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1949-11-28 第6回国会 参議院 運輸委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十八日(月曜 日)    午後三時二十分開会   —————————————   本日の会議に付した事件 ○国有鉄道運賃法の一部を改正する法  律案内閣送付) ○証人喚問に関する件 ○通運事業法案内閣送付) ○日本通運株式会社法を廃止する法律  案(内閣送付) ○日本国有鉄道所有地内にある日本  通運株式会社の施設の処理等に関す  る法律案内閣送付)   —————————————
  2. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 只今から運輸委員会を開会いたします。先ず国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案議題といたします。速記を止めて。    午後三時二十一分速記中止    ——————————    午後四時二十三分速記開始
  3. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 速記を始めて。
  4. 内村清次

    内村清次君 第六表の説明をお願いします。
  5. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 第六表は貨物運賃を八割上げました場合に、どういうふうになるかという表でございますが、これは見て頂けば比較的簡單だと思いますが、四月から十二月までは、現行收入を四月から十二月までと一月から三月までに分けまして、そうしてここに総計が挙げてありますが、それから利用減三%、値上期間收入という所を見て頂くと、利用減三%という数字鉄道欄双方に挙がつております。自動車については変更がございませんから、それに挙がつていないのでございます。そうしてその値上期間に対する收入金額が、その次の欄に挙げております。値上後の收入がそこに、現行收入の計の所と、それから値上期間收入、今の利用率三%減の次の收入金額、それの値上期間收入に対して、この一月から三月までの收入の三%減の金額が、その値上期間收入の所に六五二、六六四と挙がつております。それの値上率が一・八でありますから、それで一・八を掛けたものが値上後の收入になつておりまして、それでその値上後の收入と、それからその第一欄、手前の收入との差額増收額という欄に挙がつております。そこで増收額現行收入との合計が二十四年度の收入としてそこに挙がつておると、以上大体そういうふうな現し方で、前の数字が挙がつておるわけであります。
  6. 内村清次

    内村清次君 ただ現行收入を一月から三月まで、鉄道船舶を含んだ小口扱はこれが六億七千二百万円になると、そうしますと、この値上期間收入というのは、これはやはり一月から三月までの一・八倍をこれに掛けたのですか。
  7. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 六七二、八五〇、それの三%減を見込みますと、六五二、六六四になるわけです。この六五二、六六四に対して、これは数量が三%減つたのに対する金額でありますから、それを八割値上するので、一・八を掛けたのが値上後の收入一、一七四、七九五になる。そういうふうに数字が動いて示されております。
  8. 内村清次

    内村清次君 そうしますと、四月から十二月、それから一月から三月までの計の三億一千二百十二万円ですかね。これから差引いたのがこの何になつて来ますか。昭和二十四年度の收入になつて来る。これだけのものが……
  9. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 増收額ですか。
  10. 内村清次

    内村清次君 この増收額というのは、ただ値期間増收額になつて来ますか。
  11. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) その合計欄を見て頂きますと、増收欄合計欄の一番下の五十四億六千九百万幾らというのは、これは値上後の増收額でございます。
  12. 内村清次

    内村清次君 そうしますと、これに現行收入をプラスしたのが二十四年度の收入ということになるわけですね。
  13. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) そうです。この五十四億六千九百万幾らという第六表の合計最後の欄ですね。その増收額の一番下の欄ですね。それが第五表の一月一日より八〇%増收額の所の貨物という所に出ておる数字と丁度合うわけです。
  14. 内村清次

    内村清次君 この点は合います。合いますが、補正予算貨物の三百九十三億という奴が、これがどうしても見付けられなかつたのです。この数字が見付け出されないわけです。補正予算の三百九十三億という、この第五表と第六表との関連の……
  15. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) こつちの貨物收入の、補正予算の所には連合軍收入が入つておりますから……
  16. 内村清次

