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1949-11-17 第6回国会 衆議院 建設委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和二十四年十一月十七日(木曜日)     午後一時五十七分開議  出席委員    委員長 淺利 三朗君    理事 内海 安吉君 理事 江崎 真澄君    理事 内藤  隆君 理事 上林與市郎君    理事 村瀬 宣親君 理事 池田 峯雄君    理事 笹森 順造君       瀬戸山三男君    高田 弥市君       西村 英一君    三池  信君       山本 猛夫君    前田榮之助君       八百板 正君    畠山 重勇君       増田 連也君    高田 富之君       久野 忠治君    寺崎  覺君       松谷天光光君  出席政府委員         (住宅局長)         建設事務官   伊東 五郎君  委員外出席者         大蔵事務官   神代 護忠君         閉鎖機関整理委         員会委員長   小林正一郎君         閉鎖機関整理委         員会委員長   溝口 敏麿君         閉鎖機関整理委         員会住宅営団清         算担当者    俵 惠一郎君         專  門  員 西畑 正倫君         專  門  員 田中 義一君     ————————————— 十一月十五日  田坂川砂防工促進請願阿左美廣治君紹  介)(第二七五号)  生駒山地すべり防止工事促進請願前田正男  君紹介)(第二七八号)  姫路以西岡山県境界までの国道改修請願(堀  川恭平紹介)(第二八〇号)  市川を国直轄河川編入の上改修工事施行の請  願(堀川恭平紹介)(第二八一号)  夢前橋架設請願堀川恭平紹介)(第二八  二号)  福岡県の上水道及び給水施設復旧請願中島  茂喜紹介)(第二九八号)  宇美町の災害復旧費国庫補助増額請願中島  茂喜紹介)(第二九九号)  高瀬川改修請願松浦東介紹介)(第三一  一号)  立谷川改修請願松浦東介紹介)(第三一  二号)  廣島県の県道改修請願宮原幸三郎紹介)  (第三一三号)  野川坂附近架橋促進請願庄司一郎君紹  介)(第三一六号)  寒河江川上流改修請願松浦東介紹介)(  第三一七号)  西興部村の道路開設請願松田鐵藏紹介)  (第三一八号)  測量現業員測量士資格付與請願(花村四  郎君紹介)(第三一九号)  岡山県における府県道二号線中の一部改修並び  に国道編入請願橋本龍伍紹介)(第三  二〇号)  福岡県の災害復旧費補助金交付請願衞藤速  君紹介)(第三二一号)  阿武隈川下流改修工事施工請願千葉三郎君  紹介)(第三二二号)  大淀ダム調査に関する請願佐藤重遠君外四名  紹介)(第三二三号)  大淀川上流支川改修促進請願瀬戸山三男  君外四名紹介)(第三二五号)  清武川の復旧工事施行請願川野芳滿君外四  名紹介)(第三二六号)  宮古橋架替工事施行請願菅家喜六紹介)  (第三二七号)  大内川改修請願菅家喜六紹介)(第三二  八号)  會津地方河川改修促進請願菅家喜六君紹  介)(第三二九号)  倉津川改修工事費国庫補助請願松浦東介君  紹介)(第三三〇号)  国道二十三号線の一部改修請願大西弘君紹  介)(第三三一号)  災害復旧事業費国庫補助及び配付税増額請願  (川野芳滿君外四名紹介)(第三三五号)  亀崎、高瀬川衣ケ浦架橋請願久野忠治  君紹介)(第三三七号)  東葛飾郡の利根遊水地区堤防並びに水門築設工  事促進請願内藤友明紹介)(第三三八  号)  北見市、若佐村間道路開設請願松田鐵藏君  紹介)(第三三九号)  大淀川国直轄改修工事促進請願川野芳滿君  外四名紹介)(第三四〇号)  郡上郡の砂防工事施行請願平野三郎君紹  介)(第三四一号)  国道五号線中一部改修促進請願圖司安正君  紹介)(第三四六号)  宝満川改修請願高橋權六君紹介)(第三五  〇号)  府県道小郡吉部線改修請願佐藤榮作君外五  名紹介)(第三五一号)  俵山、古市間府県道改修継続請願外一件(佐  藤榮作君外五名紹介)(第三五二号)  橋本橋を鉄橋に架替の請願佐藤榮作君外五名  紹介)(第三五五号)  猪名川改修促進請願吉田吉太耶君紹介)(  第三五七号)  淀川改修促進請願淺香忠雄紹介)(第三  五九号)  災害復旧予算増額請願吉川久衛紹介)(  第三六一号)  小野田市の三道路改修請願佐藤榮作君外五  名紹介)(第三六二号)  宇部市内戰災道路復旧請願佐藤榮作君紹  介)(第三七七号)  道路予算増額に関する請願佐藤榮作君外五名  紹介)(第三八二号)  国道二号線外二路線の改修並びにほ装請願(  佐藤榮作君外五名紹介)(第三八五号)  小丸川河川統制事業に対する国庫補助増額の請  願(川野芳滿紹介)(第三八六号)  林野行政砂防行政建設省に統合の請願(大  野伴睦紹介)(第三九一号)  府県道高森下松線改修促進請願佐藤榮作  君紹介)(第三九八号)  矢部川ダム建設反対に関する請願高橋權六君  紹介)(第四〇七号)  下関地内の道路橋りよう整備工事国庫補助の  請願佐藤榮作君外五名紹介)(第四〇九号) の審査を本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した事件  住宅営団法を廃止する等の法律案内閣提出第  四号)     —————————————
  2. 淺利三朗

