○徳島
公述人 徳島でございます。私の申し上げる
立場は
二つございます。
一つはこの改正になる税法を実際に
実施するところの税務官吏の
立場、もう
一つは今非常に問題にな
つております官庁従業員の賃金ベースの問題にからんで、はたして今度の減税案によ
つて実質賃金が向上するかどうか、こういう
二つの観点を中心にして申し上げたいと思います。
その前に、今
国会でいろいろ論議されておりまする補正予算に対する
質疑を、新聞等によ
つて拝事いたしますと、こういうふうに
シヤウプ勧告によ
つて税金の問題が非常に大きく取上げられている現在の
状態にもかかわらず、やはり
税金の問題についてはまだあまり理解が行きわた
つていない。国
会議員にもまだ十分その理解が行きわた
つていないということを痛感するのであります。その一例を申し上げますと、財政演説に対する
質疑では、自然増収ということが非常に疑惑を持たれて論議されております。これは大蔵大臣の答弁にもありましたけれども、これを
簡單に申しますと、これは結局年度初めにおける見積りを、最近の状況によ
つて訂正したというのが自然増収でございます。しかしながら今度の自然増収を見てみると、そういうほんとうの状況の変化というよりも、むしろ当初予算のときに、
一つの作為的なものがあつた。それを現在修正しておるというふうなことが感じられるのであります。その例を申し上げますと、今度の自然増収のうちで一番大きなものは何かと申しますと、法人税の自然増収が二百二十七億八千九百万円あります。それから
勤労所得税を中心にした源泉徴収分の増収が百四十九億五千万円、それを酒税の自然増が百二億、この三、つが大体自然増の中心でありまして、
国会に提出されました自然増は二百十三億でございますが、それを内訳で見てみますと、増加するものが五百三十億九千七百万円、それからかえ
つて反対に減少するもの、つまり見積りを訂正して予算を減少しなければならないものが三百十七億八千五百万円ございまして、差引二百十三億の自然増ということにな
つております。その五百三十億の自然増の中で、今三つ申しました
税金が四百七十九億三千九百万円で約九割、
従つて自然増の問題は、この三つの
税金がはたしてどういうわけで自然増に
なつたかということを調べれば、すぐわかるわけであります。ところがこの三つの
税金の中でも、中心にな
つておる法人税の二百三十七億八千九百万円の増収ということは、これはもうすでに今年の四月ころに、当初予算を
決定した当時にわか
つておつた問題でありますが、この点につきましては私の所属しておる全財でも、当初予算が
決定されたときにこの問題を取上げまして、歳入予算の中に法人税が非常に過少に評価されておる。あまり苦労せずに、現在の予算の二倍はとれるということを批評しておきましたが、これは何も労働組合の
立場から言うのではなくして、
大蔵省の主税局でもこういう見解を持
つてお
つたのであります。その証拠には、
大蔵省の人が非常に
関係されております財政経済弘報という週刊の雑誌がございますけれども、これにもはつきりと出ております。これは五月九日号の財政経済弘報でありますけれども、これによるとこういうふうに書いてあります。つまり法人税は二百七十二億円であるが、これは最も過少に見積られておる。これは予算額の倍額五百億円は十分徴収し得るよう努力したい。こういうのが
大蔵省の見解でございます。
従つてこれはもうすでに当初予算が組まれたときに、最初からこの見積りが少い。十分当初予算の倍くらいはとれるということが最初からきま
つておつた。この原因は何かと申しますと、最近国民
所得の計算が改訂されて発表されておりますけれども、それによリますと、当初予算のときに
決定されておつた国民
所得の見積りは、法人
所得として七百五十億、ところが最近発表された国民
所得の計算を見ますと、法人
所得は千百九十億にな
つております。
従つて差引四百四十億増加したために、この自然増に
なつたというのでありますけれども、この四百四十億がなぜふえたか。この
理由をいろいろ探究してみますと、いろいろの原因がありますけれども、一番大きな問題は、いわゆる資産再評価の問題ではないか。つまり当初予算のときにもすでに論議されておりましたけれども、それは
