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1949-11-25 第6回国会 衆議院 地方行政委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月二十五日(金曜日)     午前十一時十四分会議  出席委員    委員長 中島 守利君    理事 大泉 寛三君 理事 川本 末治君    理事 菅家 喜六君 理事 野村專太郎君    理事 藤田 義光君 理事 田中  豊君    理事 大石ヨシエ君       河原伊三郎君    清水 逸平君       吉田吉太郎君    大矢 省三君       門司  亮君    床次 徳二君       谷口善太郎君    鈴木 幹雄君  出席国務大臣        国 務 大 臣 木村左衞門君  出席政府委員         内閣官房長官 郡  祐一君         地方自治政務次         官       小野  哲君         地方自治庁次長 遠山信一郎君         (地方自治庁連         絡行政部長)         総理府事務官  鈴木 俊一君  委員外出席者         專  門  員 有松  昇君         專  門  員 長橋 茂男君  十一月二十四日  委員淵上房太郎辞任につき、その補欠として  小西英雄君が議長の指名で委員選任された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  地方行政調査委員会議設置法案内閣提出第三  七号)     —————————————
  2. 中島守利

    中島委員長 これより会議を開きます。  本日午前十時この委員会理事会を開き、法案扱い方について協議いたしました。会期切迫のときでありますから、なるべく質疑を取急ぐことにいたしました。なお政府当局出席を要望した諸君に対しては、ぜひ希望通り出席せられるようにということで、人体懇談的な理事会で終りました。  日程の順序変更しまして地方行政調査委員会議設置法案内閣提出第三十七号、これを議題としまして質疑を続行いたします。昨日要求しておりました内閣官房長官も、もう間もなく出席せられるものと存じます。それからこの機会に申し上げておきますが、地方配布税に関して大蔵大臣に対する質疑があるというので、大蔵大臣出席を要求したのでありますが、大蔵大臣は今日も衆参両議院の予算総会出席しておつて、こちらへは出席できないということであります。かわつて政務次官出席するということになりました。以上申上げます。谷口君。
  3. 谷口善太郎

    谷口委員 地方行政調査委員会議設置のことにつきまして、一、二質問したいと思うのであります。  第三條の調査立案したものを内閣及び内閣を経由して国会勧告するという点でありますが、これはシヤウプ勧告案の中に掲げてある点と、若干相違があると思われるので、大体事務的にちよつとお尋ねしておきたいのでありますが、内閣国会に勧舌するということが強調されていたように思うのですが、ことに「内閣及び内閣を経由して」とお書きになつたのは、何か特別な理由があるのですか。その点をお尋ねしておきます。
  4. 木村小左衞門

    木村国務大臣 お答えをいたしまする前に、委員長のお許しを得まして一言申し上げておきたいと思います。  このたびの第六臨時国会には、私の所管としていろいろ重要なる法案をお手元に提出しておきながら、長らく休みましてまことに私の職責上申訳次第もないと通説に自責いたしております。いろいろなとりざたもいたされたようでありますが、事実私はその内容と言うか、その内訳を申し上げますと、固疾の慢性腎臓病を持つておりまして、ふだんから非常に多量の蛋白が出ます。かぜをひきますとそのために血圧が上りまして、日によりますと二百を越えまして、二百三十くらい上るので、かぜをひきました際には、非常に愼重にやらねばならぬという医師の注意によりまして、静養いたしたことは事実であります。まことに申訳ない次第でありまして、議会を当面に置きながら裏面においていろいろな工作をしておるというような御非難も、予算委員会の席上におきましてございましたが、それは工作ではありません。総裁もその他新聞記者諸君も、みな私の寝ている病室へ入り込んでの話でありまして、別に工作をして積極的に自分からいたしたなどという考えはございません。その内容についてはここで申し上げる要もありませんから省略いたしますが、とにもかくにも長い間欠席いたしまして、諸君の御期待にそむきましたことは、どうぞ皆様方も御容赦くださいますように、ここに事情を具しまして、お断り申し上げる次第であります。  ただいいまの谷口君の御質疑がありましたように、シヤウプ勧告案の原文には、国会勧告としてあつて内閣を経由するというような文字とか、内閣勧告するとかいうような文字はないのに、提出いたしましたるこの法案では、内閣を経由するという文字が入れてあるということは、少し権限に対して後退しておるではないかというような意味の、御質疑であると私は解釈いたしております。もしそういう御質問であるといたしますれば、御説のように解釈ができぬこともないと思いますが、本来はシヤウプ勧告案を忠実に実行いたしますことを法文に示しまするならば、国会へ直接勧告することが至当でありましようけれども、御承知のように、わが国の行政組織法では議員が国会に提出するところの法律立法権限があるのと、政府すなわち内閣国会提案するという二つより国会法において道が開いてございません。そのためにどうしても直接設立せられた内閣所属委員会国会勧告する道がありませんので——もつとも勧告という字義に対しては、いろいろ解釈もありますが、「経由して」という文句を差入れたような次第であります。
  5. 谷口善太郎