    淺利委員長 これより会議を開きます。  住宅営団法を廃止する等の法律案内閣提出第四号)を議題といたします。前会に引続き質疑を継続いたします。池田委員
  3. 池田峯雄

    池田(峯)委員 住宅営団法の廃止に伴つて住宅営団に所属する多くの住宅が今後どういう形になつて残るかということは、大きな問題ではないかと思うのであります。こういう点につきまして、若干建設省並び大蔵省に対して御質問いたします。  まず建設省住宅局質問したいのですが、昭和二十三年九月ごろ、住宅営団整備委員会建設省では、大体住宅営団住宅国家がこれを全部引受けて、管理して、そして適当な家賃で貸し與えるというような国家管理案に傾いたが、大蔵省がこれに対して強硬に反対したという事実があるのだということを私聞いて来たのでありますが、そういう事実があるのであるかどうか。第一にこれをお答え願いたいと思う。     〔委員長退席内海委員長代理着席
  4. 伊東五郎

    伊東政府委員 経営住宅処分につきまして、当初いろいろな案を立てまして、大蔵省と折衝したことは事実でございます。その一つの案としまして、国が引受けるという案もあつたのでございます。これは大蔵省反対——これは立場上そういうことになるのかもしれませんが、政府全体としまして、財政関係上国で引受けることは困難だという見通しで、別な案をいろいろと進めて参つたのでございます。
  5. 池田峯雄

    池田(峯)委員 私が聞きましたのは、昭和二十三年の九月ごろ大蔵省がそれに反対したという事実があるかどうかというのですが、それは覚えておりませんか。
  6. 伊東五郎

    伊東政府委員 そのころそういう案を検討いたしまして、別な案で行こうということに結論はなつたわけであります。
  7. 池田峯雄

    池田(峯)委員 それから今度は昭和二十四年の三月ごろに、建設省の方が関係筋ボイラーという人から、売れ残つたものは建設省引受けるようにしろ、こういうふうに懇願された。その際建設省大蔵省と数回協議の結果、公債を発行して引受けることに内定した、こういうふうに聞いているのですが、この間の事情はどうなのですか。
  8. 伊東五郎

    伊東政府委員 今年の三月ごろ、さらに司令部からも、財政が許すなら国で引受けるという案も含めて、至急に処分の案を立てろというお話はございました。ただいま御質問通りのことではなかつたのですが、財政が許すならそういう案も含めて考えてみよ、こういうことがございました。但しボイラーという人ではなかつたように記憶しております。
  9. 池田峯雄

