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1949-11-26 第6回国会 衆議院 地方行政委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十六日(土曜日)     午前十一時十二分開議  出席委員    委員長 中島 守利君    理事 大泉 寛三君 理事 川西  清君    理事 川本 末治君 理事 野村專太郎君    理事 藤田 義光君 理事 田中  豊君       大内 一郎君    河原伊三郎君       龍野喜一郎君    大矢 省三君       門司  亮君    床次 徳二君       谷口善太郎君    鈴木 幹雄君  出席政府委員         地方自治政務次         官       小野  哲君         (地方自治長連         絡行政部長)         総理府事務官  鈴木 俊一君         (地方自治庁財         政部長)         総理府事務官  荻田  保君         大蔵政務次官  水田三喜男君         (主計局長)         大蔵事務官   河野 一之君  委員外出席者         專  門  員 有松  昇君         專  門  員 長橋 茂男君     ————————————— 十一月二十五日  委員福田篤泰君辞任につき、その補欠として龍  野喜一郎君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方配付税法特例に関する法律の一部を改正  する法律案内閣提出第三六号)  地方行政調査委員会議設置法案内閣提出第三  七号)     —————————————
  2. 中島守利

    中島委員長 これより会議を開きます。  まず地方行政調査委員会議設置法案内閣提出第三七号を議題として質疑を続行いたします。この法案に対して御質疑があれば、この際昨日申し上げた通りお許しいたしたいと思います。別に御質疑はありませんか。——質疑がありませんければ、本案に対する質疑はこれをもつて終了いたします。  これより討論に入ります。野村專太郎君。
  3. 野村專太郎

    野村委員 民主自由党代表しまして本案に対する所見を述べます。地方自治を拡充強化して、国政を民主化して行きますのは、憲法の基本的の考え方でありまして、しかも今回来朝したシヤウプ勧告によつて地方自治団体をさらに強化して行こう。こういうことによつて画期的な税法改正等も取上げられるときにあたりまして、現在の地方公共団体実情を見ますると、必ずしも憲法の指向しておる方向とは一致しないうらみがあるのであります。そういう点から国のやるべき事業都道府県、それから自治団体の第一の対象である市町村の事業分量を再検討しながら、その機構考えて行くために、地方行政調査委員会議設置法によてこれを設置することは、まことに適切であると考えるのでありまして、民主自由党としては全面的にこれに賛意を表するもりであります。しかし機構内容におきましては、委員会調査に関しては二十人分の專門調査員を配るとか、また職員六人をもつて一応充てるというようなことでありますが、これだけの画期的な委員会使命とにらみ合せて行きますと、非常にその職員の配置が当を得ていないように考えておりますので、こういう点は実際の面から考えまして、大いにこれを充実して行かなければならないと考えております。こういう点にありまするが、全体の考え方そのものに対しては最も時宜を得たものと思いますので、民主自由党原案賛成する次第であります。
  4. 中島守利

  5. 門司亮

    門司委員 この法案に関しましては、大体質問その他で立案された趣旨もわかつてつたのでありますが、ただ非常に遺憾に考えておりまする点は、先ほど野村委員からもお話のありました通り、その内容がきわめて貧弱である。しかも法案の示しまする使命はきわめて重大であつて、また時間的にも非常に短い時間に処置が行われなければならないというような、地方自治行政の上にきわめて重要な役割を演ずる法案であるにもかかわらず、その内容が非常に貧弱であつて、とうていこの法案の実施は困難かと、われわれは考えておるのであります。しかし一方またこの会議設置されることによつて政府当局答弁によりまするならば、内閣にありまする、たとえば内閣行政制度審議会であるとか、あるいは地方制度審議会であるとか、各種の委員会整理統合も行われるというようなことも、答弁の中にあつたと思うのでありまするが、かくいたしまして、内閣にあるいろいろな委員会整理が行われ、そうして地方行政調査委員会議が一本の姿において行われるようなこができまするならば、われわれもきわめて幸いだと思うのであります。従いまして私ども本案に対して反対意見を申し述べるりではございませんが、この法案が施行されまするならば、すみやかに内閣における雑多の委員会整理を行つていただきたい。そうして、不必要とは申し上げかねますが、われわれから見るならば屋上屋を重ねるような制度、手続をやめて、こういう委員会が十分それらのものを含めた活動のできるようにしていただきたいと思います。さらにわれわれといたしましては單にこれが従来の委員会のような形において調査したものが政府に勧告される。あるいは国会にこれが勧告されるというだけでなくして、その内容は実行することのでき得るだけの調査研究をぜひしてもらいたい。往々にしてこういう調査機関というものは、單なる調査機関てあつて、いたずらなる政府諮問機関に過ぎないような形になりやすいのでありますので、その点を当局は十分考えていただいて、そうしてこの法案に示されておりまするきわらて重要な使命の達成のために、全力をあげていただきたいということを、私に強く要望いたしまして、賛成意見を申し上げるのであります。と同時に字句の訂正その他、まだこの法案内容等については、多少の意見もあるのでありまするが、一応本案はやむを得ざる今回の処置として賛成意見を申し述べておく次第であります。
  6. 中島守利

    中島委員長 次は床次
  7. 床次徳二

    床次委員 民主党代表しまして本案に対する意見を申し述べたいと思います。  今日まで私どもたびたび、述べたのでありまするが、この会議はまことに重要な使命を持つて生れたものでありまして、すなわち日本地方自治を完全に育成したい、またこれに対する必要な処置をとるところの根本をつくる機関であるのであります。将来のわが国の行政上、中央地方を通じまして大なる影響を與えるものと信じます。従つてこの会議組織に対しましては、十分愼重審議を要するりでありまするが、私はこの原案に対しましてまだまだ修正を要する点があるのを見るのであります。すなわち本会議は最も独自性を持ち、しかも公平なる意見を持ちまして、その結論を出すべきであるのであります。政府におきましてもその趣旨を強調しておるのでありまするが、依然として内閣付属機関のごとき形式をとつておる点があるのでありまして、満足はできないと思つておるのであります。でき得るならば修正いたしまして、これを直接国会に帰属せしめ、そうしてその意見をただちに法案として反映せしめる。また国会そのもの立場上よりいたしまして、国会の最も重要なる使命を、これによつて完全に果し得るがごとく規定するが、当然であろうかと存じておるのでありまするが、今日の状態におきましては、この論議を結論までいたす十分な余裕がないのを、はなはだ残念に思うのであります、政府におきましても、ただいまのわれわれの希望というものを十分ごしんしやくされまして、今後この会議の運営につきましては、国会活動が支障のないように、すみやかにこの委員会議結論調査内容等につきましては絶えず国会に対して報告し、また国会活動に資せられて、国会りつぱな将来の方針を確立するということのできるように、この役割を果さしめるように政府として努力されんことを要望するものであります。  なおこの結論出しますることは、実は時間的に非常に急いでおるのであります。将来の地方行政が、財政とともに新しい機構の中に生れかわるのでありますが、この改正が早ければ早いほど、それだけ地方行政といたしましては、りつぱになり得るものと私は信ずるのでありまして、その点におきまして一日もすみやかにこの会議が成立して、そのりつば結論を出されるように要望する次第であります。なおこの法案の形によりまして会議設置せられましたあかつきにおきましては、それをもつて満足すべきものではなく、やはり国会自体におきまして十分この問題について研究し得るがごとき機構を整備し、新しい委員会あるいは事務局等国会に設けられて、この問題を政府とあわせて研究する措置を講ぜられんことを要望するものであります。  以上民主党意見を申し述べまして、本案賛成する次第であります。
  8. 中島守利