    谷口委員 その点についての論議は省略しますが、その次に第九條の專門調査員任命の点であります。内閣総理大臣任命するというふうになつております。私は先ほどのことにちよつと触れますが、シヤウプ勧告案がこうしろと言つておるから、そうしなければならないという考えは、毛頭持つておりません。日本にとつて一番適当な方法考えさえすればいいのでありますから、その点は私はそうしなければならないという考えは、毛頭持つておりません。従つて第九條の総理大臣專門調査員任命するという点を、勧告案にどうなつておるかは問題の外におきまして、これはぜひこの委員会議自身あるいは金議議長任命すべきであつて総理大臣任命することはいかぬという考えを持つておる。これは木村さんが今度自治庁主管大臣をやつておられるから、よく御承知だと思います。また本委員会委員長をしておられる中島さんは、自治委員会議委員をなさつておられるからよく御承知と思いますが、内閣の、あるいは総理大臣任命とか、総理大臣から直接息のかかつた形でこういうものができますと、実際独自の立場に立つて自由な仕事ができない。これはむしろ会議議長任命すべきだという考えを私は持つておりますが、この点について今現に自治庁の中でいろいろの面に当面しておられる皆様方の御意見を聞きたい。総理大臣任命すべきではなくて、会議議長任命すべきだという考えを持つておるが、その点、特に不村国務大臣の御意見をお伺いいたしたいのであります。
  6. 木村小左衞門

    木村国務大臣 会議議長と申しますと、どういう御解釈でありましようか。議長をつくるのでしようか。
  7. 谷口善太郎

    谷口委員 この会議には議長を置くことになつております。第六條に「会議に、議長を置く。」となつております。これは単なるこういう集会を開くという種類の議長というよりも、会議を代表するのだ。従つて会議代表者会議そのもの專門調査員任命すべき形になつて来るべきである。内閣総理大臣任命するということでは、内閣附属機関になつてしまう。頭が上らなくなつてしまうような状態にならないように、会議自体内閣に対して一つ権限を持つことにならなければいかぬ。その点について皆様方何かお考えを持つておられるだろうと思いますので、それについての御所見を伺いたい。
  8. 木村小左衞門

    木村国務大臣 御質疑意味はよくわかりました。第九條2に「專門調査員は、学識経験ある者のうちから、会議推薦に基いて、内閣総理大臣任命する。」とあります。これを推薦しますところの母体会議そのものでありまして、別に内閣の息のかかつた者がここへ選ばれるというような、そういう御心配の弊はあるまいと考えております。
  9. 谷口善太郎

    谷口委員 その点もう一度念を押しておきますが、この場合に推薦母体であるところの会議が、これを推薦するということは、これは一つ決定権を持つのであつて総理大臣任命ということは単なる形式にすぎない、そう解釈してよろしゆうございますか。
  10. 木村小左衞門

    木村国務大臣 それでよかろうと思いますし、立法精神はそういう精神であります。この機関総理庁機関になつておりますから、内閣総理大臣任命という形式をとつておる次第であります。
  11. 藤田義光

    藤田委員 二、三質問したいと思いますが、私の質問事務的な点が多いので、政府委員からの御答弁でけつこうであります。  第一点は、第五條にこの会議委員任命方法規定されておりますが、この委員がやめる場合の規定が全然欠けております。どういう場合においても委員はやめないのか、第二條に、臨時総理府附属機関として設置するために、この会議存続期間中は最初任命された五名はそのまま在任するのか、たとえば刑事事犯を起したとか、あるいは病気で重態であるとか、いろいろな理由、あるいはこの会議の性質からしまして、全委員が同一政党に所属した場合におきましては、相当の弊害を予想されます。そういう場合におきましても委員は依然として在任するのかどうか、この点をまずお伺いしたい。
  12. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 委員の在任の問題でありますが、これは臨時的な機関でございまして、二年内外の仕事を終りますれば、当然任務が終るわけでありますから、特に委員辞任補充というような規定は設けなかつた次第であります。しかしながら委員自身が辞意を表明して辞表を提出するならば、途中においてももちろんやめ得るわけであります。ただいまお話がありましたような、以後において、たとえば政党所属関係等変更があつたという場合にどうするかという点でありますが、これは当初の任命が、あくまでもその人がこういう仕事をやるに最も適任であるという趣旨おいで選任をせられるわけでありますから、そういう政党所属席係とかに関係なしに、もつぱらその人の手腕、力量、識見が中心で選任されると思います。そういうような点から委員を更迭するというようなことは、予想をいたさなかつたのであります。
  13. 藤田義光

    藤田委員 第十一條に、会議の庶務は地方自治庁において処理するという規定がございます。この法律施行の途中において、自治庁が廃止になりました際には、当然この條文修正をされる前提でございましようか。それから第二項の関係行政機関の職員を地方自治庁に兼務させるという規定がありますが、この兼務の発令権者はどなたか伺いたい。
  14. 鈴木俊一

    鈴木(俊)政府委員 ただいまの点は、当初事業審査の際に申し上げた案には、お話のようなことになつてつたのでありますが、その後いろいろと関係方面との折衝の結果、独立の事務局を置くことにいたしましたので、今のような関係の点は、政府案としても修正をいたした次第であります。
  15. 藤田義光

