○西村(直)
委員 なお今の御
意見に対しまして、
物品税は消費者に対する間接税という御
意見でありますが、実際の業界の状態の動きをとらえてみていただきたいのであります。ことに金詰まりの今日におきまして、どうしてもそれが金詰まりの影響から金融的に押されて来る。しかも需要の方は有効需要ないし一般需要が減
つて来るという場合に、そこに金繰りの
関係から押されて来るという点は、單に理論的には間接消費税でありながら、実際は製造
関係方面によ
つて来る。しかもそれが零細企業である場合には、せつかく
政府が
中小企業を育てようとなさりながら、おのずからつぶして来るという点があるのであります。
それから次にいま
一つ、これは御
意見の相違になるかもしれませんが、零細企業のもの、あるいは比較的大衆が使うような二割、三割の物品の消費にしわが寄
つているという
意味を私さらに述べますと、
大蔵当局の一部の方からも漏れ承つたような気がするのでありますが、大体この税はとりにくい税だから、ある
程度高率にしておけ、三割なら三割。そうすれば実際入
つて来るのは半分入
つてもいいのだ、そういうようなお
考えがありはせぬかと私は思うのであります。この点は
一つ十分にお
考えにな
つていただかないと、
現実に税を受ける人間というものは、何と申しましても深刻でございます。私も一人の国会議員といたしまして、こういう業界の
陳情を代弁したくはない。
はつきり申しますれば、まるで業界からひもがついているようでありますが、そうではないのであります。たとえば私が現在おりまするところの県を見ますれば、何万の人が裏長屋でも
つてこの仕事をや
つておる場合に、そこに集団的に
徴税攻勢をかけて来るならば、ある党派のごときは
生活擁護同盟とか何とかいうような名前でも
つて、ただ大衆的にわいわい行かれる。はたしてこれで治安が守れるかどうか。私はこれは非常におかしな現象だと思う。そういうようなことは余談といたしまして、その点は十分にお
考えを願いたい。
従つて私は
免税点におきまして、業界そのものがつぶれぬように、ひ
とつ十分にお
考えを願いたいと思います。
それから次に、少し別の問題になりますが、これは税一般の問題になるかもしれませんが、昔は税をたくさん納めますと、いわゆる貴族院議員になれた。今日は税をややもして逃げますと、もちろん追徴は大きい。それによ
つてさつきお話のように
事業がつぶれるか、いま
一つはただちに刑務所の口が待
つている。いま
一つ残念なことには、さらにそれに追つかけまして、経済違反、特に
物品税、取引高税の場合には、経済違反で追つかけられる。私の知
つております実例は、まじめな人で、しかも金融の上からたまたま多少は横流しもしなければならぬ。その結果
物品税、取引高税、
法人税、こういうものがかか
つて来て、しかも刑務所に入れられる。そのためにさらに経済調査庁が行
つてひつくり返せば、経済違反としての事実がある。首をつ
つて足をひつぱるという形で、一家親族が集ま
つて、自殺をしようかしまいかという相談をしたのを耳にして、私は飛んで行つたことがあるのであります。そういうような場合におきましては、なるほど悪いことは悪い。
税金を脱税した以上は追徴金は納めなければなりませんが、私は経済調査庁あるいは警察とも、その場合におきましてはお役所が違いますけれども、税務署方面も積極的にお
考えにな
つて、たとえば脱税である
程度資金的にどうしてもとらなければならぬものはおとりにな
つて、しかしさらに人を刑務所に入れて、しかも経済違反まで引きずり込んで行くということにつきましては、大蔵御当局の方とされましても、御所轄は違うが、やはり人の子でありますから、首をつ
つて足をひつぱるというようなことにつきましては、税の問題から派生して来るのでありますから、
機会がありましたら、ぜひそういうような点については十分に御注意を願いたい。
現実にあつた例でございます。しかも
相当大きな額であつたのであります。しかもたまたま虚偽の申告をし、さらに投書があつたところに、査察庁が行かれる。そうするとほんとうに脱税で刑務所に行き、しかも経済違反でも
つて重ねて足をひつぱつたりして、あれは運の悪い人間だ、こういうことになります。そこで何とかりこうに立ちまわろうというような形になりやすいので、これは税制一般の問題で、
意見に流れるか存じませんが、私もこれに関連して申し上げたのであります。
〔「答弁々々」と呼ぶ者あり〕