○川島
委員 そういう政治論を始めるということになれば、これは一晩中かか
つても盡きないことになるから、そういう無用のことは
あとまわしにします。今大臣は郵便料金を値上げしたから、この利用減が多く
なつたとばかりは言えないだろう、こういう意味のことを言
つておりますが、私から言わせれば郵便料金の過当な値上げ、これが大きな
原因です。これは大臣といえども率直に認めた方がよいと思う。ですからこそ大臣のいつの日にか
——十年先だか二十年先だかわかりませんが、いつの日にか値下げをしたい。これは大臣も率直に認めておる。認めておるということは、郵便料金が過当な値上げであ
つたということの証拠であると私は思う。そこでそういうことを私はお伺いいたしたのである。
そこでさらにお伺いいたしたいのは、そういう急速な値上げができないということになりますと、今後大臣が名案を出されて特別増収をはかるかわかりませんが、なかなか容易でないと思う。その容易でないことの一面においては、できるだけ歳出の節減をはかると言われるが、その歳出の節減も、これは逓信従業員の賃金のくぎづけだとかあるいは人員の減少だとか、こういうことが多くおおいかぶさ
つて来るということだけはこれまた見通しできる。人件費以外にそうなかなか節約の余地のない郵政省に、いかに小澤君が名大臣であ
つても、郵政省の全体の
予算の中で、人件費を除いて郵便料金の
不足を補うほど厖大な、月に二億円も二億数千万円もの節減の余地はないと思う。あるならもつと早くや
つてもらいたいと思う。ところが、ないから今も
つてやらない。そうであれば今年も
赤字だ、来年も
赤字だというおそれが十分にある。ことにこの間お年玉つき郵便はがきを出している。もうすでに市中には売り出されている。しかも私が驚いたのは、国会できま
つた翌日ですよ。しかも衆議院であのお年玉法案が可決されました翌日、私のところへ郵便局から来て、もうお年玉郵便の予約をとりに来ている。しかも
現物がある。これはどう考えても国民には納得ができない。まだ両院が通過しておらないその
法律のもとにおいて、しかも翌日はもうはがきを売りに来ている。こういうことまでや
つて、あわてふためいて郵政省が
赤字を補填しようとして努力している苦心はわかりますが、そのような臨時的な増收政策だけでは、郵政省の
赤字というものはなかなか埋ま
つて行かないと思う。また来年も
一般会計からこのような繰入れをしなければならないようになる。もしそういうことをしないようにするためには、郵政省の従業員の首切りもふやす、あるいは賃金もなかなか上げない、あるいは夜勤手当もなかなか出せないし、勤務外の手当もなかなか出せないようにな
つて、郵政省のいわゆる働く労働大衆というものが、犠牲になるというおそれが十分にあると思うので、ぜひとも郵便料金の過度の値上げであ
つたということを
政府は率直に認めて、郵便料金を一日も早く下げることが、むしろこの利用減の防止
——若干でも防止できることになるのではないかと思うので、そういうことを私は強く聞いているわけであります。それもいつの日にか、大臣は値下げを実現してみたいというだけであるのだが、それはとうてい
見込みがない。
見込みがないということは、結局はまた
赤字が来年も続くであろうということを、私は想像をしているわけであります。そこで今お話が出ましたが、一体
法律ができ上らぬ前にもう
現物ができていて、それを
政府が国民に売りつけて歩いている。これは私は違法だと思う。それを大臣はどういうふうに考えてああいう命令を出して、国民に予約をとらせ、
現物をまわしているのかということを承
つておきたいと思う。