○
鈴木(俊)
政府委員 地方自治法百五十六條の
改正によりまして、條例で
行政機関が設けられるようになることの結果、なるべく
行政費を圧縮して行こうという全体の
考え方からして、必ずしも適当でないのではないかという
お尋ねのようでございますが、現在
府県のいわば下部的な
組織といたしまして
地方事務所というような、
府県庁で処理をいたしておりまする仕事の全面的、総合的な出先の処理
機関が
一つあるわけであります。それが百五十五條で
地方事務所が置けるというふうに書いてある点でありますが、これは條例で設置、廃止が自由にできるようにな
つておるのであります。これに対しまして特殊な
行政を処理しますための特殊部門だけの出先の
行政機関というものを置きます方法としては、現在百五十六條に
法律によ
つてのみこれが置けるようなことにな
つておるのであります。その最も顯著なものは保健所でありますが、全体の
考え方といたしましては、
地方事務所というものがもし存続しておりますならば、ばらばらの
機関をいろいろつくりますよりも、できるだけ
地方事務所においてまとめて処理するような仕方にした方がよいわけであります。しかしながら特殊な
行政上の必要からして、
地方事務所と別個の何らかの
行政機関を設けなければならないというようなことも
府県としてはあるであろうと思うのでありまして、必ず
法律を一々出さなければそういうことができないというような形にいたしますよりも、やはり條例でそのような特殊な
行政機関をつくられるという建前にいたしておいた方が、自治の本旨から言
つて適当であろうということで、こういうふうにいたしたのもあります。また
シヤウプ勧告等から申しましても、
都市の
区域においでの
府県税の徴收というようなものが、市役所の機構を通じて徴收してもらう、このようなかつこうで行きますならば、現状
通り特別の必要はないわけでありますが、もしも
府県の仕事と市の仕事の処理を、できるだけ系統を別にして処理して行くというようなことによ
つて、責任の紛淆をなるべく来さないようにしようという、一種の
シヤウプ勧告の中にくみとられます精神を拡充して参りますと、やはり市の
区域で
府県が税金をとります場合には、あるいはそのための税務出張所というようなものを、市の中に特別につくらなければならぬかもしれないと思うのであります。そういうようなことも予言せられなくはございませんので、そのようなものも一応
考えました上で、こういうような條例の定めるところで、特殊
行政機関が置けるというようにいたしたのであります。
第二の
お尋ねの、
都道府県の定例会を六回以上とありますのを、四回以上というふうに減らしました
理由は、どういう
理由であるか、これはやや逆行ではないかという
お尋ねでございますが、これはやはり
都道府県議会は、
府県内の各地から相当議員が選出せられておるわけでありまして、
都道府県議会を頻繁に開くということは、やはり相当の
経費を要するわけでございますし、また執行
機関の
部面といたしましては、
議会がございますと勢い各
事務を処理しております局からの、追加予算の
要求というようなこどもございまして、その処理のために二十日なり、あるいは大きな所では一月も、いろいろの問題が起
つて、そして予算を編成して
議会へ出すことになるようなことでありまして、勢い
経費の膨脹を馴致するというようなこともないと思うのでありますが、また自治執行
機関といたしましては、そのために
事務能率を、
事務分量を相当下げなければならないというようなことがございまして、頻繁に
都道府県会を開きますよりも、むしろ一回の会期を相当長くして、回数を少くするという方が、少い
経費で能率もよりよく上げていただくことができるであろう。執行
機関側もその方が都合がよくはないかというようなところから、大体四回ということにいたしたのであります。この回数を
決定するにつきましては、各
地方団体の執行
機関、
議決機関両者の代表で構成しておられます
地方自治委員会議におきまして、十分
意見を練
つていただきました上で、
政府といたしましても四回が適当であろうということにいたした次第であります。また常任
委員会というものは、
議会が閉会中でもあるわけでございまして、必要に応じて継続
審議もできまするし、また
理事会はいつでも緊急事件がありますならば開会できるわけでありますから、四回ということにいたしましても実際上の支障は起るまいというのが、
政府のこの
改正案を
提案いたしました
理由でございます。