○川上
委員 政務次官は結局どうお考えになるのか。これは私が野放しと言うたと言われましたが、ま
つたくその考えがある。そうなりますというと、ますます今の外資の問題と関連いたしまして重大だと考える。私なんかの心配するところは、
日本のこの鉄鋼業、一番
基礎産業である鉄鋼業は、従来といえども
国家の保護育成のもとに初めて今日を来した。ところがこの困難な
状態に
なつておるときに、これを私の言葉で言えば野放しにするということになれば、政務次官は外資の問題も考える。しかし
政府は入れるつもりはないが、
民間において自由に入るということについては、
政府の関する限りでない、こういうことなんである。と同時に今の日鉄法は当然きのうも通産大臣が言われる
通り廃止されることは明かだ。自由経済の方向に行
つておるのですから、これは明らかだ。そうすると
日本の基礎的な工業である鉄鋼業。こういうものが
日本における自立性を失う危險が非常に多い。このことは言葉のいかんにかかわらず現実的にはそこにならざるを得ないと思う。たとえばこれはあとで
質問いたしたいと思うが、
日本の
石油産業のごときはほとんど外資に押えられて独立性を失
つてしま
つておる。
石油のごときは非常に重要な
日本の自立
産業の基礎なのである。ところがこの鉄鍋業がまたその轍をふむ危險があるということを、はつきりこれは見なければならぬ。また
政府はそれを予想しておられるだろうと思う。聞くところによると日鉄広畑のごときは外資との
関係で、
吉田首相側近の方々が
相当活躍しておられるということを巷間伝えておる。真偽のほどはわれわれ知りませんけれども、
吉田さんならやりそうなことだと、みんなこう思
つておるからこういう説が出て来るのであ
つて、これが実際の腹のうちだろうと思う。これは非常に危險だと思う。しかしそのことは今政務官が
答弁せられたことで、非常に明らかにな
つたのでありますから、あえてそれ以上私は追求いたしませんが、非常に危險なやり方であるということだけは重ねて私は申し上げておきたい。それについて今の
資金の
調達の問題でありますが、漸次にこれを
民間に拂い下げて来る。こういうことになりますと、なぜこの
法案をこういう一部改正をするかというと、それは財政問題が中心に
なつておるからである。この改正
法案は、
日本の鉄鋼業を自立復興するために必要だからという理由ではない、財政上必要だからこれをやるという。漸次にこれを売
つてお
つたのでは、とても財政上には役に立たぬ。どんどん売らなければだめだ。漸次に五年、十年十五年もかか
つてちびりちびり売るつもりですか、あるいは財政上短かい期間に
処分するというのですか、これはどうなるのですか。