○内田
政府委員 先ほどの融資順位の問題に
風早委員は誤解がございますようですから、私から大臣の
答弁を補足いたします。融資順位は甲、乙、丙がありますが、その中に設備資金、運転資金があります。貿易につきましては本年の八月御
承知のように、今まで丙種であ
つた貿易業を丙種をなくしまして、形式は乙に上げましたために、貿易業の所要資金は、融資順位上虐待を受けることは今日なくな
つたのであります。そのほか貿易手形につきましては前から甲にな
つておりまして、貿易手形の割引資金は全部甲であります。ただここに一番問題がありますことは、融資順位の丙を乙に上げ、乙を甲に上げましても、それだけによ
つて金融機関が金を出すことには実はならないのでありまして、順位は甲であ
つても乙であ
つても、金融機関が現実に貸すか貸さぬかという問題、この点は特に設備資金につきましては、この問題が起
つているのでありまして、われわれ
政府側といたしましては、融資順位はもうすでに丙種の業種は実質上はないようにな
つておりまして、金融上の支障はありませんが、いかにして貿易金融を円滑にするか、設備資金を円滑にするかという問題にかか
つて来るのであります。貿易資金につきましては、先ほどの大臣の
お答えを補足いたしますが、これは
輸出の面と輸入の面と、それから今度は
輸出入業者のみならず、外国為替銀行が外国為替業務をやる上の資金の問題が、新しい資金のもとに起
つて来るのであります。まず業者の
輸出の場合には、従来の貿易手形制度をできるだけ移して行
つて、十分にこの
輸出のための生産なり、集荷なり、
輸出手形が現実に決済されて、貿易為替資金から金が支拂われるまでの金融をつけて行く。それから輸入の場合には今までと違いまして、
政府輸入が民間輸入になりますために、
相当大きな輸入資金がいるわけでありますが、これが一番問題でありますけれ
ども、これは簡單に申しますと、
輸出の場合の貿易手形と同じように、輸入手形の制度を設けて、
日本銀行をしてスタンプ制度のもとに担保貸出しにさせるという方向に持
つて参りつつある。さらにまた外国為替銀行の
輸出手形買取り所要資金は、これは国内の円資金の問題と、それから先ほど
風早委員が
指摘されましたように信用状を開設する場合の外貨の保証金の問題、両面が起
つて来るのでありますが、まず国内
輸出為替等を、今までは直接
政府の貿易特別会計が買い取
つていたのを、今度は一応外国為替銀行が買い取
つて、自分のものにしてから、
大蔵大臣の集中命令によ
つて集中されるまで、買い取る資金が外国為替銀行にいるわけであります。ここに国内銀行と外国為替銀行とのいろいろな
状態に違いが起るわけであります。これについては
日本銀行をまん中に立てて、その
方法は
日本銀行が
輸出手形を再割引する
方法によるか、あるいは今度
予算でご
審議願
つておる貿易資金特別会計の金等を操作するか、いずれかの
方法によりまして、外国為替銀行に円資金が行き詰まりを来さないように研究しておるし、外国に外国資金を積立てるようなことになるわけで、外国資金は
外国為替特別会計が管理する外貨資金を適当に操作することによ
つて、外国銀行と劣位に立たないような
方法を現在研究いたしておるわけであります。
最後に設備資金でありますが、設備資金は先ほ
ども申し上げましたように、融資順位だけの問題では解決がつかないので、いろいろ御
承知の
通り構想をされておるようでありますが、何と申しましてもその主軸になるものは、結局本年度、来年度を通じて、
財政上は
相当の償還金が
日本銀行に対しても行われる。マーケツト・オペレーシヨンの
方法によりまして、社債の発行及び金融機関による買取りで、このマーケツト・オペレーシヨンを助けて行くという今の
方法を主軸にして行くのが一番手取り早い。あるいは不動産金融機関を設置する
構想であるとか、あるいは特殊の金融につきましては、農林中金、とか商工中金あるいは預金部の資金をそういう方向に動かす
構想もありますけれ
ども、いろいろもつれ合
つておるところがあることは御
承知の
通りであります。それらのできるだけもつれ合
つているところを打開して行くために、金融債を引受けるなり、社債を引受けるなりして、あるいは農林中金債、商工中金債というようなものの融資をつけたいと思
つております。
それから外国為替銀行ですが、先ほど大臣からお話のありました
通り十一行、これは多分明日提出される
法案によ
つて大蔵大臣が認可することにな
つておるわけでありますが、
大蔵大臣の認可によ
つて外国為替銀行がきまるわけであります。これは東京では私の記憶に間違いなければ、帝国銀行、第一銀行、富士銀行、千代田銀行、勧業銀行、東京銀行、三和銀行、大阪銀行、それだけは確実に入りまして、あとの東海銀行、埼玉銀行、神戸銀行、大和銀行等につきましては、
大蔵大臣の認可の準備内容を私はちよつとここに持
つておりませんから、はなはだ申訳ありませんが、きようはひ
とつお答えを延ばさしていただきたいと思います。