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池田国務大臣 お答え申し上げます。最近
証券事情は
相当低落のかつこうで、みなから心配されているのは事実であります。これが
原因を
考えますと、株もたれが大きい
一つの
原因だと思うのであります。御
承知の
通りに今年度におきましては、
復興金融金庫の
長期資金貸出しがなか
つたので、各
会社は
自己資本の調達に努力いたしました。従いまして四月から九月までにおきまする
増資は四百数十億円に上
つている、しかもまた最近におきまして
企業再建整備の
認許可の場合におきまして、
増資を
条件にされておりまする
関係上、将来
相当の株が出て来るということを期待いたしまして、
相当の株もたれがあるのであります。従いましてまず第一にその株もたれのないようにすることが緊要だと思うのであります。従いまして将来の株もたれになりまするところの
証券処理調整協議会におきまして売り出します株につきましては、中止とまでは行きませんが、よほど手心を加えなければならぬと思います。御
承知の
通りに第一・
四半期、第二・
四半期におきましても、二十数億円ずつ出しているのであります。第三・
四半期にも同額程度予定いたしておりまするので、この
証券処理調整協議会から出す分を極力先に延ばすということが、株もたれを緩和する
一つの
方法である。また
企業再建整備の場合の
増資を
条件とする認可につきましても、ただちに
増資の手続をとることをしなくて、六箇月あるいは一年なりその
準備期間を置く、こういう
方法をと
つて行きたいとただいま
考えておる次第であります。
次に株もたれ以外の
株価低落の
原因は、何と申しましても、
証券金融につきましての
制度が十分でないということによるのであります。従いましてこの実情を調べてみますと、四大
証券会社におきまして五、六十億の株を持
つておる。こういうようなことは
証券に対しまして、大衆の
消化力がなくな
つたという
一つの証拠でありますが、これが
株価操作に非常に影響がありますので、
証券会社の方に対しましてできるだけ
金融の道をつけたいと思
つておるのであります。この
金融の道をつけますのに、
証券金融公庫とか、
一つの特別の
機関を設けるという
考え方もあるのでありますが、これはずつと将来を見通しまして、てこ入れ
機関的なものを設けるということは策の得たものではないと思いますので、今ありますところの
証券会社に極力
資金を融通して行く。
証券会社への
資金の融通はやはり
生命保険を通じてやるのが、本筋と思うのであります。私といたしましては、
生命保険の各社が従来の
証券引受けの
知識と
経験を持ち、また
相当の資力もありますので、こういうものが出動して来ることを期待しておりますし、またこれに対しましては、できるだけの
資金的援助をいたすべく用意し、またその実行にも移
つておるわけでございます。またこれで足りないところは、
市中銀行が
株式担保の貸出しをあまりこわがらずにある程度積極的にや
つて行つて、
証券会社を育成するというような
方向をと
つて行くべきではないかと思うのであります。
応急の
対策といたしましては、そういうように
考えております。
恒久的対策といたしまして、もちろん
長期資金というものは
自己資金でやるという
原則をと
つて行くのでありますが、あまり急激に株がふえて行きますことは、やはり
消化の点から
言つてもまた今の
金融の点から申しましても、ある程度チエツクして、
株式よりも
社債の方に移
つて行くべきではないかという
考えを持
つておるのであります。今
社債の
発行をやりますのは、御
承知の透りに特別の
電力会社等を除きましては、
払込資金の
限度を越えてはいけないということにな
つておりますので、この
限度を拡張いたしまして、
社債で
設備資金をまかなうというような
方法を講じたいと思います。大体
法務庁とも相談いたしまして、
具体案を練りつつあるのであります。何と申しましても、
金融につきまして、できるだけ処置をとらなければいけない。その
意味におきまして
株式よりも
社債を持たす。また
社債ばかりでも何でありますので、
日銀の貸出しの
担保、ずつと昔や
つておりましたような
相当の大
会社の
株式に
担保にし得る
制度をや
つて行きたい。これにつきましては異論がありますが、
関係方風も大体了解がつくのではないかと
考えておる次第でございます。ただいま
考えております
恒久対策につきましては、以上申し上げた点であります。御質問によりまして足りないところは補いたいと思います。