○龍野
委員 本案について二、三御所見を
ただしたいと存ずるのでありますが、わが党の大方針に基きまして、先般の臨時
国会におきまして、出先機関の廃止をやつたことは皆さん御
承知の
通りであります。その際にも問題に
なつたのでありますが、廃止してそれをどういうふうに持
つて行つて、国の仕事を支障なからしめるようにするかということは、その当時も問題に
なつたのでありますが、そういう
意味におきまして、党内においても、当時の商工局あるいは陸運監理局の出張所を廃止することについては、必ずしも賛成しない、反対であるというような意見もあつたのであります。しかしながらわが党の大方針のために、われわれといたしましては、この廃止に賛成いたしたということに
なつたのであります。その当時も
議論があつたのでありますが、もしもこの出先機関を廃止して、その仕事を府県知事にゆだねるという場合に、府県議会の勢力に左右せられて、その結果貴重なる資材が有効適切に流れないではないかという心配もあつたようであります。そういう心配のあまりこのたび特別に主務大臣に取消権、あるいは停止権を認める
法案を
提出せられたのであろうと思いまするが、よく
考えてみますると、一旦まかした以上に知事を信頼するというのが、
ほんとうの建前ではなかろうか。相手方を疑
つてまかせるということは、個人の場合にもあり得べきことではない。ましていわんや堂々と
国民の信望をにな
つて選出せられた知事がやられることでありますから、その知事を信頼するというような態度をと
つてこそ、初めて
政治の円満を期し得るのではないかというふうに存ずるのであります。ゆだねる側から見ますれば、非常に心配の点もあるかもしれませんが、そういう見地の上から
政治をや
つて行くべきではないかというふうに存ずるのであります。そういう
意味からながめますと、本
法案が特別に主務大臣に対して取消権あるいは停止権を認めるということが、
政治全般の立場から見まして、いかなるものであろうかというような疑問を持たせるのであります。また実際問題といたしまして、物資は知事が割当をいたしましてから、
ただちにそれを現物化する。現物化した後に取消してみましても、あるいは停止をいたしてみましても、たとえばガソリンのごとく、消費されてしまつたものを取消してみましても、あるいは停止をいたしてみましても、はたして実際の効果があるかどうかということも、はなはだ問題になるのではなかろうかと存ずるのであります。私が自己の見地から申しますならば、割当は大体四半期ごとにや
つておるのであります。従
つてある県知事が本省の方針に従わないで、その物資を割当てるというような場合には、次の割当において補正し得る道は幾らでもあろう。すなわち行政措置によ
つて事実上、知事を監督する道はあるであろうというふうに想像されるのであります。従いまして多くの場合知事は、よほどの事情のない限りは、本省の意思に反して物資をほしいままに流すということは、なかろうと存ずるのであります。従いまして、本法に特別に取消権あるいは停止権を認めてまでそういう特例の、一方から見ればちよつとおかしいような
法律までもつく
つて、大臣に権限を保留するがごときことは、御心配いらないのではないかというようなことも
考えられます。それからもう一つは、もしもしいて心配があるならば、
地方自治法にある一般監督規定をも
つて監督し得るのではないかというような点も疑問に思われるのであります。そういう点について当局の御見解をお尋ねするわけであります。