    藤田委員 これは質問が逆もどりしますが、第四條の規定でございます。第四條には、内閣会議勧告を尊重しなければならないというふうに書いてございます。この案がまとまる以前においては、内閣は、前條の計画に関する法律案国会に提出しなければならない。この場合において、内閣当該計画修正しようとするときは、あらかじめ会議意見を求めなければならないという、非常に明確な規定がございましたが、この最後案によりますと、非常に漠然として参つております。しかも内閣がもし会議勧告を尊重しない場合、どういうふうな制裁規定がございますか。往々にして政治的にこういう問題が生じて来るおそれがあるだろうと思います。簡單に御答弁願いたい。
  16. 郡祐一

    郡政府委員 内閣は各般の政策を総合いたす責任を持つておりまするから、十分他政策との調和をいたす責任を持つておりますけれども、地方行政に関しまして、本委員会勧告に対しては重人なる支障があれば格別でございますが、しからざる限り、この会議勧告は全面的に尊重する考えでありますし、法律の第四條もさような趣旨と理解しております。
  17. 藤田義光

    藤田委員 ただいま官房長官の御答弁で、官房長官の人柄からわれわれは御答弁をそのまま信頼できるのでありますが、もし勧告を受ける立場にある内閣にその人を得ない場合に、非常にいろいろな支障を来すおそれがあると思いますが、最初の原案をこういうふうにかえられましたのは、会議があまりに強力になり過ぎる、内閣にあくまで主体性を置く。総画府の附属機関であるから、内閣の地位を強化するために修正されたというのが、真相でございましようか。
  18. 郡祐一

    郡政府委員 他にも、運輸省の関係かと存じますが、委員会につきまして  のような「一尊重しなければならない。」というような規定の先例はございましたし、趣旨におきましては、会議勧告に全画的に努めて受入れる考えでございますので、表現の上で内閣を拘束するような言葉は避けましても、実質においては十分委員会立揚は尊重されるものと思いまして、このようにいたしたわけでございます。
  19. 藤田義光

    藤田委員 この間地方行政調査委員会議設置提案理由の中ほどに、この会議総理府付属機関とすることなく、日本学術会議と並び、相当独自的の性格を持つ機関とすることとしたのでありますと、御説明になつておりますが、第二條にははつきりと総理府附属機関というふうに規定されております。この点はどういうふうになつておりますでしようか。
  20. 郡祐一

    郡政府委員 第二條には総理府附属機関となつておつたかと存じますが、これは学術会議設置法につきまして、御審議国会においていただきました際も、学術会議が他の附属機関よりも、より独立的なかつ中立的な立場を尊重するというような趣旨で、特に学術会議についてあのような設置についての法律規定いたされたことでございます。それと同じような意味合いで、單なる附属機関と申しますよりも、より強い勧告権等を持ちました意味合いで、委員会設置できておるものと存じております。
  21. 藤田義光

    藤田委員 質問が少し飛躍しますけれども、第五條委員五名の人選でございますが、総理大臣任命することになつております。この法律施行時期も数箇月後に迫つておりますので、内閣においては大体人選が進んでいるのではないかと想像いたしますが、大体この第二項に例示されておりますいわゆる被任命者の方々は、現職者が多いのでございましようか。あるいはすでに第一線を退いておる練達の士を簡抜される予定でございますか。具体的な顔触れは拝聽できないと思いますが、もしこういう人を選びたいという御意見でもあれば、拝聽したいと思いますが、これは人選いかんによりまして、会議の運営に非常に重大な影響を及ぼす関係がありますので、簡單にお伺いしたいと思います。
  22. 郡祐一

    郡政府委員 本委員会委員がきわめて達識経験の人を得ますことが委員会を権威あらしめるために根本的な問第であるから、よほどりつぱな方を得たいものであるということは、この法律提案をいたされます際から内閣として衷心考えているところでありまするけれども、具体的の人選、あるいは具体的に人をさしませんでも、こういうような範囲という点につきましては、木村国務大臣の御意見等も十分承つてということにいたしておりますので、内閣といたしましては、いまだお尋ねのような点についてまで触れた段階には現在至つておりません。国務大臣の方からさらに詳しい点についてはお話は承れるかと存じます。
  23. 木村小左衞門

    木村国務大臣 この委員任命につきましては、総理大臣権限に属しておりまするが、所管責任者といたしまして、私の方で選考いたしておりますただいままでの道程を申し上げますと、申し上げるまでもなく行政調査委員会議というものは、非常な重要な会議でありまして、この会議決定いかんによつては、あらゆる行政機関に画期的な革新を来すような、非常に大きな使命を持ちましたところの最も重要な会議であります。従いまして、この委員任命いたしまする人選につきましては、愼重の上にも愼重を重ねて人選しなけらばならないことと考えておりまして、ここ数日にわたりまして、最もこれに留意をいたしておりますが、人格識見学識経験、あらゆる條作を必要といたしますことは御承知の通りであります。それについていろいろ当つておりますけれども、なかなか容易にそういう人物を得ることができません。できるならば現職でない——現職でないと申しますると、公務員でない方面から選びたいと考えておりますけれども、学者の方では大学の教授であるとか、あるいは経験者の方では、これまでの行政自治その他に経歴のあるような人であるとか、いろいろな方面で物色いたしておりますが、ただいま候補者といたしまして四、五人意中に持つておりますけれども、まだこれを発表いたしまする時期に相なつておりません。従つて総理大臣の方へ人選についてまだ推薦をいたしておりませんが、今臨時国会会期満了までには、国会の御承認を得たいと考えております。なお五人のうちの三人の方は、法文にもありますように、各地方公共団体の長の連合組織代表者推薦するものということになつております。この団体推薦者団体の部内からは、容易にこういうふうな人が得られないらしい状況でありまして、これも部外からただいま申し上げましたような学識経験識見人格、あらゆる條件を具備した人を二名以上選び出す、そうしてこれを選考するというようなことになりておりまして、その方面では、聞くところによりますと担当人選について進捗いたしておるということであります。以上のごとき道程であります。
  24. 藤田義光