    池田(峯)委員 ところがそういうふうに内定したというのではなくして、そういう案が練られた。ところが民自党が政権をとつてから急にその後方針がかわつて来て、今度は何でもかんでも競売にしてしまえ、新しく入居させる者には、立ちのけと言われたらいつでも立ちのくというような証文を入れなければ入れない、そういう誓約書を書かせるというようなきつい方法なつて来た。だから、初めはそういうのではなくて、建設省が一手に引受けてやろうというような案の方に大分傾いていたものが、それが本年の初めのころから急にひつくり返りまして、今度は何でもかんでも全部競売だ、そうして立ちのけと言われたらいつでも立ちのく、毛頭苦情を申すまじくという一札を入れなければ入れないというほどに、厳重になつて来た、こういうふうに開いているのですが、この点はどうですか。
  10. 伊東五郎

    伊東政府委員 これはいろいろ案を立てて行きます間のいろいろな経過があつたのですが、建設省住宅政策の面から見ますと、国が引受けてやるというのが最もいいわけでありますが、これは財政との関係もありまして、建設省希望通りに行くかどうか、必ずしもわからないわけでして、結局先ほど申し上げました通り建設省としましては、次善の案でやるということにおちついて来たわけです。ただ現在におきましても、競売にしてそういう強制的な立ちのきというような方法処分することは、住宅政策上からは困るということで、最近においても別に、ただいまお話のようなことに決定されたわけではございません。     〔内海委員長代理退席委員長着席
  11. 池田峯雄

    池田(峯)委員 ところがここに写真もあるのでございますが、この写真は去年の末ごろとつた写真であります。いずれも天井は落ち、壁はくずれ落ち、家の中でからかさをさしていなければ住めないというような、きわめて悲惨な現状住宅営団写真でありますが、閉鎖中だから修理する必要はないと言つて全然修理しなかつた。そうして結局入居者は、営団の方で修理してくれないからというので、自分で金を出して修理した。こういう現状であつたというのですが、これはいかがでございますか。これは真実ですか。
  12. 伊東五郎

    伊東政府委員 ただいまの非常にこわれている、雨漏りがするということに対して、修理を怠つておるという関係、これはいろいろいきさつがありますが、閉鎖機関の方から御説明を申し上げます。
  13. 小林正一郎

    小林説明員 速記をとめていただきたいのですが……。
  14. 淺利三朗

    淺利委員長 速記をとめて。     〔速記中止
  15. 淺利三朗

    淺利委員長 速記を始めて。
  16. 池田峯雄

    池田(峯)委員 金がないから修理できなかつたと言いますけれども、この比較出益計算書を見ますと、利子収入だけでも千六十万ばかりあるので、大分お金持ちのようです。それから営団事務員人たち整理委員会人たちがもらつている給料旅費、また委員会経費、こういうものも実に莫大な数に上つております。この給料が二十四年八月二十五日までで、二億三千六百五十二万円というような莫大な給料です。それから旅費も二千五百七十三万円です。一体閉鎖後これほど莫大な給料、莫大な旅費がどうして必要なんですか。二千五百万円の旅費を何人で一体旅行するのです。こういう莫大な旅費給料をとつておいて、一方の家屋立ちくされのままにして置くというようなことをやつておるから、莫大な赤字が出て来るのではないか。そういう赤字をだれが補填するのですか。それはあとでお聞きするとして、そういう営団というものの経理が一体金がない、損していると言いますけれども、こういうところで莫大な支出が出ているという、その理由をお聞かせ願いたいと思うのであります。
  17. 俵惠一郎

