○石井
政府委員 まず
一般会計から申し上げます。運輸省において
取扱いました
一般会計
歳入に関しまして、
検査報告書の百五十六ページにあります二百四十一の特殊物件の処分に関しまして
措置当を得ないもの、というのでありますが、これにつきましては
説明書にも述べてありますが、特殊物件売拂代金の未納額中、徴收決定に至りません部分は、日本鉄道車両工業協会その他に拂い下げた分でありますが、これに対しましては二十二年十月大阪
地方検察庁から契約締結の一時中止の申入れがありました。その後二十三年十二月同庁から事務進行の通知を受けましたので、二十四年四月中に契約を完結いたしまして目下これが代金の收納に努力しております。なお二十三
年度へ繰越しました調定済收納未済額及び二十三
年度の新規調定済額の二十三年十二月末現在における收納済額及び收納未済額につきましては、
説明書百六ページから百七べージに記載してございまするが、その後の概況を二十三
年度分の方から申し上げますると、特殊物件の売拂代金の二十三
年度、二十四年三月末におきますところの調定済額でございまするが、これは二億八千八百五十万六千余円に、なお同年三月におきますところの追加調定額一億三千五百七十五万八千余円と、二十四年の四月に調定をいたしました二十三
年度分の百二十八万七千円を加えますると、二十三
年度の調定済の総額は四億二千五百五十五万一千円となるのでございます。これに対しまして同
年度中に收入済みいたしました額は四億一千九百二十一万余円でございまして、調定済收納の額で收入未済額は六百三十四万一千円余と相なるのでございます。二十四
年度の分につきまして申し上げますると、二十三
年度から繰越しの調定済の收入の未済額がこれがただいまの六百三十四万一千円余でございますが、二十四
年度の四月には調定額がございませんで、五月分の調定額は五千四百四十七万四千円余でございまするが、これを加えますると調定済額は六千八十一万六千円余となるのでございます。これに対しまして五月分の收入済額は一千五百五十九万三千円余でございます。従いまして未済額は四千五百二十二万三千円余となるのでございます。右のほか二十四年五月末現在でまだ調定ができておりませんものが約一億二千六百八十二万九千円ほどあると見込まれておるのでございます。
以上を取まとめて申し上げますると、結局特殊物件の收入として国鉄から運輸省
一般会計への納入見込額は二十四年五月末現在で收入済額が五億四百四十三万一千余円、調定済の收入の未済額といたしましては四千五百二十二万三千円、また調定が済んでいない未收入額といたしまして一億二千六百八十二万九千円ございます。従
つてこれらを全部総計いたしました総收入見込額は六億七千六百四十八万四千余円となる次第でございます。次になおこの件の責任者に対しましてはそれぞれ
嚴重に注意を與えました。
次は
検査報告書百五十九頁にあります三百四十六の国有物件中の特殊物件の処分に関し
措置当を得ないものというのであります。その要旨は、大阪鉄道局高砂工機部で、旧軍から引取
つた廃油を正規の受入れ
手続をしないで、同部の
事業用品と交換し、あるいは一労働組合資金に供するため、組合に無償で讓渡し、または職員に
物資を配給するため売却したものがあるというのでありますが、これにつきましては、
検査報告の通りで、まことに遺憾でありまして将来この種事故の根絶に一層努力いたします。当時の
関係者のうち、山本某ほか二名に対しましては、
昭和二十三年二月及び三月にそれぞれ休職を命じました。これらの者に対しましては、二十三年四月十六日神戸
地方裁判所姫路支部で背任及び收賄により各々判決があり、現在控訴中でありますが、今回の
行政整理で全部退職いたしました。なお当時の工機部長に対しましては減給処分に付しました。
次に国有鉄道
事業特別会計の
歳入について申し上げます。
検査報告の百六十頁にあります三百四十七の診療料金の低廉に失したものというのであります。これにつきましては