    藤田委員 ただいま国務大臣の御答弁にもございましたが、自治庁長官たる木村国務大臣が、この委員任命に対する実際上の管理責任者であるというふうに、解釈してよろしうございますか。
  25. 木村小左衞門

    木村国務大臣 お説のように考えております。
  26. 藤田義光

    藤田委員 木村自治庁長官が実際上の管理責任者であるという御答弁を得まして、非常に安心したのであります。御存じのように法文体裁から申しましても、この会議のねらいは、あくまでも市町村を第一に、都道府県、国というふうな順序で、国家の、あるいは地方事務の徹底的な再編成をやろうという会議であります。人選につきましては、私はぜひともこの地方行政に造詣の深い人を重点に選んでいただきたいと思います。ちまたのうわさによりますと、すでにこの委員選任につきまして、関係各省が非常に競争しているというようなことを仄聞いたしております。従来の地方行政委員会としての体験からいたしましても、ぜひとも地方自治関係の深い人を優先的に三名以外にも推薦してもらいたいということを、当委員会として特に官房長官並びに木村国務大臣にお願いしておきたいと思います。  最後お尋ねは第八條に参考人出頭規定がございますが、その第二項に「前項の規定により出頭を命ぜられた参考人は、内閣総理大臣大蔵大臣と協議して定める額の旅費及び日当を受ける。」というふうになつております。この大蔵大臣を特に協議の相手に規定されたのは何か理由がありますかどうか、われわれの気持といたしましては、ぜひともこれは自治庁が、ある聞はもちろん自治庁あるいは地方財政委員会等事務局で、総理大臣から御相談を受けて出していただいた方が、この会議の実情また法文体裁にもマッチするのじやないかというふうに考えておるのでありますが、この点に関しまして副長官の御意見を拝聽したいと思います。
  27. 郡祐一

    郡政府委員 この種の参考人につきましては、他に法務部関係で、いろいろな委員会同種の例が多いように考えておりますが、他にも相当法令の上で想定されておる場合がございまして、これらの場合に個々の旅費なり、日当をきめる事柄は、單に基準をきめることでございまして、個々のいかなる参考人が適当であろうかということは、会議がきめます場合にも、その当該事跡局従つて地方自治庁とは、実質上は密接な関係を持つて個々の場合にはきめると思いますが、基準そのもの予算にも関係して参りますし、他の同種参考人の場合とも均衡を保つ必要がありますので、基準をきめるために大蔵大臣が関與いたすというぐあいに御了解を願いたいと思います。
  28. 門司亮

    門司委員 これは前に聞いておりますので、重複して御迷惑かと思いますが、幸い郡さんがお見えになつておりますので、一応お聞きしておきたいと思います。  内閣に、ことに自治庁の中にさきに例の自治委員会があり、あるいは内閣の中にもこれは総理大臣法律的の根拠のない一つ諮問機関ではありますが、行政審議会というものがあつて、いろいろこういうものを審議されているのであり、これと非常に重複するような形を示しているのでありますが、こういう強力な委員会ができました場合におきましては、内閣行政審議会は国全体のことを考えておりますので、多少意味は違うかと思いますが、そういうものの整理をされるというようなお考えがあるかどうかということであります。  それからついでに木村国務大臣にお聞きしておきたいと思いますことは、同じ大臣所管の中に地方自治委員会とこの委員会との相互の連絡並びに協調について、大臣はどういうお考えをお持ちになつているかということであります。そういうことをお聞きいたしますのは、この前の自治委員会設置の際にも、これとほとんど似たような案でありまして、ことに委員選出等につきましても、委員の数は多少違つておりますが、実際上の問題としては、やはり地方公共団体代表者推薦するものが委員に選ばれて来ているのであります。ただかわつていると言えば、この中には議決機関代表者が入つていないという程度でありまして、大体似たようなものであつて仕事も似たような仕事である。これについてこの自治委員会との関係を、一応大臣からお開きしたいと思うのであります。  それからさらにもう一つお聞きをしておきたいと思いますることは、この大臣説明書の中に「府県市町村等規模適正化ということについても、研究を進めることになるであろう」ということが書いてありますが、この規模適正化というものは、むろんわれわれの解釈ふらいたしますと、現在の境界変更に触れると考えておりますが、日本の現状は御承知りように、あるいは世間でうわさされておりますように、廃藩置県以来多少変革がなかつたのではありませんが、大体一部一道二府四十二県というような、非常に複雑した行政機構を持つている。これを今日のいろいろな角度から観測し、あるいは考えますと、多少の整理統合を行うべきではないかというようなことは、私どももある程度必要でないかと考えているのであります。單に行政的の面だけでなくして、たとえば治山治水問題等にいたしましても、河川関係はこの前もお話をいたしましたが、御承知のように一本の河川を満足にすることによつて初めて下流の府県災害が免れるというような状態になつている。ことにそれにつながる各公共団体が共同の責任の上に、何らかの形でこれを完成することが必要でないかということが、今日災害等を見ましても、通説にわれわれは考えられる。従つてそういうものを勘案いたしましても、なお府県境界変更というようなことが考えられる。こういうふうに私ども考えておりまして、大臣のこの説明書の中にありますものは、しごくもつともだと考えておりまするが、これについて何か特別のお考があつて、こういうことをお書きなつたかどうかということを、あわせてお聞きしておきたいと思います。
  29. 郡祐一