    中島委員長 次は谷口君。
  9. 谷口善太郎

    谷口委員 日本共産党本案反対であります。地方自治体と国との事務上のいろいろな問題の処理及び財政、境界その他非常に重要な問題を民主的に整理するために、強力な調査機関をつくつて急速に目的を達するということにつきましては、私ども賛成でありまして、ぜひそうやるべきだという考えを持つております。従いまして第五国会の後にも地方行政地方財政警察制度その他についての継続審査といたしまして、本委員会が相当活動したりでありまして、これに賛成したのもそういう意味で、地方制度全般にわたる非常に進歩的な改革をなすべきだという考え調査すべきだという考えから出たのであります、そういう点で今史政府地方行政調査委員会議というのをつくるという御趣旨につきましては、私ども反対するものではありませんし、大いにこれを迎えるものでありますが、ただ残念なことには、政府が所期される目的がこの法案に現われる委員会でに、とうてい達せられないと私ども考えますので、この委員会設置反対するのであります。第一に本委員会は第二條に規定してあります通り国家行政組織法による総理府の一機関としてつくられるものであります。政府の御答弁によつてどもの了解したところによりますと、この委員会議政府から独立した、自由にそれ自身意思を決定し得られる強力な調査機関にすると言つております。私どもにこの政府の意図をそのまま受取つてよいと思いますが、私ともの考えるところによりますと、こういう政府部内につくられた一機関としての委員会は、従来の経験から見ましても、とうてい強力な活動ができないと思います。この調査会議はもちろん現在自治庁内部にある自治委員会議というものと性質を異にしておりますけれども委員構成及び選挙のあり方という点から見て、そうかわつていないのではないかと思います。ところが今この自治委員会議というものの功績を考えてみましても、まつた政府のあごに使われてしまつて地方自治団体の利害を率直に代表して、強力に政府に発言するというような力をまつたく持つておりません。これはたまたま委員長自身がその委員の一人として感慨を漏されたところでありまして、こういう政府部内の一機関となつた場合に、それができないのが残念ながら日本の現在の政治家あり方ではないか、あるいは政治あり方ではないかと私どもは思つている。この委員会を見ますと、御承知通り政府の一機関であるばかりではなしに、附則の三項にありますごとく艇長地位衆議院及び夢瞬蹄事務総長と同じに置かれ、事務員につきましてもわずかのものでありまして、とうていこういう機関で困難な大きな仕事はできない。繰返すようでありますけれども、これは実に大きい仕事でありまして、私は地方制度に対する新しい憲法をつくるほどの大きなよのではないかと思う。自治法はできておりますが、あの自治法に基いての実際の行政上の事務整理をやるという点では、ひとつの革命的な仕事をなすべき、機関であります。しかるに大臣以下の地位を持つような、その議長がこれを統率し、しかもわずかな人間でやつて行こうとする、まつたくおざなりのものに過ぎない観点では、第一この委員会議としての職責を十分果されないと思う。  第二の問題は、人選の問題であります。これも自治委員会議と同様でありまして、地方団体代表者が推薦する者及び政府の任命する者となつておりまして、従つて自治委員会議と少し違いますのは、各地方団体代表者であるというのではなくて、各地方団体がこの人がよいだろうというので推薦した人という、その相違があるだけでありますが、しかし結局まわりまわつて整理したり、あるいは整理されたりする当事者でおる団体政府との寄合いに過ぎないのであります、これは当事者といたしまして、おそらく今立での慣例、あるいは慣習から見ますると、なわ張り争いというだけで、まつたく力の眠い、強力な支配権を持つておるものに支配される結果におちつかざるを得ない。こういう点で、こういう人選の仕方では、私どもにまつたく強力なものになり得ないように思う。またこの委員に対する住民もしくは国民の意思を反映するようなリコールの制度は、もちろん設けられておりませんし、やはりこの委員会議を強力にするという点では、この人選のやり方に私ども賛成しがたいのであります。私どもは非常に重要な問題を今議論しており、非常に重要な問題の解決のための調査機関をつくろうとしておる。でありますから、ここで私どもはよ、考えたいと思う。先ほど床次さんからの御意見もありましたが、委員長もそういう御意見のようでありますし、私どもといたしましては、政府内部機関でなく、国会の中の各党の意思がそのまま反映する、つまり当時者でない、政治政治として客観的に見るところの各政党の意思が直接に反映するような、そういう特別の強力な機関をつくる、国会自身がこの機関を持つて、当面しておりまする重要な問題の処理の任に当りたい、こういうふうに考えます。従いまして、できるならば、というよりも、政府本案を撤回されまして、そうして国会内に強力な特別委員会をつくり、そうして専門的な有数な人々を国会立場から選びまして、事務局をつくり、これによつて急速に、半年なり一年なりの間に、この問題を解決するような、そういう原案を見つける活動をやるべきであるという意見を打つております。幸い委員長はそういう意見をお持ちのようでありますので、本案共産党反対いたしましても、通ることは通ると思いますが、通つたあとでもけつこうでありますから、そういう委員会議設置にぜひ努力されたいということをお願いいたしたい。こういう意味で、残念でありますけれども、本委員会議に私ども反対せざるを得ないのであります。こういう立場であります。
  10. 中島守利

    中島委員長 これをもつて計論は終局いたしした。  お諮りしますが、御出席の方は過半数になつておるようですが、今席をはずしておられる方がございますので、この際採決してさしつかえございませんかどうか……。
  11. 谷口善太郎

    谷口委員 しかしこれは、民主自由党委員を集められたらいかがですか。過半数でないのに採決するというようなことが、悪例になつては私はよくないと思う。
  12. 中島守利

    中島委員長 それでは、しばらくお持ちを願います。それでは、これより採決に入ります。本案賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立
  13. 中島守利

    中島委員長 起立多数。よつて本案原案通り可決されました。  なお衆議院規則第八十六條による報告書作成の件は、委員長一任に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 中島守利

    中島委員長 御異議なしと認めまして、さようとりはからいます。     —————————————
  15. 中島守利

    中島委員長 次に、地方配付税法特例に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出第三六号を議題とし、質議を続行いたします。  大蔵政務次官出席しておりますから、保留されておりまする質疑は、この際お許しいたします。
  16. 門司亮

    門司委員 この配付税法特例に関する法律案の一部修正でありますが、これの立案されましたことについては、先ほどから自治庁政府委員の方にお聞きして、大体自治庁としての意見はわかつてつたのでありますが、大蔵当局も御承知のように、この特例そのものが非常に言葉を悪く言いまするならば、法律を無視した形における一つの行き方であつたのでありまして、当初に当然地方配付税として、数字を申し上げまするならば一千百四十五億くらいのものが配付するべきものを、それだけ配位しないでおいた。その際にもわれわれは強くこれには反対いたしました。そしてこれではとうてい地方財政は救い得ない。従つてどもに法に定められただけのものをぜひ配付してもらいたいということを強く申し上げたのでありまするが、ことに大蔵当局はこうする以外に方法はないのだということと、大体これで地方税はやつて行けるのだというような御答弁があつたと私は考えておるのであります。それにもかかわらず、ここにわずかばかりでにありまするが九十億を追加しなければならなかつたという、そのことの理由について大蔵当局としてのお考えをお聞かせ願いたいと思うのであります。これだけでにおわかりにくいと思いますが、私の聞いておりますのは、これは大蔵当局地方財政はこれによつて完全にやつて行けるという見通しのもとに、これだけお出しになるのか、あるいはこの前の予算のときと同じように、国の予算がこれだけ必要であるから、地方はこれだけでいいというような、個の予算を第一主義にとつておる大蔵当局でありますので、私は皮肉に聞くのではありませんが、国の予算をこれだけ減すことができそうだから、地方にくれてやるのだというような考え方で、この予算が組まれたのか、その点を明確にしておいてもらいたいと思います。
  17. 水田三喜男

