○
玉置信一君
紹介議員として私から
天塩川河口修築
工事促進に関する
請願の趣旨並びに理由を簡単に御
説明申し上げます。
天塩川は、上流北見国境
天塩岳山麓に始まり、延長三百六十キロの長大なる
河川でありまして、途中屈曲はなはだしきために年歳氾濫による被害がきわめて多く、これがため彎曲箇所の切りかえ、護岩
工事等着々進捗せるも、本川最下流の河口は地質砂土のため波浪により水深川幅常に
一定することなく、吐水十分ならず、従
つて下流一帶氾濫し、被害甚大であるのでございます。これを防止するには下流の治水
工事を完全にし、固定せる河口の築造を急速に計画されまして、全流域の水流を緩和し、氾濫を未然に防いで、産業経営に役立たせていただきたいというのが趣旨でありまして、なお一方本河口の重要性を申しますれば、留萌、稚内間沿線百九十六キロ余における中間の港としまして必要なことはもちろんでありますが、背後には実に二万五千余町歩の未開地と、台湾、樺太の石油基地を喪失せる後の本邦重要油田として嘱目され、天然資源局援助のもとに資金の大半を政府出資に仰ぎまして、帝国石油が試掘中の石油並びに埋蔵量二十億トンとも称せられる
天塩炭田、魚族の棲息地として有名な武蔵堆の開発、それから世界的に有名になりました礼文島、それから利尻という離島の連絡、それから流域各勢力範囲の生産重要物資の集散積出し港として欠くことのできない港であるのでございます。この
工事の完成されるあかつきには、実に三千トン級の船舶の出入りできる日本再建にも非常に役立つ港になるわけでございます。詳しいことは
請願書によ
つてごらん願います。いろいろのデータを添えてありますので、かくのごとき重要なる河口の修築、
改修促進にあたりまして、格別なる御同情、御賢察を賜り、ぜひ本
請願を採択されるようお願い申し上げる次第であります。
次は
天塩町の
道路改修に関する
請願の趣旨及び理由をごく簡單に申し上げます。これも北海道
天塩町の
請願にかかるものであります。本町の
面積の三分の一を占めるウブシ並びにオヌプナイ原野は交通に惠まれず、移住以来すでに四十余年間を過ぎておりますが、依然として開発されずに、今も
つて車馬の通行困難なところさえたくさんあるのでございまして、秋の収穫物はもちろん、物資の供給にも馬の背中を利用しなければ搬出ができないというような状態でございまして、住民ひとしく非常な困難を来しておるところであります。従来、地方費道は、明治四十二年大山火の直後、名寄停車場、
天塩港簡の最短距離を測定
実施したのでございまして、全沿線いわゆるロクシナイ峠と称する山岳地帯の不毛地であるのに反して、該産業
道路は別に詳細に経済調書も出してございますが、開発増産の目標が遅々として進んでおらないのでございまして、元北海道地方費財産所属地一千二百町歩及びオヌプナイ青山農物地九百町歩の大部分の開発によ
つて、数倍の増産能力があるのでございますが、これがこうした僻地であるために、この重要なる食糧増産もできないで今に至
つておる次第でございますから、どうかその点も
委員会として特別なる御配意をお願いして、ぜひ急速にこれが
工事に着手せられるよう、格別の御援助あらんことをここにお願いいたす次第であります。
次に北海道
天塩郡
天塩町と幌延の両町村の共同でお願いに参
つております地方費道札幌稚内線中、
天塩川に
架橋場の
請願について御
説明を申し上げます。北海道地方費道札幌稚内線は、北海道の中央部より北海道の北に通ずる、すなわち道北に通ずる陸路唯一の交通路でありまして、その利用度は文化の交流発達に従い、逐次高率を示しておりまして、特に終戰後は進駐軍の視察、あるいは連絡上本路線を利用することが非常に多く
なつて参りました。従
つてその重要度は現在ますます加重せられておる状態であるのでございます。さらに北部
天塩北見一帶にわたる農耕適地の開発に伴いまして、人口の増加と物資の交換、産物の中央進出等によりまして、今後いよいよ期体されるものが多いのでございます。鉄道輸送は戰後徐々に復旧いたしまして、現在ようやくその効率を上げつつあるのでありますが、戰時中の打撃がいまだ回復しないのでありまして、すなわち円滑なる輸送も望み得ない状態にあるのであります。ここにこの
道路の輸送ご戰後ますます重要視せられまして、活発な活動によ
つてその鉄道輸送を助長しつつ、産業
復興に貢献しつつあるのでありまして、その功績はまことに軽視できないものがあるのであります。本路線の使命もまたここにありますことは言を要しないところでありますが、現状
幅員百二十メートルに及ぶ
天塩川は、いまだ
架橋の設備がなく、ために渡船をも
つてその用を弁じておるような状態であります。さらに交通上幾多の危険を伴い、あるいは増水期におきましては交通を遮断する等、延長三百五十二キロ余に及ぶ本路線は、まつたくここにおいて使命を制せられておるのが現状なのでございます。その運航の繁さに至
つては、まさに時代逆行とも言えるわけでありまして、これが
架橋の要は、沿岸住民はもちろん、本道中央におきましてもひとしく待望し来つたところでありますので、どうかこの事情もとくと御審査くださいまして、ぜひこれを実現するように御採択あらんことをここに
請願申し上げる次第であります。