。
  127. 波多野鼎

    波多野鼎君 ちよつと聞いておきたいのです。十月十七日現在支拂未済額調というものの中に、第四欄ですが、卸売業者に対する支拂未済額というものが一億九百万円ばかり出ておるのですが、これはどういう意味ですか。卸売業者に対して政府支拂うものがあるのですか。
  128. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) これは今年の春非常に入つて来た、その際に置場所がなくてあるものですから、いわゆる保管料、こういうものを主とした債務です。
  129. 天田勝正

    天田勝正君 ちよつと僕も一点お聞きしておきたいのですが、さつきの評価益の問題ですが、評価益を計上しても決して違法ではないという話は、私もよく分りました。ところがその評価益の中に損失が隠れているとこういう話しだつたんですが、私は頭が悪いせいかどうもそういうふうには考えられないのです。隠れもどうもしないと。というのは或る年度の未日においてとにかく百円のものを百五十円に見積つたということは、そのすぐ翌日である翌年度の初の日において若し買うとするならば、その値段で買わなければならない、こういうことだろう思うのです。又売るとすればそういう値段で売れると、昨年計上しただけものもは次の日又それだけ高く売れる、又買うにはその基準に基いて又それだけ高く買わなければならない、ここに評価益を置くところの根拠があると思うのです。そこで一切切れてしまつた前のが繰越になつて来た、繰越しになつて来たというけれども、併しその繰越の数量がなければ需給会計ができないのだから、当然それならば需要に応じて売り出すことができないのだから、それは計上したからといつて繰越の中に隠れているのでも何でもない。一般の企業の場合にはそう感ずるから、隠れたとか何とか言つて元へ返してものを言うということはないのですよ。三月三十一日に評価益を一俵なら一俵につき五十円見込んだということは、四月一日に買つたとすればやはりそれで買わなければならん。又売るとすればそれだけ高く売れるのです。そういうものは廻つているのでありますから、当然それだけは備蓄するべきものは備蓄しなければならん、売るべきものは売らなければならん。こういうことだから、これはもう一遍そこでぴたつと切れてしまう。新らしく年度当初の日においてこれを買入れたのだと、こう解釈すべきが至当なんですね。一般企業の場合にはそう解釈しておるから、前の方の評価益のためにどうのこうのというようなことは言わないのです。私はそういう解釈ですがね。それは一体違うということですか。
  130. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 一例を申しますと、例えばここで一俵五十円で二千俵の炭を買つたと、その経費は一俵三十円かかつて千五百俵だけ運んだと、そういたしますると、二千俵の五十円ですから十万円、それから千五百俵の三十円で四万五千円、合計して十四万五千円になります。そこで今度は売る方でございますが、これを七十五円で売つたと、五十円で買つたものを七十五円に売つたわけですから、それを千五百俵売つたわけですから、その金がちようど十一万二千五百円になるわけなんです。そうして翌年度に持越します五百俵も、五十円で買つたのだけれども七十五円で評価してよいわけで、これが三万七千五百円で合計十五万円になるわけなんです。そうしますと、十五万円の收入というもので片方は経費として十四万五千円だから、五千円だけ儲かつたという計算になります。ところがこの場合、千五百俵については成る程七十五円で売れたのだから十一万二千五百円、今度は五百俵については元価五十円なんだから五十円で一応評価すると、それは来年でなければ二十五円分入らないのですから、翌日なり年度を変えなければならん。それですから五十円で評価すると、こういうことになりますれば、これが十三万七千五百円で、逆に七千五百円というものがその年のいわゆる決算における赤になつて出て来る。一香を簡單に申上げますと、そういう関係で考えられるわけでございます。
  131. 天田勝正

    天田勝正君 簡單というけれども、どうもいろいろ数字をたんと並べておるからものが黒くなるのですが、つまり私は簡單にこう考えるのです。昭和十六年なら十六年に買つたと、そうして繰越がここに仮に一俵あつたと仮定するのです。一俵あつたと仮定しますると、そのときに仮に十円なら十円とします。そうすると次の日になつても十円で売れるので、だからそれは何でもない。それを繰越されたやつを、毎年繰越されたということで、全然その間次の年に売られないような勘定で、十六年くらいのものを二十四年の不足分だと、或いは二十四年の評価益の中に加わる損失だと、こうおつしやるから、私はおかしいと、こう言うのですよ。昭和十六年にできたものなら、昭和十七年の初めの方でももう売れていなければならん。だからそのときには損失はないのだと、こういうことなんです。今度十七年から十八年に繰越された分は、新らしく十七年に買つたものを繰越されておる。それを要するに十六年に繰越された分までも二十四年までそのまま持越されて来たと、そうすると結局、後で買つた分だけが売られていて、前に買つたものは売られていないような説明になつておるのです。だからおかしい、と若しそういう馬鹿なことをやつておるとすれば余程どうかしておると、十六年に買つたものも仮に残つて、これは操作の関係ですから、残つてというよりも、多少残さなければならんのですね。けれどもそれは残つていたとしても、十七年の初の方で売られなければならん、だから損はないじやないかと、こういうことなんです。そういう計算でずつと来ますと、結局二十三年度中にはマル公以下で買つたなどということはたつた一遍もない。又売られてもおらないのだからそういう計算で二十三年までは結局そこに評価の損というものはないという理窟になりはしませんか、こうなつて来る。数字で何俵ということを計算しなくてもいい、若しそれを前年の繰越したものを何年も十年もそのまま持越したとすれば余程の怠慢です。前の方の持越はその翌年の当初において売られなければならない。それが全然売られていないというようにこの説明どは通るかも知れませんが……。
  132. 三浦辰雄

    政府委員三浦辰雄君) 売られていないどころではなくて、当時薪炭需給は非常に困つておりますから翌年に売られておるわけです。ただ先程来申上げておりますのに簡單に御説明をしたので或いはあれですが、その品物自身の評価益を出すことはそれ自身当然なことである。これは決して差支ないことなんですが、その方式でやりますと年度を変えた明くる日といいますか、翌年度の当初に売つて見て初めて入つて来る、いわゆる利益分がございます。その利益分も一応そこに前年度の決算のときに評価益だとみなしておるわけであります。評価益があつたということになります。そこでその年の決算においてのバランスを見ますと、支出が意外に多いのに拘わらず、評価益というものは翌年度に実現したことは当然であるが、その決算のときに評価益を組んでしまいますから、その事業費が余計かかつてつたということが隠れた形になつて出てしまう。
  133. 米倉龍也

    ○米倉龍也君 今日はこの程度で散会を願います。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  134. 黒田英雄

    理事黒田英雄君) それでは本日はこの程度で散会いたしまして、明日午前十時から開会いたします。    午後四時三分散会  出席者は左の通り。    理事            波多野 鼎君            黒田 英雄君            伊藤 保平君            九鬼紋十郎君    委員            天田 勝正君            森下 政一君            玉屋 喜章君            西川甚五郎君            木内 四郎君            油井賢太郎君            小林米三郎君            小宮山常吉君            木村禧八郎君            米倉 龍也君            小川 友三君   国務大臣    農 林 大 臣 森 幸太郎君   政府委員    林野庁長官   三浦 辰雄君