    内村清次君 あ、そうですか。それが分からないのです。  その次の第十二表を説明願います。
  17. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 第十二表は先程御説明を申上げたのですが、鉄道輸送にかかつております主要なる貨物が、ここに二十六品目挙つておると思いますが、それにつきまして現在の昭和二十四年の七月の、それぞれここに該当しております項目の調査が、一トン当りの額、それから二十三年度の平均輸送キロによるもの、それから現在の一トン当り運賃従つて価格運賃との割合、それから物価に対する運賃の現在に対する十一年の倍率です。そういうものがそこに挙がつているわけであります。  それから二十四年の七月の次の欄は、然らば二十三年の平均輸送キロと、それからそれと違つて十一年と同じような、つまり長さだけ輸送されたとすれば、それの運賃割合価格に対する運賃割合がどうなるかということが、参考としてその次の所に挙げているわけです。  それから改正案としましては、二十三年度の平均輸送キロによるものと、十一年度の平均輸送キロによるものと、二つ挙げているのであります。併し現実の問題として、数字として見るべきものは二十三年度の平均輸送キロ、つまり最近の輸送キロ、こういうものによつて、大体どういう物価価格と、それから運賃との割合になるか、これが主になろう、こういうふうに思います。十一年度を取つております意味は、十一年度は先ず戦争直前物価の比較的安定しておつた時代従つてその時代のそれぞれの価格運賃割合というものは、一応適正なものとして考えられるのではないか、そうするとその十一年の運賃と、それから価格との割合と、それから現在及び改正後の運賃価格との割合と比較するということが、一番全体を大掴みに掴んで説明をし、或いは御了解頂く場合に、一番いい資料じやないか、こういう意味でこれは作られているわけであります。
  18. 内村清次

    内村清次君 ただここは昨日の委員会でこれは、運輸大臣がこれの表を見て物価との開き辺りを御説明をしておられましたが、問題はここに挙げられましたのは、今年の七月一日でございますね。七月一日になりますと、大体インフレーシヨンが一応デイスインフレーシヨンの線で少し行き過ぎた程度に吸收をされて、そしてその後物価幾らか横這いになつた、その時の状態ですね。問題はその後七月、八月、九月となつて来ました、その物価状態と、運賃の、即ち比率、これを取られたものはありますか。
  19. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) それはまだありません。
  20. 内村清次

    内村清次君 ないですか、残念だなあ。この点が一番大事な一点……今安本では九月、十月分を発表しているんです。この点予算委員会でも安本の資料と比較して、運賃がどう物価に響いて来るかということを検討してやつているんですが、この問題だけでは、ここではただ二十四年の七月現在において、二・三%の運賃との割合が出ているだけであつて、まあ当時経済が安定しておつたと言われる昭和十一年には、四・六一の割合であつたというようなことになつておりまして、ここに約二・三%の差ができているんですね。それで物価に対するところの比率というものは、運輸省の方では低いんだ、そのベースは低いのだという御説明が、これは一昨日の大臣の話でもあつたようでしたが、問題はこの七月以降、即ち現在とそれから今後補給金が切られ、そうして先程各基礎産業からの陳情がありました点も考慮されての、運賃率がどう物価に響いて来るかという点が、これは今後のこの問題の論議の焦点になると私は思つておる。その点に対しての資料がなかつたことを遺憾に思いますが、それではその次の十四頁…
  21. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 内村ちよつとお待ち下さい。この際ちよつとお諮りいたしますが、明日の午前十時から証人喚問の形式において公聴会を開きたい。その人選につきまして、委員長に御一任になりましたので、それの名前を発表いたしますが、日本産業協議会木村宗夫君、東洋経済新報社の榎本弘君、日本トラツク協会事務局長森田賢君、三井船舶株式会社一井保造君、旭海運株式会社小山亮君、それから労働組合にも交渉いたしましたけれども、誰も出る者がないということで棄権をされましたから、これも一つ御承知置きを願いたいと思います。
  22. 内村清次

    内村清次君 全国鉱山労働組合の副委員長を出して頂きたいと思います。
  23. 板谷順助

    委員長板谷順助君) どうですか、御異議ありませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり)
  24. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それではそう御承知を願いたいと思います。  それから中小企業の全般的の委員長伊藤英男君を追加したいというのですが、御意見ありませんか。それではそういうことにいたします。
  25. 内村清次