検査報告の通り二十三年九月以降、特殊薬を除いて十五倍程度の値下げを実施いたしましたが、二十四年六月十日以降さらに四倍程度の値上げをいたしました。なお将来も情勢の変化に伴
つて料金の改訂につきまして留意いたします。
次は同じく
検査報告の百六十頁にあります三百四十八の立木の伐採にあたり過拂いをなし、その返納に至らないもの、というのでありますが、これにつきましては
検査報告の通りで、まことに遺憾でありまして、将来このような事故の根絶に一層努力いたします。立木の
不足につきましては、石坂某の分三千四百五十石に対する代価十八万六千余円のうち、十万円は二十三年三月三十日までに、八万六千円は二十四年四月七日返還済みであります。竹内某の分、四千五百石に対する代価三十二万五千円につきましても、すみやかに返還するよう再三督促いたしましたが、これに応じないため訴訟
手続をと
つたのでありましたが、その後竹内某の資産状態をを調査しましたところ、これというべき不動産もないので、一万円程度ずつ分納させることにいたしました。また、中野林業に対し過拂いとなりました二十九万一千余円は二十四年三月十六日に返納させました。なお責任者に対しましては、それぞれ処分を行いました。
次に
歳出について申し上げます。
検査報告の百六十一頁にあります。三百四十九の会計経理がはなはだしく不良なものというのであります。その要旨は東京鉄道局電気部川崎派出所で発電設備復旧
工事材料の構内運搬費として、
昭和二十二年四月から二十三年八月までの間に三百六十万四千余円を支拂
つたものがあるが、二十二
年度分については、その運搬した事実を確認する資料がなく、また二十三
年度分の四月から八月までの運搬費は実トン数よりも過大の支拂いをしている。なお同派出所で前金拂いをした
工事に対し、二十三年三月末にこれを打切るにあた
つて、実際の出来高によらず、前拂金相当額が完成したものとして、精算したものがあるというのでありますが、これにつきましては、運搬料金の算定にあたりましては、運搬数量を基礎としなければなりませんでしたが、運搬する人夫に重点を置きまして、人夫の出面数を基礎としたのであります。また、二十三年四月から八月までの着荷トン数に前
年度の在庫高を加算した実トン数より運搬トン数が過大となりましたのは、本
工事が急施を要したことと、倉庫
施設の狭隘等のために、同一物品を数回移動させなければならなか
つたためであります。なお、この
実情は二十二
年度においては同様でありましたが、これを立証する書類が不備であつにことは遺憾でありまして、将来十分注意いたします。
なお、二十三年三月に
工事の打切りの際、前金拂いの残額を精算しなか
つたことは、まことに遺憾でありますが、残高に対する分は六月末までに完成いたしました。なお、責任者に対しましては、それぞれ相当処分を行いました。
次は
検査報告書の百六十三頁にあります三百五十の亡失した官金を臨時出札手当で補填したもの、というのであります。これにつきましては、本
取扱いは戰時中の臨時
措置で
終戰後の
実情に沿わないので、改正について大蔵省と協議中のところ、二十三年十月政令第三二三号
政府職員の特殊勤務手当に関する政令によりまして、出札勤務手当を取扱收入額の万分の七に増額されましたので、
本件の取扱は二十三年十二月限り廃止されました。
次に同じく報告書百十三頁の三百五十一の
予算の使用当を得ないものについて申し上げます。これは
検査報告の通りであります。これは戰災のため東京鉄道局管内の職員集会所が七箇所も燒失しましたので、これが緊急設置の要がありましたが、二十二
年度には、このような
施設を買收する
予算がありませんでしたので、やむを得ず乙号宿所として建設改良費で支弁したのであります。今後かようなことのないよう責任者に対しましては、それぞれ注意を與えました。
次は
検査報告の百六十四ページにあります三百五十二の不用の物品を多量に購入したものというのでありまして、これは二件あります。第一のものの要旨は、大阪鉄道局で自動車修繕用部分品約六百七十品目を代価八百六十三万余円をも
