○田中不破三君 私は、民主党連立派を代表いたしまして、ただいま上程になりました三つの
法案に対しまして
賛成の
意見を表明するものでございます。(
拍手)次に、主な点につきまして簡單に
賛成の理由を
説明いたします。
まず第一は、
輸出が
原則として
自由貿易になり、また
輸入は、現在
政府によ
つて行われておりましたものが
民間貿易に切りかえられることになる点でありまして、いずれも
貿易の正常化に向
つて大きな道が開かれることとなるものと信ずるのでございます。
第二には、
外国為替予算が編成されることとなるのでありますが、これは
国際収支の均衡をはか
つて対外
信用を維持し、また一方、
わが国産業経済に至大の関係を有しまする
輸出入物資の需給の適性を確保するためには、きわめて適当な
措置であると存ずるのであります。しかも、この
予算のまことに
重要性を持つ点を考慮し、その作成には新たに
閣僚審議会を設けてその責に任ずることに定められたことは、きわめて至当であると存ずるのであります。(
拍手)
次に第三には、
基準外国為替相場の單一性、各
外国通貨について、正しい裁定
外国相場の決定維持等に関する事項が定められておりまするが、これらは、近き将来
わが国が国際基金協定に
参加を認められることを期待しての
措置として、まことに妥当なものであり、われわれは
参加の日の一日も早からんことを念願してやまない次第であります。(
拍手)
第四には、
外国為替の集中及び外貨の流出、またはその原因となる特殊行為に対する制限または禁止に関する事項でありまするが、
わが国の
輸入力、
輸出力から見まして、
国際収支の均衡をいかにはかるかは、現状においてはまことに重大感心事でありまして、相当嚴密なる対外支拂手段等を捕捉し、また
国際収支に悪影響を及ぼす行為を制限または禁止することは、これまたやむを得ない
措置信ずるのであります。(
拍手)
以上、簡單に
賛成の理由を
説明いたしたのでありまするが、この際本
法案の施行にあた
つて考慮を要する二、三の点について、
政府に希望を申し述べたいと存ずるのであります。
その第一は、本
法案には
政令、省令にまかされた事項が相当多いのであります。これは内外の
経済事情が急速に変転することを予想される現状では、やむを得ないことと思われるのでございまするが、これら
政令等の制定にあた
つては、極端なる取締りあるいは煩瑣なる手続等の制定に陥ることなく、
委員会における
政府の
答弁にありましたごとく、また本
法案の所期いたしておりますように、この
政令等への委任を善用活用されて、機宜に適した処置をとられんことを希望いたすものであります。(
拍手)
希望の第二点は、
本法施行後は、
民間輸入になりまする結果、
輸入業者に対する金融等に相当の困難が予想されるのであります。これは
経済安定委員会において深刻に
質疑の行われた点であります。その際の
政府の
答弁によれば、十分の覚悟と準備をも
つて対処せられておるようであります。私は、この
政府の態度に十分の信頼をいたし、万遺漏なき善処を期待するものであります。(
拍手)
第三には、
輸入しようとする者の
担保の
提供義務についてであります。その率等については、苛酷に失することのないよう適切な
措置をとられんことを希望いたすものであります。
最後に、
政府では本
法案のみならず、これに続いて関税その他各部門にわた
つて国際経済への
参加態勢を整えられるやに聞き及んでおるのでありまするが、せつ
かくその実現につきましては最善の努力をいたされんことを熱望いたすものでございます。
これを要するに、本
法案は、近く予想されまする
日本側への
外国為替、
外国貿易、
外国資金等の大幅移管に即応して
わが国内態勢を整え、ひいては
国際経済参加への一歩前進が始まることを示すものでありまして、民主党連立派といたしましては、この
法案の成立には満腔の賛意を表するものであります。
これをもちまして私の
賛成討論を終ります。(
拍手)