    水田政府委員 今の御質問に関しましては、前国会予算審議のときにも其相を明らかにされておりますので、われわれといたしましては、配付税が元の半分になるということについては、これでは地方財政がやつて行けないということで、極力先方と折衝をやりまして、最後に——当時私は予算委員でございましたが、予算委員会代表が五人、ドツジ氏に直接会つて、一日中地方財政の問題でねばりまして、相当ドツジ氏も理解を深められて、日本政府ほんとう予算の節約を誠意を持つてやるのなら、自分としても考え意思は持つておる。しかし今回はこの自分の一応組んだものの変更についてに、一切同意しないということで、打切りになつたいきさつがありますので、大蔵省としてはあの予算では地方財政というものは、なかなかやつて得ないということを、十分承知しておりましたので、今度の補正予算についてはできるだけ、これを増額する補正をやりたいということで、当初の考えに百五十他円くらい出してやるのでなかつたら、地方財政はうまく行かないのではないかという一応の目標を持ちまして、自治庁とも相談の上に、この補正予算担当がんばつたのでありますが、これもデラ台風、その他の台風の被害が多かつたので、公共事業費を百億以上出さなければいかぬという、やはり予算上の制約を受けて、九十億にとどまるということになつたわけでありまして、理由予算にしばられてここまで圧縮したということであつて、決してわれわれとしてはこれで地方財政がまかなつて行けるほど、けつこうな予算だとは考えておりません。
  18. 門司亮

    門司委員 もう一つ、二つ聞いておきたいと思いますことに、ただいまの御答弁では政府も満足しておらぬというお話であり、さらに当初百五十億ぐらいのものを考えておつたというお話でありまするが、大体地方財政の上でこの配付税の占める役割は、多いところにおきましては約三〇%近いものが、これによつてまかなわれておる。大体都道府県におきましては一八%ないし二〇%である市町品村はさつき申しましたように約三八%、あるいはそれを越えるものがある。こういうふうに考えますときに、地方の自治体といたしまして、きわめて重要な財源一つであります。しかもそれが法律によつて定められており、従つて当初予算においてその法律で定められたものを、地方公共団体が当然引当て財源として予算を組むということにあり得ることであり、同時にまた地方ではそういうことをやつておるのであります。しかるに政府予算の都合で当初予算においても極度に、と言うよりも半分くらいにこれが減らされて、そうして地方予算ではどうしてもやつて行けないということが、ややわかつて来たというような形で、それならばこのくらいのものを大体出してやろうという上うたことにお考えになつておるかと思いまするが、実際の実情といたしましては、当初予算において組んだ各都道府県の実例を見てみましても、私はこの数字が必ずしも正しいという見解ではありませんが、一番大きな蹉跌を来しておりますものが、東京都の三十二億五千六百万円。これは東京都が当初予算配付税を見込んだのと、それからさらに今度の配付税引当てにして爾後の收入を見込んで、なおかつこれだけの予算に対する赤字が出ておる、不足を来すということに相なつてるりであります、これをずつと私各都道府県から出て参りました資料を計算して参りますと、大体政府考えております数字と多少の開きはあるのでありますが、先ほど政府委員からお話になりました百四、五十億程度の数字というものは当初予算において見積つてつた額と大体似た数字が出て来るのであります、ところがこの当初予算に対しましても、当初非常に大きな問題であつて政府の発表いたしますものは一応八百二十億くらいの考えをもつて、そうして各地方庁に大体政府の六年度の配付額は八百二十億くらいであるから、これに基いて予算を組んだらどうかというような一応の指示が当時されておつたわけであります。それに基いて地方に組んだ予算である。従つて今日のような事態が来るということは、最初からわれわれはわかつてつた政府当局もまたそれを承認せられておつた考えておるのであります。ところが実際といたしましては、先ほどから申し上げておりますように、政府はこの各都道府県の非常に困つておる状態に対して、多少でもこれの緩和策というようなことで、これだけのものをお出しになつておると思いまするが、その内容に含まれておりますものが、私らには多少のまだ疑問が残つておるのであります。それで自治庁萩田政府委員に聞きますと、内容に含まれております十八億というものは、当然返すべきものを返すようにしたのであるから、この中から最初から差引くというような意味でやつたのではないというようなことで、一応わかつたような答弁をなさるのでありますが、しかもこの九十億というものにそういうものは含まれないので、差引きをしないで、ほんとうに九十億が出されるのかということであります。もし政府地方財政が非常に困難でありて、そうしてなおこれでも足りない。先ほどお話のように百五十億も当初見込んだのだが、やむを得ずこうなつたというお話でございますならば、私はこの際補正予算において政府は何を好んで十八億の金を取上げようとしたかということであります。この点は私ども萩田政府委員答弁だけでは解しかねるのであります。大蔵省がどうしても十八億を返さなければならないということをお考えになつておるかどうかということです。
  19. 河野一之

    河野(一)政府委員 十八億をなぜ計上したかという問題でありますが、これは御承知のように〇・八月分の貸付金であります。一応あれは二十三年度の予算でありますから、繰上げるというような考え方があつたのでありますが、その後の地方財政の状況では、ながなかそういうふうに行きかれるというようなことで、当初予算を組みますときには、これを計上すべき性質のものであつたのでありますが、二十四年度の予算を編成する当時におきましては、この点を特に見落したと申しますか、当然入つてくるものでありますので、当時計上すべき筋合いのものであつたわけであります。従つて今回十八億の補正予算を計上するということにいたしましても、これを差引いてやるのだというような考え方は別に持つておりません。先般荻田政府委員が言われたと同じような考え方であります。
  20. 門司亮

    門司委員 私はその点が非常に不可解でありますが、少くとも十八億というような大きな財源を当初予算に見落したというような不見識に、おそらくこれに政府答弁としてどうかと考えるのであります。ただ政府地方予算ほんとうに困つておるということが十分おわかりであるならば、おそらく年度において誠意を持つて当初予算——私は善意に解釈してみるというようなことではなくして、地方財政が非常に困つてつて配付税は漏らしたが、地方から償還すべきものを親心から繰延べしてやるというので、二十四年度の当初予算の中にそれを入れなかつたという考え方に解釈いたしましても、これがこの補正予算の中に取上げられるということは、地方予算が非常に困つておるから、せつかく九十億を出してやろうということの意見と矛盾があるように思う。ことさらそれが今の御答弁のように、見落されたからここにあげるに至つたということは、これはこのまま承認するわけには参らぬのであります。十八億の問題はむろん予算委員会の問題でございまして、この配付税の問題ではありませんが、しかし配付税を私どもが審議する上において、もし政府がこの十八億を取上げないで済むならば、この上に十八億を私はさらに政府は加えていただいて、さしつかえないのではないか。われわれは九十億の中から、右の手で配付しておいて左の手で取上げるようなことをやめていただきたいと考えておりますが、この点を伺つておきます。
  21. 河野一之

    河野(一)政府委員 見落したというのは非常に誤解を招くのでありますが、二十四年度の予算をつくるときには二十三年度の予算も一緒にあつたわけであります、二十三年度の補正予算をつくるときに、二十四年度以降における貸付金を、繰上げて償還するということで二十三年度の補正予算と二十四年度の予算ができ上つたわけであります。ところがそのときの状況によつて地方団体はなかなか返して来ないという状況にありましたので、当然征来の年割だけでもつて返して行く。ちようど十八億が二十四年度の年割でございますから、年割でもつて返して行くという考え方になつたのであります。従つてそのときに補正予算でもつて、十八億というものを入れるという考え方もございましようけれども、当然入れるべきものを今回まで見送つてつた予算的に措置したかつたというだけにすぎないのであります。
  22. 藤田義光