つて二百数十口に分割して即金拂いで一括購入したが、そのほとんど全部を長期にわた
つて退蔵した上、半ば以上を不用品に組みかえ、他に売却している
実情に照らして、一括購入したこと及びその後の
措置が当を得ないというのであります。御承知のような当時の事情で、物品獲得に焦躁のあまり、一括購入したのでありますが、その見込みが違いかような結果にな
つたのは、まことに遺憾であります。今後はこのようなことがないよう十分注意いたしますとともに、責任者に対しましては、それぞれ処分を行いました。
次に第二のものにつきましても
検査報告の通りで、電気用の物品を数十口に分割購入して、しかもあまり使
つてないということでございますが、このように物品の購入が妥当でなか
つたために、国有鉄道
事業特別会計で二十二
年度末に約九億三千八百万円の使用不適格品と跛行貯蔵品とを保有するに至
つているというのでありますが、物品の入手難というような事情から、不適当な処置をいたしましたことは申訳なく存じます。今後はこのようなことのないよう努力いたします。この九億三千八百万円の中には、一部特殊物件と特殊資材も含まれておりますが、これらについては、国鉄内に中央資材整理
審議会を設けまして、徹底的に整理をはかるとともに、逐次競争に附して売却しつつありますが、すでに七億九千万円は整理済みであり、残余の分も二十四
年度中には整理し得る見込みであります。
次に国有物件について申し上げます。
検査報告百六十五頁にあります三百五十三の物品の処分にあたり
措置当を得ないもの、というのでありまして、その要旨は、運輸省における死退蔵品を鉄道弘済会に一括売却しているが、売却にあたり相当高率の割引をしているが、このような必要はなか
つたものと認められる。また同会に対し、鉄道高架下の未使用地全部を貸しつけているが、同会はそのほとんど大部分をそのまま転貸している。また同会は二十二
年度中に約一億円に上る
利益をあげているのであるが、国はこれに対し助成金を百五十万円交付している状況であるというのであります。これにつきましては、当時
本件物品を鉄道弘済会に特命拂下げをいたしましたのは、その物件の対象が相当厖大な数量で、しかも多種多様にわたる死退蔵品であり、従
つてこれを短期間に整理いたしますためには、これを取まとめて一つの單位でも
つて売却しなければならないというようなことでございまして、もしこの整理その他によ
つて利益を得たときは、運輸省と協議の上、弘済会の
性質上、その
利益は国鉄に関連する公益的な使途に充当するという意味で弘済会に特命拂下げをしたわけであります。また値引率につきましては、前
年度の実績に鑑みまして、全部新品価格の五分引といたしました。しかしながその後売却の方法を変更しまして、競争に付し、値引をしないことといたしました。また同会に対する鉄道高架下の一括使用承認につきましては、御
指摘がございましたので、その後
方針を改め、省が直接使用承認を與えることにいたしました。なお、今後このようなことのないよう
関係者に対しまして、それぞれ、注意を與えました。
次に
検査報告の百六十六頁にあります三百五十四、貯蔵品の整理当を得ないもの、について申し上げます。これは
検査報告の通りでありまして、
本件の不符合のおもなる原因は、二十二
年度から新会計制度による事務
手続上の不なれの点及び貯蔵品の保管転換による未着、誤着等によるものであります。二十三度末におきましては、物品出納簿の
金額を基準としまして、元帳貯蔵品
金額と照合し、これによ
つて生ずる不符合を未整理項目として処理することといたしました。なお今後このようなことのないように
関係者に対しまして十分注意を與えた次第であります。
次に資金について申し上げます。
検査報告の百六十七ページにあります三百五十五、三百五十六の、貯蔵品購入の資金当を得ないもの、というのであります。その要旨は、運輸省で
昭和二十二
