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1949-11-22 第6回国会 衆議院 本会議 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十二日(火曜日) 議事日程 第十三号     午後一時開議  第一 日本專売公社法の一部を改正する法律案内閣提出)     ————————————— ●本日の会議に付した事件  日程第一 日本專売公社法の一部を改正する法律案内閣提出公正取引委員会委員任命につき同意の件 国会会期延長の件 若槻禮次郎君の逝去につき弔詞贈呈の件(議長発議)     午後一時十八分開議
  2. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 日程第一、日本専売公社法の一部を改正する法律案議題といたします。委員長報告を求めます。大蔵委員会理事北沢直吉君。     〔北澤直吉登壇
  4. 北澤直吉

    北澤直吉君 ただいま議題となりました日本專売公社法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会におきまする審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、この法案提出されました趣旨につきまして申し上げます。現行の日本專売公社法におきましては、專売局から日本專売公社への移行を急速に行わなければならなかつた関係上、日本專売公社会計に関しましては、原則として日本專売公社を国の行政機関とみなしまして、従前の專売局事業会計に適用されておりました法令規定の例によるように規定しでありますために、公法人であります日本專売公社がその事業能率的な運営をはかります上に種々の支障があつたのであります。従つて企業能率的な運営をはかりますためには、財政法及び会計法等の国の会計に関する法令規定とは関係なく、日本專売公社の実体に即しました、合理的かつ能率的な会計制度に改める必要がありますので、今般日本專売公社法のうち会計に関する規定全面的改正を行わんとする次第であります。  次に、この法案要点について申し上げます。第一に、日本專売公社予算の執行につき、企業予算としての性格上、ある程度の弾力性を與えることといたしております。第二に、タバコ、塩及びしよう脳の三專売事業独立採算制趣旨を明らかにいたしますために、日本專売公社損益計算は、この三つの勘定に区分、いたしまして、おの損益を明らかにすることといたしております。第三に、日本專売公社の決算につきまして、その年度において固定資産、無形資産及びたな卸資産の額の合計額が増加いたしましたときには、これを積立金として留保することといたして、その経理取扱いを合理化することといたしております。第四に、日本專売公社は、その業務にかかる現金はこれを国庫に預託しなければならないのでありますが、ただ例外的に、現金を安全に取扱いますために、日本銀行を簡便に利用することができない場合には、郵便局または市中銀行に預金することができることといたしております。第五に、日本專売公社は、その重要な財産讓渡または交換しようといたします場合には、國会議決を要することといたしております。第六に、日本專売公社は、その役員及び職員に射して支給する給與につきまして給與準則を定めることを要することといたしておりますが、その給與準則は、国会議決を経ました予算の中で給與の額として定められました額を越えてはならないことといたしております。以上が、この法案提出されました趣旨並びにその要点であります。  この法案は、十月二十八日、本委員会に付託され、同三十一日、政府委員より提案理由説明を聽取し、十一月八日、九日、十一旧、十二日の四日にわたり質疑を行いましたところ、三宅委員より、公社になつてからの製造販売等に関する実績、公社資本金及び財産内容等について、川島委員より、タバコ民営に関する政府の見解及びその研究の経過タバコ値下げに関する見込等について、河田委員より、タバコ民営を考えている理由給與準則臨時工員給與との関係等について、深澤委員より、公社の本質的な目的、この法案タバコ民営との関係等について、林委員より、この法案における大蔵大臣承認を要する事項性質給與準則性質価格差補給金性質公社利益金職員に対する報酬との関係等について、内藤委員よりタバコ耕作面積の拡張とその割当方法等について、前尾委員より公社積立金及び長期借入金基準等について、さらに三宅委員田中委員深澤委員北澤委員河田委員内藤委員より、給與準、則の内容タバコ耕作者に対する物資配給従業員に対する給與等について、また田中委員河田委員林委員より、臨時工員に対する給與公共企業体労働関係法第十六條との関係等について、委細を盡して質疑がありました。