    ○藤田委員 五、六点お伺いしたいと思ます。第一は先ほど来水田政務次官もお述べになりました通り地方財政はこれほどの配付税の増額によりましても、とうていその窮状を打開できないということは是認されておるようでありますが、現在放出が遅々として進んでおりません例の見返り資金を、地方財政窮状打開のために一部流用するというような方法はないかどうか。まずお伺いしておきます。
  23. 河野一之

    河野(一)政府委員 見返り資金は法律にあります通り、わが国の経済再建復興のために必要な貸金というふうになつておるのでありまして、一般的な地方財政の窮乏を救うというような意味合いには、なかなか参りかねるのではないか。ただこの見返り資金の使用につきまして、ものによりまして地方自治の発案に役立つ建設的事業があるといたしますれば、その面において問題になり得ると思いますけれども、一般的な財源としてこれを使うということは、現在の建前からにむずかしかろうと存じております。
  24. 水田三喜男

    水田政府委員 今主計局長の説明された通り大体同じでありますが、そのうちで地方財政を少しでも助けるという意味で土地改良とか、そういうものについて見返り資金を運用する方法につきましては、現在折衝中で、まだこの運用方法正が全部確定いたしませんが、そういうような方向にもわれわれは交渉しておりますから、その点ひとつつけ加えておきます。
  25. 藤田義光

    ○藤田委員 見返り貸金を直接一般地方財政の救済に充てるということは、この資金の本来の趣旨に沿わないという点から、非常な難関にあると思いますが、ぜひ一応交渉していただきたいと思います。その方面の方にお会いしましたところ、直接地方公共団体の救済費としてのお願いは、まだ大蔵省からも出ていないというふうに拜聽いたしております。  次に先ほど門司委員の御質問にありました例の十八億円の問題でございます。先ほどの生計局長の御答弁にもありました通り、二十三年度のものを繰延べて来ておるという御意見でございましたが、この際地方財政は平衡交付金の制度その他税制の非常な改革に伴いまして、二十五年度から立直りを見せるという前提のもとに、二十四年度をもう一度ぜひとも繰延べるという予算技術はできないものであるかどうか、主計局長の御意見を伺いたい。であります。
  26. 河野一之

    河野(一)政府委員 第一の見返り益金を地方財政にという問題は、これは国の財政におきましても別途積み立てなければならぬということになつておりまして、一般の財源に流用することを許されないわけであります。それだけのものがもし国家肝峡の方に使えたならば、もう少し減税ができるというふうな建前になりますので、国の財政についてもできないものを、地方財政についてはちよつとむずかしかろうと私は考えおります。  それから第二の十八億の問題でありますが、御趣旨の点はごもつともな点があるのであります。国から地方への貸付金というものは、財政法にもございます通り、その條件の変更等につきましては、法律上の措置がいるというな関係にも相なつております。従つて今私がその点についてとやかくは申されないのでありますが、ただ地方財政の状況によつて非常に苦しい地方団体におきまして、これが事実上において拂えないというようなことになりますれば、これは国と地方が一体になつておる立場からいつて、むりすべきものでないと思いますが、原則的には当初の年度割通りでありますので、私としてはぜび償還をいたしていただきたいというふうに考えております。
  27. 藤田義光

    ○藤田委員 非常にむずかしいという御答弁でございますが、先ほど門司委員質問もおりましたが、現実に二十四年度に予定されました配付税の減額によりまして“全国の地方公共団体は当初予算に大体八百億程度の配付税を前提とした歳入を計上いたしておりましたために、全国各地に歳入欠陷という状態が起きております。これはおそらく来年三月の年度末にいたりましても、この状態はとうてい是正できないということは、もう確定的に見られておりますが、水田政務次官に特に市町村の歳入欠陷に対しまして、配付税の増額ができぬならば、何かの方法によつて、国家の基礎であります地方公共団体の、特に下部組織たる市町村を救済するという財政的措置に、有能練達の十のそろつておられる大蔵省にも何もございませんかどうか、ひとつ明快なるお答弁をお願いしたいと思います。
  28. 水田三喜男

    水田政府委員 これはすべて予算に縛られることでして、ここへ来てしまつては、あなたのおつしやられるようなすばらしい救済策が実際においてとれないということで、これは非常に遺憾でありますが、この範囲内で地方財政は今年はやり繰りしてもらうよりしかたがない、現実にはそういう状態になつておりますので、御了承願いたいと思います。
  29. 藤田義光

    ○藤田委員 確実な方面で調べたところによりますと、大蔵省の預金部には現在二百三十億余りの現金が遊んでおります。これをある証券の購入に充てられておるということでございますが、こういうふうな預金部資金を一時低利で貸し付けるというような方途はないものかどうか、お答えを願いたいと思います。
  30. 河野一之

    河野(一)政府委員 預金部に、ある程度の余裕金のあることは事実でありますが、これは預金部の性格にもなりますが、最近におきましては複金から公団に対する融資がとめられておる関係上、これを預金部の方からやつておるというような関係もございまして、一時的な多少の残高はあるのでありますけれども、これを全面的に地方団体の起債なり、あるいは歳入の欠陥補填ではむずかしかろうと考えております。
  31. 藤田義光

    ○藤田委員 金借りが金持に借金に行つたような質問ばかりでありまして、貸していただけそうな御答弁がひとつもありませんが、御存じの通り預金部地方資金融通規定というものがございますが、これによりますと、預金部資金を地方に融通した場合におきましては、五年間すえ置いて、十五年の年賦償還、十五年ないし二十五年というふうに了解いたしております。ところがこの融通規定の発動が、一時預金部資金運用審議会というものの審議によりまして、停止されております。現在は収益事業は三年ないし七年、一般事業は二年ないし十年、災害は五年ないし十年という短期になつております。しかもその利率が一般は六分六厘、災害は九分四厘という非常な高利になつております。少なくともこの預金部資金の貸しつけ期間の延長を申しましようか、従来の規定に基いたそのままを実施して、利子の引下げを断行するということを、ひとつ最小限われわれの要求としてお聞き取り願えるかどうか、即客がお願いできなければ後刻誠意あるお答弁をお願いしたいと思います。
  32. 河野一之

    河野(一)政府委員 地方財政における起債の当初の見込みは、二百三十三億円であつたわけであります。それでこの額をもつて十分であるか、足りないというようなお話がありまして、私どももいろいろ研究いたしておるのでありますが、今年度におきまして地方財政が窮迫しておりますのは、いろいろな原因もございまするが、災害の関係が非常に大きな原因であろうと思います。今回大体地方財政の起債のわくを七十億程度拡充する必要があるのじやないかというふうなことを考えておるのでありまして、大体これは預金部の引受けに相なると存じますが、その面から間接的に地方財政の今年度の財政を楽にするということに相なろうかと考えております。それから現在の貸付金の利子を負け、あるいは償還を延期するという問題でありますが、これは預金部自身が最近では赤字になつておりまして、今年におきましては約四十億の借入れをやつておるというような実情にももございまするし、それからこの延期利子につきましては、これに新しい財政法におきまして、債権の効力の変更、條件の変更、あるいはこれを免除するといつたようなものについては、円会の議決等によらなければならないという建前になつております。国の債権について、その他の債権もありまするし、この問題だけについて特に取上げるというわけには、なかなか行かぬというふうに考えております。しかし御趣旨の点は十分に研究して参りたいと思います。
  33. 藤田義光