    郡政府委員 内閣地方制度審議会設置いたしまして、地方制度について根本的な調査をいたそうということは、政府は希望もいたしておりましたし、その準備も進めておつたのでございまするが、これは單に諮問機関でありまして、従つてその審議会自体が強い権限は持つておらないのでありますが、これに反しまして、このたびの地方行政調査委員会議は、法律によりますはつきりした権限を持つております。この委員会議ができまするならば、もはや諮問機関としての地方制度審議会は、その必要がなくなつたのではないかと考えております。行政制度審議会も一応その結論に達しましたならば、長く存続する必要はないかと思います。行政制度審議会は中央地方を通じて、現に意見を申し述べておりますけれども、これらのすベての審議会はこの委員会議ができまする場合にはその必要がなくなり、従つて整理されるものと考えております。
  30. 木村小左衞門

    木村国務大臣 門司君のただいまの私に対する御質問は、ちようどはつきり申し上げておいた方がいいと思いますので、まことに適切な御質問であります。ちよつと法文を見ますると、非常にまぎれやすい。片方には地方自治委員会議があり、今度出た地方行政調査委員会議が設けられると、同じようなことを同じ形で、先ほど勝田君が御質問になりましたように、自治庁長官がこれを主管するようなことになつて来ると、非常にまぎれやすいが、その性格はどうであるかという御質疑があつた。これは[の際特に申し上げておく方がいい御質問と思います。要するにただいまあります地方自治委員会議は、これは地方自治庁機関であります委員会であります。地方自治委員会議は、地方自治庁の需要な執行事務議決機関でありまして、これは全然地方自治庁長官が行いまするその執行事務についての決議機関であります。しかし今度シヤウプ勧告によつて、暫定的に一年半か長くて二年という機関を予測して設置されまするこの地方行政調査委員会議は、地方自治庁と離れたもりであります。先ほど藤田君の、自治庁長官が主管するのであるかという御質問に対して、そうでありますと答えたのは、これが設立いたしますまでは、自治庁長官が主管者であります。これができ上りますると、自治庁長官はこの主管者ではありません。これは関連上おせわはすることになりましようが、その事務局地方行政調査委員会議事務局が別個にできまして、それは御承知の通り補正予算においても要求をいたしておると思います。そしてここの委員会議の性格と申しまするものは調査機関でありまして、別に議決機関でも執行機関でもないのであります。地方の行政に対してその分量、配分その他ひいては中央行政の機関においてもむろん非常に影響することでありますが、そういうものを調査して勧告をする。こういう機関でありますから、これはまつたく性格の異なつたものでありまして、繰返して申し上げますように、これはその任務を終りますれば、自然に解消いたしますところの暫定的な機関であります。この機関において県の分合、町村の廃合を行うような見通しがあるかというお尋ねのように弄聽いたしましたが、それはこの会議の進んで参ります上におきまして、そういうことが起つて来るかもしれませんが、それは会議の性格から申しましてやることと思いまするが、ただいまのところこの会議がそういうことを行うか行わないかということを、ここで予測することはちよつち早計に類するものではないかと思いまして、先にこの設置法説明につきまして申し上げたのでありますが、たとえば府県市町村等規模適正化ということについても、研究を進めることになるであろうということの予想をいたしておるということを、趣旨説明に申し上げておいた。さよう御承知願いたいと思います。
  31. 門司亮