決定にならなかつた。しかし
決定にならないにもかかわらず、すでに当初予算の計上のときにおいては、この資産再評価というものがいつでもやれるように、最初から資産再評価があつたものとして、こういう予算が組まれておつたというふうに考えても、大きな間違いではないと考えます。それからそのほかの源泉徴収の
税金にしても、酒税についても、いずれもこれは先ほど申しました財政経済弘報を読みますと、予算額以上徴収できるということが書いてございます。
従つてこの問題は当初予算のときに、すでにもう予想されておつた問題でありまして、特に取立てて論議する必要のなかつた問題であります。もし論議するとすれば、なぜ当初予算のときに当然訂正しなければならないものを、ほ
つておいたかということに向けられるべきであつたと思います。そういうふうに、こういう自然増というような論議
一つを見ましても、
税金の問題がほんとうに理解されていない。
従つて今度のシヤウプ税制の問題にいたしましても、いろいろ問題が含まれております。そうしてそれに対する大蔵大臣の答弁を見てみましても、今の大蔵大臣は
税金の專門家で、
税金のほんとうの
事情を知
つているにもかかわらず、答弁は非常に一面を強調して、
政府の政策に都合のいいように、今度の場合は貸金くぎづけを押しつけるために、ちようど都合のいいような面だけを強調して、そしてうまく行かなかつた点については、ほほかむりをしてしま
つておるというふうな答弁が見受けられるわけで参あります。
その一例を申し上げますと、
所得税の今提出されております
臨時特例等に関する
法律案でございますが、これによ
つて勤労所得税は非常に軽減になる。新聞によ
つて答弁を拝見いたしますと、減税は各職種を問わず一律に
実施する考えで、特に労働者に対しては思い切つた減税をはかりたいということが、産業経済に出ておるわけでありますけれども、しかしながら今度のこの
臨時特例等に関する
法律案というのは、まつたくシヤウプ税制の一環としての特例であります。つまり二十五年の一月からの
所得に対して、新しいシヤウプ税制を
実施するための、
一つの暫定的な
措置であります。
従つてこの根拠にな
つておるものは、もちろんシヤウプ税制そのままであります。
従つてシヤウプ税制全体を考えてみた場合に、いろいろな職種の中で一番減税の
恩典にあずかるところの少いものは、労働者でございます。これはいろいろな解説をごらんになればよくおわかりになるように、今度のシヤウプ税制によ
つて一番損をするのは労働者であります。その根拠を申しますと、今まで二五%認められておつた
勤労控除が、今度は一〇%に下ります。そうして
現行税法との軽減割合は、労働者の場合が一番割が悪いのであります。そういうふうなシヤウプ税制にもかかわらず、大蔵大臣はこういうふうに特に労働者に対して、思い切つた減税をはかりたいと言
つておる。これは明らかに国
会議員を愚弄した答弁ではないかと考えます。
次に問題を
所得税あるいは
織物消費税、
物品税あるいは
取引高税の
撤廃、こういう三つの改正案を中心にして、はたして労働者の実質賃金は向上するものであるかどうか、この点について考えてみたいと思います。先般大蔵大臣は参議院におきまして数字をあげて、実質金は、確かに向上するという案を示されております。この根拠につきましてはまだ詳細に聞いておりませんので、私の推測した範囲で申し上げますと、この案は
税金の中では、直接税では大体
所得税だけを取上げて、地方税について触れていない。これは四月から
実施するから触れないというふうに考えられるのでありますけれども、しかしながらこの問題もやはり大きな観点で考えなければならない問題でありまして、現在住民税等におきましても、住民税の
課税の基礎にな
つておるのは、一年の
所得でございます。
従つて現在立案せられているように、もしかりに地方においても現在の住民税が、今度は地方
所得税とかわ
つて、
所得税の附加税的なものになり、そうして
源泉徴收が