    ○藤田委員 政務次官にお願いしたいのでありますが、この預金部資金運用審議会の申合せによりまして、預金部地方貸金融通規程を一時停止いたしておりますが、これの復活は政務次官の政治力をもつてすれば、非常に簡單にできると思います。ぜひともこういう面からひとつ地方財政の救済のために一はだ脱いでいたたきたいと思います。これに私の切なるお願いであるとともに、この委員会としましても、当然これは委員長に後刻お願いしまして、要望事項として大蔵大臣にもお願いしたいと思つておる問題でございます。お考えがございましたら御答弁願いたいと思います。
  34. 水田三喜男

    水田政府委員 預金部資金は、国民の零細な貸金を地方から集めてできておる資金でありますので、これにどうしても国民の生活に役立つように、これを返して使うようになるたけしたいということで、いろいろやつておりますが、大体関係筋の考えが、預金部資金というものは一切政府及び政府機関の金融に使え、そのほかのものには使つてにいかぬというふうな指導が現在行われておりますので、直接国が産業捜査をやつたり、貸付をやることは現存できない状態になつております。けれども間接にその効果を果すためには、ここで商工中金の金融債を預金部資金が引受ける、あるいは農林中金の金融債を全部部資金が引受けるという形で、間接に国民の産業に貢献する方法を考えたいということで、この点も非常に長い間折衝しておりますが、今日までまだ完全に了解するところまで参りませんが、これはどうしても必要なことであると思つていますので、何とかこの点が実現できるように極力努力いたします。
  35. 藤田義光

    ○藤田委員 誠意のある御答弁で、その成果を期待いたしております。  この際預金部資金、特に起債の問題に関連していま一言申し上げておきたいことは、起債が自治庁及び大蔵省で確定いたしまして、現金が参ります期間が相当長くなつているために、各地方の財務部におきましては、その起債を受けました地方公共団体に対しまして、短期融資をやつておりますが、この利子が相当高額に及んでおります。何箇月かたちましてから、ほんとうの起債に基く現金が参るわけでございます。その間三箇月ほどの短期融資で搾取されておるというような確実が、各地に起きております。この点に関しましては、政府支拂いの促進に対し法律案までできておる現在におきまして、ぜひとも地方公共団体に対する起債の現金化ということに関しまして、事務能率の促進をいま一段とやつていただきたいと考えております。お考えがありましたら御答弁願いたいと思います。
  36. 河野一之

    河野(一)政府委員 現在預金部におきまして起債の前貸しというふうなことで、たしか五十数億の金が出ておると思うのでありますが、━として災害関係のものが多いと思われるのでありまして、その利子に普通の起債の利子と大体同じでございます。従つて起債で行きました場合よりさらに利子負担がかさむことはないというふうに承知いたしますが、ただ一般的な現金の金繰り、ことに補助金の前回りというふうな意味合いのものですと、おつしやるような事情があろうかと思います。その点につきましては国の補助金の支出につきましては、最近非常によく改善されて参りまして、できるだけ遅延することのないように努めておるわけでありますが、なお一部のものについてはおつしやつたような御事情があるのかも存じません。ことに地方財政の全般の窮乏というような事情から考えて、そういう事情からこれが非常に負担になつておるというような事実があるとうるならば、これにできるだけ池正して、おつしやるようなことのないように努力して参りたいと思います。
  37. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいまの御答弁が大体正しいと私も存じておりますが、実は短期融資の利子を市町村等で他の金融機関その他から借り入れる場合に、相当高利で借りておるために、結局預全部資金の利子が高いような誤解が、相当各地に起きておるようであります。この点に関しましても赳債の現金化の促進に、ひとつ主計局長御盡力願いたいと思います。  最後に一点お尋ねしたいのは、最近発表されました国家公務員法第九條による試験の公告が出ております。いわゆる次官、局長、課長の試験広告でございますが、これを政務次官はお臨みになつておるかどうかははつきりしませんが、それにによりますると自治庁財政部の部長以下課長に至るまでこの職が財政経済職になつております。従いまして現在は地方行政地方自治体の第一線に活躍した経験のある役人がこのポストについておられますが、今度の試験広告を見ますと財政経済職となりまして、当然大蔵省の経験のある方が、このポストにつくことになるという想像ができるのであります。これは従来大蔵省は荘々して自治庁に冷たい、ひいては地方公共団体に冷たいという誤解がありますので、その誤解のうちにこういう試験が行われまして、大蔵省からこのポストに乗り込んで来られるということになりますと、地方公共団体に相当大きな反響を起こすだあろうと存じておりますが、何としましても府県庁その他のいわゆる地方自治の経験のある方が、地方財政の第一でやつていただくことが、非常に重大なことでございますし、まだ先の問題ではありますが、本席上において、そういう際が当来した場合、水田政務次官はあくまで地方自治の体験者をそのポストに御意見をお聞きしたいと思います。
  38. 水田三喜男

    水田政府委員 この試験制度は今各省とも問題になつておりまして内閣でも今度発表になつた試験制度については問題ありとして、今人事院と内閣で共同の研究をやつておる最中でありますが、これはこれから自治庁大蔵省が入り込むようにこしらえたわけでもありませんので、大蔵省からみると、今度は財政経験のある者ということになつたら、民間の会社に何年か勤めた者は財政経験があるので民間人が、おれは今会社に勤めて経理事務をやつているんだからということで大蔵省の試験をみんな受けに来ると、それが受かつて、今の局長、課長はみな落ちるというようないろいろな場合があつて大蔵省がよそへ進出するどころではなくして、大蔵省の本拠が民間に取られやしないかということで、大蔵省が心配しておるので、いろいろな矛盾したむずかしい問題がたくさんある試験制度であるわけですが、この運用を訣ると各省とも非常に難しい問題を起こします。今まで役人というものは、少しずつの経験で各省をまわつて、順々に出世して一つ部署にいなかつた。こういう風を是正して一つ部署に専門家がずつと物最後まで残つて、よそへ行かないで行政能率を持つたエキスパートが、順々に上の部署に出て来る、こういう体制になりますので、その点はご心配ないと思います。
  39. 小野哲

    ○小野政府委員 藤田さんから自治庁の人事に関しまして、試験制度との関連において非常に御心配な、また御好意ある御意見を拝聴いたしたのでありますがただいま水田政務次官から答弁がありましたように、自治庁仕事地方自治と密接な関連がある。従つてその経験のあるものが置かれることが当然である。試験制度全体については、政府としてもなおいろいろと議論があるところであります。しかしながらさいわいきようは水田君も出られまして、今誠意のある御答弁もございますので、私もまた地方自治の担当の政務次官として、これら地方自治については藤田君と緊密な連絡をとりまして、御心配のような結果の起らないように努力いたしたい。私からつけ加えて御答弁申し上げておきたいと思います。
  40. 藤田義光

    ○藤田委員 ただいま小野政務次官の御答弁がございましたが、これは公告でございまして、規則より下に位する法的力を持つておるものでございます。小野政務次官におかれては、ぜひこの公告の内容修正されまして、財政経済職とあるのを一般行政職に訂正される、あるいは地方自治職という新たな職をつくるというふうに、現在審議中の職階法の関係者その他に運動される必要があるのじやないかと考えます。これは老婆心でありますが、私からもお願いしたいと思います。  それから最後にもう一つお伺いいたしたいことがございます。シヤウプ勧告によりまして、明年度から災害費は全額国庫負担になつております。ところがその運用の実際に関しまして、種種事務当局でご研究中のようでございますがそれによりますと小額災害は全部地方団体の負担にするというふうになるようでございます。この点に関しては先般開会された総務部長会議において強硬な反対意見が陳情として提出されておることは御承知と思います。伝え聞くところによると大体三十万以下の災害は全部地方公共団体に負担させることになつております。地方公共団体が災害にあいまして最も困るのは橋が流れたとか、堤防がこわれたとかいういわゆる小額災害でございます。これが全部地方公共団体の負担に転嫁されることになると、全額国庫負担ということは空名でございまして、実際は地方財政上大きな負担過重になつて来るという危険がございます。まだ試案の程度だろうとは存じますが、このような空名を與えて実質を奪いとるというようなことは、数多い有能な與党職員の中から大蔵政務次官というよう職につかれました水田さんも、十分注意されているとは思いますが、ぜひともかかることのないように。これは地方公共団体から、水田政務次官の銅像を立てるか立てないかの瀬戸際に立つた重大問題と思いますから、ひとつ職を賭してもがんばつていただきたいと思いますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。
  41. 水田三喜男