    門司委員 大体最初の郡さんにお尋ねいたしましたことは了承したのでありますが、大臣の今のお話によりますると、なるほど性格の相違その他は一応考えられるのでありますが、ただ私は念のために聞いておきたいと思いますることは、大臣はきわめて簡單にこの機関はあくまでも臨時のものであるから、調査が終えればそれで大体役目は済んだようにお考えになつておると思いまするが、私どもは調査が終えたからといつて、この委員会がただちになくなるというようなことは考えられないのであります。それはなぜ考えられないかと申し上げますると、この委員会が立案をするとか、あるいは調査したことに対して、いろいろ政府勧告いたしまするものが、きわめて規模が大きいものでありまして、單に臨時的なものだから、調査だけをすればよいというようなことでは済まされない。どうしてもこの期間は一年半あるいは二年で、こういうものが私は解決しようとは実は考えないのであります。これはあるいは見解の相違だとお言いになるかもしれませんが、ここに書いてありますような一切のことができるというようなことは、どうしてもわれわれには考えられない。そこで問題になつて来まするのは、先ほどから大臣も、あるいはそういうことがあるかもしれないというようなことであり、さらにそういうことをまだ考えておくことは早いというようなお話でございまするが、地方の今日の公共団体をして敢然にこの立案された趣旨に基いてその使命を果させようとするならば、私は相当な時日と相当大きな陣容を整えなければ、とうてい困難だと考えておるのであります。これはきわめて重要な大きなものを持つておるものが、わずか一年半か、あるいは二年で、しかもきわめて貧弱な陣容で、そういう大規模なものが達し得られようとは、どうしてもわれわれには考えられないのであります。従つて今の大臣答弁に対しましては、私どもも非常に大きな疑問を持たざるを得ないのであります。その疑問を持つております点は、やはりこの調査委員会議も單なる調査をしただけでなく、強力なひとつの発言権を持ち、強力な立案機関であるというように、大臣お話でございますが、そういうことにならないのではないか。わずか一年半か二年のうちに、実際の問題として一体どれだけの仕事ができ得るかということを考えておるのであります。  さらにそういう観点から私はお聞きしておきたいと思いますことは、陣容の問題であります。これはこの前の委員会でもしばしば議論になりましたので、十分おわかりだと思いますが、なお大臣からあらためて聞いておきたいと思いますることは、本年度においては六名をふやす、来年度においては相当数の人員をふやして、これの十分な活動のできるようにするというようなお話でありまするので、もし来年度の構想がございまするならば、この際御発表を願いたいと思うのであります。  それからその次に聞いておきたいと思いますることは、この機関設置されれば、自治庁所管から離れるのではないかというような感じを、令の答弁ではわれわれは受けたのであります。設置するまで自治庁が世話をやくのであつて、できてしまえば別個の機関としてこれが動くのだと、私は感じたのでありますが、もしそうだとすればこれは内閣のいずれに所属するかということを、この際もう一度明確にしておいていただきたいと思います。
  32. 木村小左衞門

    木村国務大臣 会議がきわめて重要性を持つておる会議であるから、一年半や二年ではその調査ができぬではないかという御疑念があるようでございます。これは一年半か二年の暫定機関であるということは、われわれの見通しでありまして、まず一年半か二年先、最長二年あればこの調査は満了するものであるとわれわれは見越しておりまするし、シヤウプ勧告案趣旨にも、そう長く存置すべきものでないという趣旨は、十分に織り込まれております。と申しますのは、これが調査いたしましたものをただちにこの調査委員会議そのものが、これを執行するわけではありません。この会談の下には、下と申しましようか、これに附属したものとして專門調査員が二十名ありまして、そのほかにまた連絡員が三十名ありまして、これだけの人数で、そうして最高五人の委員は、その專門調査員なり連絡員の調査したものに対して、またここに愼重審議するというような方式になつておりまして、調査が官僚いたしましても、これは調査委員会議がこの事務を執行するのじやありません。執行権のないものであります。どうするかと申しますると、これは法文にも書いてありまするように、最終の決定は国家の最高機関である国会がいたすことになつております。国会がこれを決定いたしまするならば、政府において適当な処置をとつて、これを具体化するということに相なりまするので、またその具体化する場合において、必要があればいかなる機関政府が設けるか、それはただいまから予測できぬことであります。ただ調査機関というものは、字句にありまするように、地方行政調査機関でありまして、調査立案の答申をいたしまして、国会へ提出すれば、それでその真否の最終の決定権は、国会がこれを持つているということに相なりまするから、大体一年半か二年で終了するものではないか、こう考えております。
  33. 門司亮

    門司委員 これができ上ると、主管はどの大臣に所属するのですか。
  34. 木村小左衞門

    木村国務大臣 主管は先ほど申し上げたように、これには国務大臣関係いたしません。特に関係をいたさないことになつております。なぜかと申しますると、地方行政に関する地方自治の基盤の精神は、地方自治の独自自治ということでありますから、地方自治の独立自治を行う調査に向つて国務大臣という内閣の閣員が入るということは、時の政府のいわゆる施政の方針のようなものに、これを誘致する。あるいはそれに威圧を加えるような感じを與えるということは、最も避くべきことであるからというので、国務大臣委員にも何にも関係いたしません。これは法文にもあります通り総理府機関として、総理大臣直属のものであります、但し自治庁が存在しておりまして、自治庁自治庁の存在の意義によりまして、地方自治に関しますることにおせわ役をしておりまするから、この会議のおせわは間接にいたしますことはもとよりであります。
  35. 床次徳二

