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説明員(紙田千鶴雄君) お尋ねのように、
予算の形式
内容は政令で定めることにな
つておりますので、そういうものは政令が
決定いたしますまでは
内容がはつきりいたさないことは事実でございますが、
考え方といたしましては、先程から局長の
お話にもございましたように、
能率的な形式とそれから
財政のコントロール、こういう二つのポイントから見て適当な妥当点に合うような
内容のものを
考えて行かなければいけないということだけははつきりといたしておるのでございまして、従いまして、今後
国有鉄道の内部
規定におきまして、従来の
会計法に代るべき
規定というものの大半が盛られることにな
つておりますが、その基本的な
会計規定におきましてもこの
改正案にございまするように、その
能率的な
経営の
精神によ
つてそれを
経営するのである、こういうことは書いておるのでございます。そういう一貫した
精神を以て、あらゆる
会計を
調整して行かなければならないのであります。この
予算の形式
内容の点につきましては、それが、
企業的な形式でなければならないということは明らかでございますが、然らば何が最も
企業的な形態でありますが、こういう点につきましては、従来からの我が国の例も
考慮する必要もございますが、更に併せて諸外国の先例をも
考慮する必要があると
考えるものでございます。で、この点につきましては、御承知のようなTVAの形式も非常に参考となるものでございますが、併しながらこの
予算形式につきましても、
アメリカの内部におきましてもこれに反対する者が相当強くな
つて参
つておるような現状でございまして、賛否いずれとも決し兼ねるというふうに判断をいたされるものでございます。まあそういうふうな点もございますので、そのTVAの形式が非常な長所を一面持
つておるということははつきりと承知いたしておるのでございますが、尚総局的にその方式によるべきであるというふうな
結論に到達いたしますまでには尚多少の
研究を要するものがあると
考えておる次第であります。又一方我が国の
予算の形式にいたしましても、従来の形式は非常に消極的な、どちらかと申しますと、弾力性の少いものではございましたけれども、併しながらこれに多少の工夫を疑らしますときにおきましては、その形式におきましても、
企業的な形式に適うような形式ということは作り出し得るものと
考えられるのでございまして、そういうふうな諸般の情勢を
考慮いたしまして、近く定められますところの政令におきましては、一応従来の我が国で使われておりますところの歳入歳出
予算というふうな形式は踏襲いたすことといたしまして、その代りにその内部におきましては、努めて
企業的な形式というものを作り出すというふうな方法を持
つておるような次第でございます。歳入歳出
予算は御承知のように、いわゆる
議会の協賛を受けますところの科目といたしまして款項、それからそれ以下の目節等の行政科目とに分かれておるのが従来の慣例でございますが、この点につきましても現在の
国有鉄道の勘定区分というものが、他の
一般会計並びに他の特別
会計の勘定区分に較べまして最も進歩したものであるという確信を持
つておるのでございます。で大まかに申しまして、建設工事とそれから営業費というものとの両方というものは禁止することは必要と
考えますが、それ以外のものにつきましては努めて弾力性というものを保持するように
考えて行く場合には、現在の歳入歳出
予算の形式におきましても決して想像する程の窮屈はない、こういうふうに
考えておる次第でございまして、こういうふうな構想の下に政令というものを
考えて行きたいと、かように
考えておる次第でございます。