    水田政府委員 この点に関しましては、私たちの考えを率直に申しますと、今までの日本の国の育ちから一つの性格が出て来まして、世界の資本主義の中で遅れて急に発達いたしました日本でありましたために、早く世界並になるという必要から、産業助成ということを明治政府以来強くやつて来ましたがそういう金がどこから出たかと申しますと、それを当時地方の地租を中心としたいわば税金で、日本の産業を助成して今日まで持つてきたわけであります。この今までの性格から見まして、頭でつかちで、地方が極度に弱いという国家構造が日本に生まれて来ておる。今日こそそういう体制を直して、むしろ頭を小さくして足の太い国家構造というものを、われわれはこれからこしらえなければいかぬと思います。それにはやはり地方自治充実ということが一番大事だということになるのですが、それでは地方自治をどう充実させるかということになると、今までのように国家に全部経費をおんぶするというような態度を、これから日本地方自治はやめていかなければならぬのじやないか、こう考えております。今までは、地方民はみんな税金を集められて、中央は強い国家と作るために経費を多く使い、地方へはおこぼれを少しまわしてやるというような、行き方だつたわけであります。地方としては、そのおこぼれを政府からいかにしてもらうかということに汲々として、今日まで来たわけでありますが、これはもう一変してしまつて地方は自治を充実するかわりに、国家のせわにほとんどならぬというところまで、持つて行くのでなかつたならば、ほんとう地方自治の充実ということは言えないのではないか。そう考えますと、私たちのやる仕事としては、できるだけ中央の経費を切つてしまつて、中央の大減税をやる。そうして地方財政的な余力をつけて行くという行き方が本筋だと思うのであります。現在その線に沿つて地方税はだんだん上に上つてつても、国民の負担にならぬように中央でそれ以上の減税をやつて行く、こういう方向へ持つて行くのが正しい行き方でははいかと思います。これから考えますと、小さい地方の公共事業とかいうようなものは、政府のせわにならないで、どんどん自分自身でやつて行けるという財力を地方へつけてやるのが本筋であります。農業災害の復旧にしろ何にしろ、地方自分で持つように指導したいというのが、私たちの考えであります。従いまして、これらから中央でどんどん減税をやるかわりに、地方で活発にいろいろなものをやつて行く余裕を得てもらいたい。但しせつかく地方でいろいろな公共事業自分の負担でやつても、災害というものが起つて一朝にして破壊されたというときには、これは地方に対して非常に気の毒だということから、ほかの経済的ないろいろなものは、地方でどんどんやつてもらうかわりに、災害といつたようなものは、できるだけ国費の力でこれを見て行きたい、こういう考えでおりますので、大きいことだけは国家で見てやつても、小さいのは一切見ないという行き方ではなくて、ほかの部面の補助はどんどん減らしても、天災というようなことで、地方の手の出ないようなことはできるだけ国費で出して行く、こういうような方向に行きたいと努力しております。
  42. 川西清

    ○川西委員 先ほど門司君からも述べられましたが、前国会において大蔵大臣が本委員会出席されましたのは、ただ一回でありまして、時期の御都合その他いろいろなご事情もあると思いまするけれども、本委員会の審議いたしまする事項は、大蔵省と非常に関係の深いところが多いのでございますから、その点政務次官から大蔵大臣にお伝え願い、今後はなるたけ御出席願いたいということを初めに申し上げておきます。  この地方配付税方によりまして、配付税が九十億円増額になつたのでありまするが、これは提案理由にも述べられましたように配付税が現在までは定率によつて決定しておつたのを定額としたのは、明年度以降は御存じの通り地方配付税を廃止して、新たに地方財政平衡交付金制度を創設することになりましたので、全面的にこれにこれを切りかえる必要があり、定率税をとる結果、地方配付税の額に増額を来すことが適当ではないと考えたことに基くものであります、と御説明になつたのでありまするが、私どもといたしましては、この定期によつて配付税を決定するということは、中央当局の恣意によつて額が決定されるおそれがないかということを懸念するのであります。シヤウプ勧告にも、配付率が毎年一定していても受領額の変動はあまりにも大きいであろうと言つて、その点定額税に賛成のようなことを書いておりまするけれども、私個人の考えといたしましては、そこにかえつて配付税というものの妙味があるのではないかと考えておるのであります。現在まで実際には実行せられませんでしたが、法人税及び所得税の三三・一四%というふうに法定せられておりまして、そこに一応の安心感といいまするか、一応の基準があつたのでありまするが、この定額税によりますれば、それとのコネクションが全然断たれるわけでありまして、その点どういうふうにきめられるかということが、地方財政立場から見ますればはなはだ不安でありまするけれども大蔵当局の御見解を伺いたいと思います。
  43. 河野一之

    河野(一)政府委員 現在の配付税が税収にリンクしておつたことは御承知通りであります。しかし配付税制度についても、過去十年の経験を経ましていろいろな問題点がありましたので、この点につきまして、先ごろ御来朝になりましたシヤウプさんがいろいろ検討されまして、新しく総合的な補助金制度と申しますが、交付金制度と申しますか、午前交付金の問題が起つて来たことは御承知通りであります。ただおつしやる点は、いかにしてその財閥を確保するかという問題でありますが、これはやはり地方財政の事情という面を、毎年検討することがもちろん必要だろうと思います。そうして地方財政の事情を見て、要するに国と地方とは大きな一つ財政の中にありますので、その財産の配分をどういうようにしたらいいか、そのときの事情とにらみ合わせて、毎年検討して参るということになろうかと考えます。ということは必ずしも毎年その額が動くということではないのでありまして、平常の状態であるならば、一応確保されたいままでの額でずつと行くというのが順序であろうと思いますが、考え方としては国及び地方財政状況を毎年見てやる。こういうことに相なろうかと考えます。
  44. 川西清

    ○川西委員 大体ご趣旨はわかりましたけれども、この明年度の平衡資金千二百億の中には、補助金的支出が五百億ほどございまして、純粋に配付税にかわる部分は、わずか七百億くらいの見当になるというように、承知しておるのでありますが、七百億では今回の補正予算の五百七十七億に対しまして、ほんのわずかしか増額になつておりません。定率で配付さるべき千百余億と比べますれば、かえつて大巾の減少になつておるということになりまして、私どもとしては平衡金制度に、地方財政立場から見ますれば、何かたよりないような感じを持つのでありますが、その点につきましてもう一度御説明をお願いしたいのであります。  それからシヤウプ勧告に全額補助金百億円は廃止すべきであろうということが書いてありますけれども、その中におきましてこの百億円は中央政府直接、あるいは地方団体自身が行うように、それぞれにわかつて経費を負担すべきであろうというふうに勧告してあります。現在の当局の御見解では、その全額補助金百億円にかわるべきものを、全部平衡資金の方にほうり込んでしまうというような考え方らしく聞いておるのでありますが、このシヤウプ勧告の文面から見ますれば、そういうふうに取扱うことはちよつとむりがあるのではないかと考えるのでありますが、それにつきましても伺いたいと思います。
  45. 河野一之

