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竹山祐太郎君 私は、新
政治協
議会を代表して、ただいま
議長から許可のありました
国際小麦協定参加についての
政府の所見をただしたいと思うのであります。
本日の新聞の報ずるところによれば、十一月一日に開かれるロンドンの
会議に
日本の代表が本日出発をするとのことであります。この国際小麦協定の問題は、われわれ食糧問題に悩む
日本国民全体の重大なる関心事であります。これを、
政府はきわめて手軽に協定参加のことに
決定をいたしたようでありますが、われわれは、
国会として今日初めてこの問題について論議する
機会を得たのであります。
元来、今日までアメリカの援助によ
つてわれわれが終戰以来餓死を免れて来たことに対して、
お互い心から感謝をいたすことはもちろんでありますし、また今回のこの協定参加に対しての絶大なる援助に対しても、われわれは心から感謝をするものであります。この協定参加によ
つて、
日本の今後の食糧政策が一体いかなる状態になるであろうかということは、生産者はもとよりのこと、消費者とともに、国民は重大なる関心と心配をいたしておるものであります。
従つて、この際出発にあた
つて、
政府が考えております今日までの経過と所見を伺いたいのであります。(
拍手)
日本が今置かれておる食糧事情からいたして、不足した食糧の輸入の懇請をいたさなければならぬことは論をまちませんが、これを一体南方より求めるのか、またアメリカを初めその他から求めるのか、米と小麦との関係は
日本の貿易政策ともきわめて重大な関係を持つものと考えますが、この小麦協定に伴
つて南方の米との関係、
従つて昨今論議されておるポンド地域との通商協定との関係については、
政府はいかなる考えと、いかなる計画を持たれておるのであるか、この点を十分に承
つておきたいのであります。
最後に、われわれが心配をいたしており、また農民
諸君が心配をいたしている点は、この食糧輸入と今後の国内食糧生産との関係であります。一体今の
政府は、国内生産に対して、はたして確固たる政策を持たれているのであるかどうか、昨今現象的に現われておりまする米券制度といい、いもの統制緩和といい、いずれも国内農民を惑わすだけであ
つて、はたしてこれによ
つて国内食糧生産の確保が期待し得るのであるかどうかということであります。(
拍手)この点を十分伺
つておかなければ、国民は安心をいたしません。先のことは先だというわけに行かない。
一体、この協定に参加すれば、四、五年の間はこれに縛られるのでありますから、今年の單なる豊作とか、そういう一年だけの問題ではないのであります。
従つて、われわれが今この問題を論議することは四年ないし五年の将来に対する
政治的責任を持つことでありますから伺
つておきたいのであります。(
拍手)われわれが心配をいたしておりますることは、今農村のためにと
與党の
諸君が心配をしておられるいろいろなことが逆の結果にな
つて、農村は食糧生産に対して非常な危惧の念を持ちつつあるという現状をいかにお考えにな
つておられるか、この点については農林
大臣の明確なる国内食糧生産に対する確信を伺
つておきたいと思うのであります。ただいま農林
大臣にも私は御
答弁をお願いいたしておきましたが、お
見えになりませんから、後刻別の
機会に御
答弁を願うことといたして、以上
簡單でありますが、私は今日出発にあた
つての
政府の所見を伺いたいと思
つた次第であります。(
拍手)
〔
政府委員川村松助君
登壇〕