    内村清次君 政府委員に第十四表の運賃輸送原価の問題を伺いたいと思います。
  26. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 今回の値上につきまして、輸送原価ということが非常に問題になつたわけでありますが、この表は昭和十一年以来現在まで、及び二十四年度補正予算によりまして、それから二十五年度は先程の第二次案でございます。これによつて一応輸送原価運賃がどうなるか、それから運賃、これは現在の賃率によるもの、それを旅客貨物についてここに挙げてあるわけであります。一例として昭和二十四年度を取つて申上げます。昭和二十四年度は旅客運賃が九十三銭八厘でございますが、それに対して原価が六十三銭、結局この運賃原価との割合ですと、六割七分というものが原価としてかかつておる。結局旅客では運んで結局儲かつている。こういうことであります。それから貨物の方を見て頂きますと、運賃として一一五・九銭、一円十六銭弱運賃として入つておるものに対して、二一三・九銭、二円十四銭弱運送費がかかつておる。結局收入の一割八分四厘、大体支出がかかつておる。こういう表でございまして、ずつと上の欄から最後双方割合を見て頂きますと、旅客においては大体ずつと收入がある姿になつておりますが、貨物につきましては、昭和十四年までは大体收入以下の経費がかかつておるのですが、昭和十五年から以後は收入以上に経費がかかつておりまして、それが現在二十四年度では一倍八四になつておる。こういう数字でありまして、これがまあ今度の八割乃至、或いは運輸審議会におきまして、九割若しくはそれ以上運賃貨物について値上をすべしという、いろいろな議論の際に検討されたものであります。
  27. 内村清次

    内村清次君 これは一貫して貨物運賃原価運賃率に対しまして非常に高くなつておるのだ、こういう点ですね。分りました。では第十五表を……
  28. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 第十五表は、これは現行改正案と両方示してあるんでありますが、改正案では、「鉄道は八割の値上案汽船原価運賃による。」と下に但書が書いてあるのでありますが、実は汽船の方の点につきましては、私ちよつと詳しく御説明を申上げかねます。これによりまして御覧を頂きます点は、最後現行及び改正案について、この最後鉄道を百とした場合の割合、これがこの表を見て頂く主要な点かと思います。即ち石炭につきましては、鉄道を百とした場合に、現行の率が大体、八割から九割前後でありますが、それが改正案によりまして、鉄道運賃も上り、或いは汽船運賃も上りますが、併し鉄道を百とした場合には、概ね石炭現行よりも船の関係が安くなる。それから木材につきましては大体現状ととんとんか、それより少し安くなる、大体こういう数字であります。それから鉄鉱石、それから銑鉄、それから木炭、そうした主要な貨物について、同様の表をお示ししてあるわけであります。
  29. 内村清次

    内村清次君 問題はこの石炭の問題といたしまして、室蘭小樽、それから行く海送、及び陸送での運賃率の違うのと、それが今度違う関係で山元からの鉄道輸送をして、そこに石炭を今度は各地に海上輸送するというようなところに、殆んど同じキロでありながら賃率違つて行く。そのために石炭の集荷が、例えば室蘭に一方に納まつて行くというような陳情が来ておるようでありまして、この点は非常に重大だと思つておりますが、そういうような関係になつて参りますか。この点はあすこは地理的に委員長は詳しいから……そういうような石炭の方から陳情が参つておりますが、そういう関係に非常に輸送形態が、室蘭ならば室蘭に一方によつてしまうのだ。小樽に現在よつてつたのが、室蘭の方に取られてしまうというような陳情が来ておるのですが。
  30. 板谷順助

    委員長板谷順助君) その点について、例えばこの京浜室蘭の間が一トン四百三十円、それから小樽が四百九十円、それから留萌が五百円、釧路が五百二十円、それで航路別でこの運賃を決めた関係から、そういう点が麦つて、そこで今小樽辺の六十円も高くなろうと言つて非常に騒いでいる。ところが航路別ということは、例えば小樽を中心とすれば、裏日本日本海方面輸送したらいいのじやないかと言うけれども、その点がそういうわけに行かない。京浜の方へ売る石炭の量が多いのでありますから、今御質問のように航路別ということになると、そういう非常な不公平な問題が起るので、これに対する何ですね、例えば将来航運費用を或る程度まで節約するとか、或いは又腕ずくによつて……そうしてできるだけ産業合理的にそれを節約して、差額をできるだけ除くことにするか、今のところは航路別となると、そういう今御説のような不公平な問題があるので騒いでいるけれども、これも地域別から行くと、どうも止むを得んという現状なんです。
  31. 内村清次