    俵説明員 私から御説明することはどうかと思いますが、清算費が非常にかさんでおる。そのために人件費等がよけい使われるという御質問でございますが、住宅営団閉鎖のときに約五千人おりまして、それが現在三百四十二人に順次人を減らして参つたのであります。ただ六万三千戸の賃貸住宅処分いたしますのに、はたして現在の人間の減りぐあいが少なかつたかどうかというところに参ると思うのでございますが、事務を担当しております者といたしましては、六万三千戸の住宅と申しますと、大体十坪平均でございますから、六十四、五万坪の建物であり、それに要しまする敷地は二百万坪ぐらいになると思います。これは一括公共団体への引受けが困難でございますので、個人対象にこれを売ります場合に、住宅営団住宅はご承知のように、初めの住宅営団乏して建てましたときには、売る対象として建てておりませんでしたので、長屋建も大分ございますし、それを個人々々に切り売りをいたしますには、これが実際、分割等には非常な手数がかかるのでございまして、一口に六万三千戸の住宅処分するのに、現在までの人員の減りぐあいでは少いという御意見だと拜聽したのでございますが、私ども事務をやつておる者といたしましては、人の面における冗費はそれほどかかつていないのではないか。むしろ現在の人員をもつて今のことをいたしますのは、精一ぱいである。しかも実は六万二千戸の住宅のほかに、分讓住宅閉鎖のときに約三万戸持つておりまして、これらの金の取立て、また金の済みました者の所有権移転登記簿を手がげております住宅は、十万戸を越しておりますので、これをそれぞれ清算事務の線に沿つて処理して行きますのは、相当な仕事であるということを御了解願いたいと思います。なおその他の費用が非常にかかりましたのは、やはり住宅を持つておりますと、家屋税が最近非常に増徴となつておりますし、また火災保険料その他も支出しておりますので、住宅処分に、これを大蔵省国有財産拂下げ等によりまして、信託会社その他に委託いたしますれば、別な方法があつたかと思いますけれども、清算事務そのもので、これを処理いたしますことは、相当困難が伴つた。また現在非常に困難であるということをひとつ御了解を瞬いたいと思います。
  18. 池田峯雄

    池田(峯)委員 御理解願いたいと申しましても、あなたの御説明だけではなかなか納得が行かないのであります。こういうふうに印刷物が来ておりますけれども、この印刷物を何べんひつくり返して見ましても、大福帳を見ているようなものでして、とても内要がわかるものではないのですが、二、三お聞きいたしますと、この比較損益計算書の中で二十二年四月一日までの通信費はゼロで、二十四年八月二十五日までの通信費が三百七十万円になつている。広告料も二十二年四月一日までの分はゼロで、その後の分が三百五十七万円になつている。図書費収入印紙修理費運搬費というようなものも四月一日までがゼロで八月二十五日までの分が相当計上されている。こういつたようなのはどういうわけですか。それから資材損益勘定不動産損益勘定機械器具損益勘定、こういつたようなものも二十二年四月一日までの分は出ておりませんで、それ以後の分が莫大に出ている。これを見ますと比較計算書にならないと思うのですが、どういうわけですか。
  19. 俵惠一郎

    俵説明員 この比較損益計算書で二十二年四月一日を基本にいたしましたのは、閉鎖まで三箇月間がゼロになつていると見越したのでございますが、この前も御説明申し上げましたように、閉鎖の二十一年十二月二十三日からあくる年の三月三十一日までは指定業務をいたしておりまして、引続き仕掛住宅をいたしておりますので、この間は従来の営団が存続しておつたと同じように扱つてバランスシートを立てておりますので、ここに出ておりますのは完全閉鎖になりました四月一日を基本にいたしまして、給料その他のものは四月一日から三箇月間を計上してございます。その他は仕掛住宅をいたしておりました関係上、そちらへ原価で入つているために落ちているものでございます。
  20. 池田峯雄

    池田(峯)委員 それじやこれは資料になりませんな。
  21. 俵惠一郎

    俵説明員 それは三箇月間のものでございます。
  22. 池田峯雄

    池田(峯)委員 片つ方は三箇月で片つ方は二年間のものでございますから、比較にはならぬわけです。
  23. 俵惠一郎

    俵説明員 さようでございます。
  24. 池田峯雄

    池田(峯)委員 そういう資料は私たちは困るのです。もう少しわかるような、比較になるような資料を出していただかないと、委員会で審議をするにしても何の役にも立たないと思います。  これについてもう少し御質問したいと思うのですが、この国庫補助金収入閉鎖後もあつたわけですね。それから先ほど質問いたしましたが、分譲住宅収入とか利子収入とか——特に利子収入があるからには元金があるわけですが、元金は幾らあつて、どこへ預けて置いたのですか。
  25. 溝口敏麿

