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池田国務大臣 補正予算におきまして二百十三億円の自然増収を見込んだ。これは苛斂誅求に陥るおそれはないかという御
質問でありますが、これは二百十三億円の自然増収を見込みましたその税種目を御検討くだされば、苛斂誅求の問題とはかなり距離があることがおわかりになると思うのであります。すなわち法人税につきまして、当初
予算の二百七十二億円に対し、二百二十八億円の増収を見込みましたのは、最近における法人税の申告の
状況、また法人の所得の
状況等から
考えまして当然のことで、どちらかと言えば、
予算の見込みが過少ではなか
つたかというそしりの方に相なるのであります。次に自然増収の大きい勤労所得に対しまする問題は、これは俸給に対しまして規定
通りの税を適用したのでございまして、苛斂誅求とは言われぬと思うのであります。第三に増収の大きい酒税でございますが、これとて米も同様でございますが、しようちゆうあるいは合成酒にいたします五千万貫のいもが、一億万貫になりました
関係上、百二億円の増収が見込まれるのでございまして、決して苛斂誅求の結果であるとは言えないと思うのであります。問題の申告納税、すなわち農業あるいは営業税の申告につきましては、今までの納税の
状況から
考えまして、千九百億円の収入見込みを二百億円減らして見ておるのであります。従いまして事業所得、農業所得の方を
予算通りに見込んだとしたならば、
補正予算に見込むべき
租税収入の自然増収は四百数十億円に相なるのであります。どうぞこの点を御了承くださいまして、決して
政府がむりをして今
年度に自然増収を出しておるのでないということはおわかりになると思うのであります。
また第二段に税務行政の問題でございますが、一昨日
財政演説の中にも特に触れておきましたように、納税の成績は昨年よりも今年、一昨年よりも昨年がだんだん向上して参
つておりますが、いまだ十分ではないのでありまして、私は今後とも
国民各位の納税の御協力を願いまするとともに、行政の刷新をはかりまして、苛斂誅求はもちろんのこと、喜んで納めていただく税をと
つて行きたいという
考えで進んでおります。