○勝間田
委員 それならば、
農林大臣にお尋ねしたいと思いますが、これも要点だけにさしていただきます。これもまたはなはだ憎まれ口をたたくようでありますが、今度の第六国会を見て、私は農民が一番落胆をしたろうと思います。
米価は低い、税金は負けてもらえない、供出はふやす、これから
超過供出はやる、その法律は通る、こういうことを一々列挙いたしますと、私は往年の森
農林大臣も、今度は顔色ないのではないだろうかという感じがいたすのであります。一体こういう事態のときに、いろいろの点を
考えなければならぬと思いますが、現在のまま放置して置くと、農民はおそらく未曾有の苦境に陥
つて行くと
考えるのであります。ただそのうちの一つの問題は長期投資、いわゆる設備の拡大再生産というものをどうや
つて行くかという問題が一つと、価格がどうな
つて行くかという問題が一つ、これは非常に重大な問題だと思う。あとは農民の組織、協同組合がどうな
つて行くかという問題が非常に関心が大さいと思う。ところが現在の場合だと、いわゆる土地改良等に対する長期投資、設備投資という問題が少しも減
つておらない。また
災害復興費も、約五億だと言われますけれども、これでは農耕地の原状
復旧さえできないのでなないか、こういう感じが私はいたします。それで土地改良とか設備の更新とかいうものを、現在の農村の実情でや
つて行けないのを、どういう資本でこれをカバーして行こうとするのか、それに対してどういう対策をと
つて行こうとするのであるか、この問題をまず第一にお尋ねしたいことが一つ
それからもう一つお尋ねしたい問題は、昨日来できるかできないかはわからないといたしましても、国際小麦協定に参加を希望しておるということで、大蔵
大臣からの答え弁あつたわけでありますが、私は国際小麦価格は一体どのくらいになるかと
思つて実は調査をしてみたのでありますが、あれは御
承知の通り四箇年の協定にな
つておる。そうすると一ブッシェル最低一ドル三十セント、最高一ドル八十セント、一年に十セントずつ下げるということにな
つておる。今の
日本の小麦の値段は一トン当り二万一千円くらいになる。これを船賃、保険料等を加算して行きますと、丁度
アメリカへ行
つて一ブッシェル一ドル四十セントないし五十セントになる。ちようど今の小麦の価格と、国際小麦協定の明年年の価格というものがつり合うという形になる。これは現在の
日本の小麦というものと、
アメリカの小麦というものが同じ品質だとい前提に立
つて言えばそういうことになるが、
アメリカの小麦が
日本の小麦よりも非常に良質だということは、
戦前から言われておるところである。そうしますと来年国際小麦協定に参加いたしますと、ちようど現材のまだ値上げしない二万一千円の小麦価格がようやくだということにな
つて来る。ここで私は国際価格に今度行くということについて、一面大蔵
大臣は昨日は肥料の補給をせぬとか、国際価格にさや寄せをするということを言われましたけれども、国際小麦価格という現実の事実にぶつか
つて行くと、もう農産物の価格を引下げる余地というものは、対外的にないのだということがはつきりわかると思う。そこで
日本が国際小麦協定に参加して行くということになると、早く言えば実はここに農村が非常に圧迫を受けるわけです。そこで
日本の
米価は来年からは下る一方だ、もう上る余地はないのだ、
昭和二十四年の、今年きめる産米の値段というものに、
日本では最高だという感じを私は受けるわけであります。でありますから私は国際間の問題を通じてみて、今度の日英協定を見ますと、ごらんの通りにずいぶんたくさん入
つて来る。そういう日英協定を見、国際小麦協定の参加を見て、今後の農産物の価格政策をどうするか。それから恐慌に落ちようとする
日本農業の長期
資金投資をどうや
つて行くか。以上の二点、これは中心でありますから、森農相のお
考えを実は聞かせていただきたい。それでないと税金も負けてもらえない。何も負けてもらえないというので、実に怨嗟の的にな
つておる
現状を、私は非常に遺憾に
思つておりますから、どうかこの二点についてのお
考えを聞かせていただきたいと思います。