    内村清次君 これは運輸省の方としましても、こういうような偏重に対しまして、何か積極的な考えでもあれば一つお教え頂きたい。
  32. 板谷順助

    委員長板谷順助君) これは非常に困難なんだ。海運関係のものは明日やりますから、そのときお尋ね下さい。
  33. 内村清次

    内村清次君 それでは第十六表を御説明願います。
  34. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 第十六表は国有鉄道運賃改正におきまして、自動車それから電車それから小運送や郵便の料金、おのおのが昭和十一年を百といたしまして、現在大体どのくらいまで上つておるか、指数がどうかということを、参考までに御説明した表でありまして、例えば、旅客運賃は最初の一キロ当り賃率でございますが、十一年を百とすれば現在は九十二倍になつておる。それから貨物につきましては、現在は七十二倍になつておる。それから海運につきましても、そこのそれぞれ指教という欄を御覧になると、汽船運賃若浜運賃が二百十三倍、汽帆船の若浜が四百五十倍、それから飛びましてトラツクは百五〇倍、それからバスが六十三倍、或いは都内電車が百十四倍、当運送費が九十五倍、はがきが百三十三倍、一銭五厘のものが二円になつて百三十三倍、そうした指数を御参考までにここに書いてあるのであります。
  35. 内村清次

    内村清次君 この点は運賃率上つても外の、例えば葉書や自動車その他よりも非常に少いのだという指数ですね。そういうように考えていいのですか。
  36. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 尚これに関連しましては、第十七表なり或いは第十八表のこの消費指数関連さして見て頂くと、御便宜であると思います。大体御参考までに、いろいろな指数がこの表以下第十八表までに集めてあるわけであります。
  37. 内村清次

    内村清次君 では説明は一応これで……
  38. 鈴木清一

    鈴木清一君 第十五表の中の諸掛が改正後も現行も七十四になつておりますね。この諸掛の内容はどういうものなんですか。
  39. 足羽則之

    政府委員足羽則之君) 説明員説明いただきます。
  40. 岩岡明藏

    説明員岩岡明藏君) 詳しい資料を持つて参りませんでしたけれども、これは海運局厚生課と連絡を取りまして、殆ど地域によつていろいろ序列が違いますので、各荷役員につきまして、そこで大体想像される費用の中間的なものを採つたものでございまして、結局港湾荷役賃船内荷役賃艀賃、そういうふうなものが入つておるわけでございます。鉄道の方でございますと、貨車積下し料、それから取扱手数料、これだけでございます。
  41. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それでは運賃法案に対する質疑はこの程度にいたしておきまして、明日公聴会を開いた結果、更にこれを継続することといたします。
  42. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 本委員会に付託されてお夢まする通運事業法案、その外二件を議題に供して質疑に入ります。
  43. 村上義一

    村上義一君 この通運業法によつて免許を得て通運業者になるのですが、第二条の第一項の第一号の事業を行う者は、商法による運送取扱業者であると思うのでありますが、即ち自己の名を以てする物品運送の取継ぎをなすという者は、商法規定によつて、この第二条の第一項の第一号の業務を行う者は、商法から見れば物品取扱運送取扱業者であります。従つて商法規定によつて、こういう通運業者荷主の要求によつて貨物引換証を発行する義務があると思うのであります。併し本法には、貨物引換証については何ら触れてないのであります。今廃止せんとする日本通運会社法では、その事業目的を決定しております。条文の確か第一条の第二項だつたと思いますが、貨物引換証整理及び保証という仕事をすることになつております。この点について通運業漆では、何ら触れる必要がな、という御見解でありましようか、一応伺いたい。
  44. 中村豊

    政府委員中村豊君) 只今お尋ねの問題はいろいろ考えましたが、貨物引換証整理保証は、相当最近のような実情では高いものになります。それでそれを事業としてやり保証までするということについては、相当の負担になり大きな資力を要するものでありますから、この際そこまでを計算事業者にお願いすることは無理であろうと思つてつたわけであります。
  45. 村上義一

