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池田(峯)
委員 あり得ないと言いますけれども、一方は先ほど私が
写真を見せましたように、壁はくずれ、天井は落ちておりまして、これは金に換算した
つてだれも買い人がない家ですよ。そういうものをだれが好んだ買いとる者がありますか。
東京都が買受けて、そんな
立ちぐされの、たきぎやまきにしかならないような二束三文の家を、これを換算して一億円になるはずがない。それならば
東京都ではまるまる損をしますよ。ですから一億という金を生むためには、必ずそういうことをやらなければ一億という金は生まない。そういう実情をあなた方はそうじやないと言われるならば、一億になるという
資料があるなら出していただきたい。われわれ現地を見て来た実情に、なるほどこの家を買
つては損だ。これはただもら
つても損だ。ただで買
つたつて、一万円ぐらいの修繕費をかけなければ自分の家にならない。もら
つたつて損ですよ。これは五千円ぐらいの金つきでもらわなければとても住めないという家なんです。全部が全部というわけではありませんが、そういうのがあるのです。それをひつくるめて一億で買
つているわけです。だとするならば、その一億という金を生み出すためには、当然一方において、そういう目ぼしい建物についてこれを高く売りつけるということを考えないばかは、世の中にはありませんよ。しかもこれは
東京都がやるのではなくて、株式
会社がやるのです。株式
会社は営利
会社ですよ。だれが何と言
つたつて株式
会社は営利
会社です。公共団体ではありません。従
つてこの営利
会社がすることは、これはどんな惡辣なことをやるか、私は今から十分予想することができる。しかもこの
会社の相談役である
山下太郎という人は、すでに
営団の
仕掛住宅や
資材の
権利譲渡で、相当今までに辣腕を振
つた人だというくらいですから、やりかねない。そういう問題について
住宅局が非常にあいまいな態度をと
つていることは、私はけしからぬと思う。特にこの間
建設省に行きまして、
建設事務官の小西さんという人に会
つていろいろ聞いたのですが、盛んに小西さんが弁解しおる。一億円、あれは決してもうけにはなりませんということを盛んに弁護しておる。こういうことで
建設省というものが、ちやんとそういうものを先の先まで見通した上で折衝に乗
つているのじやないかという気がする。つまりはつきり言えば、
復興建設株式会社にもうけさせるために、何らかのあれがあるのじやないかというようなわれわれは疑惑の念すら持たざるを得ない。この点については水かけ論になるから、
住宅局長の今までの私の言
つたことに対する御意見を一応聞きまして、あとでまた御
質問いたしますが、この点はこれで打切ります。それで
東京都へ譲渡したこの一億円の金は、一体どこへ行くのかということを
大蔵省の方へ聞きたい。