    ○床次委員 先ほども大臣から御答弁がありましたが、この会議は将来の日本の自治政治を完全に発達せしむるためには、まことに重要なる役割を持つております。ただいまもお話のありましたことく、でき得る限り色彩を持たない立場にあり、しかも県、市町村、並びに国の事情に通じた者が結論を出すべきものである。これは当然であろうと思います。それで先ほども谷口委員から御質問もあつたのでありますが、この委員会議がその結果を内閣勧告し、あるいは内閣を経由して国会勧告するということに対しまして大臣から御答弁がありましたが、大体建前から申しまして、国会勧告することがシヤウプの勧告趣旨でもあり、方法は両方あるということを大臣も申されており、内閣勧告した方が立法上いくらか便利であるかのような気持で、お答えになつたような気がするのでありますが、本来の建前から申しまして、やはりこれは国会勧告するのが建前であるということを、私は最初に申し上げました。現在の日本の自治制の情勢から考えまして、今まで自治体の立場を十分に考えておられるところがないということが、今までの大きな欠点であつたと思います。今日の事情から見まして、国の方は健全財政を主張しておりますが、その犠牲となりましたのは地方の財政であるということが、現実に現われておるのでおります。これが内閣意見によつてある程度まで左右されるというようなことになりますと、将来健全に発展せしめようとするところの地方自治が、あるいはゆがんでしまうかもしれないという懸念もなお残つておると私は考えるのであります。この機会にこういう重要なものはでき得る限り理想に近い形にして設置されたらいかがかと思うのでありますが、これに対して政府の御意見を伺つてみたい。すなわちかかる事柄は、やはり国会ができ得る限り妥当な結論を出し得るように政府が協力なさるという態度をとるべきではないか。本来から申しますれば、やはり国会が活動すべきものである。ただ現在の国会の実情から見ますると、いろいろの立場において、その機構が不完全であり、不なれであるという欠陥は持つております。従つて内閣の方が便宜ではないかというようなお考えも出ようかと思いまするが、本来の国会の使命、また将来あるべき国会の活動方向というものを見て参りますると、やはり国会勧告してもらう、国会はその資料をもちましてただちに立法化してこれを実現するというのが、ほんとうの建前ではないかと思う。大臣も今日の日本国会がかような方向に発展して参ることは、むろん望んでおられるのじやないか、また地方自治もそのためによく発展するのではないかと思うのでありまするが、はたしてかかる理想の方向に向つて努力するお考えを、お持ちであるかどうかということを承りまと思います。  なお第二といたしまして、この会議国会中心に運用せしめまする場合におきまして、いかなる支障があるかどうか。内閣に属せしめて、この規定のように運営して参りますのと、国会に所属せしめ、国会勧告せしめてこれを運用して参りますこととの間に、いかような不便があるかということをお尋ねいたしたいと思うのであります。
  36. 木村小左衞門

    木村国務大臣 床次委員の御質疑なり御意見は、私も全然同感であり、私もそういうように考えておりますが、ただいまのところそれが率直にできかねるような国家行政組織法というのがあります。また国会法には、内閣かあるいは議員が提出しないと、法案はぢかには国会提案することができぬことになつております。この委員会談がかりに内閣にただちに勧告するとしても、その手続がただいまのところはできません。そうして国家行政組織法において、総理府機関ということになつております以上は、やはり総理府を、内閣を経由するということにならざるを得ぬことになつておりまするが、御説のごとく私どもの希望いたしまするのも、国会独自の機関として国会独自で有機的にどんどんやつて行くようなことになつて初めて、民主主義の実現ができるものと考えております。ただいまのところ、そこまで行くことがいろいろな規定に制約されてできないから、こういう法案を提出いたしましたので、打明けて申し上げますと、その通りであります。
  37. 床次徳二

    ○床次委員 ただいまの問題は、国会立場からいたしましても、非常に重要な問題でありまして、これは当委員会におきまして十分研究すべき問題じやないかと思うのであります。大臣も私の質問の意のあるところを御了解いただいたようでありますが、現在の法案から申しますと、問題になつておりますのは、この第三條におきまして、「内閣及び内閣を経由して国会勧告する。」という事項と、それからただいま後段において仰せられました第二條の問題、これが行政組織法規定に基いて設置してあるということが、一つ理由になつておるのでありますが、この第二條を改めで参りまするならば、ただいまの御議論を必ずしもなさらなくても済むのではないかという感じがする。討論をいたす時期は早いのでありまするが、よく御当局のお考えをいろいろ承りまして、われわれも考えさしていただきたいと思うのであります。この第二條の、国家行政組織法に制約されないところの委員会を置くことも可能なんじやないかということを私考えるのであります。これに対しての御意見いかがでしようか。あるいはたとえ第二條をこのままに残しておきましても、第三條において国会にまず勧告する。そうして国会勧告したあと内閣に報告するというような形でもとれるのではないかと思うのでありまするが、この疑問に対してどういうふうに考えておられるか、お聞きしたいと存じます。
  38. 木村小左衞門

    木村国務大臣 理想といたしましては、私どももそういうふうに考えておりまするが、ただいまの諸般の事情、規定なりをしんしやくいたしまして、ますこの注文の程度において一応本委員会議を設置したらよかろうと考えまして、提案いたした次第であります。
  39. 床次徳二

    ○床次委員 委員長にあとでお諮りを願いたいのでありまするが、この問題に関しましてこの委員会立場におきまして、将来大きな問題を残すものと思いますので、討論に入ります前に十分懇談の機会をお與えいただくように、特にお願いいたしたいと思います。
  40. 谷口善太郎

    谷口委員 今床次委員の申されました懇談の機会を持つてもらえませんか。私どももこの点、非常に重要な点だと思います。こういう行政組織法によつて委員会をつくるよりも、国会の中に特別委員会というような形でつくつてもいいんじやないか、むしろその方が早いのじやないかという考えを持つております。そういう点について、この委員会で十分に隔意のない懇談をやる機会があつてもいいのじやないかと思います。
  41. 中島守利

    中島委員長 速記をやめて、このままで協議をしたいと思います。その程度でどうですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 中島守利