    溝口説明員 ただいま利子収入についての御質問でございますが、昭和二十二年四月一日のところにあります利子は、指定業務をやつております期間は、従来の閉鎖以前と同じような銀行預金がしてございまして、その預金利子がおもなものでございます。二十四年八月二十五日分の大分ふえて参つておりますのは、住宅営団の持つております金、これは日本銀行預けなつております。これをただ寝かしておきますれば無利息でございますので、食糧証券を買いましてこれに投資しております。その利息でございます。
  26. 池田峯雄

    池田(峯)委員 先ほどから申しておりますように、これだけの資料では不十分でありますから、この比較損益計算書につけ加えまして、閉鎖のときの各項目別の数字を出していただきたい。  もう一つは、住宅営団が各金融機関からそれぞれ融資を受けておりますが、当初どれだけ融資を受けて、それをどういうふうに返済したか。その明細簿をひとつ出していただきたい。一方においては住宅の方は修理しないでおいて、金融機関にだけこれを返済してあるのか。金融機関にも返済しないで住宅の方も直さないでおいたならば、一体その金はどうなつているのか。こういう金融機関から借りました金と、それの返済の実情を資料として御提出願いたいと思うのであります。
  27. 俵惠一郎

    俵説明員 比較損益計算書という簡單の方をごらん願つていると思うのでございますが、差上げましたもう一つの大きい方のバランスシートには、閉鎖昭和二十一年十二月二十三日の分と、それから先ほど申し上げました完全閉鎖になりました二十二年四月一日の帳じり、その二つの増減と、今年の八月二十三日の比較が出ておりますので、実はそれの方を比較対象として出し、片方の小さいのは完全閉鎖になりましたときの勘定簿帳じりと今年の八月二十五日を比較して出したのでございます。  それから先ほどの国庫補助收入の件でございますが、これは閉鎖になりました二十一年度に約一万戸完成していると思いますが、補助住宅をいたしておりましたので、二分の一の補助金政府からいただきました。それが閉鎖前に収入いたした分は帳簿に入つておりますが、五千九百万円は二十一年度の分を十二月二十三日の閉鎖後に入れましたので、これが載つておるわけでございます。  それから住宅営団金融機関への返済でございますが、御質問の御趣旨は閉鎖後の返済でございましようか、それとも住宅営団当時のものでございましようか。
  28. 池田峯雄

    池田(峯)委員 初めから願います。
  29. 俵惠一郎

    俵説明員 それでは御説明申し上げます。それは住宅営団事業年度別貸借対照表並びに損益計算書がお手元に行つているはずでございます。
  30. 池田峯雄

    池田(峯)委員 そういうものを言つているのではない。もつと詳しく、たとえば共同融資団というのがあつて住宅営団に対しては復興金融金庫勧業銀行、三和銀行帝国銀行、富士銀行大阪銀行日比谷支店、第一銀行東海銀行東京支店あるいは北海道拓殖銀行というような銀行共同融資団なつているわけです。これが初めからどれだけの融資をして、どれだけの返済をされているかということを資料として出してもらいたい。
  31. 俵惠一郎

    俵説明員 そういたしますと十六年度から二十一年度までの決算書全部を御提出するわけでございますが。
  32. 池田峯雄

    池田(峯)委員 融資返済だけ聞けばいい。
  33. 俵惠一郎

    俵説明員 それはちよつと申し上げますが、各事業年度について申し上げますと、大体十六年度には政府出資が一億五千万円ございまして、十七年度には二千万円、十八年度も二千万円、十九年度も二千万円、その政府出資とそれから住宅債券の発行とがございまして、そのほかに短期借入金をいたして毎年度事業をやつておりました。その住宅債券引受けは大体初年度におきましては預金全部またはその当時の簡易保險局貯金保險局等のお引受けを願つておりましたが、一部融資団が結成されまして、途中で住宅債券引受けを願つております。それから融資団による短期借入れもございますから、資料として融資団に関するものと、住宅債券年度別引受けと、短期借入金融資団の分とをお出しいたします。預金部とか貯金部とかの関係はよろしゆうございますか。民間融資団だけでよろしゆうございますか。
  34. 池田峯雄