以上の質疑に対しまして水田大蔵政務次官、冠本日本專売公社監理官及び曽田日本專売公社総務局長より、本法案タバコ民営の問題とは全然関係ないこと等それぞれ答弁があり、愼重に審議いたしました。  次いで、十一月十九日討論に入りましたところ、前尾委員民主自由党を代表いたしましてこの法案公社として弾力性を持たせるところにねらいがあり、專売公社への移行伴つて当然改正すべき手続法であり、異議を申すべき筋合いではない、なお希望としては、将来検討されて、よりよい法律にされたいと述べて賛成の意を表せられ、田中委員社会党を代表しまして、公社経理独立採算制に基いて制定さるべきものであり、また弾力性のあるものとすべきであるのに、この法案では、これらの点が没却されている、よつて最小限度修正として、第一に、大蔵大臣公社の作成した予算を調整するにあたつて企業能率的な運営に留意しなければならないという條項を加えること、第二に、予備費を使用しても不足のあつた場合には、予算の範囲内で收入増加額を経費に使用することができるという條項を加えること、第三に、利益金増加分については、職員厚生施設その他の福利増進に使用するという條項を加えること、第四に、公社の重要な財産は、担保に供し、もしくは貸し付けようとするときにも国会議決を要するという條項を設けるとと、第五に、給與準則国会議決を経た予算内で定められた額を越えてはならないという趣旨條項を削除すること、以上の五点の修正を希望するが、右修正は諸般の関係上不可能とのことであるから、この法案には反対する、と述べて反対の意を表せられ、宮腰委員民主野党派を代表しまして、この法案能率的な経理制定しているものであるが、所期の改正目的を達するために経営上の努力を希望する旨を述べて賛成の意を表せられ、河田委員共産党を代表しまして、この法案では依然として大蔵大臣権限が強く、民主的な能率を発揮することができない、また給與を低くし、賠償金を低くすることがこの法案で強化されている旨を述べて反対の意を表されたのであります。  次いで採決に入りましたところ、起立多数をもちましてこの法案は原案の通り可決されました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  5. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 討論通告があります。これを許します。松尾トシ子君。     〔松尾トシ子登壇
  6. 松尾トシ子

    松尾トシ子君 私は、ただいま上程になりました日本專売公社法の一部を改正する法律案に対しまして、日本社会党を代表して反対意見を述べさせていただきます。  本案目的は、日本專売公社法にある精神を十分に発揮いたし、かつ專売公社運営大蔵省直接的運営干渉を排して、その経理独立採算制に基いて制定され一しかも弾力性のある公共企業体会計として、従来の性格を一変せしめ、公社能率的な事業発展をはからねばならないと言つておりながら、委員会において詳細に質問いたしてみますると、その内容は、まだまだ大蔵省の拘束を受け、その独立性を全然抹殺せんとしている向きが見受けられるのであります。こうしたことは、まことに遺憾と存じます。  專売公社タバコ專売によつてあげる益金一千二百億円は、国庫に納められて国の台所を養います。国家財政の四分の一をまかなうこの益金は、年々ふえればとて減ることはありません。独立採算制の立場からするならば、こうした労働の成果から来る利益、すなわち生産原価の引下げ並びに販売増加から来る益金増加等労働者努力による予定原価、あるいは予定売上げ増加によつて生ずる利潤は、もつともつと公社職員給與に振り当てたい、あるいは職員福祉施設に振り当てるべきだと思うのであります。特に臨時工給與がはなはだしく低いので、均衡がとれるようにすべきだと考えるのであります。またこの職員待遇が、他の公社職員よりもまさればとて、劣るということは遺憾に思うのであります。繰返して申しますれば、本改正案全收益、全納付となつているので、職員の労に報ゆることを忘却されがちなのであります。すなわちこの点において、給與一切のくぎづけの意図が見受けられるのであります。  給與基準制定することについては、おのおのの手続によつて決定するといたしましても、事業年度予算、しかも当該決定予算以外、給與に関する限りの流用を許さないとなつておりますが、給與決定手続等から考えまして本項は公共企業体労働関係法第八條、同法第十六條等すべて公共企業体規定せられる事項に抵触しているし、特に公共企業体労働関係法制定精神としまして、罷業権にかわる権威ある団体交渉、あるいは同法に規定せられた調停委員会任務等すべてを奪つているように思われます。このことは、ひとり労働者の生活の権利を侵害するのみならず、公共企業体労働関係法上の権威ある機関権限を侵害するものであります。  次に重ねて申し上げたいことは、この企業におきましては、予備費不足の場合において弾力性を加えることこそ、真に專売公社精神にのつとつた專売企業発展を期し、国庫財政の大いなる一端をになえるものと考えますが、本法案はこの弾力性に欠けているように思われますので、ここに反対の意を表明するものでございます。(拍手)     〔河田賢治登壇