実施されるということになれば、また別問題でありますけれども、今のように源泉徴収がむずかしくて、やはり一年に二回にわけて徴收されるということになれば、当然一月からの
所得に対しては、地方税が新しい改正案によ
つて非常に増加してかけられるということを、当然考えなければならないわけであります。そうした場合においては、今拂わなくても当然
あとでわか
つて来るところの
税金も
考慮しなければ、議論にならないというふうに考えるわけであります。大蔵大臣の説明に対しては、その点が中心ではないかと思います。つまり
シヤウプ博士が繰返して強調しておるように、今度の税制というものは、ただ
一つをつかまえて論議してはならない。つまり税制全体を論議しなければならないという問題であります。今度の減税案は、
所得税の中では、
勤労所得税たけが補正予算の上では減税にな
つております。しかし、だからと言
つて、これは勤労者に対してのみ減税の
恩典があるというふうに考えるわけには行かないのであります。と申しますのは、一月から三月までの
所得に対しては、勤労者は毎月とられておるために、もう一月からすぐに減税の
恩典があるかのように見えております。しかしながらほかの事業
所得の場合におきましては、これは一月から三月、あるいは一月から五月までの
所得に対するこの
税金、これは六月の終りまでに拂えばいいのであります。つまり勤労者の場合は、
税金を営業
所得者、あるいは
農民の場合よりも、先まわりして
税金を納めてしま
つておる。
従つてこの予算の面では、一足先に減税が
実施されておるように見えるけれども、実際問題としては、営
業者それは以上の減税が一
税金を納める時期はもちろんおそく、そういう面も非常に有利でありますけれども、ともかくもこの補正予算を眺めて、そうして今度の減税案が
勤労所得税だけ減税にな
つておるかのような印象を受けるのは、非常な間違いであります。この減税の
恩典は当然営
業者全般に、あるいは
農民全般にかかる。勤労者以上の減税の
恩典が、ほかのものにはもたらされるわけであります。
そういうふうにこの
所得税法の
臨時特例等に関する
法律案一つを取上げてみましても、これを慎重に御検討願わないと、次の通常
国会に提出されますほんとうのシヤウプ税制の改革案、この問題が当然これにひつかか
つて来るわけであります。つまりこの
臨時特例は非常に暫定的な、おざなりのような
法案であります。しかしながらこのもとにな
つておるものは、当然シヤウプ税制そのままの案が、この暫定案に現われておるわけであります。この案が
決定されるまでには、
政府の方から新聞等に発表されておりましたいろいろなシヤウプ税制以上の減税案というものが、全部だめにな
つてしまう。そうして結局はシヤウプ税制に落ちついてしまつた。
従つてこの案の
審議というものは、当然
あとに予想されるところの本格的な
税制改革に対する前哨線のようなものであります。
従つてこの点については愼重に御検討あらんことを
お願いするわけであります。
その次に今度の減税の中心は間接税であるというふうに、新聞等に論じております。減税の金額から申しましても、その中心は間接税に置かれているようであります。その中でも一番大きな金額が
取引高税、それに
物品税、
織物消費税がついて行くわけであります。この間接税の
撤廃あるいは軽減が、実際に労働者の家計、あるいは
農民の家計に、どれぐらいのいい結果をもたらすかという点については、よく検討して見ないと、非常に大きな誤解を生むもとであります。この前発表されましたシヤウプ案をもとにして、以前、
取引高税の
撤廃が生計費の上に、どのくらいの変化を與えるものか、一度試算して見たことがございます。その結果によりますと、その資料といたしましたものは、産別の理論生計費、一九四九年の七月分の成年男子の独身者の生計費を基礎にいたしまして計算してみますと、総生計費に対する
取引高税の
税額が、〇・九%というふうな数字が出たのであります。この計算は
一つの仮定でありまして、いろいろ議論があると思いますけれども、いろいろな考え得る限りの方法を使
つて計算してみますと、今のような結果が出たのであります。しかもさらに問題は、この
取引高税が