    池田(峯)委員 できればそれも願いましよう。それでは大蔵省の方はその貸料が出てから御質問したいと思います。  次は建設省の方に伺います。大体住宅に人為的に荒廃させられているわけです。この前質問も出たと思いますが、東京都は一億円で契約を結んで、復興建設株式会社に代行させて今強硬な売却処分で臨んでいる。この会社の相談役の山下太郎という人は、二十一年から二十二年にかけて営団仕掛住宅資材等権利譲渡に暗躍してもうけた、といえば「真相」の稱になるのですけれども、もうからないで結局失敗したという経験の持主でありますが、今度はこの人にもうけさせるのだろうといううわさも巷間にあるというのであります。こういう営利的な復興建設株式会社というようなものに住宅処分を請負わせるやり方は、はたして建設省住宅方針に矛盾しないのであるかどうか、この点をお聞きしたいと思います。この間建設省に参りましたときに、復興建設株式会社が一億円で残余の住宅の一切を引受けたのでありますが、この一億円で引受け住宅の中には、ちつと改造すれば一軒で一億円くらいの値打の出るものもあるということを私聞いて来たのでありまして、住宅として使わないならばそういうこともありましようというふうに伺つております。そういうことになりますと復興建設株式会社はどうするか。これは住宅にしようと何にしようとかまわないのでありますから、当然住人を追い出されて何かに改築して高く売りつけるというようなことを考えるきまつておるのであります。今まで住んでいた人たちは当然追い出されて来る。だから建設省がこういう残酷な結果を招くであろうこの措置を平然ととつているということは、まつたくわれわれとして不可解である。当然これは弾劾しなければならない問題であるとわれわれは考えるのでありますが、建設省としてはこの問題の成行き、真相、それからこの復興建設株式会社によつて当然押売り、競売立ちのきを強制される、この住民の問題をいかにして解決するか。こういう方策について詳細に承りたいと思いす。
  35. 伊東五郎

    伊東政府委員 お答えいたします。この売れ残りの住宅がまだ相当ございます。そのうちで東京都の分が大部分を占めておりますので、二十六年三月末までにこの処分を完了するというためには、東京都の分をどうするかということで——ほかの府県の分もありますが、これは東京都が解決すれば、まずその筆法で割合楽に行けるのじやないか、こういうふうに考えますので、東京都のものをまずいろいろと進めて来たわけであります。それでこれは東京都へ一括分譲したいということで、東京都といろいろ折衝いたしましたが、この起債の問題などでつかえておりましたが、起債の問題も解決しまして、一億円で東京都に一括分譲する、こういうことにきまつたわけでございます。東京都へ処分いたします具体的な処分の仕方につきましては、これは閉鎖機関整理の問題でございますから、大蔵省閉鎖機関整理委員会と都との間の話合いで決定される問題なのでありますが、建設省としましてもお話通り住宅政策立場からこれに深い関係を持つておるわけであります。東京都が引受けるについては、東京都の職員の関係とか、いろいろ東京都に都合がありまして、引受けて、さらにこれをむしろ專門と言いますか、民間の会社にこの具体的な事務をまかせてやろうということを、東京都では考えておつたわけでございます。建設省にも、そういう方法でやりたいがどうかという申入れがあつたわけでございます。私どもの立場としましては、住宅政策の面から、そういう方法をとらざるを得ないということになりましたならば、この会社住宅政策の面から十分東京都が責任をもつて監督してもらわなければならぬ、それから清算は一日も早く促進してもらわなければならぬ、また共同融資団との関係におきましても、会社の介入について適当な会社を推薦する、共同融資団の推薦による、こういう諸点をあげまして、東京都に対して、そういう方法ならばよろしかろう、こういうふうな方針をとつております。これはまだ東京都と会社の問題は決定までには至つておりませんが、大体そういう方針東京都直接でなく、会社に直接の事務を扱わせるということもやむを得ないじやないか、十分住宅政策の面から監督しつつ、そういうふうに行くこともやむを得ないじやないか、こういうふうに考えておるわけであります。繰返して申しますが、その場合におきましても、住宅政策の面から現居住者に対して、急激な不安と動揺を與えるようなことは一切認めないつもりでございまして、東京都を通じてその御心配の点は十分監督するつもりであります。
  36. 池田峯雄