    村上義一君 通運計算事業とこの問題は別でありますが、又同時に附加して業務ができんでもない。政府委員の御説明の如く、この貨物引換証整理保証ということを行うについては、非常に経費が高くなるというお話でありまして、これは御尤も至極であります。ただ私の憂うることは貨物引換証というものは、要するに日本商取引商慣習におきましては、代金の、運送する品物代金取立方法として、大部分が利用されておると思うのであります。或る程度信用を確立した社会においては、この方法代金取立をすることは、荷主にとつては最も経済的で利便なことである。この場合におきましては、荷物引換証荷物発送地銀行が受付けなければ意味をなさないということになります。自然保証ということが絶対の条件のように考えるのであります。勿論非常に信用の厚い会社荷物引換証を発行する場合、今日荷物引換証が一口で数百万円、或いは数千万円に上がるものがあろうと思うのであります。こういうものを運送業者荷主が要求して、運輸業者が発行した、そうして通運業者の発行する引換証を、荷主銀行現金に換え、現金を受取るということができなければ、利便であるとは言えないのであつ、同時に過去における物価引換証の運用が、殆ど全部と言つてもいいくらい、品代金回収方法にも使われていたということを考えまして、何らかこの点については将来方法を、措置を講ずる必要があるように思うのであります。本法案がこれに何ら触れないでおるということは、この間一の社会の要請に対して、欠くるところがあるのではないかというふうに思うのであります。将来について何らかお考えがないか一つつて置きたいと思います。
  46. 中村豊

    政府委員中村豊君) 貨物引換証取引の重要な手段になりまして、これによつて非常な利便を受けておるということは御尤もで、お話通りでございますが、これについての規定を特に今度の法律に入れなかつたのは、現在の小運送業法でもそれについては触れていずに、一般の商法規定にすべて委ねておるのでありまして、大体その考えを踏襲して、この改正法でも、この新らしい法律でも入れなかつたのであります。ただそれが悪用されて、非常に荷主に迷惑をかけるという弊害は過去に非常にございまして、その点はやはり非常に心配しなければいけない問題であると思いますが、それにつきましては、今度の法律免許制度を維持いたしまして、免許の際に要する信用を十分にして、前のように引換証の仮渡しということによつて荷主に不測の損害をかけるということはできるだけ防止するという配慮をいたしておりますので、得に引換証についての規定を置かなかつたわけでございます。  それから今後の改正についての意見はないかというお話でございまするが、その点につきましては御尤もな御趣旨と思いますので、よく研究いたしたいと思います。
  47. 村上義一

    村上義一君 尚、この通運業者たらんとする者が申請によつて運輸大臣がそれぞれの手続を取つて免許する。その際に資力信用について十分研究をされるということは、今御説明通りで、至極御尤もでありまするが、この法律においてもその点は明記されてありますが、併し制度において非常に欠くると思うのであります。貨物引換証一通について数百万、或いは数千万円の引換証を発行することは、珍しくないと思うのであります。そういう引換証が滯りなく所期の目的を達するように運営せられるというところまで、資力信用を審査せられることは、これは至難だと思うのであります。で、会日まで日本運輸株式会社法によつて設立せられた日本通運株式会社が、法律の命ずるとろによつて、大なる信用を持つて、この貨物引換証整理及び保証業務を行なつて来ておる。これが消えることに相成ります。この点が欠くるのじやないかというふうに思うのであります。今これを作ろうとしても、所詮お説のごとく、政府委員の御説明ごとく、殆んど不可能に近い困難性があると思うのです。将来に何らかこれは方法を講ずる必要があることはお認めになつておる通りでありますが、今直ちに救済策を講ずることは不可能に近いと思うのでありますが、将来になるべく速やかなる、将来適当な方法を講ずるように希望して置く次第であります。
  48. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 村上さん、今の問題について私一言言わさして頂きたいが……
  49. 村上義一

    村上義一君 どうぞ。
  50. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 例えば船舶における船荷証券のごとくですね。陸上のその貨物についても、例えば荷為替を作る者に対して、金融の途を図るという上において、何かそこに信用問題を伴うと言つて見たところが、荷主側から行けば金融の道を図らなきやならんというような関係において、どうも将来の問題でない。現実の問題だと思うがどうでしよう。
  51. 中村豊