    河野(一)政府委員 交付金の中に、ある程度従来国の補助金でやつてつた分で、すでに地方団体の自治事務に同化しておるというような補助金は、五億であるという考え方にいはかわりございません。こういつた全額国庫交付金が少ないではないかというふうな御懸念もあるかと思うのでありますが、この交付金にいたしましても、地方財政と国の財政との間において、いかにして財源を配分し合うかということにおいて、考えられておるのでありまして、一方この交付金のほかに今回は中央地方を通ずる税制の根本的改正があるのでありまして、一方において千百億円という大きな地方財源——非常に弾力性のある税を得るということになりまして、この面とあわせて地方財政の運行が非常に改善されて参るのではないかというふうに考えております。  それから全額補助の問題でありますが、全額補助はなるほどシヤウプ勧告通りに、経費の責任と行政の責任とを一体化しなければならぬという点に重点を置かれまして、原則として廃止するというふうになつておることは御指摘の通りであります。しからばその全額補助を廃止するということは、そのまま地方団体に経費を押しつける、あるいは仕事も押しつけるという意味には、私どもは必ずしも解してらないのでありまして、事務性質におきましては、国が地方団体を直接の手足と申しますか、その事務をやつてもらうというような考え方のものが相当あるのであります。たとえて申しますと、この経費の性質につきましては、いるいる議論があろうかと思いますけれども代表的なものといたしましては、重要な指定統計の事務でありますとか、公聽追放の審査をするとか、国が本来ならば特別の地方機関と貫いてやるべきものであるかもしれませんが、そういたしますれば非常に不経済なことになるといううので、普通的な、総合的な団体であるところの地方団体をその期間として使つておる、こういうようは事務が相当あるのであります。こういつた事務については必ずしもこれを地方の補助金ということでなしに、交付金で支弁するという方法を、私どもは現在のところ決してとつておりません。むしろこういう経費はシヤウプ勧告にもありますように、十分な補助金が與えられなければならぬという意味合いで、この面においてはある程度全額補助金というようなものが、残ることにさえなろうかと思います。ただその全額を補助金というようなかかつこうで行きますと、国政事務に対する委託費といいますか、そういうようなかつこうで国費を直接使つていただくというふうになりますが、その点はいろいろ自治庁と御相談申し上げている次第であります。
  46. 川西清

    ○川西委員 今の全額補助の問題につきましては、国費の予算で直接使つていただくように、私どもといたしましては希望する次第でございます。千二百億と額がきまつておりますところへ、いろいろなものが入つて参りますと、それだけ千二百億が減つていくわけでありますから、そういうことを希望いたします。  それから現在どういう補助金的な支出が、この千二百億の中に入つてくるのか。具体的なものは確定しておりません出も、現在もやもやしておるところを資料としてお示し願いたいということを要求いたしまして、私の質問を終ります。
  47. 床次徳二

    床次委員 今回配付税が定率をもつて交付せらあれることになりましたが、本年度の補正による九十億円、これを定率に直すと幾らくらいになるか承りたい。またこの基礎となつております法人税、所得税、これが本年度は当初と見ましてどの程度になつておるか、参考に伺いたいと思います。  第二の問題は、配付税を新しく増額されましたが、その配付方法はどうされますか。私の要望から申しまするならば、災害町村に規則の範囲内において最高限までひとつ見ていただきたい。御承知のように、今年は地方財政は非常なる圧迫を受けておりまして、特に災害町村はその被害がひどいのであります。この点につきまして、今回の配付におきまして、規則の範囲内において十分與え得る限度まで増額配付を考えていただきたい。これに対する御当局の御意見を伺いたい。  第三点といたしまして、将来平衡交付金が実施されるようになりますると、現在の配付税の配付法とは非常に違うのではないかということを考えております。いわゆる貧弱町村と申しますれば、これはよほど増額されると私ども考えておるのでありまして、場合によりましたならば、今回の配付税そのものの配付方法も、シヤウプ案によりますると、もう少し基本的に配付方法をかえてもいいのではないか、そういうことも必要ではないかと思いますが、これに対する当局の御意見を伺いたい。
  48. 中島守利

    中島委員長 その点は明後日開会のときに委員長から答弁させることにして、保留しておきたいと思います。
  49. 谷口善太郎

    谷口委員 きようで大蔵当局に対する質問を終りますか。大臣はお呼びにならないのですか。
  50. 中島守利

    中島委員長 大臣が出てきませんから、待つているのも気がききませんから……。
  51. 谷口善太郎

    谷口委員 それでは私一だけ聞いておきたいと思います。もう予算委員会の方は通つてしまつたあとになつたので、今さらここでどうだこうだと騒いでもしようがないと思うのですが、先ほど政務次官のお話の中にも、事態はかわつているのだというようなお話もありましたが、そこで私ぜひとも聞いておきたいのは、実は九十億というふうにきめられたその根拠がわからない。ずいぶんたくさんいろいろ質問しましたが、どうしてこうおきめになつたか、その根拠が実はわからない。これで地方団体の方はやつて行けるとお考えになつているのか。足りないであろうが仕方ないというお考えなのか、そうならばどうしてそういうことになつているのか。その点が非常に私どもはつきりしない。この点を政府にお聞きしておきたいのであります。いかにしても地方団体はやつていけないだろうというお考えを皆さん待つていらつしやる。それにもかかわらずしようがないのだというお考えかどうか、その点をひとつ聞いておきたいと思います。
  52. 河野一之

    河野(一)政府委員 九十億をどういうふうな基礎で算出したか、こういうお話でございます。これは非常にむずかしい御質問でありますが、御参考になるかどうか存じませんが、シヤウプの勧告の中に、明年度においては約二百億ぐらい地方財政として余裕が出るだろう、こういうふうなこともあるのであります。それでもはや過去のことをどうというわけではありませんが、一応本年度といたしましては、半年も経過しておる。そこで百億程度のものを計上し得れば、まあ不満もありましようが、その程度までは持つて行きたいというふうに、いろいろ考えてみたこともございました。しかし災害その他の関係もございまして、いろいろ財源をそこに検出することができなくて、九十億という半端と申しますか、そういう数字になつた。これはお答になるかどうか存じませんが、そういうようなわけであります。
  53. 谷口善太郎