撤廃されて、はたして物の値段が安くなるかというと、われわれとしてはとうていそういうことは考えられない。と申しますのは、現在この
取引高税というのは、
消費者に転嫁することを予想した
税金でありますけれども、今の
購買力の低下、あるいはこの
取引高税がわずかに一%という、税率が低過ぎるために、
消費者に転嫁せずに、小売商人の
負担にな
つてしま
つているような現状であります。
従つてこの
取引高税の
撤廃が、生計費にどれだけ影響するか。これはほとんど
考慮にも値しないほどのものではないかというふうに考えられるわけであります。そのほかの
織物消費税あるいは
物品税の問題にいたしましても、こういう
織物消費税のかかる物、あるいは
物品税のかかる物を、ほんとうにわれわれの生計費の中からはじき出してみますと、非常にわずかなものであります。つまり現在の生計費というものは、非常に切り詰められてお
つて、
織物消費税のかかるような服とか衣類というものは、われわれとしてはなかなか買えない。
従つてそれに対する
税金は、一年間を通じて見ますとあまり大きなものではない。
従つてこれが生計費の上に與える影響も、ほんとうに微弱なものであるということが言えるわけであります。そういうふうな観点から眺めますと、今度の減税というものは、決して労働者の実質賃金を向上させるようなものではない。反面においていろいろな要素から、物価の騰貴が予想されております。もうすでに米価が
引上げになることが
決定されておりますし、そのほか運賃の
引上げ、あるいは電力料金あるいはガス料金、さらに
価格補給金の
撤廃以外の原因によ
つて、たとえて申しますと、今度の資産再評価よ
つて、やがてはいろいろな物資に影響が及ぶ。そのほか
取引高税の
撤廃にかわ
つて、今度は新しい事業税というものが、大体
取引高税と似たような
性質をも
つて、
消費者に転嫁されることが予想されます。この問題は、先ほど
取引高税は現実の問題として、あまり転嫁していないと申しましたけれども、この新しい事業税の最も多くかかるのは、大きな工場であります。たとえて申しますと、現在金属工場では、
取引高税は売上高に対して一%でありますけれども、これを新しい事業税、附加価値税に直して計算してみると、大体売上高の三%くらいの
税金がかかるというふうな計算を立てております。
従つて大工場あるいは独占企業の
製品が、この新しい事業税、附加価値税を
製品に転嫁して、値段を上げて来るということになれば、この面からも物価騰貴が予想されるわけであります。そういうふうにいろいろな面から、今後物価の騰貴が予想されますので、この前大蔵大臣が
国会で御答弁に
なつたような、実質賃金が向上になるということは、長くは続かないわけであります。こういう
状態は間もなくくつがえ
つてしまうわけであります。
次に問題を税務行政の面に移しまして、今度の改正案を論議して見たいと思います。この
法案によりますと、
青色申告書の制度が一月から
実施できるように、
法案の整備がされております。この
青色申告書によ
つて、はたして
シヤウプ博士が考えておつたような、いろいろな税務行政面の改善が
実施されるかどうかということを、直接税務官吏の
立場から考えてみたときに、これは非常に大きな疑問があるのであります。と申しますのは、これとやや似た制度が、現在でも行われております。現在税務代理士がや
つておる納税
申告の場合に、これは戰時中から継続された制度でありますけれども、税務代理士が全責任を負うものと、納税者が提供した資料だけによ
つて作成した書類と
二つにわけまして、青色と黒色にわけて、責任の限度を明らかにするような制度が、戰時中から
実施されております。しかしながらはたしてこれがうまく運営されておるかというと、当初考えられたようにはなかなか
実施されていない。税務官吏もそれを信用しないというふうな現状であります。この原因は何かと申しますと、一番大きな
理由は、
税金が高過ぎるということであります。この
帳簿指導ということを
シヤウプ博士がやかましく言われましたときに、私は
シヤウプ博士に申し上げたことがございます。
帳簿指導とか、あるいはガラス張りの営業というものは、いろいろな制度をこしらえたり、あるいはいろいろな罰則をも