    政府委員中村豊君) 貨物引換証を発行して荷為替にして、金融の道を講ずることができるわけでございますが、それの何らか信用なり保証するものがなければ、なかなか金融機関でも簡単に融資の道を、荷為替を発行してくれないのじやないかということであろうと思います。その点は何らか保証制度を置くようなことを考えて見たのでありますけれども、非常に貨車一車が何百万円となるようなものを保証するということは、これはなかなか法規的にやつて見ても困難であろうと思つて、法規上は作らなかつたのでありますが、まあ現在日本通運保証をやつておりますのは、これは日本通運の方で恐らくこの制度は残して貰えるだろうと思いますから、その方面の力によつて、その制度はその意味では維持されて行くと思いますが、新らしい事業者が出て、それを取上げるということは、これはどうしても困難であろうと思います。
  52. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 この第二条の第二項によりますと、「「通運事業」とは、営利を目的とするとしないとを問わず、」云々というようなことがあるんですけれども、例えば農業協同組合だとか、農業協同組合連合会というようなものか、この法律に合うような目的並びに方法を以て、この通運事業をやりたいというようなことを申出て来る場合には、この法律条文に適合しておつた申請であれば、やはりそれはこの法律によつて許され得るのでありまするか、そういうものは排除するというような御意見であるか、政府の御意向を明確に伺いたいと思います。
  53. 中村豊

    政府委員中村豊君) 農業協同組合のような組合がこの事業をやるには、第四条によつて免許が要りますが、その場合には、第六条によつて、ここに四つばかり基準を与えているわけですが、この基準に適合したときには、免許しなければならんということになつております。別に特別扱をするわけでなく、同様に審査するわけでございます。
  54. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 もう一つ、これは政府委員に伺うのか、大臣に伺うのか、政府の御方針として伺つて見たいんですけれども、この法律ができますると、今までも法律免許でやつてつても、結局陸運事業というものは、絶対に免許、許可というものをこの法律でやるということになる。一方海運の方の港湾事業その他のものは、今のところ自由になつているようでありますが、海陸の一貫作業というようなことが、相当やはり経費の節約とか、事業の発展その他の面において、非常に重要なことでもありますし、必要だと思うのでありますが、政府はこの港湾事業と言いますか、港湾運送事業方面にも、これと同様のような法律を作つて免許制にするというような御意思があるのか。又その海陸両方いろいろな連関をしているようでありますが、そういうものを平等に、一貫一作業を、互に有資格者であれば許可してさせるというような御方針か、その点を伺いたい。
  55. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 港湾運送業の免許制或いは届出制にするかどうかということでありましたが、これにつきましては未だ研究をいたしている段階でございます。従いまして現状におきましては、自由営業になつております。ただ通運事業法が、以前の小運送業法のときも同様に、陸上におきましては、免許制になつておりまする関係上、その接触点におきまして、いろいろの問題を起している次第でございますので、今回運輸省といたしましては、これに対しまして調整を図つて参りたいと思つております。港湾地帯における、港湾の運送業者は、小運送業とは相互に密接な関係はございますが、本質的にも、又沿革的にも、それぞれ独自の事業分野を持つておりまするので、両方の事業は必ずしも兼営しなければならないというようなことはないと思います。ただ事業関連いたしておりますので、その面から小運送業の経営の面ということを考えまする場合におきましてはこれと同じ問題が陸上におきましても、貨物自動車運送事業、又軽車輌の運送事業者等に対しましても起つて参りまして、すべての港湾運送業者に小運送免許を与えるということになりますれば、同じようにトラツク業者或いは荷牛馬車に対しましても免許しなければならないというような結果になりますので、小運送業者の独自の経営というのは非常に困難となるばかりでなしに、又事業の分野というようなことも失われると見ております。従いまして調整をするという場合におきましては、海陸連絡の貨物の中に水揚又は船積みの作業と、貨車積み又は貨車下し作業に直結するような場合におきましては、この両方の作業は一貫して行われる方が、作業能率の点からいたしましても、又経費の面からいたしましても望ましいことでありますので、こういう面におきましては港湾運送業、小運送業との調整を図る必要があると見られております。こういう見地に立ちまして、港湾地帯におきまする小運送業の免許に関しましては、次のようなことによりまして処理して参るのが適当であると考えております。  先ず第一に港湾運送業者が小運送業の一般免許申請いたしました場合におきましては、小運送業の免許基準に照しまして、それに適合しておる場合には免許を与える。第二には特定の港湾、例えば六大港又はこれに準ずるような特定の港湾につきましては、港湾運送の特殊性を考えまして、例外といたしまして、一又は二駅につきましても一般免許を考慮して参りたいと思つております。第三には、水揚或いは艇積み作業を行う港湾運送業者でありまして、一貫作業の貨物について相当の作業実績を有しておる者に対しましては、海陸連絡貨物貨車積込、取下し作業についての限定免許を与えたいと考えておるのであります。こういう調整方法によりまして、港湾運送業の自由営業と陸上におきます小運送業の免許事業との間の調整を図りますれば、先ず妥当な方策ではないか、こういうふうに考えております。
  56. 早川愼一