    中島委員長 委員だけに限りますか。公開にしていいでしよう。——それでは速記をちよつとやめてください。     〔速記中止〕
  43. 中島守利

    中島委員長 それでは速記をとつてください。  地方行政調査委員会議設置法に対しては、ただいまいろいろ御研究になりまして、討論に入る以前においてまだ研究を要する点があると思いますので、本日はこれで質疑を終了して、討論に入るということはやめまして、明日午前十時委員会を開きまして、この案に対して討論に入り、採決に入りたいと思います。その間にどうか各党意見の一致を願いたいと思います。なお本日は地方配付税法の特例に関する法律の一部を改正する法律案、この法案大蔵大臣及び大蔵省関係政府委員の御出席がありませんので、これを延期いたします。本日はこの審議に入りません。どうぞさよう御了承を願います。
  44. 野村專太郎

    ○野村委員 ちようど木村国務大臣がお見えになつておられますので、一、二の問題について、緊急にお尋ねしたいと思います。  今朝の新聞の伝えるところによりますと、先般の委員会におきまして、不動産取得税並びに入場税に関する問題を委員長さんの方から御指示があり、また実施時期に対しては、委員会としても十二月一日、すなわち臨時国会提案を見て、十二月一日から実施ということでこ大いに期待しておつたわけであります。国務大臣並びに関係当局の努力は想像されるのですが、その後非常に困難な状態考えられ、しかも不動産取得税に対しては、今住宅問題が深刻な状態にあり、いわゆる惡税、重税の結果が非常に隘路になつておる。しかもこれがシヤウプ勧告によつて撤廃することになつたことは、国民が双手をあげて期待しておつたのであります。しかもこれが実施時期が委員会としては十二月一日、また先般の国務大臣の言明によりますると、一月一日をもつて実施いたしたいということであるが、われわれ委員会としては十二月一日にできなくても、せめて一月一日にできますならば、非常にいいと思うのでありますが、現実にこの問題が、もし年度内はこのままで行くということになりますれば、今住宅問題ばかりでなく、実際時々行われておることが、正当な徴税の面に現われて来ないだろう、こういう結果が非常に日本再建の上に大きな影響を来すのであります。これは先般の木村国務大臣お話の通り、万難を排して一月一日、いわゆる年内に実現するように、ひとつ政府当局の勇断を促したいと思うのであります。  それから入場説に対してもしかり、これは各党あげてこのことに期待しておつたのでありまして、これを年内に断行して行きまするならば、地方自治団体に対しては有力なる財源ではありまするが、そう減收にならないで、いわゆる成果を上げられることを、われわれは期待をいたしております。しかもこれに対する入場料金の統制等も撤廃して、その受入れ態勢は完備しておるのでありますから、こういう点から考えまするならば、特に都市における健全娯楽として、しかも今日の映画、演劇の状態からいたしまして、私は政府側が憂慮しなくても、そう減收にならずに行き得られると思う。せつかくシヤウプ、ミツシヨンがこれを指摘いたしておりますから、この両税に対しまして、少くとも一月一日から実現のでき得るように、政府当局の特段の善処を要望いたしたいと思います。この点に対して御所見を承りたい。
  45. 木村小左衞門

    木村国務大臣 この際速記をとめていただきます。     〔速記中止〕
  46. 中島守利

    中島委員長 速記を始めてください。ただいま木村国務大臣から入場税の引下げ並びに不動産取得税の廃止に対して経過のお話がありました。この問題は当委員会におきましても、すでに委員諸君の意思が大体一つにまとまりまして、入場税の方は目下の場合においてはやむを得ないから十五割を十割に、演劇に対しては十五割を七割に、不動産取得税については全廃するという意見の大体の話合いがつきまして、この法案を作成し、渉外課を経てその方面に承認を求めておつたのであります。委員長としましても関係筋と会いまして事情を陳情いたしたのであります。不動産取得税に対しましては、ただいま木村国務大臣が述べられたような意味であります。入場税に対しては私の述べた理由は、大体において今年度の入場税の収入は、予定より約一割増收になつております。これは全国的には調査はできませんが、東京都のつり合いを見まして一割だけ増收しておるりであります。それからこれまでの入場税の收入の慣行としまして、来年の三月分の入場税は二十五年度に入るのであります。二月で打切られるわけです。そういうわけですから、かりに一月一日から減税しますと、私の方の委員会としては十二月一日を標準としたのでありますが、十二月一日から液税しましても減税する月数は三箇月である。これまで收入しておりました月数は、これの約三倍に当るわけでありますから、計算から行きますと、これから減税するものに対して、その六割がすでに收入増によつて補い得るわけであります。そういうわけですから、あとの四割が收入減となるわけであります。これを十割とします。その四割は、今度の入場税の引下げは各映画会社、協会その他において全部入場料の引下げに充てるということになつておりますから、これは観覧者の方の負担が軽くなるわけでありまして、経営者に、入場税の引下げたものが転化されるものではないのであります。そのために入場者のふえることが実際想像できるのであります。この調査によりますれば、高い入場税が低下されただけで、入場税は必ずその年度の收入には達し得ると協会では強調しております。それをごく内輪に見ましても、地方財政に及ぼす影響は私はないと確信しまして、その意味である筋に交渉したわけであります。ところがいまだにこれに対して承認を與えてくれないのであります。野村委員質問に対して、木村国務大臣がお答えになりましたから、この機会に委員長として御報告申し上げます。  それでは本日はこれで散会いたします。     午後一時六分散会