    池田(峯)委員 その最初東京都へ引受けさせるという折衝は、官庁はどこの官庁でやつたのですか。建設省ですか、大蔵省ですか。
  37. 伊東五郎

    伊東政府委員 この閉鎖機関の問題は大蔵大臣の所管でありますので、大蔵省が主としてやられたわけでありますが、われわれの方としましても十分相談にも乗つております。意見も出しております。
  38. 池田峯雄

    池田(峯)委員 その相談に乗り、意見も出しましたときに、あなたたちとしては、この復興建設株式会社というようなものが、東京都の代行をやるということは、全然知らなかつたというのですか、知つておりましたか。
  39. 伊東五郎

    伊東政府委員 知つておりました。
  40. 池田峯雄

    池田(峯)委員 知つてつて、当然この会社が利益追求を主眼として、そうして押し売りや、競売や、立ちのきを強硬にやるであろうということを予想しておりましたか。
  41. 伊東五郎

    伊東政府委員 これは先ほどの答弁でも明らかと思いますが、そういう押し売り、強制立ちのきということは、嚴重に取締るつもりでおります。
  42. 池田峯雄

    池田(峯)委員 つもりでいるのはけつこうですが、現にそれがやられている。これは全日本借家人組合の方からも、現に今やられているということが、るる私の方へ報告が来ているのでありまして、こういう問題についてどういうふうにしたならば、今まで住んでいる人たちに不便をかけず、犠牲をかけないでいいかということを、十分討論した上で、そういう折衝に当られたかどうかというのです。それは東京都にただそういうことのないようにということしか考えていなかつたのですか。
  43. 伊東五郎

    伊東政府委員 これは繰返して申すようでありますが、会社東京都との契約はまだできておりませんので、そういう押し売り、強制立ちのきということはやり得るはずがないのでございます。何かの間違いじやないかと思います。これから大体そういう会社にやらせるという方針は認めるつもりでございますから、将来そういう問題が起きるような懸念がありましたならば、これは嚴重に監督して参りたいと思います。それから何か一つの家に対して一億ぐらいの金が出るというお話がありましたが、それは入つている人を強制立ちのきを命じて、からにして、何かいいものに使うということになれば、あるいは一億かどうか知りませんが、相当の価格になるかもしれません。しかしそういうことを認めるという前提にないのでございまして、人が入つている家を、そういう一億円に評価するということは実際上できないわけでございまして、それはあり得ないことと思つております。
  44. 池田峯雄