    ○早川愼一君 先程協同組合免許について中村政府委員から御説明がありましたが、協同組合組合員のために利用するとか、運送するとかいうものでありますから、一般免許の対象になるのですか。或いは限定免許としてのお考えなんですか。そこの所がちよつとはつきりしませんでしたが。
  57. 中村豊

    説明員中村豊君) 協同組合は主として組合員のための通運事業をやろうという場合が多いでしようから、多くの場合は限定免許になると思います。併しながら協同組合が一般の免許をしたいと申請された場合は、申請書の内容を拜見して基準に当る場合には、これは必ずしも限定免許に限らずに一般免許を与えても、これは差支ないと思いますので、要は申請の内容なり御希望の内容によつて考えるということになつております。
  58. 早川愼一

    ○早川愼一君 併しその場合に協同組合というものの性質から言いますと、飽くまでも今の組合員のために出来ているのでありまして、それが普通一般の免許を取るということは、他のいろいろな業者というような点も考えて、その点はやはり限定免許が原則であつて一般免許をやるということは性質上をかしいように思うのですが、そういうことは拘泥されないというのですか、どうですか。
  59. 中村豊

    政府委員中村豊君) 御説のごとく性質上は限定免許が原則であろうと思います。それで協同組合と申しましても、新らしい協同組合という企業そのものを目的にするために、協同組合を作るようなものは、大体その内容によつて一般免許考えられる、こういう考でございます。
  60. 村上義一

    村上義一君 この法案の第三十三条に「運輸大臣は、この法律規定に基き、免許、許可、認可、その他の処分をしようとするときは、運輸審議会にはかり、その決定を尊重してこれをしなければならない。」ということが規定せられてあります。第三十六条にこの法律規定する運輸大臣の職権の一部を政令で陸運局長に委任することができるという趣旨が定められておるのであります。この陸運局長に対する委任権限は、第三十三条の但書の範囲内のものに限るという予定なのでありますか、その辺の事情を伺いたいと思うのであります。つまり陸運局長が委任された職権を行使する場合に、審議会の諮問手続はどうなるかという問題であります。
  61. 中村豊

    政府委員中村豊君) これは実は政令を作つて要綱をお配りすべきものでございますが、まだ意見がはつきりとまとまつてないものですから、内容がはつきりと決つてないものですから、お配りできないのは非常に申訳ないと思います。この点は御説のごとく運輸審議会を設け、それに諮問するという建前になつておりますから、その精神か考えまして、但書で軽微な事項を運輸審議会の方で認めることに話が付いたものについて、その中から陸運局長に委任するというのがこの趣旨に合うと思いますので、さようにいたしたいと思います。
  62. 村上義一

    村上義一君 尚一、二伺いたいのですが、附則の第七項、道路運送法の第十一条の次に次の一条を加え、第十一条の毎二行目の終りに「主務大臣が第十乗に掲げる種類を規定したときは、」云々とあるのであります。臨時立法の場合には、大抵大臣の行政所管を明確に書くのが普通だと思うのでありますが、特にこの場合、主務大臣という文字を用いられたのはどういう事情であるか、伺いたいと思います。
  63. 中村豊

    政府委員中村豊君) これは実は道路運送法を引張つておるのでございますが、道路運送法では運輸大臣と言わずに、一々主務大臣という名前を使つてございますから、それをその通り引用したわけでございまする
  64. 板谷順助

