○林(百)
委員 私は共産党を代表しまして、本案のすみやかなる撤回を要求し、並びに撤回返上したいと思うのであります。その
理由は、第一にこの五十四億の
一般会計からの補填が、大きな
原因に
なつておることであります。これは現物の
不足として十四億円が計、上されておるのであります。この現物
不足の木炭の五百二十万俵、まきの二千三百万把、ガスまきの二十七万五千俵、この
不足になりました
原因をつぶさに
調査した結果、たとえば現品が未生産であるにもかかわらず、
支拂い証票を出すとか、あるいは現品が未生産であるにもかかわらず、受入れの証票を出すとか、あるいは保管中の損失とか、盗難にあ
つたとか、あるいは二重の売拂いをしたとか、事由が不明だとか、
一つとしてわれわれが納得し得る
理由がないのであります。これは明らかに刑事的な責任を当然負うべきであります。これは国警においてもすでに
調査をしておるのであります。こうして刑事事件にもなり、国警でも発動しておるもの対して、われわれは臭いものにはふたをするという形で、このままこの
法案をのむわけには行かないのであります。
第二の
理由といたしましては、卸売業者から
政府が要求されておるところの保管料、減耗料あるいは手直し費というものでありますけれども、この保管料、減耗料あるいは手直し費というものも、全部これが生産者と消費者との間に介在しておるところの卸売業者が、これを不正にやりくりしているのでありまして、その不正のやりくりの
資金を、
政府にその責任を転嫁して要求しておるということであります。このことはすでに
会計検査院におきましても、卸売業者からの請求分であるところの保管料、減耗料、手直し料の十億円というものは、こうした
一般会計から
特別会計に繰入れるという措置をすべきでないということを、認めておるのであります。この支出の不当を認めておるのでありますから、これをカバーするということは明らかに不当であ
つて、この点においてもわれわれはこの
法案を認めることができないのであります。
第三といたしましては、
赤字の計算でありますけれども、林野庁当局は、三十九億九千万円の
赤字を計算しておるのであります。
会計検査院の計算によりますと、二十九億五千七百万円でよろしいという査定をしておるのであります。こうした林野庁と
会計検査院との両者の間の意見の相違あるいは算定の相違を、このまま不明の形のままで、この
法案をわれわれは通過させるわけに行かないと思うのであります。
次に第四といたしましては、この跡始末につきまして、未回收分が二十億
損害があるということが予定されておるのであります。ところがこの二十億の未回收分というのは、当然卸売業者が
政府に
支拂うべきものでありまして、なぜこの未回收分を
政府は回收することができないのであるか。しかも卸売業者はこの
政府に
支拂うべき
支拂金を操作することによ
つて、現地の生産者から直接買付をして経済統制の違反すら起しているのであります。こうした不正と腐敗が積り積
つた結果、この五十四億という
赤字が出たのでありまして、われわれはこの不正と腐敗をこのままにしたままで、この
法案を通過させることは何としても承服しがたいのであります。
従つてわが党といたしましては、本
法案はすみやかに
政府に返上し、
政府はまたすみやかにこれを撤回し、十分に国民に対してそのよ
つて来るべきところを明らかにし、われわれは国民の血税を一文たりともむだに使わないように、
国会が責任をも
つてその使途を明らかにする道を
政府が開いて来た場合にのみ、初めてわれわれはこの
法案について、真劍に考慮を拂うことができるのであります。今のままの形においては、われわれは国民の代議員としての任務を果すことはできませんから、われわれはこの
法案をすみやかに返上いたしたいと思うのであります。