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小川友三君
医者は玄関、芸者は衣裳といいまして、見かけは非常に立派だけれども
内容は非常に苦しいのです。幸いこの
委員会にはお
医者さんはいらつしやいませんが、私はお
医者さんの気持をよく知
つておりますから申上げますが、
健康保險の患者が殆んど全部です。そこへ
特殊事業税はどんどん来るというわけで、
医者は
チンドン屋を
使つて大安売りはできませんし、
健康保險料はなかなか入らんというわけで、
健康保險料の
滯納に対しては国家が当然
利息は拂わなければならんということは当り前でありまして、
政府は
健康保險の方はどうも困るような気配を示されましたが、それは
市民大衆を直接苦しめる原因になるのでありまして、この点につきまして、無論
滯納した場合は、
衆議院を通過したこの
案通りどんどん
利息を
政府は拂
つて行く、そこで差額は僅か五億円
程度もあれば間に合うのですから、その五億円、それについて
波多野先生からお聽きになりましたように、
政府は大体
故意に
健康保險は
貧乏人の
病人が行
つておるのだから
貧乏人はこの際少し冷遇してやれというので、それを診ておる
医者は外でもうか
つておるのだろうから、それでかぶして置け、それで
特殊事業税をかけて、今度は何十億という
税金を外にお
医者さんから取
つておるというような実態でありまして、
医者から
事業税を取らなければ構わないとおつしやいますけれども、
事業税を取
つておるという事態に入
つたわけですから、当然
医者もしようがないから
借金をして
税金を拂
つておる、或いは
借金をしても生活をして行くというような
状態に入りまして、現在
医者は二十五万人おりますけれども、十万人が失業しておる、失業です。
医学博士にな
つたけれども
病人は僅か月に一人というような
状態で非常に苦しんでおりますから、その点この
健康保險の料金の
滯納に対しては、
政府はどんどん
利息を拂
つて貰いたい。
それからもう
一つは食糧問題に対して
利息は拂わないのだ、そういうべらぼうなことをや
つておりますが、
農民の八〇%近くが
農業協同組合から大体四万円
程度の
借金をしております。八〇%の
農民大衆は今
借金のがんじ搦めにな
つておる
状態です。というのは
政府が拂わないし
食つては行かなくちやならない、娘は嫁にやらなければならない、伜は学校にやらなければならないというようなことで、大体四万円
程度の
借金をしておるのが八〇%、米は供出した、麦は供出した、それ持
つて来いというので出したけれども、勘定はなかなか呉れないというので、子弟の教育或いは
嫁入、或いは
災害等のために皆
借金しておるという
状態で、当然
政府は
利息を拂
つてやらなければならない。
農民は
農業協同組合から
借金しておる。その
利息を負担しておるのです。それを拂
つて貰わないからそれを
予算の中に当然計上して貰わなければならないと私は信じるのでありまして、ただ十三條の問題でありますが、「国の
会計事務を処理する
職員が
故意又は
過失により国の
支拂を著しく
遅延させたと認めるときは、その
職員の
任命権者は、その
職員に対し
懲戒処分をしなければならない」という、これは
衆議院を通過した案で、これに対して
意見を申上げるというのは甚だ申訳ないような気がしますが、
職員と雖も
病気になり或いは家内が死んだり、子供が死んだり、
天災はありますし或いは自分が燒けたり、引越さなければならない。家賃が不拂いで以て追立てを
食つて引越したりなんかしておるうちに、少し
支拂いが遅れたというような場合が幾多の
会計官吏の中にはあると思うのでありまして、こういう場合にはこれを特別にや
つてもいいが、
過失とか
病気のためとか
天災のために遅れたのを、私は処分するのはこれはいけないと思いますので、この場合は
故意の場合を活かして、
過失は削
つて頂くという
方法に申請をいたしたい、こういうふうに思
つておりますが、とにかく
政府は
国民が
滯納すれば
税金をどんどん取るという
法律で行
つておりますのですが、拂わない場合は当然これに
利息を拂
つて貰いたい。これが私は
民主主義政治だと思いますので、これにつきまして今の第
二條の問題ですが、この
二條の問題はそういう工合に御
説明賜われば私はよいと思いますけれども、
政府は五億万円
程度の
利息を拂うことに対して、
目下財政状態が非常に困難であると思いますかどうか、これを
一つお伺いいたします。