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奥村政府委員 それでは夏堀さんの最後に御
質問のあ
つた点について
お答え申し上げます。
統制一部
撤廃の理由、その結果について
お尋ねがございましたが、これは大体昨年の夏ごろと思いますが、その時分から大消費都市への
水産物の出まわりが非常に好転して参りました。そのほか一般の購買力が低下するという
ような事態に相なりまして、消費都市におきましては、小売商のいわゆる拒否の問題が
相当大きく現われて参
つたわけであります。これは何を示すかと申しますと、結局
相当水産物の出まわりがよくなりましたために、従来戰時中から続けておりました数量本位の
統制が、もはや限界に来たことを示すものであ
つて、この際数量本位の
統制から、もつと魚の商品価値を取入れました
統制に転換する必要があるということを示したものだと、われわれは
考えた次第であります。そこで従来からや
つておりました
統制方式について、
改正を加える必要を痛感した次第でございます。しかしながら一挙に
統制を
撤廃するということも、この席上で安本、またわれわれの方からたびたび御
説明申し上げました
ように、現段階におきましては、一挙に全部の魚の
統制を
撤廃する段階ではないという認識の
もとに、この際とに
かく統制の必要のなくな
つたものから
統制をはずしまして、できるだけ
統制を簡素にいたしまして、しかも
残つた魚につきましては、従来の
統制方式にあります不
合理の点を
改正いたしまして、できるだけ
合理的な
統制方法をと
つてや
つて行こう、こういう
ようなことから今度の
統制改善、すなわち
統制の一部
撤廃を行
つた次第であります。
それではどういうものを
統制撤廃の対象にしたかというこの
選定の基準でございますが、これは需給
関係が安定しておるものとか、あるいは家庭
配給として適当でないものとか、あるいは嗜好品的色彩の強いもの、こういうものを選びまして
撤廃をいたし、本当に大衆が喜んで消費する大衆魚だけを選びまして、
統制を存続した次第でございます。そうしてはずす
一つの目度といたしましては、大体従来大消費都市に入荷しておりました
統制水産物の、大体五十パーセントというところで線を引きまして、
統制存続の
魚種を選んだわけであります。もつともそういう大体の方針で選んだわけでございますが、皆さんすでに御
承知と思いますが、中にはややおかしなものも残
つておるのは事実でございます。われわれといたしましては、大体今申し上げました
ような線で、魚の
種類を選んだわけでございます。
それから一部
撤廃いたしましたその結果でありますが、これは
統制を
撤廃いたしましてまだ半月でございますので、私
どもの方へ明確な資料は集ま
つておりませんが、ただいろいろ断片的に入
つた情報によりますと、ただいまのある
委員から御指摘がありました
ように、非常に
鮮度がよくな
つておるという
ような点、それからこれは
統制を
撤廃した御趣旨に沿う
ようなものかもしれませんが、ある
魚種については、とたんに従来の
価格の二倍、三倍に値のはね上
つたものもございます。しかしそういうものも二、三日後にはだんだん
価格がおちついているという
ようなことも、われわれの方で
承知いたしておるわけであります。
それで
統制を
撤廃いたしました魚の
鮮度のぐあい、あるいは入荷のぐあい、あるいは
価格の動き、特に
価格の動き等につきましては、今後この
水産物の
統制を次の段階に進めます際の、非常に有力な参考資料となるものとわれわれは
考えますので、非常な関心を持
つてこれらの点をただいま見守
つておる次第でございますので、そういう点についてここで御
報告申し上げるだけの資料を持ち合わせませんが、これはただいまいろいろ
調査いたしておりますので、まとまり次第また御
報告申し上げたいと思います。