  7. 河田賢治

    河田賢治君 私は、ただいま提案されました日本專売公社法の一部を改正する法律案に対して、日本共産党を代表して反対意見を表明するものであります。  提案されてある理由として、今日までの公社を国の行政機関とみなすことから、企業能率的な運営をはかるため公共企業体会計制度に改めるのが根本理由とされております。しかしながら、それは單に会計の技術上のことでありまして、つまびらかにこの法律案を見れば、依然として大蔵大臣権限が強化され、あるいは温存され、たとえば第三十四條の二項の公社予算に対しての大蔵大臣必要調整といい、あるいは国会議決された予算に基く資金計画の変更といい、あるいは流用に対する大臣承認等が、これを証明しておるものであります。この結果、タバコにつきましては、世界一のまずいタバコ、世界一の高いタバコが、すなわち税金目的として千二百億を收奪し、しかも現在の光が昔のゴールデンバツトと同一なものとなつておるのであります。従業員諸君の、高級タバコ原料、あるいは香料、あるいは糖分等大衆タバコの方へまわせ、そうして品、質の向上をはかれという要求等も、徹底的に今日ふみにじられておる。依然として、こういうふうに世界一のまずいタバコ、そして世界一の高いタバコを売りつけられておるのであります。  吉田総理大臣は、今日、いつも新聞で見ますと葉巻を吸つておられるので、このまずいタバコがおわかりにならないと思う。(拍手)しかし、このまずいタバコ、高いタバコは、現に民主自由党内閣そのもの責任だと私は思うと在一事いくと言つてタバコ民営に移して行く、あるいは外資の導入をはかるという計画が、今日内閣諸君によつて行われておる。特に総理大臣がそうであります。水田政務次官は、大蔵委員会において、日本タバコ事業民営に移す、次に電気通信あるいは国鉄等も今後民営に移して行きたい、これが民主自由党の第一の政策で、その第一歩としてタバコ民営をやりたいということを言われている。しかしながら、現にまずいタバコ、高いタバコをつくつている、こういう自分自身責任を回避しているということが、われわれは問題である。  かつて中華民国におきまして、御承知のごとく米英タバコ、トラストによつて、数百名の労働者農民が、いかにあの植民地的な搾取のもとに苦しんだか、この歴史を皆さんは想起する必要があると思うのであります。(拍手)こういうふうにして、今日民主自由党総理たちは、自分でまずいタバコを吸わずに、国民にはまずい、そして高いタバコを押売りし、責任を回避して、そしてこのような法律案を出して来ている。従つて、この法案のごとく、従業員の輿論や能率向上をはばむ経理こそ今後徹底的に企業経理に切りかえ、行政的な経理を廃止することが、われわれ、は必要だと思うのであります。  現に従業員報奨金等におきましても、四半期ごとでなければこの報奨金が下つて来ない。従つて、月々もろうべき報奨金がもらえない。そのために、生産能率向上を今日においても阻止しているのであります。この点が、この会計法においても、やはり依然として改められない。また、今日農民のつくります葉タバコ賠償金が非常に低いために、たとえば茨城県の北、部地方におきましては、貧農がタバコ耕作を放棄しつつあるという実情にあるのであります。ここにおいて、真に企業採算原則沿つて大蔵大臣権限強化を廃止し、公社の独自的な、創意的な性質を発揮させるということが必要であります。これが反対理由の第一点であります。  第二の反対理由は、職員給與準則を定め、予算で縛りつけることであります。これこそ、職員の低賃金労働強化をはかる以外の何ものでもないのであります。吉田内閣定員法制定しまして、專売職員三万八千百十四名と人員を制限しましたが“しかし千二百億円のタバコ税金を取立てるためには、これだけの人間では、とうていこの予守通り生産を続けるととができない。従つて労働者に対しましては、本年は一人当り五百十時間の超過勤務を押しつけております。それのみでなく、二千八百名に余るところの臨時工を、今日毎日採用しておる。しかもこの臨時工は、普通の工員よりも給與が低い。またいろいろ配給物資においても差別待遇を受けて、配給物資がもらえない、こういうような状態にある。  たとえば一般の工員にしましても、二十九年間勤続して、そして四十七才の男子で、わずかに六千六百円しかもらつていないというような、きわめて低賃金なのであります。いわんや臨時工においては、さらにこれをはるかに下まわることは言うまでもないのであります。