つて強制しても、実行できるものではない。その一番大きな基礎になるものは、どうしても合理的な税制である。つまり納税者が納められる限度の税制にしなければ、決してこういうものはうまく行かないということを申し上げたのでありますけれども、今度のシヤウプ案による
所得税その他の税法を眺めてみると、はたしてこれでうまく行くかどうかについては、大きな疑問があります。私はなかなかうまく行かないだろうと思います。またこれを監視するところの税務官吏にしても、現在の陣容では十分監視できない、こういうふうな現状であります。
この機会に現在の税務機構の現状を申しますと、
シヤウプ勧告では、この前行政整理の一環として
実施された税務官吏の行政整理、予算定員の二割の首切りを元に返すように、つまり前の人員以上の人員で、税務行政をやらなければならないという
勧告がございましたが、これはまだ
政府の方に受入れられておりません。この行政整理の時期が済んでから最近にな
つて新しく專門学校程度以上の卒
業者を対象にして、税務官吏の募集をや
つております。ところがこの募集に対しては、すでに二、三日前の大阪新聞では、応募者の中に会社から派遣されたスパイがまじ
つておるというふうな、すつぱ抜きの記事が大きく出ておりました。これは何も今に始まつたことではなくして、戰後からこういう問題がやかましく言われておるのであります。われわれもまた往々にして、そういう事実のあるのに気がついたときもあります。つまり会社が蔭で応援して税務署に入れて、そうして税務署のいろいろな内容を探つたり、あるいは税務署がどういうふうな
調査をやろうとしておるかというようなことを探しておる。これはなぜこういう悪例が出たかといいますと、戰後非常に税務官吏の増員が叫ばれ出して、そうしてどんな人でも応募する者さえあれば、みんな採用しておつた。こういう点が非常に悪い例を残しまして、現在でもまだこういう習慣が続いております。そうしてまた現在の応募者に対しましても、この失業のさなかでありますけれども、やはり官吏全体の賃金ベースが低いために、税務官吏については特別職が與えられておりますけれども、それでもやはりほかの民間と比べると給與ベースが低いために、あまり優秀な人が集まらない。これが現在の税務行政を非常に阻害している点であります。
時間がございませんので、
簡單に結論をつけたいと思いますが、もう二、三点
簡單に申しますと、今度の首切りの中に非常に清廉潔白な者がたくさん首を切られて、現在汚職の摘発を盛んに行われておりますけれども、こういう人が首を切らずに残
つておる。こういう非常におかしな行政整理がやられた。この中には署長自身が、君は絶対に汚職をしない。あるいは人の二倍も三倍も仕事をするということはよく知
つておるが、しかし言えない
事情で首を切るのだというふうな者もあります。あるいはもうボロボロのオーバーを着て、一生懸命にや
つておる者もある。こういう人がもう数え切れないほど首を切られておる。そうして今税務官吏の半分ぐらい汚職者が出ておるという税務署もあるほど、この汚職事件が盛んにな
つて来ておる。また税務署の内部、あるいは国税局の内部では、もうボスの
取引所と同じような、非常に嘆かわしい現状もまま見受けられるのであります。こういうボスの暗躍というものか、非常にこの税務行政を阻害しておる。こういう点をほんとうに改善する。現存の税務官吏の現状では、どうしても民間のもつと大きな協力がなければ、完全な税務行政はとうてい考えられないのであります。
従つてこれを補強するために、どうしても民間の大きな協力がなければならない。こういうことをわれわれは常に主張し、その実現のために努力して参
つたのでありますけれども、今度の
勧告案ではその点が排斥されまして、税務官吏を増強する。あるいは税務署の
調査能力を増強するという点に主力が注がれておりますけれども、これは言うべくしてなかなか実行のできない点であります。
従つてこういう問題につきましても、今度の
青色申告制その他の税務行政の改善
事項に付随して、十分御検討あらんことを
お願いして、私の
公述を終りたいと思います。