    委員長板谷順助君) よろしうございますか。  私から一点荷いたいことは、つまりこの通運の、この事業法案の第二十八条の規定によつて、通運のこの計算事業者ですな、これがそのなんですね、事業者団体法に引つか上るように思うのですが、これが除外せられていないというと、どうも一方に又独占的の弊害が起るというような危険があるのですが、これは一体どうお考えになつておりますか。
  65. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 通運計算事業を行います場合におきましては、新たに免許を受けました通運事業者が相寄りまして、出資その他の形式によりまして、会社又は団体等によりましてこれらの計算事業を営むことになるのが、通運計算事業そのものの性質からしまして、一番多いものと思うのです。又は第三者が行う場合も起ろうかと思いますが、最初に申しました場合が多かろうと思うのでする。そういうような場合には、確かに御質問のように事業者団体法の第六条の規定によりまして、適用を除外いたしません限り、事業者団体法違反の適用によりまして、できないということになるわけでございます。通運計算事業を私共としましては一つに限らず、二つ三つと規定をしておる点から申しますれば、事業者団体法の適用除外を、この法律におきまして事業者団体法の改正をなすべきところであると思うのでありますが、いろいろ折衝の過程におきまして、事業者団体法を改正をするということは、この法律によりましては実現ができなかつたわけでございまして、関係者の間におきましては、事業者団体法の適用除外についての改正は、次の国会においてこれを行うということを言われておりますので、それを信用いたしまして、この法案からは取除いたわけでございます。私共としましても、事業者団体法の適用除外をするべきであると思つておりますので、今後におきましても、これが実現に努力いたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  66. 板谷順助

    委員長板谷順助君) 尚もう一点伺いたいことは、先程小泉君からも御質問がありましたが、大体通運事業は陸上を主として、いわゆる鉄道トラツクその他に対する業務に従事すべきものであるが、最近において通運業者が海の方に進出する傾向がある。そこで各超党派的の海運議員連盟におきまして、通運が海運に進軍するということについては絶体に反対である、こういう決議をしておるわけでありますが、それについての見解はどうですか。
  67. 牛島辰彌

    政府委員(牛島辰彌君) 通運事業者と申しましても、結局現在におきましては日本通運のことだろうと思うのでございます。私共といたしましても、日本通運が港湾運送業に進出をするということにつきまして、港湾運送業者の方々のいろいろの陳情その他を聞いております。ただ先程も申上げましたように、港湾運送業が自由営業でございますので、日本通運がこれに進出する、港湾運送に進出するということを、法規的に拘束するということはできないと思つております。運輸省におきましては港湾局、海運関係ともいろいろ協議いたしまして、日本通運が現在進出しておりまする港湾につきましての、いろいろの実情等も調査いたしまして、現在の実勢力というものは必ずしも左程、全体的に見まして平均を取りますれば、大した数量にはなつておらんと思いますから、今後日本通運現状以上に港湾の面に進出しようとする港湾、及び現在すでに日本通運が港湾運送業者との間に或る程度の摩擦等を生じておりまするような港湾につきましては、日本通運の港湾運送業の複数制実施によりまする影響であるとか、或いは又小運送作業との関連というような点を考慮いたしまして、偶々の港湾につきまして関係者間の協議をいたしまして、調整を図つて参りたいと思つておりますが、これらの方針は運輸審議会等にも諮りまして、官庁といたしましては、下部機構にもこの方針を徹底をさせますと同時に、日本通運に対しましても、これらの点につきましては行政的に指導をして参りたい、こう考えております。
  68. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それでは本案に対する質疑は大体終了したものとみなしてよろしうございますか。大体終了したものとみなしまして、明日は午前十時から公聴会を開きますから、是非一つ御出席を願いたい。偽午後一時半かち本委員会を開くことに、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 ちよつと、この日本通運株式会社法を廃止する法律案日本国有鉄道所有地内にある官本通運株式会社の施設云々というのは、関連して審議する……
  70. 板谷順助

    委員長板谷順助君) え、そうです。
  71. 小泉秀吉

    小泉秀吉君 だから、今のお話は、限定までに行つていないのだが、後又ずつと行くというおつもりなんですか。
  72. 板谷順助

    委員長板谷順助君) それは無論明日一つ十分御質問下さるように……それじや本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十九分散会  出席者は左の通り。    委員長     板谷 順助君    理事            小泉 秀吉君            飯田精太郎君    委員            内村 清次君            大隅 憲二君           前之園喜一郎君            小野  哲君            高田  寛君            早川 愼一君            村上 義一君            鈴木 清一君   政府委員    運輸事務官    (鉄道監督局    長)      足羽 則之君    運輸事務官    (自動車局長) 牛島 辰彌君    運輸事務官    (自動車業務    部長)     中村  豊君   説明員    日本国有鉄道業    務局貨物課長補    佐       岩岡 明藏君