毎日二千名近くの人員を常用的に採用しながら、そしてこの專売の予算を遂行するために、どうしてもこれだけのものを生産するときに、いかに定員法が残酷な首切り法であつたかということ、そうして今日の実情に即していないものであつたかということは、この專売公社臨時工を毎日二千八百名も使つているということによつても明らかになるのであります。(拍手従つて、この改正案給與準則制定が、さらに一層の労働強化と低賃金予算にひつかけて縛るものであり、能率が最近向上しておりまするが、予算面で縛られまするから、この能率向上伴つて、これを労働者の方に報奨的にまわすということもできない。こうして、この法律によりまして、現在の吉田内閣日本勤労大衆に対する低賃金政策の一環が、明白にこの法律の中に盛り込まれておるのであります。  このようにして、この日本勤労階級の低賃金、並びにタバコ耕作者が、特に肥料は上り、しかもタバコ賠償金は米価とともに低い算定のもとに供出を強制されているということ、こういう事実から出発しまして、この法律案は最も反動的なものである。従つてたちは、この四万の従業員並びに六十万のタバコ耕作者、並びに全国のタバコを愛用するところの国民にかわつてタバコを現在の内閣が考えておるより以上に徹底的に値下げすること、タバコの品質の向上をはかり、そうして働く諸君のこの給與を十分考慮することを要求して、私は反対理由とするものであります。(拍手
  8. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本案委員長報告は可決であります。本案委員長報告の通り決するに賛成諸君起立孝求めます。     〔賛成者起立
  9. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本案委員長報告の通り可決いたしました。      ————◇—————
  10. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 内閣から、公正取引委員会委員赤木曉君を任命するため本院の同意を得たいとの申出がありました。右申出の通り同意を與えるに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  11. 岩本信行

    ○副議長岩本信行君) 起立多数。よつて本院同意を與えるに決しました。  この際暫時休憩いたします。     午後一時四十四分休憩      ————◇—————     午後三時四十一分開議
  12. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 休憩前に引続き会議を開きます。      ————◇—————
  13. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) お諮りいたします。今回の会期は明日をもつて終了することになつておりますが、明後二十四日より十一月三十日まで七日間会期を延長したいと存じ、これを発議いたします。  本件につき発言通告があります。これを許します。林百郎君。     〔林百郎君登壇
  14. 林百郎

    ○林百郎君 私は、日本共産党を代表しましてこの会期延長反対いたすものであります。その理由は、そもそもこの臨時国会は、すでに四月ころから、民自党並びに政府によつて補正予算並びに税制根本的改革案を出し、もつて国民負担を軽減するという公約に基き予定されておつたものであります。しかるにもかかわらず、野党の連合による要求を無視して、政府並びに與党は、この臨時国会を先月二十五日に至つて初めて召集するに至つたのであります。もし與党にして、あるいは政府にして十分公約に対する責任感があるならば、この臨時国会召集そのものを、もつと早く、十分審議をし終るだけの期間を予定して召集すべきものであつたと思うのであります。この点において、すでに與党並びに政府が、いかに公約に対する責任感がないかということを、如実に物語つておると思うのであります。  その次には、予算案税制案提出でありますが、この第六臨時国会が二十五日に召集されているにもかかわらず、予算並びに税制法案提出は、十四日に至つてなされておるのであります。この間政府は、いろいろと口実を設けておるのでありますけれども、すでに本年の四月において公約しておるものならば、臨時国会召集と同時に提出するのが当然のことであります。しかるにもかかわらず、臨時国会召集されながらも、この予算案税制案提出がかかる遅延を見ているということ自体に対して、明らかにこの責任政府並びに與党にあるものと考えるのであります。その各、われわれは、この第六臨時国会におけるところの審議の模様を見ますに、吉田首相を初めとして、政府がいかに国会を無視しておるか、(拍手)この国会無視のために、いかにわれわれの審議遅延しているかということは明らかであります。一例を申しますと、十六日のごときは当然——吉田首相施政演説において、細かい経済的な施策については池田大蔵大臣財政演説において具体的に説明されるから、その後に自分は十分の答弁をするということを言つておるにもかかわらず、吉田首相は、池田大蔵大臣財政演説において…(発言する者あり)もし諸君がそういうことを言うならば、吉田首相は、池田蔵相財政演説において具体的な…。     〔発言する者多し〕