    池田(峯)委員 あり得ないと言いますけれども、一方は先ほど私が写真を見せましたように、壁はくずれ、天井は落ちておりまして、これは金に換算したつてだれも買い人がない家ですよ。そういうものをだれが好んだ買いとる者がありますか。東京都が買受けて、そんな立ちぐされの、たきぎやまきにしかならないような二束三文の家を、これを換算して一億円になるはずがない。それならば東京都ではまるまる損をしますよ。ですから一億という金を生むためには、必ずそういうことをやらなければ一億という金は生まない。そういう実情をあなた方はそうじやないと言われるならば、一億になるという資料があるなら出していただきたい。われわれ現地を見て来た実情に、なるほどこの家を買つては損だ。これはただもらつても損だ。ただで買つたつて、一万円ぐらいの修繕費をかけなければ自分の家にならない。もらつたつて損ですよ。これは五千円ぐらいの金つきでもらわなければとても住めないという家なんです。全部が全部というわけではありませんが、そういうのがあるのです。それをひつくるめて一億で買つているわけです。だとするならば、その一億という金を生み出すためには、当然一方において、そういう目ぼしい建物についてこれを高く売りつけるということを考えないばかは、世の中にはありませんよ。しかもこれは東京都がやるのではなくて、株式会社がやるのです。株式会社は営利会社ですよ。だれが何と言つたつて株式会社は営利会社です。公共団体ではありません。従つてこの営利会社がすることは、これはどんな惡辣なことをやるか、私は今から十分予想することができる。しかもこの会社の相談役である山下太郎という人は、すでに営団仕掛住宅資材権利譲渡で、相当今までに辣腕を振つた人だというくらいですから、やりかねない。そういう問題について住宅局が非常にあいまいな態度をとつていることは、私はけしからぬと思う。特にこの間建設省に行きまして、建設事務官の小西さんという人に会つていろいろ聞いたのですが、盛んに小西さんが弁解しおる。一億円、あれは決してもうけにはなりませんということを盛んに弁護しておる。こういうことで建設省というものが、ちやんとそういうものを先の先まで見通した上で折衝に乗つているのじやないかという気がする。つまりはつきり言えば、復興建設株式会社にもうけさせるために、何らかのあれがあるのじやないかというようなわれわれは疑惑の念すら持たざるを得ない。この点については水かけ論になるから、住宅局長の今までの私の言つたことに対する御意見を一応聞きまして、あとでまた御質問いたしますが、この点はこれで打切ります。それで東京都へ譲渡したこの一億円の金は、一体どこへ行くのかということを大蔵省の方へ聞きたい。
  45. 神代護忠

    ○神代説明員 ただいまのお話の売却代金の一億円はどうなるか。これは閉鎖機関整理委員会の方に入りまして、先ほどちよつと説明がありました日本銀行の勘定に入りまして、これをその後の債務弁済に充当することになります。
  46. 池田峯雄

    池田(峯)委員 金融機関に入るわけですね。
  47. 神代護忠

    ○神代説明員 一般市中金融機関には入りません。全部日本銀行の中に入ります。
  48. 池田峯雄

    池田(峯)委員 はつきり言つてください。
  49. 神代護忠

    ○神代説明員 拂う相手方は、みな住宅営団に対する債権者に拂つております。その順序は公租公課、担保付債権、従業員の債権、それから一般の債権というふうに拂つております。
  50. 池田峯雄

    池田(峯)委員 そうすると、この一億円という金は結局債権者に行く、その債権者の中で一番大きな債権者というのはたれですか。銀行じやないですか。
  51. 神代護忠

    ○神代説明員 一番大きいのは預金部でございます。
  52. 池田峯雄

    池田(峯)委員 預金部というのは順位は下でしよう。
  53. 神代護忠

    ○神代説明員 他の金融機関と同一順位です。
  54. 池田峯雄

    池田(峯)委員 この次の委員会までにその一億の金を優先的にどこへ支拂うかということを、先ほどの私の資料要求と一緒に御提出願いたいと思います。大体私の質問はきようはこれで終ります。
  55. 神代護忠

    ○神代説明員 今の御質問にもう一ぺんお答えいたしますが、この一億円を別にどこかにとつておいて、それを特にまた別に拂うといつたようなものじやなく、閉鎖機関令に従いまして、債務支拂いの順については省令がございます。この債務弁済の省令に従つて順々に拂つて行く。ですからこの金を特にたれかに優先的に拂うということは法律の建前上できないわけであります。
  56. 内海安吉

    内海委員 ちようど本日は松平参議院議長の告別式が三時までで終るようであります。われわれはこの程度で質問を中止いたしまして、告別式に参列するために散会を希望するものであります。
  57. 淺利三朗

    ○淺利委員 ただいまの内海君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 淺利三朗

    淺利委員長 それでは本日はこれをもつて散会いたします。     午後二時四十五分散会