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1949-11-11 第6回国会 衆議院 政府支払促進に関する特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十一日(金曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 岡野 清豪君    理事 大上  司君 理事 小峯 柳多君    理事 澁谷雄太郎君 理事 島村 一郎君    理事 上林與市郎君 理事 河田 賢治君    理事 逢澤  寛君       小金 義照君    小山 長規君       高間 松吉君    田中 啓一君       飛嶋  繁君    南  好雄君       笹山茂太郎君  早稻田柳右エ門君       石野 久男君  委員外出席者         法制局参事   濱中雄太郎君         法制局参事   荒井  勇君     ————————————— 本日の会議に付した事件  政府契約支拂遅延防止等に関する法律案起草  の件     —————————————
  2. 岡野清豪

    岡野委員長 これより開会いたします。  政府契約支拂遅延防止等に関する法律案起草の件を議題といたしまして、前会に引続き皆様の御意見を伺い、また御質問に御応答申し上げたいと思います。何か御意見ございませんか。
  3. 大上司

    大上委員 本法案の制定によりまして、旧来の日本におけるところの会計法あるいは予算決算及び会計令等関連性の多いところの既存の法律があると思いますが、それとの関係につきまして、どういうふうな点を改正しなければならないか、その点がおわかりでしたら、他の法との関連性というものについて伺いたいと思います。
  4. 濱中雄太郎

    濱中法制局参事 従来の国のなすK契約につきましては、財政法会計法その他の法令がございます。また民法商法その他の契約に関する法律もございます。この法律は、政府契約支拂遅延防止に関しまして特別な規定を設けておりますので、これらの点につきましては、従来のそういう法律特別法をなしております。でありますから、それらの規定にかかわらず、この法律が優先するということになると思います。
  5. 大上司

    大上委員 大体わかつたようでありますが、そうすれば、民法あるいは商法については、この法律が、普通で言われるところの、それに対する強行法と申しますか、そういうような強い内容を含んでおるというように解釈していいのでございましようか。
  6. 濱中雄太郎

    濱中法制局参事 そういうふうに解釈してさしつかえあるまいと思います。
  7. 河田賢治

    河田委員 最近の政府支拂遅延は、單に産業あるいは公共事業方面だけでなく、米穀代金支拂いが非常に遅れております。もちろん個々の協同組合とか、あるいは中間にはおいていながら、直接農民に対して支拂わないというような場合もあるのであります。こういうことがかつてはしばしばありました。ことにまた最近におきましては、健康保險による医者支拂い、がきわめて遅延している。特に農村方面に参りますと、現在においても七月の代金がまだ十分支拂われておらない。そのために、せつかくの病人が、医者のまじめな医療を受けることもできない。医者自体も業務に励むことができないというような状態で、被保險者並びに健康保險医等も、非常に今日困難を来している状態であります。ついてはこの法律内容に、これら米穀代金支拂い、あるいは健康保險支拂い等が包含されて、これらは政府が責任をもつて支拂契約とみなしてよいかどうか。この点について一応御説明を願いたいと思います。
  8. 濱中雄太郎

    濱中法制局参事 食糧管理法及び自作農創設特別措置法による主要食糧、あるいは農地に対する政府の買上げは、この法律でいいますところの政府契約に該当いたしますので、それらの場合におきましても、当然この法律が適当になると思います。また健康保險指定医に対する診療報酬支拂いでございますが、これも政府指定医との間に診療契約が締結されておりますので、この契約政府契約でございますから、当然その場合にもこの法律適用になると思います。
  9. 河田賢治

    河田委員 もう一つお尋ねしますが、地方自治庁等で——具体的に申しますと、たとえば本年の総選挙における費用を国が負担するということを、官房長官あるいは政府当局者が申したそうでありますが、こういうものが、現在においても未拂いになつているような状態であります。選挙などはもう引受けぬというような地方自治体もあるかに聞いておるのであります。こういう場合に、この地方自治体に対して契約ないしは約束をしたことは、この法案に含まれるかどうか。この点をお伺いいたします。
  10. 濱中雄太郎

    濱中法制局参事 地方自治団体に対する国家交付金支拂いでございますが、それに対しましてはこの法律適用がございません。ただ地方公共団体は国の交付金算定方法、額、支拂時期に関して不服がある場合におきましては、内閣を経由して国会意見書を提出することができる、こういうふうな地方財政法規定がありますので、不服がありますと、この規定によつて措置される道も開かれておるのでございます。
  11. 上林與市郎

    上林委員 第五特別国会以来、重要な仕事の一つとして当委員会が取上げて参りましたこの法案を、まとめるまでに至りました努力に対しまして、特に委員長に対してこの際感謝いたしておきたいと思います。私は次の二点についてお尋ねしたいのですが、この前の閉会中の審議の際に、思案として出されましたこの法案の中に、この法律の適正な実施を確保し、またその目的を達成するために、いわゆる審議会を設けてはどうかという方針のもとに、こういう規定を予定されておつたのですが、今度の法律案の中には、これが削除されておるようであります。この削除されるに至りました経過を一応お伺いしておきたいと思います。もし速記にとどめることが妥当を欠くとするならば、速記をとめまして、委員長から一応経過を御報告願いたいと思います。  もう一つは、法律技術上の問題かと思いますが、この前の法律案の名称の一番上の方は、政府契約ではなく国と書いてあつたのです。この前の説明によりますると、政府とは行政機関のみをさしていうというような観念上の説明がありまして、国の場合は司法も全部対象になる、こういうお話がありましたが、今度政府契約ということに改まりましたので、司法機関政府支拂いがこれから除外されることになつたのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  12. 岡野清豪

    岡野委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止
  13. 岡野清豪

    岡野委員長 速記を始めてください。
  14. 濱中雄太郎

    濱中法制局参事 この法律は、国のすべての機関のなす支拂遅延防止目的とする法律でございます。ところが従来政府という言葉が、内閣あるいは行政機関意味一般に用いられている傾向がございまして、たとえば国会の決議におきましても、政府は何々しなければならないというようなことを決議した場合におきましては、政府というのは内閣意味に用いられておるのでございます。従いまして国のすべての機関支拂遅延を防止するためには、政府というよりも、むしろ国支拂遅延という言葉を用いた方が適当ではないか、かような意見をかつて申し上げたのでありますが、しかし最近国のことを政府という言葉を用うる用例がたくさんこざいまして、たとえば政府契約の特例に関する法律であるとか、政府に対する不正手段による支拂請求防止等に関する法律であるとか、国家公務員法その他いろいろの法律において、国を政府と称しておる用例があるのでございまして、まあこの用例によりまして――しいて嚴格に申しますと、国という言葉使つた方があるいは正確ではないかということも考えられるのでありますが、一般用例によりまして、政府という言葉を用いたのでございます。第二條の定義に掲げてございますが、「この法律において「政府契約」とは、国を当事者の一方とする契約で、」と、国という言葉を使つておりますので、この法律において政府契約とは、国のなす契約を指称するのでございます。
  15. 岡野清豪

    岡野委員長 ほかに御質問ございませんか。――ちょつと速記をとめて……   〔速記中止
  16. 岡野清豪

    岡野委員長 それでは速記を始めてください。  本日はこれで散会いたします。    午前十一時十二分散会