  15. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 静粛に。
  16. 林百郎

    ○林百郎君(続) 具体的な説明がされるということが言われておつたのであります。従つてわれわれは、吉田首相みずから答弁するしないにかかわらず、とにかく十六日のわれわれの財政演説に封ずる質問に対しては、当然国会に出席しておるべきがしかるべきであります。しかるに吉田首相は、外人との会合を理由にして、当然出席すべき国会に出席しなかつた。このために、十六日はむだに費されてしまつたのであります。しかも、翌十七日の予算委員会におきましては、この吉田首相の欠席に対する責任を追究したところ、これまた與党予算委員長の技術的なまずさのために、十七日の予算審議も流れざるを得なかつたのであります。かかる、吉田首相初與党の、国会を無規し、多数にものを言わせて、むりをしようとするところにこそ、この国会審議が遅れる大きな理由があるのであります。(拍手)しかもわれわれは、大蔵委員会におきまして税制法案審議をしておるのでありますけれども、政府は、何らわれわれ国会議員審議に資するだけの資料提出しておらない。いくらわれわれが要求しておつても、資料がないとか、あるいは準備中であるとか言つてなかなかこの資料提出しない。ここにも、国会におけるところの法案審議遅延の大きな理由があるのであります。われわれは、かかる首相を初めとして政府並びに異常の怠慢と国会無視のために会期が切迫した、この諸君らが当然負うべき責任を、われわれ野党は断じて負うべき必要はないと思うのであります。  しからば諸君は、予算はどうするのだ、あるいは税制法案はどうするのだと言いますけれども、この第六臨時国会に提案されているような、かかる買弁的な、あるいは大衆收奪的な予算は、これはむしろ通らない方が国民には喜ばしい。しかも税制法案については、吉田内閣は、この税制法案によつて大衆負担を軽減すると言つておきながら、勤労所得においては五十億を減税して、一方には九十億の増徴をしておるのであります。かかる、公約を無視し、一片のあめをしやぶらせることによつて大衆を欺瞞するようなこの税制法案が通過しなくとも、大衆はむしろ喜ぶと思うのであります。  かかる意味におきましてわれわれは、政府並びに與党責任をわれわれが負う必要がないということと、予算並びに税制案の、かかる大衆を欺瞞するような法案を通過さすために、われわれは協力する必要がない、かかる理由をもつて共産党は、この会期延長に対して断固反対するものであります。(拍手
  17. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 他に御発言もなければ、ただちに本件採決に入ります。会期明後二十四日から十一月三十日まで七日間延長するに賛成諸君起立を求めます。     〔賛成者起立
  18. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 起立多数。よつて会期は七日間延長するに決しました。(拍手)      ————◇—————
  19. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 一昨二十日、元の立憲民政党総裁にして、かつて内閣総理大臣国務大臣として、また貴族院議員として、憲政のために盡されました若槻禮次郎君が逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。つきましては、本院は院議をもつて弔詞を贈呈することとし、その弔詞議長に一任せられたいと存じます。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 幣原喜重郎

    議長幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。  ここに議長において起草した弔詞を朗読いたします。  衆議院ハ多年憲政ノ為二盡瘁シ屡、国務大臣重任ニアタリタル立憲民政党総裁貴族院議員正二位勲一等若槻禮次郎君ノ長逝ヲ哀悼シ恭シク弔詞呈ス この弔詞贈呈方議長においてとりはからいます。  本日はこれにて散会いたします。     午後三時五十二分散会