    谷口委員 その点であります。これは地方自治庁の荻田さんのお話では、この九十億の中ですでにもう使途のわかつておるものは三十億ある。それからその上に災害復旧としまして大体地方団体の必要とするものが五十九億ある。この点はこの間からの御説明で、大体七十億くらいの地方債のわくがきめられそうだから、これによつてまかなうということになるのではないかと思いますが、そうしますと、もうすでに使途のわかつておるものを別にして、ただいまの私どもの計算によりますと五十四億残る。ところがその中から先ほど問題になつておる十八億、これをこの金の中から差引くか差引かないか、差引かないような話もありますが、私どもはうまいことを言つても引くのだろうとは思つておりますが、そうしますと三十数億にすぎなくなる。ところが御承知通り、今シヤウプ勧告案の内容で、二百億云々というお話がありましたが、地方の方としましては、当然この春所得税及び法人税の三三%余をもらえるものだ。少なくとも地方財政委員会最初に発表しましたように、八百億くらいの配付税があるものだという建前に立つて、その後いろいろあわてて若干の修正はいたしておりますが、そういう見地から当初予算を組んでおるのが多いのであります。従つて当時配付税特例をきめますときにも、秋にはシヤウプが来て税制改革をやるから、そのときに地方の成立つようにするおいう御答弁によつて、それを非常にみな期待しておつた。つまり言いかえますと、もともと初めから足りない。ところがその後にこの九十億を予定されるについての荻田さんのお話によりますと、なおよけいにふえたものとして三十数億のものをあげておる。私ども調査によりますると、もつともつといろいろな点で、当初の予算以上に、予定しなかつたところの増額をしなければならないいろいろな事実があるのであります。これは全体として、私どもも資料を持つておるのでありますが、これを自治庁に聞きましても実はわからぬという。そえは文部委員会で聞いてくれとか、文部省に聞いてくれとか、いろいろなことを言つてはつきりしたことを言いませんがしかしいずれにしましても非常に多いのであります。もともと足りないところへ持つて来て、よけい必要になつてきておる。そういう状況の中で今補正しなければならない。ところがそれを三十数億ぐらいしか実際は使わない、こういう状態であります。これでもつて地方財政はやつて行けると、政府考えておるかどうか。やつていけないだろうが、しかししかたがないというお考えなら、それでけつこうであります。その辺のけじめをはつきりしてもらいたい。国民はもう吉田内閣にそう大して期待は持つておりません。必ずつつ放すのだという態度なら、それで、いいのでありますそれをはつきりと明らかにしてもらいたい。こう思うのであります。
  54. 門司亮

    門司委員 これはごく簡単でありますから私率直に申し上げれば——幸い両方そろつておいでになりますから、聞いておきたいのですが、先ほどの十八億の問題でありますが、配付税を配付されまするときに、いろいろな計画もあるようでございますが、この負債を当然返さなければならない自治体に対して、負債を返さないからといつて配付税を加減するようなことはないのでございましようね。この点を両方にはつきり念を押しておきたいと思います。
  55. 河野一之

    河野(一)政府委員 そういうことは別に考えておりません。返さないからといつて差引いて少なくやるということは考えておりません。
  56. 門司亮

    門司委員 これは大蔵当局——結局自治庁もそうでしようが、荻田君の方からも、それをはつきり聞いておきたい。それは従来の慣例から行きますると、そういうことは官僚は非常に強いのであります。官僚という言葉はあなた方に当るかどうか知りませんが、一応役所というところはそういうしやくし定規のことが強いのでありまして、從つてこの点は、地方の自治体で私は実際の面で相当憂慮しておると考えておりますので、なお自治庁財政関係を持つておる荻田君の方からも、ひとつこの点を明確に答えていただきたい。  それからもう一つごく簡単な問題でありますが、大蔵省にお聞きしておきたいと思いますことは、起債の問題であります。起債の問題は今日まで私ども調査した範囲によりますると、各都道府県とも河川というものは、きわめてわずかであります。これは各府県全部共通であります。これはどこに原因があつたかということであります。災害復旧が非常にやかましく騒がれておりますときに、河川の上流であります砂防計画は、きわめて重要なる事業であるにかかわらず、実はこの起債がほとんど各府県とも削られておるように報告を受けておるのでありますが、これは何かの意味があつたのかどうか。その点も合わせてお答え願いたい。
  57. 荻田保

    荻田政府委員 先ほどの国庫貸付金に対する償還に対しまして、配付税との関連の問題でございまして、配付税との関連の問題でございますか。今大蔵省政府委員から答弁されました通りでございます。われわれはあくまあで配付税等によりまして、しかも国庫の予算によりまして、出すべきものは必ず出します。貸付金を返すという問題は、全然別問題であります。それからその他につきまして、砂防に対する起債が少ないというようなお話でございますが、大体砂防は公共事業費の中に入つておりまして、それの補助金をもらつて現に実施しております。その分に対しましては、これはいつかも御説明したと思いますが、大体公共事業費総額につきまして、各県別の割当の枠をきめまして、その範囲内におきましてどの事業を選択するかということは、その県の自由にまかしております。従いまして別に砂防だけを認めないというようなことはありません。その承認しましたわくの中で、府県の好きなものを出して来ますから、あるいはたまたまどこかの県で砂防には充てる必要がないということを言つて来ましたので、その県には砂防が行かなかつたのじやないかと思います。
  58. 門司亮

    門司委員 そういたしますと少し聞かなければならぬと思いますが、道府県の財政の関係の載つております調査資料を見ますと、先ほど私が申し上げた通りでありまして、ほとんど砂防に対しては起債の認可がなかつたように起債されておるのであります。この点私は今の答弁だけでは承服しがたいのであります。これは公共事業費の方でやつてあるからとか、あるいは各府県別にわくが一括してやつてあるからとだいうような一方的な今の答弁だけでは、私は承服しがたいのでありますが、しかしこれは後ほど私の持つております資料が間違いであるかどうか、さらにそれを調査して、もう一度伺つて、よく意見を聞きたいと思います。
  59. 大矢省三

    ○大矢委員 ちよつと大蔵当局にお尋ねしたいが、先ほど藤田委員からも聞かれたが、地方公共事業の見返り資金か、あるいは地方公債かいずれにか繰入なければ復興が非常に妨げられておる。一例を申しますと、名古屋、大阪の戦時中中止された地下ですけれども、この地下鉄の復興のごときはほとんど半分でき上がつて、そのままになつている。これを完成しなければ、都市計画の上に——あるいは最近問題になつているところの住宅の問題等も交通緩和によつて、非常に是正されると思いますけれども、そのためにこれが地方公債にもならず、あるいは見返り資金のほうに入りませんから、非常に困惑している。そこでこれは特に失業救済事業とも関連しておりますが、非常な人件費を要するので、一挙両得で、これが地方起債の中に入るか、あるいは見返り資金の中に入るかどうか、ことにいろいろな地方公共事業の中には、採算の伴わない恒久性のないもんが相当ありますけれども、大阪地下鉄のごときは一年に約二億円近い純利益を得ております。從つて起債なり、あるいは見返り資金にしても、何年間にこれを返還するということについては、ちつとも支障はない。こいう堅実な、しかも復興に非常に人件費を要する、失業救済に最も適当な事業というものは、起債が見返り資金のいずれかで堂々とやられるのが、私どもいいと思つておりますが、これがどうも遅々として進まないが、大蔵省当局は一体どういう考えであるか。公共事業と言つたつて最近ドツジ氏が来て以来、どうも熱意が欠けている。民間事業その他生産方面については、いろいろな便宜が與られているけれども、公共事業は非常にはばまれている。近く地方公務員法が出ますと、それと並行してこういう軌道並びに水道というものは、公共企業体として当然せんだつての国鉄のごとき、事務法のごときになると思いますが、そういう場合には民間を何様に扱うか、このことも一つあわせてこの機会にお聞きしたい。これは公共事業としての補助金として非常に制約を受けていることは、何らかの形で近いうちに解決してもらいたい。見返り資金もそういうことで望みがあるのかないのかということをお聞きいたします。
  60. 水田三喜男

    水田政府委員 仰せの通りでありまして、見返り資金の運用という点については、十分そういう方向でやりたいということで、来年度の運用方針を現在いろいろ折衝中でございます。そういう御希望のような線で、ぜひ交渉をまとめたいと思つて、現在やつております。
  61. 中島守利

    中島委員長 本法案に対する質疑は、この程度で、門司君の御質問に対しては政府答弁を保留しておりますから、それを除きまして大体終了いたしまして御異議ありませんか。
  62. 谷口善太郎

    谷口委員 木村國務大臣に、もう一ぺん来てもらつて開かないと困ります。どうせこれは通るであろうかと思うけれども、よく聞いておかなければならないことがあります。
  63. 中島守利

    中島委員長 それでは討論前に谷口君の質疑を許します。  本日はこれで散会いたします。     午後零時五十七分散会