年度中に労務加配米の代金として一億八千七百九十四万五千余円を支拂
つている。このうち一億一千五百七十万一千余円は二十三年六月末においても、なお回收未済であ
つて、そのため著しく貯蔵品購入資金を固定させているというのであります。
本件は共済組合
物資部が配給
機関と給食
施設と両方持
つておりますので、同部にその
取扱いをさせていたのでありますが、
終戰後共済組合の資金が枯渇し、ま
つたく運営ができなくな
つたのであります。従
つて本特別会計
事業の運営を円滑に遂行するためこれを貯蔵品扱いとしたのであります。二十二
年度末の未回收額は二十三年七月までに回收済みでありまして、また二十三
年度末の未回收額は二十四年六月までに全部回收いたしました。労務加配米の拂下げ代金の回收につきましては、十分注意し、未回收額を最小限度にとどめるように努力いたさせるつもりでございます。
関係者につきましてもそれぞれ十分注意を與えた次第でございます。
次に三百五十六にございますように運輸省で
昭和二十一
年度から二十三
年度までの間に、鉄道
事業に直接必要のない物品を貯蔵品購入資金によ
つて調達したものがあるというのでありますが、これは三件あります。三件とも
検査報告の通りでありますが、これにつきましては
説明書百十九ページにあります通り、鉄道の経営に直接使用する
物資と必要度において大差ないものと認め、やむを得ず貯蔵品購入の資金の運用によ
つたものであります。なお、責任者に対しましては
嚴重に注意を與えました。
次に
検査報告の百六十八ページにあります三百五十七の受託調弁に関し
措置当を得ないものについてでありますが、
本件は
検査報告の通りであります。これにつきましては
説明書百二十ページ、省は、二十二年五月三十日までに、本契約代金の全額につきまして徴收
手続を完了しましたが、日本鉄道会は資金事情のため容易に省へ納付いたしませんので、やむを得ず鉄道会の保有する債権の信託的讓渡を受けまして、その取立金を省の債権に充当しようとしましたが、間もなく同会が閉鎖
機関とな
つたのであります。二十三
年度に入りましてから、一千三百四十四万五千余円が未納のまま閉鎖
機関に属するものとな
つたのでありまして、省は、鉄道会の保有する債権を担保付債権として優先弁済の申立をしておりますが、この清算事務は未だ完了するに至
つておりません。なお、責任者に対しましては、それぞれ
嚴重に注意を與えました。
次に
検査報告の百六十九ページにあります三百五十八の不当に買却差損を計上したものについて申上げます。
説明書百二十一ページ、
本件は
検査報告の通りでありまして、二十一年九月の内定單価で各人から徴收しておりましたが、その後
本件物資の価格が高騰し、二十二年四月いよいよ單価が確定したときには、相当の開差がありましたので、各人からのその差額を徴收すべきでありましたが、種々の事情でやむを得ず省外売却差損として処理いたしました。
次に
検査報告百六十九ページにあります三百五十九の
年度末保有金が符合しないものについて申し上げます。
本件は
検査報告の通りでありまして、
説明書百二十二ページ、
昭和二十二年四月から実施の発生主義に基く新会計制度に移る際に、新旧制度の相異による收支の
区分につきまして、
通牒を発して
決算整理に努めたのでありますが、新制度の主義原則適用方、会計
関係諸
法規の改廃及び実施等のため、事務上にも手違いを生じまして、旧
年度に属する調定のものを、新
年度において正規の調定を経ないで未收金として処理したため、旧制度下の未調定の分が、新
年度発生の未收金と混
つて收納されたため、
歳入歳出計算書上の保有金と貸借対照表上の保有金の不符合とな
つたのであります。本保有金の未調定の分に対しましては、二十三
年度に調定いたしました。なお、
関係者に対しましては、将来このようなことのないよう注意を與えました。
以上をもちまして二十二
年度決算概要の
説明を終りたいと思います。何とぞよろしく御
審議のほど御願い申し上げます。